今夜も彼氏を鳴かせたい!~そして俺は彼女に抱かれる~ 作:桃ノ木ネネコ
朝。
二人は全裸でベットで眠っていた。
ユキヤは昨日の出来事を思い出しては顔面蒼白となり、
ため息をつく。
(あんな事までされて、俺はどうしたら良いんだろう?)
ユキヤは布団の中で一人考えるが、何も思いつかない。
隣で寝ていたすみれが起き上がり、下着を付け始める。
その様子を何の気なしに見ていたユキヤだったが・・・
「・・・お前、勝負下着とかもってないの?」と声をかける。
「う~ん・・・そういうのは持ってないなぁ」
「ブラとパンツの色すらあってないのはどうかなって・・・」
「上下セットの下着って高いんだよ」
「まあ、確かにそうだが・・・」
もう少し自分の下着にも気を使ってほしいユキヤだった。
「特に今月はピンチなんで、色々切り詰めなきゃいけないし・・・」
「じゃあさ、俺が買ってやろうか?その方が経済的だし」
ユキヤが提案するも、
「まさかランジェリーショップに入るの?」
とくすくすと笑われてしまった。ユキヤは少し恥ずかしくなり、
「いらんこと言わなければ良かった」と思った。
「でも、ユキヤ君のプレゼントなら嬉しいかな。」
そう言ってすみれはユキヤに笑いかける。
「そっか・・・」
ユキヤは照れ隠しに頭を掻く。
そんなユキヤをすみれはぎゅっと抱きしめた。
「ありがとう!ユキヤ君大好きだよ!」
「お、おう・・・」
そしてすみれはちょいちょいとユキヤの乳首に何かを塗る。
「何塗ってるんだ?」「オ〇ナイン」「??」
「塗っておくと皮膚の新陳代謝が早まって、
何日かしたら新しい皮膚で敏感な乳首ができるって・・・」
「・・・そういうネットの都市伝説レベルの情報を俺で試そうとするのやめて!」
「まぁ普通に軟膏なんで、効果なくても身体へ害はないと思うけど」
「当たり前だろ!!」
****
昼休み。すみれはスマホを眺めていた・・・。
(うーん…どれも男が責めに回るのが前提で書かれていて、
参考にならないなぁ・・・)
なにやら勉強しているらしい。
(今は色々と手探りでやってるけど・・・ユキヤは気持ちいいのかな?
いつもちゃんとイってはくれてるけど・・・)
すみれはふぅむと考え込む。
(私だけが満足して終わってるんだったらそれは違うしなぁ・・・
やっぱり一緒に気持ちよくなりたいよね)
スマホを置いて、すみれは考え込んでしまう。
(プレイ中はパートナーを思いやって尊重するのが大事・・・かぁ)
すみれはユキヤの顔を思い出す。
(でも怒ったり泣いたりしてるのが可愛いからなぁ・・・)
ユキヤの泣き顔を思い出し、すみれは思わずニヤける。
「おい、すみれ。顔がキモいぞ」
突然声をかけられて、すみれはビクッとする。
「ふっふっふ、驚いたか」
そこには友人のひなのがいた。
「えっ!?」
すみれは慌てて表情を引き締める。
「さっきからずっと一人で百面相をしてるのを見てたよ。」
「ちょっと待って、声かけてよ」
「いや、なんか真剣そうな顔で考えてるみたいだから
邪魔しちゃ悪いと思ってね」
「そ、そう?」
「うん。それで何を悩んでたのさ?」
「・・・ユキヤが私と付き合ってて、気持ちよ・・・いや満足してるのかなって」
すみれは言い直したが、あまり意味はなかった。
「ああ、そういう事。それなら大丈夫だと思うわ」
「あの茶木くんがこれだけ長く付き合ってるんだよ?
お互い思いやれてるに決まってるじゃん」
「そうかな?」
「そうだって。もし不満があるようなら、とっくに終わってるよ」
「それもそっか……」
「ま、あんまり気にしなさんな」
「ありがと。ちょっと気が楽になったかも」
すみれが微笑み返す。
「へへ、どういたしまして」
****
同じころ、バイト先の休憩時間にユキヤはスマホを眺めていた。
(う、確かにどれも高い・・・)見ていたのは下着の通販サイトだった。
あんなこと言ってしまった手前、言いっぱなしもどうかと思い、
彼なりに調べていたのだ。
(直接店に行かなくても通販で買えるしな)
ユキヤはスマホを操作し、商品ページを見ていく・・・。
(ん?)
ある一点でユキヤの手の動きが止まる。
「あ、これ・・・いいかもしれない・・・」
ユキヤはポツリとつぶやくと、その下着の購入ボタンを押した。
「お疲れ様です。今日はこれで上がりますね」
バイトを終えたユキヤは、いつものように喫茶店でコーヒーを飲んでいる。
「おう、また明日な」「はい、失礼します」
マスターと挨拶を交わし、ユキヤは帰路につく。
帰り道、ユキヤは考える
(我ながらどうしてすみれとこんなに続いているのかが不思議だ・・・)
確かに夜の生活は激変してしまったが、だからと言って
離れようという気にはなれなかった。
(だからってマゾに目覚めたわけじゃない・・・!)
ユキヤは自分にそう言い聞かせていた。
でも自分を責めてるときののすみれの顔がとても魅力的だとも感じている。
そして、そんなすみれの事をユキヤはとても愛しく思っている。
ユキヤはアパートに帰宅すると、荷物を置いてパソコンの前に座る。
(なんか家に帰るのも久しぶりな気がする。)
これはここ何日かすみれの部屋で寝泊まりしていたせいである。
「ん?『ネット人生相談』?」
ブラウザのおすすめに出ているサイトが目についた。
「へぇ、結構いろんな悩みに対応してるんだなぁ」
ユキヤはそのサイトを開いてみる。
見てみると、いろいろな人間の大なり小なりの悩みが書かれている。
中でもユキヤの目を引いたのが
『恋人とのエッチがマンネリで別れそう』という文章だった。
「ほぉ、なるほどねぇ」ユキヤは呟く。
「俺らの方はこういう悩みとは無縁だよな」
ユキヤとすみれの関係は良好だし、お互いを思いやってもいる。
開いてみると
『自分は問題なく満足と感じていたが実は彼女が
マンネリと感じていた』とあった。
「・・・・・・。」
ちょっとユキヤの手が止まる。
(ま、まさか、すみれも同じこと思ってるんじゃないだろうな!?)
確かにいつも自分はされるがままで、
何もせず、すみれにイかせてもらっている・・・。
「いやいやいやいや、それは違う!」ユキヤは頭を振る。
「だっていつもあいつが俺に身動き取れないようにしてるじゃないか・・・」
それじゃあ、仕方ない・・・とは思うが・・・
「すみれはそんなことで俺に飽きたりしないはずだ!!」
しかし、心のどこかで不安はぬぐいきれない。
「大丈夫だ・・・きっと大丈夫!」
ユキヤは自分に言い聞かせる。
だが、一度湧き上がった疑念はなかなか消えてはくれなかった。
女性との別れはこれまで何度も経験している。
しかしそれは表層的な付き合いのものが殆どだった。
というか意図的に深追いは避けていた。
恋愛の駆け引きは面倒臭いと思っていたからだ。
それに、どうせ長く続かない関係なら
深く付き合う必要もないと考えていた。
「それがどうだ・・・」ユキヤはため息をつく。
すみれがいなくなると考えただけで、不安でたまらなくなる。
「こんな事は初めてだ・・・」
今までの自分の考えを覆すような出来事に、ユキヤは戸惑っていた。
そんな時、スマホが震えた。すみれからメッセージが来たようだ。
(すみれか?なんだろう?)
ユキヤはスマホを手に取る。
【おつかれさま~!今度いつ会えるかな?】
そのメッセージをみてユキヤは少しホッとする。
そうだ、自分がこんな気持ちになるのはすみれがいるからだ。
自分にはすみれが必要なのだ。
「よし、返信するか」
ユキヤはすみれへの返事を返した。
『次に会うのは・・・』
つづく