お久しぶりです
ちょっと精神的なブラック企業から身体的なブラック企業に転職したり引っ越しだったりでバタバタしてたので更新が滞りました。
ちょっとずつリハビリしながら描いているので気長にお待ちください……
征服歴1498年6月、スペイサイド州の中央よりやや東方に位置していた州都アベラワーを陥落させた獣国軍は、想定以上の損害(案内役であった
一方で、主流派閥に属さない、口さがない言い方をすればあぶれ者達はスペイサイド州において開発が遅れ、大軍の利を活かすことも出来ず略奪の実入りも少ない北部の攻略を
そんな獣国軍の
獣国では数少ない良識派のゴーロン将軍は、獣国王とガッフェル将軍が推し進めた連合王国への侵攻計画に公然と反対し失脚した人物であった。だが、軍事指揮官としても統治者としてもガッフェル将軍より有能である彼の能力を惜しんだ獣国第二王子と同僚である八大将軍第7席ツイーガ将軍の手引きで、方面軍の指揮官に抜擢された。
中央と南方の二方面軍は、当初こそ優勢な兵力を活かして急速に占領地を拡大したが、占領地で略奪と圧政を繰り返した事による住民の反発と非協力、そして立て直した連合王国軍の反撃により進軍が急速に遅くなった。
対して北方方面軍は、ゴーロン将軍が麾下の兵士達に略奪を厳禁し、占領地で(獣国視点ではあるが)公正な統治を行った事から住民の反発は比較的少なく済んだ。また、皮肉な事に権門の後ろ盾のない身分の低い出自故に戦果を正当に評価されていなかった有能な人材達を抜擢した事で寄せ集めだった北方方面軍自体が、ガッフェル将軍の率いる主力軍よりも士気も規律も優越する精鋭軍団へと変貌した。
ゴーロン将軍が抜擢した指揮官の一人に、リオル・アオリアという名の三百人将がいた。開戦初期、百人将でありながら連合王国軍一個大隊の籠る砦を半日で攻略し獣国王より"灯星"の隊名を授けられた若き英雄であった。だが、出身が獣国西方の小領主の跡取りでしか無いにも関わらず華々しい戦果を挙げ続けた彼を総司令官であるガッフェル将軍や彼の取り巻きたちが疎んじ、功績を正当に評価されないまま北方方面軍に押し付けられたという経緯があった。
そんな灯星隊は現在、北方方面軍で千人隊へと拡大し、ゴーロン将軍直属として北方方面軍最強の千人隊として活躍していた。
つい半月前までは。
ーーー征服歴1498年12月 スペイサイド州北部エーギルン郡ーーー
エーギルン郡の攻略を担当する獣国軍、その中でも特に有力とされる精鋭千人隊"灯星隊"の野営地に、死体が並んでいる。
数は10体。全ての死体に布がかけられている。それは生者の不躾な視線で死者の眠りを妨げない為であると共に、
「アデン、カーナ、ギャスト、コーフル…」
並べられた死体の前で、灯星隊の隊長であり死体達の
「申し訳ありません、アオリア千人将。彼らの犠牲は、
「いや、許可を出したのは僕だ。気に病まないでくれローゴー」
レオスの後ろで、神経質そうな青年が悔しそうにその端正な顔を歪める。
"灯星隊"の軍師であり、幼い頃からの友にして学問の師でもあったローゴーを励ますように肩に手を置き、そして己に言い聞かせる様にレオスは言葉を続ける。
「
「はい。奴の、
その瞳に昏い復讐の炎を燃やしながら、ローゴーも頷いた。