スキー場に着いたアカメたちは、スキーウェアに着替え、スキー場へとやってきた。
「のび太!一緒に滑ろうよ!」
クロメは嬉しそうにのび太の側にやってくる。だが、のび太はあまりの寒さにその場に縮こまっていた。まるで冬眠中のカエルのようだ。
「ちょっと、クロメさん!勝手なこと言わないで!」
そう言いながら静香はクロメの腕を掴み、のび太から引き剥がす。
「おい、のび太。俺様がお前のコーチになってやるぜ。」
ジャイアンは、笑みを浮かべながら指を鳴らす。のび太は内心ため息をつく。またいつものパターンが始まった。
「いや、僕はいいよ。一人で滑るから。」
一応ジャイアンのオファーを断ってみる。だがもちろんこの男が簡単に引き下がるわけがない。
「なに〜っ!?この俺様のありがたい申し出を断るっていうのか!?」
顔を近づけ、いつものごとく脅迫まがいなことを言う。スネ夫もジャイアンの後ろでニヤニヤこっちを見ていた。
「ハア〜ッ。」
のび太は仕方なくその場から立ち上がり、スキーに自分の足を乗せる。ジャイアンとスネ夫はニヤニヤ笑いながら、のび太の後ろに回った。そして
「『よーし!行け!!』」
ドン!!
のび太の背中を思いっきり押した。
「わわわわわわわ、わーーーーーあ!!」
コントロールを失ったのび太のスキーは勢いよく滑り出した。
ドン!
「『うわあ!!』」
バランスを崩したのび太は、近くにいたシェーレにぶつかってしまう。
「『やったーーーーーーーーーっ!!!!』」
ジャイアンとスネ夫は声を上げる。
「いてててて・・・・・・」
「ん、ん〜・・・・・・」
「シェーレ、大丈夫?」
「はい・・・・・・大丈夫です。」
のび太はシェーレを押し倒す形で倒れていた。
「ごめんごめん。今すぐどくね・・・・・・・」
むにゅ
「ん?」
むにゅ
むにゅ
腕を動かすと、柔らかい感触がした。なんだろう。ふと掴んでいる物に視線を向けると、両手がシェーレの胸を鷲掴みにしていた。
「の、の、のび太さんのエッチ! シェーレさんにいきなり何してんのっ!」
ここで心配して駆け寄ってきた静香が、シェーレを押し倒しているのび太の姿を見て、顔を真っ赤にする。
「のび太、大丈夫ですか? 」
シェーレは心配そうに声を掛けた。今だ体勢が体勢、相手が相手なだけに、周りにいる男達の妬みと羨ましさが殺気を帯びた視線に乗って漂ってくる。 しかし、そんな中でもシェーレに怒りの色はなく、ただただのび太の体調を心配するばかりだった。クロメなど、「替わってよ、シェーレぇ~!」と側で喚いているぐらいである。
「あ、あの・・・・こ、これは!」
マズイ。のび太はその場から急いで立ち上がる。
「シェーレ、ごめんね。」
のび太は急いで誠心誠意謝った。いくらシェーレとはいえ、胸を触ってしまっては怒るに決まっている。のび太は死を覚悟した。だが予想外のことにシェーレは、立ち上がると
「怪我はありませんか?」
「うん、大丈夫。」
「そうですか、よかったです。」
ニコリと何事もなかったかのように笑う。だが隣にいたクロメがシェーレの代わりに怒り出した。
「のび太、触りたいなら触りたいって言ってよ。こういうのは駄目だよ。心の準備ができてないんだから。」
クロメの抗議がどこかズレてるのはいつものことだ。普段の態度がいかに重要かということが、実によくわかるシーンであった。もしこれがジャイアンやスネ夫とかだったら、問答無用で吹き飛ばされていたこと請け合いだ。
後ろで様子を見ていたジャイアンとスネ夫がそれぞれ怒り出す。
「のび太のヤツ・・・・・・」
「羨ましい・・・・・」
こうして二人の計画は失敗に終わった。
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