漆黒の騎士王、新宿、ラブホテル…何も起きないはずがなく? 作:すこやかおにぎり研究所
彼女から飲み物とグラスを受け取り、まずはジュースを四分の一程度。
「アルトリア、氷ってそこにあったりする?」
「氷か?
……ほう、運が良いな、マスター。ロックアイスの袋があるぞ」
「本当に? 助かる!
じゃあアルトリア、ここに氷を入れてくれる?」
――ぽちゃ、かららん。からん。
透明で涼しげな音。夏の日の麦茶を連想するなあ、とエモい気持ちに浸りながら、静かにサイダーを注いでいけば――。
「――完成! お酒の代わりにはならないけど、ノンアルコールカクテルってことで」
即席セパレート・ドリンク! 綺麗に分かれてくれるかちょっと心配だったけど、上手くできてひと安心。
「……ふふ、考えたな。一粒で二度美味しいとはまさにこのこと。欲しいものは全て手に入れる――その貪欲さたるや、なかなかに悪くない」
「お気に召してなによりです」
愉快げな笑みを浮かべる様子に微笑ましさを感じていれば、ほっぺをほんのり染めた彼女がベッドにぽすんと腰掛け無言の手招き。
「そうだね、座り心地も良さそうだし――そっちで乾杯しよっか」
二人分のグラスをそっと持ち上げ、隣に座ってそれを手渡す。
――そして、視線を交わしながら。
「では、猥雑にして混沌たるこの街に――」
ガラス同士の触れ合う音が、ひときわ澄んで感じられた。
◆
「それにしても、このベッドふっかふかだね? さすがホテルの、って感じだなあ。枕もほら、ぼふんって」
「叩きすぎだ。スイカの品定めじゃないんだぞ、まったく。
……そんなに気になるのなら、横になってみたらどうだ? 私に遠慮することはない、なんなら『せーの』で飛び込んでやってもいいぞ」
いたずらっぽい顔をしてアルトリアが尋ねてきた。
近くで改めて見ると、シーツはパリッとシワひとつなくぴっかぴか。
……これを乱すのは気が引ける気もしないではないけど……でも、やっぱりこの衝動には抗えない!
「クラウチングスタート……には距離が短すぎるかな」
「どれだけ全力で飛び込むつもりだ貴様!?
ああもう……ほら、一緒に立て!
――よし。せーので倒れ込むからな。いくぞ。
…………せーのっ!」
ぼよんっ、と大きな弾みをつけて、身体がマットレスへと沈む。……すごい、ナーサリーやジャックがいたら、オレ以上に大はしゃぎだろうなあ……。
「ふふ、随分と締まりのない表情だな?」
そう言って彼女がくすりと笑い、肩に頭を預けてくる。
――頬に当たる髪の毛がくすぐったい。
――彼女の呼吸と一緒に伝わってくる柔らかさが心地良い。
「……なんか今のアルトリア、『オルタちゃん』って感じかも」
「む、私を誰だと思っている。あの
――ネクタイを掴まれる。
こちらを睨むその視線は、既にかわいい『オルタちゃん』ではなく、黒の騎士王その人だ。
……背筋はぞくりとしているのに、汗がぶわっとにじみ出てくる。やばい、これ謝ったらなんやかんや許してくれるやつ……じゃ、ないよね……?
「――こほん。冗談だ。
……そう怯えるな、
――瞬間、突き刺すような冷たい視線がふわっと溶けて和らいで。
……月とか星とか、お日様みたいな綺麗な
ふと、そう思いながら見とれていれば、くいっと襟を引き寄せられて。
――視界いっぱいに広がる彼女の姿。
「……え」
そして、唇に触れるやわらかさ。
……キスをされたと理解するのに、一体何秒かかっただろう?
脳内ひたすらハテナマーク。目の前にいるオルタさんはといえば、フリーズ中のオレをころんと転がし――ぽす、とすかさずマウントポジション。
「……えっと、えっと……アルトリア……?」
自分よりも小柄だから見下ろされるのは新鮮だなとか、近くで見れば見るほどやっぱり綺麗な人だなあとか――かろうじて考えられるのは、そんな呑気なことばかりで。
抵抗する気になれないのは、彼女が戦闘に長けたサーヴァントだから……という以上に、その、えっと、なんていうか……。
「……カルデアの『私』とは、随分と懇意にしているらしいな?」
「えっと……はい。『人類最後のマスター』になったの、ちょうどクリスマスあたりで……そこからずっと、サンタだったりオルタだったり、もう二年になるのかな。ずーっと一緒に居てくれてて、たくさんお世話になってて。……だからさ、"君"がバイクで助けに来てくれた時、すごく嬉しくて、心強くて――」
胸の奥がきゅっと苦しい。……ここにいる彼女は、かつて不思議な縁で結ばれた『カルデアのアルトリア・オルタ』とはまた違った存在――けれど、彼女も『アルトリア・オルタ』には違いない。……だからこそ、なんていうか……色々気持ちがごっちゃになって。
「なんかごめん、まとまらなくて。それとさ」
どれだけたどたどしくても、しどろもどろでも――目の前の彼女は、黙って耳を傾けてくれる。
――だから、そっと手を握って、自分もしっかり相手を見つめた。
「……ごめん。カルデアにいるあの子と重ねて。君は、君なのにね」
握り返される片手。
……しなやかで柔らかい。オレよりも小さい。
――そうぼんやりと思っていれば、溜息を返された。
「別に私はお前を
少しだけ困ったような
――触れるだけの優しい口づけ。ちゅっ、とかすかに響いた音と柔らかな感触がなんだかくすぐったい。
思わず身をよじれば、逃がさないとばかりにこちらの頬を両手でそっと包みこまれる。
「ええと……知っての通り、私は大食らいでな。……だからその、これは一種の魔力供給手段、とでも思っておけ。
……もし嫌なら諦めて天井のシミでも数えているといい」
冗談めかして言ってはいるけど、真っ白なはずの彼女の頬はやっぱり赤くなっていて。
……かわいい。その一言が口をついて出るより先に、再び彼女の顔が近づいてくる。そして、さっきと同じ柔らかさが、今度はもっとしっかり伝わってきて――。
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導入しかできてないけど俺の書いたアルトリアオルタさんかわいい!!!!(藤丸くんもかわいい)やったー!!!! という気持ちで公開しました。
続きは書けてません!!!! やだーー!!!!!
このあと想定している展開をネタバレしておくと、ほとんど男性受け身プレイ(上半身の愛撫、膝で性器を圧迫、羞恥心をちょっとくすぐる程度の言葉責めなど)で挿入は騎乗位→対面座位で互いに身体触ったりちゅっちゅする感じになるはず。あと激しさは全く見られず恥ずかしくなるくらい丁寧で微笑ましい感じになるとも思います。このあたりは過去の投稿作も参照するといいかもしれない(流れるような宣伝)
ひとまずここまで読んでくれてありがとう!