※この作品はR-18です。

堕落の空装武神   作:天木武

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悪夢の再会

◇

 

 

 ついに約束の期間の最終日となった。これでようやくゆきかぜは解放され、自分の救出にも希望が持てる。ここまでの苦しかった日々を振り返りつつ、凜子はそう考えていた。

 が、同時に違和感を感じてもいた。確かに今日は最終日であるが、まだ時間は残されている。なのに、自分に客を取らせる気配が無いと、そこが訝しく思えた。

 

(何を考えている……? あいつのことだ、時間ギリギリまで私を責め立ててくると思ったが……)

 

 昨日まではひたすら客を取らされ続けた。特にここ数日は地下アリーナでの敗北ショーと、その時に母乳が出る身体になるような薬を投与されたせいで客のプレイも激しいものだった。体験したことのない射乳の快楽は凜子の体力を奪い、昨日客を取り終えた時にはかなりの疲労が溜まっていた。

 しかし一転して、今日は客すら取らせる気配が無い。薬の効果はまだ続いているらしく、母乳が溜まっているのか胸は張り続けており、その点ではこうして休んでいられるのが助かるのは事実だ。だが、やはりどうしても嫌な予感を拭い去ることは出来なかった。

 

(もしや……ゆきかぜはもう賭けに負けてしまったのか? だからあいつは私を休ませているとか……)

 

 そんな考えが頭をよぎってしまい、直後に頭を振って思考から排除する。

 

(相棒を信じられなくてどうする……! 余計なことを考えるからいけないんだ。心を落ち着けろ……)

 

 凜子はひとつ大きく深呼吸した。が、空気を吸い込んだ際の胸の動きで乳房が疼いてしまう。溜まっている母乳を出したいが、それをすれば自慰行為より大きな快楽と、芯から体力を奪い去るような疲労が待っている。何より敵地で自ら醜態を晒すことに他ならない。数日で効果が消える、と言われている以上我慢するしかないと、出来る限り意識しないよう心がけることにした。

 

 と、その時。ノックも無しに部屋の扉が開けられた。こんな失礼極まりないことが出来るのは、この館の主しかいない。本来なら顔すら見たくない相手だが、今日だけはその限りではなかった。

 

「リーアル。今日は最終日だぞ。私をこんな風に遊ばせておいていいのか?」

 

 姿を確認すると同時、凜子が問いかける。

 

「なんだ、母乳が出るようになった胸が疼いて男に抱いてもらいたいか?」

「違う! そんなことは思ってもいない! ……何を考えている? 昨日まであれだけ私を責め立てておいて、何故今日はそうしない?」

「する必要が無い、というのが答えだ」

 

 何かを含んだようなその物言いに、先ほどの嫌な予想が凜子の頭によぎる。もしかしたら、ゆきかぜはもう――。

 

「その顔で何が言いたいのかは察しがつく。安心しろ、ゆきかぜはまだ堕ちていない」

 

 自分の予感は外れてくれたと、僅かに胸を撫で下ろす。が、だとするとやはり自分を休ませておく理由がわからない。

 

「だがあくまで『まだ』だ。あいつはこの後敗北を認め、自ら欲望を口にする」

「この後だと? もうタイムリミットは目の前だ。そこでゆきかぜがむざむざ自分を、そして私を捨てるようなことをするわけが無いだろう」

 

 そう否定してみせるも、リーアルが覗かせる絶対の自信の前に不安が押し寄せてもいた。ここまで来て負ける、そんなことがあるはずがないと凜子は考えていた。

 

「まあもうしばらくすればわかることだ。……実はこっちには絶対的な最後の切り札(ジョーカー)がある。まさか使うことになるとは思ってもいなかったが、これもまた面白い」

「ジョーカーだと?」

「ああ。いずれお前もわかるだろう。……では俺は最後の仕上げに取り掛かるためにゆきかぜのところに行ってくる。身体をゆっくり休めておけ。お前達の敗北記念の際には、お前は射乳以上の惨めな姿を晒して堕ちることになるのだ。そして狂乱し、存分に肉欲に溺れるがいい」

 

 言いたいことだけを言い残し、リーアルが去っていく。最終日にもかかわらず、そのあまりにも自信溢れる態度に凜子はやはり嫌な予感を覚えていた。

 

(あいつ、なぜあんなに余裕を持っていられる……? ジョーカー……。奴が伏せている、絶対的な切り札とは一体なんだ……? 気をつけてくれ、ゆきかぜ……)

 

 やはり嫌な予感は拭えない。今日で自分達の悪夢が終わるはずだと信じていながらも、どうしても楽観的な考えに至れず、凜子はこの勝負の鍵を握る姿見えぬ相棒へと思いを馳せていた。

 

 

 

◇

 

 

「ううっ……くうっ……」

 

 自室のベッドの上でうずくまりながら、ゆきかぜは身悶えしていた。とうとう待っていた最終日だというのに、身体の芯の疼きが止まらない。子宮が熱を持ったように熱くなり、それが全身へと広がって快楽を求めて渦巻いている。

 

(あそこ……もう限界だよぉ……! あの変態オヤジ、変な道具で私のお尻散々弄り回して……! そのせいで、こんな……うぅ……!)

 

 確かにゆきかぜは肛門内にもローションを塗りこまれ、擬似凌辱で散々犯されるイメージを実体験のように見せつけられ、そして現実でもゾクトをはじめとして客である男達の性器を迎え入れてもいた。だが純に調教という意味では、昨日の経験が初めてと言ってもいい。結局昨日の男は自身の性器を挿入することなく、醜悪な器具でひたすらゆきかぜを責め続けた。

 その効果は次の客の時に、既に如実に現れていた。明らかに感じ方が変化していた。これまでは「性器の代用品」としてしか役割を担っていなかったのが、「新たな性器」として花開いたとも言えるだろう。世界が変わった快楽の中でゆきかぜは喘いで乱れ、しかし同時に苦悶してもいた。

 

(あそこでイきたい……! お尻でこんなすごいなら……あそこでイけたら……どうなっちゃうの……?)

 

 凜子ですら抗えなかったと明言した女悦を最大限に感じられる絶頂。それが与えられたら、果たしてどれだけの快楽を得ることが出来るのだろうか――。

 

(……ッ! 何してるの、私!?)

 

 無意識のうちに右手は股間へと伸びていた。だが感覚をシャットアウトする貞操帯がその刺激を受けることを許さない。こんなところで自慰をしなくて良かったと思う反面、もどかしさは募るばかりだった。

 

 そんなことをゆきかぜが考えていたとき、不意にドアが開けられた。現れたリーアルの姿に思わずビクッと身体を小さく震わせてしまう。

 

「どうした、怯えた様子で? ……もしやオナニーをしよう、などと考えていたわけではないだろうな?」

「なっ……あるわけないでしょ、そんなこと!」

 

 つくづくこの男は人の心を見透かしてくる、と苛立ちを越えて怖れさえ抱きそうになる。だが相手はそれ以上追及しようとせず、得意げに鼻を鳴らしただけだった。

 

「やりたいなら遠慮なくそう言え。本物の奴隷娼婦となることと引き換えに、そいつを外してやる」

「だから言わないっての! ……フン! 今日が最終日で私に負けそうだからって、焦ってそういうこと言ってるんでしょ?」

 

 そんなはずはない、とわかりつつゆきかぜはそう挑発した。目の前の相手からは焦っている様子など微塵もない。むしろ自由が目の前に迫っているはずなのに、自分が逆に追い込まれているようにも感じているほどだった。

 

「確かに今日は最終日だ。今凜子に会ってきたが、あいつはもう俺との条件を破りそうにない。それは事実だ。……だが問題ない。凜子がダメならお前を堕とせばいいだけだからな。……さて、訓練の最後の仕上げといくか。俺が直々にお前を抱いてやる。それでもなお心が堕ち切らなかったら、お前達の勝ちだ」

 

 自分達の勝ち。そう言われても、ゆきかぜの心に安堵の思いは浮かばなかった。相手の態度が引っかかり、かえって不安感が煽られる。

 

「どうした? 考え事をするのは結構だが、早い話が俺がお前にとってここで最後となるかもしれない客、というわけだ。これまでの教えを守って、ちゃんともてなせ」

 

 促され、ゆきかぜは考え込むことを中断することにした。どうせあれこれと考えても埒が明かない。今日を耐え抜けば賭けは自分達の勝ち。晴れて自由の身となり、次にここに足を踏み入れるときは凜子を助ける時になる。そう信じて疑わず、そしてその時を迎えるため、心を抑えてゆきかぜは三つ指をついた。

 

「……ご主人様、ここまで私に目をかけてくださり、ありがとうございます。立派な娼婦となったことを証明するため、これより精一杯ご奉仕させていただきます」

 

 やはり自然と頭に浮かぶ言葉を口にしつつ、心は冷静だった。動揺してはいけない。相手の自信の原因が何かはわからないが、相手に付け入る隙を与えなければいい。これまでずっと味わってきた屈辱ももうすぐ最後だと自分に言い聞かせ、はっきりとした口調で口上を述べた。

 それに対し、リーアルは特に何とも思っていない様子だった。以前ゾクトが感情を露わにしたこの澄ました態度をとれば多少は心の内側を探れるかと思ったが、当ては外れたことになる。むしろ、相変わらず変わらない態度に、逆にゆきかぜの方が困惑しそうだった。

 

(この自信……どこから出てくるの……? 残りの期間で私に勝つ何かがあるってでもいうわけ……?)

 

 ますます訝しむゆきかぜだが、リーアルはお構い無しだった。準備が出来たとばかりにベッドに腰掛け、視線を送って促してくる。

 

「何をしている? 精一杯奉仕する、と言ったのはお前だぞ。まず何をすべきかわかっているだろう?」

 

 そり立つ股間に目を奪われる。ここまで十名弱程度の客の相手をしてきたが、それらと比べても大きい。

 

(あんなのがお尻に入ったら……どうなっちゃうの……? ううん、もしもお尻じゃなくて、あそこに入れてもらえたら、きっと気持ちいいに違いないはず……)

 

 意識しないように思っていても、本人の思いに反して知らず知らずのうちにそんなことを考えてしまう。無理矢理にでも考えを消そうと頭を振り、ゆきかぜはベッドに座るリーアルの前に跪いた。

 

「失礼します……」

 

 これまで客として相手をさせられた男達にしたように、小さい口で逸物を咥える。それから舌を器用に動かし、男が感じるポイントを的確に刺激していく。

 

「ほう。睡眠学習の効果はかなりのようだな。あるいは擬似凌辱での成果もあるかな。なかなかいいぞ。だが咥え方が浅い。根元まで飲み込めるよう、喉奥もうまく使え」

 

 自分の気持ちなど無視しての命令に逆らいたい衝動を抑え、ゆきかぜは言われたとおりにさらにペニスを咥え込んだ。嘔吐感を堪え、遮二無二頭を前後へと動かしていく。

 

「んっ……。んぐっ……」

「そうだ、それでいい。やはりお前と凜子は2人とも奴隷娼婦となるべきだな。元対魔忍という肩書きでこれほどの逸材が2人いるとなれば、客も大いに満足してくれるだろう」

 

 こんな真似をするのは今だけだという否定の意味を込め、上目遣いに相手を睨みつける。だがこれは逆効果で、リーアルはそれが気に入ってしまったらしい。

 

「その目、屈服する気はないと言いたいわけか。面白い。ここまでの経過を経てなおその目が出来るという精神力は賞賛に値する。堕とし甲斐があるというものだ」

 

 今日が最終日だというのに、やはりこの自信の裏には何かがあるのではないだろうかとゆきかぜは考えをめぐらせる。だがそのせいで口の動きが緩慢になってしまったらしい。

 

「どうした? 急に動きが悪くなったぞ。仕方の無い奴だ、手伝ってやるとしよう」

 

 言われるなり、頭が両手で掴まれた。これまでの経験からわかる。自分主導の口奉仕ではない、相手が強引に行う口虐、イラマチオに移ろうとしている。

 

「んんーっ! んぅ……んんっ!」

 

 ゆきかぜは首を振って拒絶しようとした。が、既にしっかりと掴まれていてそれは許されない。

 

「暴れるな。喉奥の具合を確かめさせてもらうぞ」

 

 冷酷に告げられ、口の中に一気に逸物が押し込まれる。これまで体験した男達より巨大なサイズの代物が口腔内を支配し、息苦しさから目に涙が浮かんできていた。

 

「んぐっ……! むぐうぅっ!」

「さすがに急ごしらえではこの辺りが限界か。お前が堕ちた暁には、チンポを咥えて感じる息苦しささえ快楽に昇華できるようにしてやろう」

 

 心ではそれを拒否していたが、表立って意思を表すことは出来なかった。喉を蹂躙されることで余裕をなくし、それを耐えることで精一杯だった。

 そんなことなどお構い無しにリーアルは腰を打ちつける。かつて行われた訓練で味覚と嗅覚を精液の味と臭いで支配されたことを思い出してしまい、被虐の対魔忍の心の中には嫌悪感が浮かんでいた。

 

「むぐふぅ……! んんんんっ……!」

「やはり口で快楽を得られるのはまだ無理だったようだな。まあいい。ひとまず俺の精液の味を覚えさせてやる。手皿はいい、そのまま全て飲み込め!」

 

 命令されると同時、口の中に精が放たれた。ここまで抱かれてきた男達の誰よりも多いその量に、顔を歪めながら喉を鳴らして嚥下していく。

 

「んんんんんんーっ!」

 

 余りの量の多さに、ゆきかぜは先ほどリーアルが言ったことを本能的に理解していた。

 

(何……この量……! 臭くて飲みたくないけど……飲まないと窒息しちゃう……!)

 

 口内に留めて置くなど到底出来ない量に、ゆきかぜは懸命に喉を鳴らした。溺れそうになりながらも、嫌悪すべき男の精液を次々と胃の中へと流し込んでいく。

 

「がはっ……! げほっ……あうぅ……」

「いい飲みっぷりだったな。いずれこの味が忘れられなくなるだろう」

「そんな……こと……。あるわけないでしょ……!」

 

 口の端から飲み切れなかった精液を溢して強がりつつも、ゆきかぜは自分の身体に起こる異変に気づいてもいた。忌むべき男の性器への奉仕を強要され、その精液を飲み干す。本来なら拒絶して然るべきそんな行為であるにもかかわらず、女芯は熱を帯び始めようとしていた。

 

(何で……? 私、まだ身体何もされてないのに……。どうして、こんな……)

 

 息が荒い。今しがた飲み干したおぞましいスペルマを子宮で受け止めたい――。

 

「興奮しているのだろう?」

 

 やはり心の中を見透かされたかのように告げられたリーアルの声に、ゆきかぜは身を固くする。

 

「ちっ、違う! そんなこと……!」

「そうか? それならそれでもいい。どっちにしろ、次はお前のケツマンコに今飲ませたものを出してやるのだからな。まんぐり返しの姿勢になれ。それから娼婦らしい態度でチンポをねだってみせろ」

「う……うぅ……」

 

 屈辱と、身体の異変に対する焦り。それらが入り混じった心のまま、ベッドに上がり命令通りの姿勢を取った。目の前に貞操帯として股間に張り付いた生物が迫り、不気味に見える。

 

(大丈夫……。これが終われば、私達の勝ちなんだから……! これは私の意思じゃない、リーアルの命令……。心を強く持てば、きっと大丈夫……)

 

 懸命に自身にそう言い聞かせる。悔しいがここまで既に男達に抱かれ続け、さらに昨日の調教紛いのプレイのせいで身体はより淫らに花開いてしまっている。それでもこれで最後なのだから、とゆきかぜはゆっくり口を開いた。

 

「ご……ご主人様……。卑しいメス豚である私のケツマンコに……ご主人様の逞しいオチンポで……情けをください……」

 

 震える声を聞き、リーアルの表情に醜い笑みが浮かんだ。満足に肩を震わせて小さく笑う。

 

「くっくっく。しっかり言えたな。では、褒美をくれてやらないとな」

 

 1度射精しているにも関わらず、全く萎えた様子のないペニスが尻の穴にあてがわれる。だがすぐに挿入しようと力を入れてくるのではなく、入り口を撫でて焦らすだけだった。

 

「うぅ……ああっ!」

「どうした? 悩ましい声を出して、早く入れてもらいたいか?」

「ちが、うぅ……! そんなことないぃ……!」

 

 言葉では否定しつつも、ゆきかぜの心は揺れていた。まるで尻の穴の皴1本1本にカウパーを塗りこむかのように念入りに、そしていやらしく先端部分が擦りつけられる。ゾクゾクと寒気が背筋を駆け上がり、意思に反してアヌスがヒクついているということを自覚していた。

 

「ほう、尻穴がヒクヒクしているぞ。早く入れて欲しいんだろう?」

「勝手なこと……あっ、あっ、あああああああああっ!」

 

 図星を突かれたことを否定しようとした矢先、窄みを押し開いて肉槍が埋め込まれた。心の準備をする間もなく唐突に行われた挿入に、ゆきかぜの口からは嬌声がこぼれ出る。

 

「うっ……くうっ……。あ、ああんっ……!」

「なんだ、最初は嫌がるかと思ったらもう感じているのか。……そういえば昨日あいつは徹底して器具でアナルを開発したとか言っていたか。どうやらそれがかなり効果的だったらしいな」

「あっ、ああーっ!」

 

 肛門の入り口付近に感じる快感に、リーアルの言葉も耳に入らない様子で悶えることしかできない。昨日から突如として尻での感覚の変わったことに戸惑い、同時に恐怖していた。

 

(これ……まずい……! ちょっと前までと感覚が全然違う……! き、気持ちいい……!)

 

 やはり昨日から感じている快感は本物だったと、否が応でも認めざるを得なかった。そんな状態で、幾多もの女性を性の奈落へと堕としてめているこの男にこれから責められる。これが終われば自分達の勝ち、とわかっていてもなお、ゆきかぜは怖れを抱いていた。

 

「では動くぞ」

 

 宣告され、身体が快楽に耐えようと強張る。だが娼館の主は力任せに腰を打ちつけるのではなく、ゆっくりと腸壁の具合を確認するように動かし始めた。

 

「あくぅっ……! う、あぁんっ……。 そんな……ねちっこくぅ……!」

「いい声を出すようになったな。激しいのがお好みだろうが、こうされるのもいいだろう?」

「よくなんか……ああっ……! ないぃ……!」

「素直になれ。本当はアナルにではなく、ずっとお預けを食らっているこっちに出されたいんじゃないか?」

 

 緩慢な動きで、腸壁越しに子宮が擦りあげられた。待ち侘びた刺激に近いものに、ゆきかぜが目を見開く。

 

「あああーっ! それっ……それええええっ!」

「たまらないだろう? 一言ねだれば、すぐにでも極上の快楽を与えてやるぞ?」

「言わ……ないぃ……!」

「強情な奴め」

 

 言葉と裏腹、どこか嬉しそうな口調で、リーアルはまだ半分程度しか埋没させていなかった怒張を根元まで押し込む。身体を折り曲げられている状態で全体重をかけられたことによって、巨大なペニスが一気に深く飲み込まれていった。

 

「がっ……! あ、ああっ……!」

 

 いきなり訪れた圧迫感にゆきかぜは呻いた。だが一瞬後に、もうそれは甘い疼きとなって身体に広がっていく。

 

「腸壁越しに子宮を擦りあげられるのが気に入っているようだが、こうやって奥に押し込まれるのもたまらないだろう?」

「い……やぁ……。別に……なんとも思わないぃ……!」

「そうか? では入り口側はどうだ?」

 

 奥を抉っていたペニスが引き戻され、尻の入り口辺りが先端部分によって描き回される。

 

「お、おおおおぉッ! そ、そんないきなり抜かれたらぁ……!」

 

 そして再度、ゆっくりと腰を押し込む。裏側から子宮をなぞり上げられ、堪らずゆきかぜの身体が痙攣した。

 

「あっあっ、ああああああっ!」

「イッたか。だがまだ終わらせん。チンポが欲しくて欲しくてしょうがないその子宮を、アナル側からじっくりと刺激を与え続けてやる」

 

 奥まで到達すると、またしてもゆっくりとした速度で引き戻される。腸壁越しの子宮への刺激と、肛門から異物が引き抜かれる感覚。その2つの快感がゆきかぜを追い詰めていく。

 

「お、おおあぁぁぁあーッ! やっ……やめっ……! もうやめてえええええぇッ!」

「やめるわけがないだろう。ほら、また奥まで行くぞ」

 

 無慈悲に告げられての緩慢なストローク。のろのろとした、しかし確実に子宮へと響く刺激がまた訪れる。

 

(こ……こいつ……本気だ……。本気で……私を堕とすつもりなんだ……!)

 

 これまでの訓練や客に犯された時とは別の恐怖がゆきかぜの心を占めていく。肉槍が根元まで埋没させると、再び同じ速度で引き抜かれていった。

 

(ただでさえオマンコ切なかったのに……こんないたぶるようにお尻を犯されて……。お……堕ちる……これ……身体が耐えられない……心まで堕ちちゃう……!)

 

 さらにまたも同じことが繰り返される。逃げ場のない快楽と子宮を蝕む疼きに耐えかね、ついにゆきかぜは涙混じりに訴えかけた。

 

「やめて! お願い、もうやめて! これ以上されたら……おかしくなっ……あっ、あっ、ああああああああぁっ!」

「またイッたか? いいぞ、もっとイけ。おかしくなれ。堕ちるのが先か狂うのが先か。見ものだな」

 

 断続的に続く絶頂で溢れる愛液によって、魔界生物が膣内に媚薬を還元してくる。発情しきった身体は精を求め、砕かれそうな心は悲鳴を上げていた。にもかかわらず、相手の手が緩まることはない。

 

「いや……もういやあぁ! あっ、あっ、あああーっ!」

「言え。マンコにチンポが欲しいと。そうすればその苦しみから解放してやる」

「言わない……言えないぃ! 私には……達郎とお母さんと凜子先輩が……あ、あぐうううぅっ!」

 

 崩壊の足音が近づいていた。意地でそう言い返しているものの、もう限界だった。身体はイキっぱなしの状態となり、絶頂から降りてくることも出来ずにいる。瞳の焦点は虚ろで、喘ぎ混じりに恋人と母と相棒の名をうわ言のように呟き、自分に言い聞かせようとしていた。

 

「た……つろう……お母……さん……凜子……せんぱ……。あ、あ、あきゃあああぁぁぁあッ!」

「くっくっく……。まさかこれほどとはな。驚いたぞ。……いいだろう、俺の負けだ。降参してやる」

 

 しばらく責め苦が続けられた後で聞こえてきた声に、ゆきかぜは安堵を覚えた。途中からはどうやって耐えていたかも曖昧になっていた。かろうじて自我が保てているとホッとした瞬間――引き抜かれかけたペニスが一気に奥を抉った。

 

「あっ……がああああああぁっ!? な……んで……! 今……降参って……」

「ああ。俺がすぐにでもお前を堕としてやりたかったが、それは諦めるという意味だ。だがここまでやってやめたら、俺もお前も生殺しだろう? 出すまではやってやる」

「そ……そんなの余計なお世話……うあああああああぁっ! あ、ああああーっ!」

 

 言葉通り、これまでとは異なって激しいアナルピストンだった。それでもここまでずっと責め立てられ続けてきたゆきかぜにとっては快楽に変わりはない。

 

「あひいいぃぃぃいいいッ! やめっ……あっ、あっあっあっああぁぁぁぁぁぁああっ!」

「そろそろ出してやる。派手にイクがいい」

 

 屈曲位で深く叩きつけられる度に、ゆきかぜは悶絶し続けた。相手の射精より先に自分が壊れるのではないかという恐怖が生まれる。しかし永遠に続くかと思われたそれは、腸奥へとペニスが押し込まれて爆ぜる時をもってようやく終わりを迎え、同時にゆきかぜにオーガズムの波が襲い掛かった。

 

「あ、あ、あああああッ! で、出てる……! 精液出て……! あっ、いっ、イク……! ケツマンコに精液出されてイクぅ! イクイクイクイックうううぅぅぅぅぅうぅッ!」

 

 大きく四肢を痙攣させ、深く絶頂を極めるゆきかぜ。腸壁は精液を搾り取ろうと収縮を繰り返し、応じるように精液が注ぎ込まれ続ける。

 長い射精がようやく終わった後でずっと腸内を抉り続けていた男根が引き抜かれた。脱力したゆきかぜはベッドで上で身体を小刻みに震わせる。

 

「恐るべき精神力といったところか。2週間あれば堕とし切れると踏んだが……。俺の目論見は外れたな。まあいい。俺はここまでだ」

 

 意味深なセリフを吐きつつ、リーアルはペニスをゆきかぜの顔へと押し付ける。もはや口を開ける気力もなかったが、無理矢理押し込まれて掃除させられてしまった。

 

「まったく、ここまで弱っているのにダメだったか。……おい、聞こえているか、ゆきかぜ? 頑張ったお前に褒美をくれてやろう」

「ほう……び……?」

「そうだ。前も言っただろう、俺は優しいとな」

 

 不意に言われたその言葉に、嫌な予感がよぎる。以前もそう言われた後、酷い目に合ったと記憶している。だが抵抗したくとも、身体が言うことを聞いてくれない。虚ろな瞳のまま、部屋の入り口へと一旦去っていたリーアルを見つめていて――。

 

「えっ……!?」

 

 娼館の主が扉の向こうから連れてきた1人の女性に、疲労しきっていたはずの身体を起こしてゆきかぜは目を見開いた。

 

「お(・)母(・)……さ(・)ん(・)……」

 

 仮想現実で何度も目にし、しかしゆきかぜを苦しめるために現れ続けた母――水城不知火。ずっと捜し続けていた相手と、今度こそ現実での再会となったことが信じられず、これも虚構の世界での出来事ではないかとさえ思ってしまう。

 

「大きくなったわね、ゆきかぜ」

 

 だが聞こえた声と自分を見るその瞳に、間違いなく母だと確信した。偽者が見せた目と根本的に異なる、慈愛に満ちた暖かい眼差し。

 

「お母さん……!」

 

 疲弊した身体を引き摺るようにゆきかぜがベッドから身を起こそうとする。が、それより早く歩み寄った不知火が、娘の身体を優しく抱きとめた。

 

「会いたかった……お母さん……」

「ええ……。私もよ、ゆきかぜ」

「でも……どうしてお母さんがここに……?」

 

 娘を抱き寄せていた身体を母が離す。だがゆきかぜが再び不知火の顔を見たとき、そこには先ほど感じた慈愛に加え、何か妖艶な色も浮かんでいると感じていた。

 

「あなたと凜子ちゃんがヨミハラに来た、と聞いたから。リーアル様(・)にお願いして、あなたに会いに来たのよ」

「えっ……」

 

 リーアル「様」。今目の前の母ははっきりとそう言った。聞き間違いであってほしいと思う心を裏切るように、そのリーアルが補足を始める。

 

「説明してやろう、ゆきかぜ。不知火がしばらく行方不明だったのは当然娘のお前は知ってるだろうが、こいつはここに潜入後に捕縛され、俺が調教したのだ。しぶとかったぞ、お前の母は。完全に堕ちるまでに2年……いや、3年はかかったかな。だがその甲斐あって、俺が手懸けた中で最高の奴隷娼婦となった。今は政治家である俺の兄の専属奴隷娼婦として付き添っている。今日はお前に会いに来るため、わざわざここに来てくれたというわけだ」

「う……そ……」

「本当よ。私を調教してくださったリーアル様は、私にとって第2のご主人様に当たる、と言ってもいいわね。それに私の舌にあるこの刻印が、私が奴隷娼婦であることの何よりの証拠ですもの」

 

 口を開け突き出された舌には、ゆきかぜの舌にあるものとよく似た奴隷刻印が浮き出ていた。

 

「ただ、不知火のそれはお前のほど強力な制限はかけられていない。兄者のボディーガードも任せているからな。ヨミハラから離れても問題なく、忍法も使える、制約の弱いものだ。それでも兄者や俺に手を上げようとすれば激痛が走るし、キメラ微生体を取り込んでいるために生体爆薬に変換して四肢を吹き飛ばすことも出来る。……もっとも、そんなことなどする必要はもうないだろうがな。不知火は兄者や俺には絶対の服従を誓っている。つまりその刻印は、あくまで奴隷娼婦としての証、としての意味合いが強い」

 

 リーアルの説明を肯定するように不知火は小さく微笑む。

 

「あなたのことは、リーアル様から私のご主人様を通して話が耳に入ったわ。……でもあなたは昔から気が強くて頑固なのはわかっていた。だから、おそらく最後までゆきかぜは対魔忍としての誇りなんてものを守ろうとして、心は折れないと考えた。そうなったら、私に説得を任せてほしい、とお願いしたの」

「説……得……?」

 

 呆然とするゆきかぜ。言っている意味がわからない。いや、わかりたくないと、理解しようとする行為を拒絶する。

 

「さっきリーアル様が言った通り。今の私は対魔忍ではない……。奴隷娼婦なの。愛するご主人様に仕えられて幸せを感じる、ただのメス豚……。そしてゆきかぜ、あなたにもこの幸せをわかってもらいたい……」

「嫌……そんなの嫌だよ! ねえお母さん、帰ろう。お母さんはお父さんを愛して私を産んでくれたんじゃないの!? 今の話を聞いたら……天国のお父さんが悲しむよ!」

 

 一瞬、不知火の顔から笑みが消えた。だが次にはまた作ったような微笑を貼り付けなおしている。

 

「……あなたはまだ幼いのよ、ゆきかぜ。すぐに女の悦びというものがわかるわ」

「わからない! そんなの、わかりたくもないよ!」

「……ねえ、ゆきかぜ。あなたは、どうしてそこまでして対魔忍であり続けたいなんて思うの?」

「どうして、って……。だって私、お母さんを捜すために……」

 

 言いかけた言葉は、途中で途切れた。そう、母は目の前にいるのだ。捜す必要など、もう無くなっていた。

 

「私はここにいるわ。なら、もう対魔忍である必要はないでしょ?」

「で、でも……凜子先輩と約束して……。リーアルとの賭けに絶対に勝つ、って……」

「凜子ちゃんもあなた同様、ここで奴隷娼婦となるための訓練を受け、今はもう客を取ってるとも聞いたわ。……それも、結構気に入っている様子だ、とも」

「そんなはず……」

「それがあるのだよ。つい先日、VIPの客が自分の息子の筆下ろしのために凜子を指名したのだがな。その息子は大層凜子が気に入ったらしく、また凜子もかなり乗り気だったと聞いた。お前が思っている以上に、あいつはここでの生活を満喫しているのだ」

 

 不知火とリーアルに畳み掛けられ、ゆきかぜが言葉を失う。正常な状態の彼女なら、相手からの何の根拠もない発言だと一笑に付すことが出来ただろう。しかし母、それも堕ちてしまった母との突然の再会という思いもよらない出来事が、ゆきかぜを動揺させて冷静な判断を奪い去っていた。

 

「だから、凜子ちゃんも一緒に奴隷娼婦になればいいの。昔みたいに3人で、一緒になりましょう。……それにゆきかぜ、あなたはもう十分につらい思いをしたじゃない。女の子の大切なところにこんなものをつけられて、イきたいのにイけなくさせられて……。どれだけ苦しかったか、よくわかるわ。でももう我慢しなくていいのよ」

 

 母の言葉は乾いた心に染み渡るようだった。それでも、流されまいとゆきかぜが口を開く。

 

「でも……でも……! 達郎が……達郎が私を待っててくれてる……」

「そう……。ゆきかぜ、タッ君が好きなのね。……でもどこまで済ませたの? セックスはした? キスは?」

 

 昔のように達郎のことを愛称で呼び、不知火はそう尋ねた。明け透けな質問だが、それ以上に答えの内容としてゆきかぜは戸惑ってしまう。

 

「そ……それは……。まだ……」

「じゃあそれは片思いなんじゃない? 恋人同士だって言えるのかしら? ゆきかぜはそう思っていても、タッ君は思っていないかもしれないじゃない。互いの気持ちを確認してはいないんでしょう?」

「だ……だけど……」

「ゆきかぜ、母として忠告するわ。タッ君のことは諦めなさい。あの子じゃあなたを満足させられない。……だってあなたの身体はもう女として花開いている。リーアル様のあの逞しいオチンチンを思い出してみて。……タッ君の、きっと貧相なものじゃ、もう満足できない。そう思わない?」

「あ……ああ……!」

 

 今さっきアナルを抉られ続けたペニスが脳裏をよぎった。抱かれてきた他の男達よりも巨大なサイズ、それに胎内を擦り上げられるたびに得られる、えも言われぬ快感――。

 

「……もうあなたの身体は堕ちてしまったの。タッ君なんかじゃ満足できない。今すぐにでもオマンコにチンポ入れてもらいたくてしょうがないんでしょう? それを認めなさい。そして……私と凜子ちゃんと、また一緒になりましょう。もうあなたの傍から離れない……。お母さんは、ずっとあなたの傍にいるわ。だから……もう何も我慢しなくていいの」

「う……うぅ……! うわあああああああっ!」

 

 頭を抑え、ゆきかぜは叫んだ。もう母を捜す必要はない。もう凜子との約束を守る必要もない。そして、もう幼馴染のために苦痛に耐えながら貞操を守って、そこに戻る必要もない。

 

「あ……あは……あはははは……! そうよ……そうじゃない……。お母さんと凜子先輩と一緒にいられる……。なら、お母さんの言うとおりよ……。もう、何も我慢する必要なんてなかったのよ……!」

 

 壊れたように笑いをこぼし、ゆきかぜは肩を震わせた。ややあってそれが落ち着くと、静かに口を開く。

 

「……リーアル……様(・)。お願いがあります……」

「なんだ、ゆきかぜ。言ってみろ」

 

 勝利を確信し、娼館の主は醜く笑顔を浮かべた。

 

「私の……この卑しいメス豚奴隷娼婦の水城ゆきかぜの処女膜を、どうかぶち破ってください!」

 

 待ち望んだ堕落の言葉に、リーアルの笑い声が響く。しばらくしてそれが収まってから、低い声で尋ねかけた。

 

「いいんだな? 凜子との約束を破れば、あいつもお前ともども奴隷娼婦となることはわかっているんだろうな?」

「勿論です……! そうすればこれからもお母さんと凜子先輩と一緒にいられる……。私は、もう我慢しなくていいんです!」

 

 ここまで頑なに守ろうとしてきた心が、完全に崩れた瞬間だった。再び満足そうに肩を震わせ、リーアルはゆっくりと立ち上がる。

 

「わかった、いいだろう。だがもう少し待て。お前の処女喪失のための最高の舞台を整えてやる」

「はい……ありがとうございます……!」

「くくく……。不知火よ、お前の予想通りだったな。見事だ。やはり切り札(ジョーカー)は絶対の力を持っていたか」

 

 賞賛の言葉に軽く顎を引き、不知火は感謝の意思を見せた。

 

「さて、それでは最後の仕込みに入らねばならないな。しばらく席を空けるぞ。……ゆきかぜよ、堕ちたお前に相応しい衣装を用意してやる。そして敗北を痛感させるために、凜子の目の前で……そう、文字通り『目の前』で、お前の処女喪失を見せ付けてやろう」

「あはぁ……。凜子先輩に見られながら……」

「しばらくしたら戻る。それまで、久しぶりの親子の再会を楽しむんだな」

 

 意味深な言葉を残し、リーアルは部屋を後にした。残された親子は、空白の期間を埋めるかのように身体を寄せ合う。

 

「もう……どこにも行かないで……。ずっと一緒だよ……お母さん……」

 

 歪んだ笑顔と共にゆきかぜが不知火へと抱きつく。堕ちた雷撃の対魔忍の頭を撫でるその母は、やはり慈愛に満ちた優しい笑みを浮かべていた。

 

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