のび太は特に何も考えずに引いた。
「・・・・・・ふむ。」
クジには『7』という数字が書かれていた。
「ふっふっふ。どうやら私が王となったようだな。」
レオーネが『王』と書かれたクジを見せびらかす。
「いきなりヤバい人が王様になっちゃったね・・・・・」
「褒めるなよ、のび太。」
「褒めてないよ。」
「こういうのは徐々にエスカレートしていくからこそ面白いんだ。だからまずは、控えめな指令を出してやろうじゃないか。」
「なんだかドキドキするね、のび太。」
「そうかな?」
と平静を装ってみるが、実は少し緊張してたりして・・・・・・。
「3番が5番の頭を殴る!」
・・・・・それのどこが控えめな指令だ。
「うわ〜、5番だぁ!」
5番はジャイアンだった。
「ぼ、僕だ!」
そして3番はスネ夫か。
「えぇ!?女の子じゃないのか?」
ジャイアンが不満げな声をあげる。どうやら女の子だったら手加減してもらえると思っていたらしい。
「・・・・・ジャイアン、ごめんね・・・・・」
スネ夫は申し訳なさそうにジャイアンをみる。そんなスネ夫を見て、ジャイアンは後ずさりした。
「ま、待て、スネ夫!早まるな!」
するとスネ夫は、ジャイアンにそっと耳打ちする。
「ジャイアン、アカメちゃんが見てるよ。男らしいとこ見せた方がいいんじゃない?」
ハッと我に返ったジャイアン。アカメに視線を移すと、彼女はジャイアンを無表情で見ていた。スネ夫の言うとり、ここが男の見せどころだ。想い人が見ている前で情けない姿は見せられない。ジャイアンは覚悟を決めた。
「さあ、思いっきりやってくれ!」
ジャイアンはその場で胡座をかき、腕を組む。そんなジャイアンにスネ夫はゆっくりと近づいたいく。これは予想外のビックチャンス。スネ夫の願念の一つが叶ったのだ。公衆の面前で堂々とジャイアンを殴られるなんて幸せ以外の何者でもない・・・・。日頃の恨み・・・・・・今こそ晴らさせてもらう。スネ夫は思いっきり拳を振り上げる。
「はあ!」
そしてスネ夫は己の覇気、魂の叫びを拳に込め、そして渾身の一撃を放った。
ドーーン!!!
物凄い音がし、ジャイアンが前のめりに吹っ飛ぶ。その破壊力がスネ夫の想いの凄まじさを意味していた。
「ジャイアン!ジャイアン!大丈夫!」
白々しい。スネ夫は、心配を装いながらジャイアンに駆け寄る。目に涙まで浮かべていた。恐らく、後々復讐されるのを防ぐための伏線なのだろう。スネ夫はジャイアンを優しく助け起こす。
「ああ、大丈夫だ。ありがとな、スネ夫。」
親身になって心配するスネ夫にジャイアンは礼を言った。相変わらずこの男は単純である。
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