漆黒の騎士王、新宿、ラブホテル…何も起きないはずがなく? 作:すこやかおにぎり研究所
「ア……アルトリアも脱ぐんだね?」
まずはロングブーツを一足ずつ。そしてジャンパー、キャミソール。ベルトを外してローライズ・パンツ……。
漆黒の衣装がひとつ、またひとつと取り払われていくたびに、どくんと心臓が高鳴ってしまう。
――焦らすようなストリップ。白い肌があらわになっていくたびに、思わず溜息が漏れてしまう。
綺麗なんて言葉じゃ足りないくらい、窓から漏れるネオンの明かりを受けて輝く彼女の肢体は本当に美しい。
スレンダーなプロポーション、形の整った胸にお尻――すらりと伸びる手脚の先まできめ細やかで白い肌。金色の髪と瞳は星のように煌めいて――。
「おい、マスター。……立香。トナカイ」
「……はっ!?」
「どうした、もうおねむか? 私にここまでさせておいて――いや。眠ったまま頂かれたい、というならお望み通りにしてやらなくも……」
「おめめぱっちり起きてます! ただ、ちょっと見惚れてたというか……」
アルトリアはちょっぴり照れたような顔を一瞬見せて、こちらへずい、と近づいてくる。
そのまま再びマウントポジション。裸の彼女がさっきより近い――というかぴったり密着していて、否が応でも、これは……。
「ふふ――瞳はキャンディーのように渦を巻いていようとも、やはりこちらは正直だな?」
「……っ!」
熱くてやわらかい感触。こすり付けられる度に、ぬちゅっ、くちゅっ、と音が聞こえてくる。
自分の『そこ』が彼女の『入口』と触れ合っている――それを意識するだけで、身体中の熱が一気に上がっていってたまらない。
「前戯はこんなものだろう。よく耐えたな。……だがもう少し、もう少しだ。挿れた瞬間果てる、なんて情けない真似だけはしてくれるなよ、マスター?」
「……うん」
「では、いくぞ。……せいぜい暴発しないよう励め」
不敵な中にも優しさを湛えた笑みを浮かべて、ゆっくりと――彼女が腰を下ろしていく。
――少しずつ、ゆっくりと、焦らすように。
彼女の中へと飲み込まれていく。
未知の快楽は意識が飛んでしまいそうなほど。温かくてぬめっとしたのが容赦無くまとわりついてきて、奥へ奥へと誘って……。
「……マスター。何も息まで止める必要は無い、そこまで意識しすぎても却って辛くなるだけだぞ」
ひたすら初めての経験に心が乱れっぱなしだ。ただでさえ色々といっぱいいっぱいなのに、これからさらに気持ち良くなるなんて想像もつかない。
……この人はなんで自分とこういうことをしたいと思ったんだろう。理由やきっかけとかはあるんだろうか。
「――む。貴様、なにか余計な事を考えているだろう。そんな余裕があるのなら、最後は一気に押し進めても構わんな?」
「え、ちょ……っ!」
突然、ぐん、と体重をかけられて、あっけなく最奥まで貫いてしまう。
――途端に頭の中が真っ白になってしまって。
自分の意思とは無関係にびくん、びくん、と身体が跳ねてしまうのを止められない。
「ほう、一応は耐えたか。……正直、射精してしまっても仕方無いとは思っていたのだが」
労うように頭を撫でられる。――それだけのことなのに、どうしようもなく嬉しくなって胸がぽわぽわとしてしまう自分がいる。
「よしよし、グッボーイ」
「また犬扱い……」
情けないやらくすぐったいやら、仮にも情事の最中なんだけどなあ……なんて苦笑してしまうけど、彼女なりの愛情表現と思えばやはり悪い気はしてこない。
「犬は嫌いではないぞ、私は」
「うん、よく知ってます」
自然と互いに視線を交わして、くすっと笑い合う。
……緊張もいつしかほどけてきた気がする。少なくとも、さっきよりはずっと楽というか――下半身に絡みつくような熱も、今はとっても心地良い。
「……ん、中でぴくりと……そうか、そんなに心地良いか。それなら私も、文字通り一肌脱いだ甲斐があったというもの――少し動くぞ、マスター」
「え、ちょ――」
――急に手を取られたと思えばゆっくりと甘やかな速度で、擦りつけるように動かれる。
刺激は強くないけれど、だからこそ逆に感覚が研ぎ澄まされて――彼女のひだやらぷにぷにした肉壁の感触がくっきり感じられて、否が応にも興奮を煽られていってしまう。
時折わざと締め付けを強くしたり緩めたり、くりっと回転させるように動かれたり……次第に動きが激しくなるにつれて、彼女の吐息にも少しずつ熱がこもってきたように感じる。
「どうだ、マスター? ……いや、訊ねるまでもなかったな。ふふ、いつにも増して締まりのない……。貴様のその表情を見ていると、こちらも嗜虐欲をそそられる」
「え、なんで急に片手離し、――っ!?」
――ぞくりと背筋を震わせるのは、彼女の指と赤い舌。
片方はちゅっと吸われながら、もう片方はくすぐるように優しく。……乳首を愛撫されるたび、自分のそれが彼女の中でびくん、びくんと震えてしまう。
「んむ……もう限界か? いや、貴様ならまだ耐えられるはずだ。ほら、頑張れ頑張れ――」
……頭の奥がぴりぴりする。とろけるような感覚の中に僅かな痛みと疼きがあって、そのせいか腰が勝手に動いてしまう。
「仕方の無い奴め」
くすり、と笑うアルトリア。それは今まで見た彼女のどんな笑顔よりも可愛らしく、同時に妖艶で――。
「気が変わった。……貴様、一度達しておけ。なに、夜はまだ長い――それに一回射精したくらいで気を失うほどやわな身体はしていないだろう?」
――姿勢が変わる、動きが変わる。
唇を奪われると同時、彼女の腰使いが勢いをつけて上下にしごくようなものへと変化する。
「あ、アルトリア……だめ、それ……うあ」
先ほどまでのゆったり甘い動きとは違う、確実にこちらを射精へ導くような動き――程なくしてあっさりと、気づけば彼女の中へ精液を吐き出してしまっていた。
「っ……はー、はー……。せ、せっかく頑張って耐えてたのに……」
快感と困惑で若干涙目になりながら、至近距離にある瞳へ抗議してみる。……こういう部分があるからいじめられてしまうんだろうな、という自覚は一応ありつつ。
「ふっ、そうだな……他人が一生懸命並べたドミノを指先一つで崩してしまうのにも似た愉悦、なかなかどうして悪くない」
「うう、アルトリアの悪属性……邪智暴虐の王……」
「そうだぞ、私はアルトリア・オルタ。あの蒼き騎士王とは違う――冷酷非道な黒き暴君、それが私だ」
――勝ち誇ったような笑みと共にぐりぐり腰を押し付けられる。
達したばかりの状態には辛いけど、彼女がとても楽しげに見えたので大人しくされるがままになっていた。
ネタバレ:次は正常位です