もしも『あなた』が『ろうきん』の雑貨屋ミツハのお客さん第1号だったら? 作:サリオン
ミツハ「…………薄いは余計だって!!」
「ジョークグッズ?」と、『あなた』は、首を傾げた。
『あなた』は、この世界の住民のため、当然『ジョークグッズ』がなんなのか分からないし、一般庶民である『あなた』は、文字がそもそも読めない。
もしくは、『あなた』が異世界転生で前世の記憶があったり、異世界転移や異世界憑依の場合は、『ジョークグッズ』が何なのか知見があるが、確信犯的にそのような素知らぬふりをしていた。
何故なら、ミツハにとって、『あなた』は、異世界の住人という認識のためだ。
ここで、『ジョークグッズ』が何なのか知っていては、不審がられてしまう。
何はともあれ、その階段の向こうに、『あなた』の人生を大きく左右する商品が置いてあるという、ある種の啓示にも似た直感により、赤い暖簾の向こうがどうしても気になったのである。
『あなた』の反応からミツハは、『あなた』への評価を上方修正することになる。
(あっ……そっか……この世界にはそもそも『ジョークグッズ』なんかない。まぁ、張り子くらいはあるかもそれないけど、それを『ジョークグッズ』なんて読んだりしないだろうし。『ジョークグッズ』≒『アダルトグッズ』の方程式は、元の世界の、さらに極東の日本くらいしか当てはまらないだろうから、『ジョークグッズ』が『アダルトグッズ』や『エッチな大人の玩具』なんて翻訳されなかったわけだね! もちろん、日本語で書かれた『18禁』の意味も通じるわけじゃないし、お兄さんはただ単に「この先にも商品がありそうだ」とか「この暖簾は珍しい模様」とかそんな下心一切なく、気になったところを案内してくれただけだね! うんうん! 危うく、貞操の危機を感じて、甲高い悲鳴をあげて隣の詰め所のおじさまを呼ぶか、転移でお兄さんを太平洋の上空3000mくらいから落下させるとこだったよ……ふー……せっかくのお客さん第1号を失うとこだったぜい……)
ぶつぶつと呟いて額の汗をぬぐうミツハに、『あなた』は何故か背筋がゾクリとした戦慄を覚えた。
ミツハは持ち前の頭脳を高速回転させ、この危機からの脱却を図る。
「あの……申し訳ありませんが、この先の商品は、本国でも特殊な取り扱いとなりまして……信頼のおける一部のお客様にしか販売していないものになります…… その信頼のおける一部のお客様には、『ジョークグッズ購入解禁割札』をお渡しすることで一般のお客様と識別しているのです…… 当店の商品をご贔屓していただければ、割札をあげることもありますので、どしどしご購入くださいませ♪」
ジョークグッズが特殊な商品であると説明することで、その詳細を伏せることにしたのだ。
確かにジョークグッズは特殊な商品であり、『信頼のおける一部のお客様』にしか販売しないのも嘘ではない。
それに、もしかするといつか『ミツハの性癖』が変わるかもしれない。
その時に常連のお客さんにこっそり割札を渡すこともあるかもしれない。
何も嘘は言っていないのだ。
例えそれが天文学的に低い可能性であろうと……
(お兄さんにはジョークグッズが何なのか説明をパリィすることに成功したけど、雑貨屋ミツハで扱うジョークグッズは、その名の通りの面白いグッズではなく、立派な大人の玩具、いわゆる『アダルトグッズ』なんだけどねッ!! 一応、『夕食のおかずからミサイルまで』とうたってるから、『夜のおかず』という意味ではあながち間違ってないし、『アダルトグッズ』も雑貨に分類されるよね!? ま、例え大人の玩具だろうが、需要があるならば、道具に貴賤はないのがウチのモットーだよッ!! ま、元の世界では、コンビニやドラッグストアに売ってるほど市民権を得てるし、何も違法なものじゃないしね……貧乏子沢山とか子宝に恵まれて遺産相続争いとか回避したい人たちにとっては、明るい家族計画の要にもなるから、潜在的な需要はかなりあると見た!! これぞ金貨8万枚への野望の近道なりってね!!)
目がキラーンとしいたけ……いや、マネーになるミツハ。
まだ、『あなた』は足を踏み入れていないが、雑貨屋ミツハの店内の2階には、確かに『アダルトグッズ』やエロ本なんかがわんさか置いてあった。
天井、壁紙もピンク色にして、いかにもなアダルトグッズコーナーとなっている。
ちなみにミツハは、車免許も取得している18歳なので、アダルトグッズを日本で購入しても何ら問題はない。
まぁ、現地(店舗)調達ではなく、全てネットでお取り寄せなのであるが……
さすがに日本でも15歳ほどに間違われそうな容姿のミツハが18禁コーナーで物色しているのは、どこの『大人の玩具屋プレイに興奮する変態女子中学生』なのかと変態紳士たちに邪推させてしまうことになる。
(といっても、今のところは脂ぎった色欲貴族や商人のおじさんたちに売るつもりはないけどね……金貨8万枚は一階の一般商品で十分稼げる見通しだし、二階の商品はどちらかというと、わたしの趣向……実益を兼ねたもの。売る相手は誰かって? そりゃ決まってるでしょ? ベアトリスちゃんみたいなうら若き美少女やコレットちゃんみたいなロリ、テオドール君みたいなショタだよッ!! あ、それはもちろん、あくまで『とてもとても仲良くなるため』の小道具なんだけどね……汗 未成年? 条令? なにそれ? ここは、異世界だから……そんなの関係ねぇッ! 貴族社会では、政略結婚で10代前半のロリと婚約を結ぶのはざらだし、人望が厚い領主や善良な聖職者が夜な夜な領内や孤児院のロリやショタとチョメチョメするのが横行しるから、そもそもそんな法律なんか制定されるわけないしね…… あ、もちろん、強制はしないよ。『ちょっとそういうのに興味のあるおませさん』を対象としていて、『お互い合意がとれたのみ』だからね……)
「あ、あの……」と、困惑する『あなた』をほっぽって、ミツハは自分の世界に没頭する。
(異世界生活といえば、現代倫理無双だけれど、逆に考えるんだ。現代倫理のない異世界だからこそ、現代社会では決して赦されぬことができるんだと……きっとお兄ちゃんが生きていたら、欲望の赴くままに、神様からもらったチートを駆使して、チョメチョメなことしまくるだろうね……人間、いつ、死ぬのかわからないから、生が終えるその時まで、他の人の自由を侵害しない範囲において、欲望の赴くままに好きなことをしまくるのが、一人になってしまった山野家の新しい唯一の家訓だよッ!! …………お兄ちゃん、聞こえますか? わたしから貴方への珍魂歌です……あ、コレットちゃんの『穴』はわたし専用だからね? 『わたしの』だったらいつでも貸すけどね……)
いや、あの……ミツハさん……
お兄ちゃんを勝手に異世界で倫理観のないロリコンシスコンハーレムヤリチン下衆主人公にしないでいただきたい……
そして、免罪符にしないで!!
全部、ミツハがしたいだけだろ?
ルルー……お兄ちゃんが命じる!!
クーリングオフしろ!!
キュィイイイイイイン!!
(買ってから8日目以上経ってるから返品できないけどね……ん? なんか変な声が聞こえたような……お兄ちゃんの声……? そういえば、いっとき、朝起きたら全裸になってたんだよね……あれ、なんだったんだろ? たしか、ティンベー使ってそうな中華系の線の細い転校生が来たらパッタリなくなったんだけどね……それで、夜中、わたしの部屋に忍び込む全裸のお兄ちゃんにばったり出くわして、悲鳴をあげて、お父さん、お母さんも集まっちゃって、緊急家族会議が開いたんだけど、次の日はお父さんもお母さんもそのことをさっぱり忘れてて、うやむやになったんだけどね……って、なにを思いだしてるのかな?)
「おーいおーい」と手をふる『あなた』に気づいたミツハは、もはや慌てる様子もなく、
「 では、この一階の商品の中で、お兄さんがもっとも気になるものをわたしに案内してください♪」
にっこりと営業スマイルを浮かべて、『あなた』の腕を抱いてやり過ごし、『あなた』は、この図太さは、見習うべきだなと内心感心したりした。
まぁ、『あなた』にもミツハを唸らせる『図太いモノ』がぶら下がっているのだが……それはいずれ分かるかもしれないし、分からないかもしれない……
『あなた』は、腕にあたるミツハのささやかな膨らみに気づかぬふりをしつつ、紳士に、真摯に、と胸中に呟きながら、一階の店内で最も気になった一角に案内し、その商品を指で指し示した。
「……………………へ?」
素っ頓狂な声が『あなた』のすごく近くで聞こえた。
「な……………………」
な? と『あなた』は、首を傾げる。
衣服を扱うコーナーが『あなた』がもっとも『気になったところ』だった。
この世界では生きるだけでも精一杯で、実益も兼ねる愉しみといえば、衣、食、住のどれかだ。
元の世界であろうが、異世界だろうが、そこに生きる人類の姿形は共通だ。
頭が一つに、胴体に腕が二本で、脚が二本だ。
亜人だとそこに尻尾もつくが、『あなた』は、人間種だ。
そのため、服はひと目見て、着るものという機能は分かるが、その素材、デザインが奇抜なのだ。
なんせ、『あなた』にとって異世界の服だからだ。
そういう意味では、服がもっとも気になるものとして挙げられるのは、何らおかしなことではなかった。
おかしなものではなかったのだが……
「なんじゃこりゃぁあああああああ〜〜ッ!?」
ミツハはソレを両手で持ち、叫んだ。
ミツハの叫びが王都の一角に響き、隣の詰め所のおじさまがガタッと椅子から立ち上がろうとするが、たまにあることなので、座り直した。
『あなた』が雑貨屋ミツハでもっとも気になったモノとは…………
「な、なんで、わたしが小学生の時のスク水があるのッ!?」
そう。
『あなた』が『もっとも気になるもの』として指差し、
ミツハが手にしているものは…………
どこからどうみても…………
スク水だった。
それも、『山野光波』と白い生地にマジックで名前の記されている学校指定の使用済みのスク水。
やはり、ミツハには、ブルセラで興奮する性癖があるのではと、どこかの世界で何人かがそう思っていても仕方のない状況だった……
つづく……
ミツハ「こんな話続かなくていいって……って、変な疑惑勝手に作らないで、お兄ちゃん!!」
ミツハの使用済みJSスク水、いくらまでだせる!?
ハウマッチ!?
ミツハ「ギャー!! オークションしないでっ!? アンケしないでっ!?」
ミツハの使用済みのJSスク水にいくらまでならお金をだせる!?(お金の単位とか価値とかうろ覚えなのでかなり違ってるかも……)
-
銅貨(10円)
-
銀貨1枚(千円)
-
銀貨5枚(五千円)
-
小金貨1枚(一万円)
-
金貨1枚(十万円)
-
白金貨(100万円)