繋ぎ回なのでちょっと短いです
ーーー征服歴1501年4月 獣国砦地下ーーー
制圧の終わった地下牢の奥、この地下牢に囚われた
独房の扉の向こう側からは、血の海と化した地下牢とはかけ離れた
「あー…リガール大尉、どうしやす?」
「………」
「エリカお嬢様…?」
「………………」
無言で全身から『わたし不機嫌です』オーラを発するエリカに、バグラム軍曹とフィデック准尉が恐る恐る確認する。
ある程度エリカの美貌に慣れている二人ですら怖気が走るほど冷え切った目線を扉に向けたまま、エリカは忌々しそうに頷く。
「蹴破りなさい」
「へい!」
命令を受けたバグラム曹長が、丸太のような太い足で独房の扉を蹴破り、フィデック准尉が部下と共に突入する。
「アイネ殿下、お助け…に……?」
「はぁ……」
そして独房の
「ああぉカイトぉ、カイト様ぁぁ♡」
「クソ、クソがぁぁ、なんで、なんでなんでなんで…っ」
それなりに広さのある独房のベットの上で、裸の男女が
部屋の中は饐えて淫靡な臭いが充満している。
救出対象のアイネを組み敷き、その白く豊満な肢体を貪っているのはもう一人の救出対象であるカイト・ジャッカードだった。
二人の目には正気の光は無く、肉欲に支配された二人は扉が蹴破られた事すら気付かずひたすら原初的な欲求の発散に耽っている。
「り、リガール大尉…っ!?」
「お嬢様……っ!?」
想像の斜め上な展開にドン引きする部下達が、縋るようにエリカに視線を向け、エリカの能面の如き顔に悲鳴を上げそうになるほど怯える。
そしてエリカはツカツカとベットに歩み寄ると、猿のように腰を振る
「うごあぁぁ!?」
「ちょリガール大尉ぃ!?」
「お嬢様ぁ!!?」
突然の暴挙に
「痛っ…、なっエリカ!?」
「…………」
「は、ハハ、そうか…
「………………」
「ハハは、ようやく…ようやくお前のその身体をろげばはぁ!!?」
カイトの顔面にエリカの靴裏が叩き込まれ、形の良く高い鼻が潰れ前歯を砕かれ意識を刈り取られた。
「あー、リガール大尉。気持ちはよくわかりやすが…どうするんすか
「斬りますか?」
「フィデックの爺さんは黙っててくれ!?」
慌てふためく部下達の喧騒を無視して、エリカは無表情のまま小首を傾げる。
「酷い拷問に遭ったみたいね、かわいそうに」
「そ、そうっすね」
「でしたらもっと痛めつけても問題ないのでは?」
「フィデック爺さん!?」
「嫌よこれ以上靴汚すのは。鬱陶しいからさっさとその粗末なモノに下履かせて引き摺って行きなさい」
エリカは仰向けに倒れたカイトの裸体、その未だに天を突く様に勃ち上がる逸物へゴミを見るような一瞥を寄越す。
「……履かせるのは難そうっすな」
「こうすればいいじゃない」
「ちょっ!?」
「ぎゅえぇぇぇぁ!!?」
ボソッと呟いたバグラムの愚痴に応えて、エリカはバグラムの
締められたニワトリの断末魔の如き絶叫は全員が無視した(特に男性陣)。
これ以上エリカの機嫌を損ねるのは命に関わると判断したバグラム達はそそくさと泡を吹いて痙攣するカイトを回収し独房から放り出した。
「でもって問題はこっちね」
エリカはうんざりした顔で、彼女がこれほど不愉快な目に遭う元凶に視線を向ける。
「あはぁ、あぁ…カイトぉぉ♡♡」
「完全に壊れてるわね…野郎共には目に毒だからさっさと毛布に包んで縛り上げておいて。煩いから口枷もね」
部下の女性兵達にアイネの世話を任せ、一仕事終えたエリカは吐気を堪える様に顔を顰めながら独房を後にした。
「リガール大尉、獣国軍の方から軍使が来ましたぜぇ」
「ふぅん、
「ですなあ。ウォーカー少佐が交渉纏めたみたいですぜぇ」
「わかったわ、すぐに行く!」
上の階から走ってきたフェーデル軍曹の報告を聞いたエリカは、上機嫌に階段を登って行った。