※この作品はR-18です。

テイマー職は奴隷商!?   作:可愛ケイ@VTuber兼小説家

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第3話『お前はもう息子じゃない』

 ボクが転んで押し倒してしまった女性。

 その顔にべったりとボクの精液が付着していた。

 

「……キ」

 

「キ?」

 

 

「――キャァァアアアーーーーッ!!!!」

 

 

 女性が絶叫した。

 廊下の電気がパッと点いて、ドタバタと足音が2階から降りてくる。

 

(マズい! どうしよう、どうにかしなきゃ!?)

 

 と思いはするものの身体は動いてくれなかった。

 そこへ家族たち……父と母と、それから弟が到着する。

 

「テメェエエエ!? なにしてやがるぅううう!?」

 

「いや、ちがっ……ギャッ!?」

 

 女性に覆いかぶさっていたボクを、弟が突き飛ばした。

 それから彼女を抱き起こす。

 

「ココロっ! しっかりしろ、ココロ!」

 

「ひッ……あ、あ? ユウキ、くん?」

 

「そうだ、オレだ! ユウキだ! しっかりしろ、なにがあった!?」

 

「ユウキ、くん……ユウキくんユウキくんユウキくんっ!」

 

 2人が抱き合う様子を、ボクはただぼうと眺めていた。

 逃げることも、弁明することもできないままに……。

 

     *  *  *

 

「よくもッ! ココロをッ! 襲おうとしてくれたなッ! このクソ野郎がぁあああッ!」

 

「痛っ……ぐっ、ぉげぁ!? や、やめっ……!?」

 

 翌日、ボクは弟から暴行を受けていた。

 父は弟を止めようともしなかった。

 

 ならば、と母に助けを求めようとするが見当たらない。

 どうやらあの女性(ココロという名前らしい)に付き添っているようだった。

 

 ……は? いやいや、なんで?

 どうして息子のボクよりも、赤の他人を優先してんの?

 

「このッ! クソがッ! クズがぁあああッ!」

 

「いっ!? ぐぎっ!? ガッ……!?」

 

 何度も、何度も蹴りつけられる。

 それがいったい、どのくらい続いただろうか?

 

 ようやく父が「ユウキ」と言葉を発した。

 名前を呼ばれた弟は、荒い息を吐きながら最後にもう一撃ボクへと食らわせて、離れた。

 

「ぃ、あ、あぁ……ひっ、ひっ、おえぇっ……」

 

 ようやく暴力の嵐が終わった。

 ボクは高校時代に受けたイジメもフラッシュバックし、何度も床へと吐き散らかしていた。

 

「聞こえているか、テイマ。今回ばかりは俺も許すつもりはない。このままじゃ向こうの親御さんにも示しがつかん。だから――今すぐこの家を出て行け」

 

 父がそう宣告した。

 ……はぁ? 出て行く? このボクが!?

 

「は、ははっ。ボクのことを捨てるって言うの、父さん?」

 

「……」

 

 父からの返答はない。

 ただ冷たい目でこちらを見ていた。

 

「いや、ふざけんな……ふざけんじゃねぇよ! ボクはお前の息子だろうが! 養うのが親の義務だろ!? ……お、おい? 待てよ、待てって! 待ってくれよぉ!?」

 

 父は無言のままボクの襟首を掴むと、そのまま引きずって移動しはじめる。

 向かっているのは……玄関!?

 

「い、イヤだ!」

 

 あたりの物にしがみついて抵抗する。

 だって、ボクはなにも悪くない!

 

「いったい、ボクがなにをしたって言うんだよ! あれは事故だったんだ! なにもやってねぇよ! 階段から転んだだけで!」

 

「いい加減にしろよこのクソがぁあああ!」

 

 弟のつま先が、ボクの腹に突き刺さった。

 口から吐瀉物が吹き出した。

 

「うぉぇえええ……ゲボッ、ゲボッ! な、なんで……なぁ、父さん。父さんなら信じてくれるでしょ? ボクは息子だもんね? 信じてくれるよね? ボクは襲ってなんか……」

 

 そう、父へとすがりつく。

 すると、ついに玄関の直前でついに立ち止まってくれた。

 

「と、父さんっ! やっぱりボクたちは親子だよね! ありがとう、わかってくれてうれし――」

 

「テイマ。俺にはもう、お前の言葉が信じられん」

 

「は?」

 

 なにを言っているんだろう、コイツは?

 ボクはお前の息子だぞ?

 

「俺にはお前の言葉なんぞよりよっぽど、初対面だろうとユウキの連れて来た彼女のほうが――”将来の娘”のほうが信じられる」

 

「なに、言ってんだよ」

 

「テイマ。はっきり言おう。お前は……」

 

 

「――お前はもう、俺の息子じゃねぇ」

 

 

 それはまるで遠い異国の言葉のように聞こえた。

 理解出来ない。理解、したくない。

 

「い、イヤだ……イヤだイヤだイヤだっ!」

 

 耳を塞いで、わめく。

 聞いてない。聞こえてなんてない!

 

 これからもボクはこの家に住み続けるんだ!

 だって、ここは自分の家なんだから!

 

「テイマ、2度と俺に顔を見せるな」

 

「さっさと消えろ、クソ野郎」

 

 ボクは父と弟によって、玄関から外へと叩き出された。

 裸足のままで地面を転がる。

 

「うぐっ……ま、待って」

 

 ボクはすぐさま家に戻ろうとした。

 しかし……。

 

「帰ってくんなよクズ。そこから1歩でも近寄ってみろ。ぶっ殺してやる」

 

 弟が玄関の傘立てに刺さっていた金属バットを抜いた。

 ボクたちがまだ小学生だったころ、3人で野球遊びをした思い出の品だった。

 

「なぁ……ウソだろ? ウソだよね?」

 

 ボクは信じられず、家へとさらに1歩近づいた。

 次の瞬間、鼻先を金属バットが掠めた。

 

「ひぃいいいッ!?」

 

 尻もちをついて倒れる。

 ツーっと自分の鼻から血が垂れ、ポタポタと服に赤い斑点を作った。

 

 フルスイングだった。

 もしあと半歩近ければ、頭に当たって死んでいた。

 

「なん、で」

 

 死んでも構わない、という意思があのバットには込められていた。

 本気でボクはもういらないってこと?

 

「あっ、あぁっ……」

 

 下半身に生温かいものが広がった。

 ちょろちょろと情けない音が響いた。

 

 弟がバットを構えたまま、こちらへと踏み出してくる。

 瞬間、ボクは感じた。

 

 

 ――殺される!?

 

 

「ひぃッ……ひぁッ……あ、ぅああああああぁぁぁあああああああああッ!?」

 

 ボクは背を向け、全力で逃げ出した。

 自分の家から、そして家族から……。

 




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