※この作品はR-18です。

堕落の空装武神   作:天木武

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娼婦研修

◇

 

 

『凜子先輩……。私はまだ大丈夫です。今は身体中に媚薬ローションを塗られてて……。凄くつらいし、我慢できなくて……イッちゃうこともあるけど……。でも、まだまだ頑張れます。対魔忍としての誇りを忘れることは片時もありません。心までは絶対に支配されません。……先輩は私以上につらいと思いますけど……どうか、頑張ってください』

 

 キシリアとの敗北凌辱ショーが終えて一夜が明けた。凜子はここに来たときと同じビキニのような格好で自室にいる。今彼女が見ていたのは、もう数度は再生したゆきかぜからの映像メッセージであった。これは直接顔を合わせられない代わりに録画映像でお互いの様子を確認させる、という約束に則ったもので、先ほどリーアルが手渡してきたものである。見終えたところで、映像を映し出していた手に持つ小型端末を震わせ、ほぼ裸の彼女は表情を曇らせた。

 映像の中のゆきかぜは先日見たとき同様に四肢を機械に飲み込まれ、磔の状態にされたままだった。疲労の色は見えるものの、本人の口から出たとおり、まだ平常をどうにか保っていられるようである。

 一方で自分はどうか、と凜子は心が重くなるのを感じていた。ゆきかぜが片時も忘れたことはないと言った対魔忍の誇り。乱された間、自分はそれが頭の中から消えてしまっていたのではないかと思ってしまう。

 

(……いや、先輩である私がこんな弱気でどうする! こんなことではゆきかぜに合わせる顔がないではないか! ……感謝するぞ、ゆきかぜ。私1人では早くも弱音を吐いて心が折れていたかもしれなかった。だが妹分であるお前のことを考えれば、私はまだまだ心を奮い立たせられる!)

 

 一度大きく深呼吸し、気持ちを落ち着ける。先ほどまでの弱気な心は消え去り、代わりに静かではあるものの確かな闘志がみなぎってきていた。

 

(まだ大丈夫だ。悔しいが身体は容易く淫らに色めき立ってしまうものの……心は堕ちていない。……そうだ、ゆきかぜの言うとおりではないか。どんなに身体を好き勝手にされようと、心までは支配されないのだということを、あの愚かな男に見せ付けて、ゆきかぜと達郎のためにも必ず約束を果たしてみせる……!)

 

 自分自身に言い聞かせて、凜子は手に持っている端末を操作し始める。再びゆきかぜの映像を再生して今日これからの心の支えにしようとした、その時。

 

「その様子なら、昨日の疲労は抜けたようだな」

 

 ノックも無しに部屋の入り口が開けられた。立っていたのはこの館の主、リーアル。その後ろには、凜子にとって初めて見る、左眼が潰れた魔族の男が立っている。

 

「……何の用だ」

「まったく口の利き方は全然なっておらんな。主人がわざわざ尋ねてきたら感謝の気持ちを伝えるものだろう」

「貴様に感謝だと? 冗談はその気持ち悪い顔だけにしろ」

「その気持ちの悪い俺に迫られ、数日前は恋人のように身体を重ねたというのに……。まあいい。お前の口が減らない分だけ、堕とす楽しみが増えるというものだからな」

 

 一方的にそう述べ、リーアルは背後の男を促して部屋の中へと入ってきた。見知らぬ男に凜子は警戒の眼差しを向ける。

 

「紹介しておこう。この男はゾクト。俺の顔馴染みの奴隷商人だ」

「……これはまた、下衆な肩書きだな」

「そう邪険に扱うな。お前の大切な相棒、ゆきかぜをここに運んだのは他ならぬこいつなのだからな」

「な、何っ!?」

 

 予想していなかった名前を出され、凜子は思わず隻眼の男を仰ぎ見る。リーアルの言葉を肯定するように、ゾクトの表情には笑みが浮んでいた。

 

「今リーアルの旦那が言ったことは本当だ。小生意気な日焼け貧乳は俺が大事にここまで連れて来てやったぜ。まあちょいとばかり、あの全然無い胸で遊ばせてはもらったがな」

「き、貴様ァ……!」

 

 凜子の瞳に怒りの色が宿る。今にも飛びかかりかねない対魔忍を見て、主人が前もって釘を刺した。

 

「妙なことを考えるなよ。手足を吹き飛ばされたくは無いだろう?」

「くっ……! わ、わかっている……」

「それにこいつはお前の研修の相手を買って出てくれた。……というより、厳密には頼み込んできた、と言うべきだが」

「何……? 研修と言ったのか?」

 

 話が見えないと凜子はリーアルに問いかける。

 

「ああ。娼婦になるための実践訓練だ。とはいえ、身体の方は申し分ない。実際身体検査をして俺の折り紙つきだ。昨日も衆人環視の中、羞恥よりも快感が勝っていたしな」

「う、うるさい……!」

 

 強制的に昨日の痴態の記憶を呼び起こされ、凜子は顔を赤らめて逸らした。しかし相手はそんなのを気にかけた様子もなく、いや、むしろ愉快そうに笑みをこぼして続ける。

 

「照れるな。褒めているんだ。……ともかく、身体の方はすぐにでも奴隷娼婦として十分ではあるが、それだけでは客は取れない。よって作法等、この男を実際の客と思って確認させる」

「確認だと? 私はここに来てから教えのようなものは何も受けていないぞ」

「本当にそうかな? ……最初に客に対してすべきこと、かけるべき言葉は何だ?」

「そんなことわかるわけ……。えっ……?」

 

 否定しようとした言葉は途中で止まり、凜子は自分の思考に戸惑っていた。挨拶の作法、卑猥な服従の言葉、客を悦ばせるテクニック……。知らないはずのことが次々と頭に浮かんでくる。

 

「な、何だこれは……? 私はこんなもの……」

「頭には思い浮かべられるようだな。それは睡眠学習の成果だ。ここに来てからお前を随分と眠らせていたのは体力を回復させる意味だけではない。睡眠学習の時間を取るためでもあったのだ。それによって奴隷娼婦としての基本的なたしなみ等は刷り込んでやった」

「くそっ……! どこまでも下劣な……!」

 

 ギリッと歯を鳴らすも、どうすることも出来ない。結局はリーアルに逆らえない以上、知らず知らずのうちに覚えこまされたこの情報に対して反論してももう無駄なことなのだ。そう割り切り、凜子は先を続けた。

 

「……言いたいことは察しがついた。その睡眠学習で学んだ知識を元に、そこの男……ゾクトといったか? そいつを客に見立てろ、と言いたいのか?」

「そういうことだ。さすがは頭の切れる対魔忍だな」

「つまるところ、研修というからには……。その男と……性行為をしろ、と。……最低だな」

 

 吐き捨てるように述べ、不本意ながらも凜子は思考を切り替えた。どうせ逆らうことは出来ない。ならばさっさと済ませた方がいいと、娼婦として振舞おうとする。

 

「ちょっと待て」

 

 が、それは再びかけられた娼館の主の声によって止められた。

 

「なんだ、ダメ出しにしてもまだ何もしていないぞ」

「ほう、随分と真面目で向上心があるな。それは大いに結構だが、ゾクトからリクエストがあるそうだ」

「ああ。お前にはこいつを着て俺の相手をしてもらいたいんだよ」

 

 そう言って手渡されたのは、昨日アリーナで戦う際にも着させられた凜子の対魔忍スーツのレプリカだった。

 

「そいつを着てくれれば対魔忍が相手してくれてるみたいでより興奮するしな。それに昨日のお前の闘技場でのいやらしい姿を見てたら、是非とも俺もそいつを着たお前を犯したいと思ってよ。それでリーアルの旦那に頼み込んだ、ってわけよ」

「……つくづく救いようがない連中だ。今着る。そしてさっさと終わらせてやる」

 

 奪い取るように愛用の対魔忍スーツそっくりのまがい物を手にし、凜子は着替えを始めた。2人の粘りつくような視線で羞恥心が煽られるが、そんなことで手間取るのもなんだか癪だし、それに昨日はもっと大勢の人間に見られてしまったのだ、と自分に言い聞かせ、裸体を晒してからそのスーツへと着替え終えた。

 

「……着替え終わったぞ」

「もうちょっと着替える時に恥じらいとか見せてくれてもいいだろうがよ。それにその物言い、風情も何もあったもんじゃねえ」

「ふん、貴様のような下劣な魔族が風情などとはなんの冗談だ? ……くだらない世間話はいい。私は早く終わらせたいんだ。始めていいか?」

 

 ゾクトの話を軽くいなし、凜子はリーアルに視線を送る。頷いて了解の意を示されたのを確認し、睡眠学習で学ばされた知識を元に、ゆっくりと正座をしてから三つ指を着いた。

 

(屈辱だ……! だが……この程度、なんということはないはずだ……! 対魔忍の誇りは片時も忘れない、心までは支配されない! ……ゆきかぜ、言葉を通してお前が私にくれたその力、確かに受け取ったぞ。お前のため、ひいては私も助かるために、この程度、甘んじて受け入れる……!)

 

 後輩に励まされた映像を思い出し、心を強く持ち直す。そして恥じる心を押し殺し、刷り込まれた知識を懸命に呼び起こして、目の前の客へとたどたどしい口調で切り出した。

 

「ど……奴隷娼婦見習いの秋山凜子です……。まだまだ未熟な不束者ではありますが、一生懸命ご奉仕させていただきます……」

 

 自ら服従の言葉を口にしただけで、身体の奥が熱くなったように錯覚してしまう。一方、それまで強気に振舞っていた「斬鬼」が従順な態度を示していることに、ゾクトは気を良くしたらしい。愉快そうに小さく笑いをこぼしてから切り出した。

 

「いいねえ。さっきまでの威圧的な物言いが嘘みてえだ。それに初々しさもあってなおいいぜ。……よし、それじゃその言葉通り奉仕してもらおうじゃねえか」

「くっ……! で、では失礼します……」

 

 たどたどしい様子で凜子はベッドに座るゾクトの前へと跪いた。それから醜悪な男性器へと手をかける。

 

「ゾクトにはもう指示してあるが、最初は口に出してもらえ。フェラや手コキ、パイズリ等の技術を確認する」

「わ……わかった……」

 

 本来なら聞きなれないはずの言葉を理解してしまい、睡眠学習は本当なのだと凜子は再確認せざるを得なかった。まずはペニスを勃起させなくてはいけない、という刷り込まれた知識に従って慣れない手つきで刺激を始める。

 

「おいおい、なんだそりゃあ。そんなんじゃいつまで経っても立つものも立たねえよ」

 

 だがいくら知識があろうと、強制的にされたのはともかくとして、自ら進んで男性器に触れるなどこれまでなかったことだ。知らないうちに強引に教え込まれた知識で手の動かし方や感じやすいポイントなどはわかっていても、実際そこのポイントの場所や力加減などは全くわからない。

 

「も、もっと力を入れてもいいのか……?」

「慣れてない奴や皮被ってる奴ならそのぐらいでもいいかもしれねえが、俺にとってはそんなの物足りな過ぎてあくびが出るぜ」

 

 言われたアドバイスを元に不慣れな手淫を試行錯誤していく娼婦対魔忍。元々天才肌であったために飲み込みは早いのか。相手の僅かな変化を見極め、脳内の知識と照らし合わせて、どこが男を悦ばせる場所かを早々に見抜いていた。

 

「お……。前言撤回だ。さすが対魔忍様は学習能力が高いな。段々よくなってきたぜ。旦那、こいつはいい娼婦になるんじゃないですかね?」

「ほう? ゾクトをもってしていきなり褒められるか。良かったな、凜子」

「な、何もよくはない……! ……ふん、こんな不慣れな私ごときに触られて、ここをこんなにして。お前は恥ずかしくないのか?」

「おっと、いきなりS女ちゃんか? それもいいが、やるなら俺じゃなくてMっ気のある男相手にしな。そいつはリクエストしてねえよ。……どれ、いい感じに立ってきた。それじゃ次は……」

 

 言うなり、ゾクトは勃起したペニスを凜子のコスチュームの胸の隙間に押し込んだ。突然の予想外の行動に、思わず凜子は慌てふためく。

 

「な……!? ど、どこに入れている!?」

「何驚いてんだよ。次はパイズリだ。せっかくそこにチンコ入れてくださいっていう隙間もあるんだしよ。その水風船みたいな胸を寄せて俺のチンポを刺激してくれや」

「ぱ、パイズリ……」

 

 やはり凜子はその単語が意味する行為を無意識に理解してしまっていた。胸の間に押し込まれた男性器を巨大な胸で挟み込むようにし、身体を動かして扱(しご)いていく。

 

「お、おお……! こいつはいいぞ! お前の馬鹿みたいにでけえおっぱいが柔らかくていい具合だ! やっぱ女の胸はこうじゃねえと。もう片方の対魔忍の貧乳じゃ到底味わえないぜ」

「ゆきかぜを愚弄するな……!」

「仲間思いだな。まあ、だからこうやってリーアルの旦那の言うことを忠実に聞いてるのかもしれねえが。……うお、胸が動いた後にそのエロスーツに当たる感覚がたまんねえ! 胸マンコ犯してるみたいだぜ!」

「は、恥ずかしいことを言うんじゃない……!」

 

 そり立つ性器を胸で擦るたびに、自分の胸も捏ねられているようで段々と身体が昂ってくる。さらにペニスの先から滑(ぬめ)る液体が滲み出して胸を汚し、そこから漂うオスの臭いが鼻腔をくすぐることで、身体が蝕まれるような錯覚を覚えていた。

 

(こ、この臭い……。頭がぼーっとしてくる……。うぅ……臭いだけでこんな気持ちになってしまうほど……身体はおかしくなってしまっているのか……?)

 

 意思に反して身体は熱を帯び、口からこぼれる吐息は艶かしくなっていた。カウパーがスーツを染める様子に、無意識のうちに生唾を飲み込んでしまう。

 

「よし、そろそろ胸はいいぜ。お前ももうこいつを咥えたくてしょうがないみたいだしな」

「そんなこと……思っていない……!」

「強がるんじゃねえよ。乳首はビンビンだし口から涎垂らしそうじゃねえか。……旦那、いいですかい?」

 

 胸奉仕の間無言でその様子を眺めていた娼館の主に奴隷商人が伺いを立てる。椅子に座ったままのリーアルは満足そうに笑みを浮かべていた。

 

「構わんが、その前に凜子のパイズリはどうだったのか、お前の感想を聞きたいな」

「やはり睡眠教育だけなんでまだまだですが、新人ということを考えれば十分ですよ。むしろこのたどたどしさを喜ぶ男もいるんじゃないですかね。胸のサイズもバッチリな上に感度良好、文句無いですよ」

「そうか。良かったな凜子。べた褒めだぞ」

「何がいいものか……! こんなことを褒められても、嬉しくなどない!」

 

 リーアルと対照的、凜子は不満そうに睨みつけつつそう返した。

 

「そう言ってるのも今だけかもな。ま、ともかく口を動かすなら俺のこいつを咥えてからにしてくれ」

 

 目の前にゾクトの勃起したペニスを見せられ、思わず言葉に詰まる。

 

(お、大きい……! 私はこれまで何度もこんなものを……身体の中に受け入れ続けていたのか……!?)

 

 今までこんなにまじまじと見ることはなかったために、意図せず見入ってしまっていた。これがオスなのだと思うと、身体の芯から熱くなってくる気がしてくる。

 

「なんだ、物珍しそうに見て。別に見るのなんて初めてでもねえだろ? 昨日だって散々犯されてたじゃねえか」

「それは……そうだが……」

 

 しかし大抵の場合、身体が発情して理性が溶けてしまった状態で目にしていたものであった。先日のリーアルの身体検査のときもここまで間近では見ていない。

 

「おいさっさとしゃぶれよ。フェラチオだ、わかるだろ?」

 

 刷り込まれた情報によってやるべき行為は理解していた。しかし身体を実際にどう動かしたらいいかがわからない。強引に口内を犯されたことはあっても、自ら進んで口に咥えるという行為は初めてで、どうしても抵抗を覚えてしまう。

 

(こ、これを……口の中に……。うぅ……く、臭い……! なのに……頭が……痺れて……! あぁ……!)

 

 既に開発されている身体はオスの臭いに忠実に反応してしまった。思考が鈍り、一瞬前まで抵抗感があったことなど忘れ、半ば無意識のうちにペニスを口に含んでいた。

 

「やっとか。やり方は刷り込まれてるんだろうが、歯は立てるなよ。……お、おお!?」

 

 最初こそ恐る恐るという様子の凜子であったが、口淫を始めた途端にゾクトは目を丸くして意外そうな声を上げた。

 

「んんっ……。ぢゅる……んちゅ……んむぅ……」

「いいぞ……。悪くない舌遣いだ。そのまま唾を絡ませて、裏筋も舐めるんだ」

 

 働かない頭のまま、凜子は言われたとおりに舌を動かした。ジュルジュルという淫靡な水音を響かせ、唾液を伴っての舌奉仕を続ける。今言われたペニスの裏側に加え、カリ首の部分も重点的に舌を這わせていく。

 

(これ……変な味だ……。すごく大きくてビクビク脈打って……。でも舐めてると……変な気分になってくる……)

 

 フェラだけで段々と興奮してきてしまう見習い娼婦。思わず今口の中にあるものが膣の中をかき乱すところを想像してしまい、それだけで子宮が僅かに疼いてきていた。

 

「んふ……。んぢゅる……ぢゅる……。ちゅく……ちゅう……んちゅ……」

 

 舌の動きに加え、頭も前後に動かして口内で扱き上げる。初めてとは思えない舌技を受け、ゾクトは意外そうな声を上げていた。

 

「や、やるじゃねえか……! 旦那、こいつ本当に睡眠学習だけなんですかい!? なかなかなフェラテクだ!」

「俺が身体検査をした時はまだ睡眠学習の時間不足で身体の具合しか確かめなかったからな。自分から、という形でやるのは今日が初めてのはずだぞ。もっとも、これまで強姦であるにも関わらずテクニックを磨いていた可能性は否定できんが」

「だとしたら本当に素質ありだ! おい、お前はいい娼婦になれるぜ!」

 

 侮蔑の言葉に、反射的に凜子は頭に血を上らせた。まだ理性が蕩けきっていないために、怒りを覚えて目の前の相手に鋭い視線をとばす。

 

「お、凜子。その目だ。いいねえ、ゾクゾクするぜ。それで上目遣いに俺を見ながら続けろ」

 

 しかもゾクトはそれが気に入ってしまったらしい。余計なリクエストまでとんできてしまう。

 

(この男……小物の癖にリーアルに取り入ったからって調子に乗って……!)

 

 苛立つ怒りを込め、言われたままに凜子は小賢しい奴隷商人を上目遣いに睨みつけ、口奉仕を続けた。段々と頭を動かすペースも速まり、唾液と先走り液の絡み合う音がより一層響く。

 

「へ、へへ……! あのおっかねえ『斬鬼』が悔しそうに俺を睨みつけながらフェラしてくれてると思うと、気分いいもんだな! とはいえ、さすがにそろそろ……! 旦那、もういいですかい!?」

 

 余裕のなさそうな声でゾクトはリーアルに何かの許可を求めた。それを受けて頷き、了承の意図を示す。

 

「いいだろう。お前がそこまでというからには、十分合格ラインと考えられるからな」

「ありがとうございやす。……さて、んじゃあこっから出すまでは俺のペースでやらせてもらうぜ!」

 

 言うなり、凜子の頭が無骨な手に掴まれた。そのまま腰を突き出され、これまでより深くペニスが押し込まれる。

 

「むぐうううぅッ!?」

 

 突然の強引な挿入に凜子は目尻に涙を浮かべて悶えた。心の準備も何もないままだったために、軽いパニックに陥ってしまう。

 

(の、喉ぉ……! 奥まで入ってきて……くっ……苦しいッ……!)

 

 思うように呼吸が出来ず頭を離そうとするも、しっかりと掴まれてしまっているためにそれも出来ない。凜子のことなど完全に無視してのイラマチオ。喉奥を抉られ、だが先ほどまでのフェラで熱くなりつつあった身体は、そんな暴虐もまた快感に昇華しようとしていた。

 

「凜子、今は苦しいだろうがそれも慣れの問題だ。経験を積めば喉の奥を責められる苦しさは減り、さらには気持ちいいと感じることも可能だろう。……いや、息苦しさの中に甘い吐息も混じっているようだ。もう感じ始めているのか?」

 

 リーアルからかけられる言葉も、余裕のない今の凜子の耳には入らなかった。オナホールのように、道具さながらに扱われながらも、相手を確実に悦ばせていく。

 

「こ、こりゃあいい口マンコだ……! たまんねえぜ!」

「んぐううううッ……! むぐふぅっ……。んおごおおッ!」

 

 興奮した声を上げるゾクトと対照的、艶のある息を漏らしながらも苦悶の声をこぼす凜子。喉奥へと突き入れるペースは速まり、もうすぐこの口虐が終わるということを意味していた。

 

(は、早く……早く終わってくれ……!)

 

 酸素が足りなく、朦朧とした頭で凜子はそれをただ願う。やがて強引に動かされていた頭が止まり、喉の奥で濁流が爆ぜた。

 

「よし……! 出るぞっ!」

「んぐふッ!? んむ、んんんんんんんんんんんんッ!」

 

 頭をがっちりと抑えられた状態での射精。瞬く間に凜子の口の中に生臭い精液が満ちていく。

 

(あ、ああ……! 出てる……! 私の口の中に……臭いザーメンがこんなにたくさん……! ど、どれだけ出るんだ!? こんなの……苦しすぎて……!)

 

 なおも出てくる体液に溺れそうになってしまう。瞳の焦点が定まらなくなり、その苦しさから逃げようとするが――。

 

「おっと、こぼすんじゃねぞ! それからまだ飲むな! やることはわかってんだろ?」

 

 かけられた言葉に刷り込まれた知識が呼び起こされ、やるべきことを理解していた。ゾクトのペニスが引き抜かれる。それを確認してから凜子は口の前に手皿を作り、今しがた口内に出された精液をゆっくりと吐き出して目の前の相手へと見せた。

 

「わかってるじゃねえか。睡眠学習ってのはすげえもんだな! よしいいぜ、今度はそれを飲め」

 

 蔑まれるようなゾクトの声が耳に入らず、ようやく得られた酸素を求めるように凜子は激しく肩を上下にさせていた。少し落ち着いたところで奴隷刻印の刻まれた舌を出し、舐めるように手皿内の液体を口元へと運んで一気に飲み干す。

 

「んっ……んっ……んぐっ……!」

 

 喉を鳴らすたび、その振動が子宮まで響く。精液を飲むという睡眠学習によって刷り込まれたありえない行動をとってなお、凜子の身体に悦びの味が広がっていた。

 

(苦い……。それに……生臭い……。なのに……身体が熱くなる……。こんな汚らわしいものを……もっと飲みたいと思ってしまっている……)

 

 口の端から数滴、パタタっと飲みきれなかった精液がコスチュームの胸の部分に垂れた。それがますます扇情的な絵となり、精飲によって発情したメスをより艶かしいものとして彩っていた。

 

「あぁ……。はぁ……はぁ……」

「いいぞ。上出来だ。睡眠学習で学んだことを忠実に実行出来ているな。……さて、お前の方もそろそろ出来上がっただろう。次はいよいよ膣内に入れてもらう。ゾクトの上に跨り、睡眠学習の知識を呼び起こして、娼婦として悦ばせてみせろ」

 

 本来ならリーアルの話に恨み言のひとつも返していただろう。だがそうすることが出来ないほど今の凜子は思考が麻痺し、同時に身体が発情しきってオスを求め、余裕もなくなっていた。

 

(あぁ……。やっと……さっきまで咥えていた物を中に入れられる……。こんなことを考えてしまって……なんて浅ましいんだ……。でも……今の私は娼婦だから……娼婦だから仕方ないんだ……)

 

 少し前まで醜悪とさえ思っていた感情はどこへやら。小憎らしいはずの奴隷商人の股間は、既に凜子が求めるものへと変化してしまっていた。それに対して「娼婦だから仕方ない」と自分に言い聞かせ、凜子はベッドに寝転がった男の上に膝を立てて跨る。が、もはやまともに働いてくれない頭は、今の自分の格好の異常にさえ気づかなかった。

 

「おいおい、衣装越しに突っ込めってか? 確かにそいつも乙かもしれねえが……。言われねえと気づかねえほどに呆けちまってんのか?」

 

 そう言葉を投げかけられて自分の股間へと目を落とし、ようやく凜子は意味を理解した。彼女の盛り上がった恥丘は対魔忍スーツのレプリカに覆われたままだった。そんなことにすら気が回らないほどに放心している凜子をさて置き、ゾクトが力任せにその部分を破る。

 

「あっ……」

 

 直後、ひんやりとした外気が触れた。同時に愛液がこぼれてシーツに染みを作る。

 

「なんだ、もうこんなに涎を垂らしてやがったのか。そんなに早くぶち込んでほしいのかよ?」

 

 ニヤニヤと笑みを浮かべながら尋ねられた問いに対しても、今の凜子は反論できなかった。むしろ否定という選択肢さえ心の中に浮かんでこない。

 

「は……はい……。も、もう我慢できなくて……。一生懸命オマンコでご奉仕しますから……お情けをください……」

 

 恥も外聞も無く言われたセリフに、ゾクトは一瞬面食らったようだった。だが直後、愉快そうに笑い声を上げる。

 

「こいつは驚いた! さっきまで澄まして反抗的だった女が、俺のザーメン飲んだ途端に素直になりやがったぜ!」

「睡眠学習の効果もあるのだろう。無意識のうちに娼婦であることを自覚し、刷り込まれた言葉遣いをしようとしているのかもしれんな。だがチンポをぶち込まれるともっと素直になるぞ。どうやらこうなってしまうと、もうくだらん意地を張るだけの理性も保てなくなるようだ」

「そいつはどんだけよがり狂ってくれるか楽しみだな! イくこととチンポのことしか考えられないようにしてやるよ! それじゃあ俺のチンポを飲み込む許可をくれてやるぜ!」

 

 膣口に怒張をあてがい、凜子はゆっくりと腰を下ろす。膣内を割って侵入してくる男の感触に、乾いていた心まで満たされていくように感じていた。

 

(き、来たッ……! 私の中にチンポぉ……! だ、ダメぇ……。もう何も考えられなくなるうぅ……!)

 

 前戯によって出来上がっている身体は、やはりリーアルの時と同様にあっさりと蕩けていた。奥まで肉槍を飲み込み、恍惚とした表情の凜子が震える。

 

「あ、あ、ああああぁんッ……!」

「なんだ、もしかして入れただけでイッちまったのか?」

 

 嘲笑気味にそう言われても、今の凜子は素直に頷いてしまう。ますます気分を良くしたらしいゾクトは高圧的にさらに続けた。

 

「奉仕してくれんだろ? 自分だけ先にイッちまったからってもう満足したんじゃねえだろうな?」

「も……申し訳……ありません……。い、イッたばかりの敏感オマンコで……ご奉仕させていただきます……」

 

 あくまで娼婦として、騎乗位の体勢で凜子は腰を浮かせ、再び沈める。どうすれば男を悦ばせることが出来るのか。刷り込まれた知識をたどりながら遮二無二腰を動かし、ペニスを刺激してく。

 

「こ、こいつはなかなかの名器だ……! ぴっちり俺のチンポを咥え込んで、中がうねってやがる。いい感じだぜ、凜子。もっと気張って腰動かせ!」

「は、はいぃ……! ありがとうございますぅ……!」

 

 娼婦を演じていたはずが、いつの間にか演技ではなくなってしまっている奴隷対魔忍。本来なら癪に障るはずの褒め言葉さえ皮肉とも捉えられず、純粋に褒められたと受け取って嬉しさまでも覚えてしまう。媚態を晒し貪欲に動かす腰に合わせて、爆乳も激しく揺れ動く。いやでも目に入るその双丘へ、寝転がったまま動くのを任せていたゾクトの手が伸びた。

 

「あっ……あっ……。ひゃあぁッ!? む、胸えぇ……!」

「こんなにブルンブルン動かされちゃ、触ってくださいと言ってるようなもんだろ? さっきパイズリはしてもらったが触ってはいなかったからな」

 

 スーツの隙間、先ほどは自分の性器を押し込んだスペースから手を入れ、無骨な指が巨大な果実を揉みしだいた。

 

「わひゃああああぁぁッ!? そんなにギュッギュッてされたらあぁ……! あ、あ、ああああああああぁッ!」

「うおっ、急にマンコ締めつけてきやがった! おい、まさか、胸揉まれただけでイッちまったのか!?」

 

 脱力した様子で秘部を結合させたまま、凜子は上の空で頷く。

 

「とんでもねえよがりっぷりだな。だが腰が止まってるぞ。さっさと動け」

「で、でも……。もう身体に力が入らなくて……」

「なんだよ、腰砕けになっちまったのか? イきまくる身体はすげえが、相手を満足させる前に自分が果てちまったら娼婦としちゃ問題だな。……旦那、どうします?」

「ふむ、確かにゾクトの言うとおりか。イくほどに感度が高まる淫乱ボディが裏目になってしまうとは、なんとも皮肉だな。だがまあいい。睡眠学習の成果は十分に発揮できているようだしな。及第点ではあるが、今日のところは良しとしてやる。ゾクト、褒美をくれてやれ」

「かしこまりやした! へへっ、まあ俺は自分でやりたいようにやらせてもらった方がいい主義だしな。そういう客にとっちゃお前は最高の娼婦となるだろうよ。……そんじゃ、いくぜ!」

 

 言うなり、ゾクトは腰を跳ね上げた。勢いで凜子の身体が僅かに浮き上がり、そのまま重力で落下して男根が膣内へと抉りこまれる。

 

「あ、あがあああああァーッ!」

 

 突然与えられた衝撃に凜子が悶える。しかし今は子宮に鋭く甘く響く快感でしかなく、咥え込んだ肉棒をグイグイ締め付けながら身体は悦波に打ち震えていた。

 

「う……あ、ああぁ……!」

「ハハハッ! またイきやがったか! イき癖がついちまったか? それにしてもチンポぶち込まれると本当にもうどうしようもねえんだな! ほら、もっと味わわせてやるよ!」

 

 調子に乗ったゾクトは下から腰を突き上げ続けた。ピストンに晒され、跨っていた凜子がバランスを保てなくなってくる。

 

「あっ、あっ、ああっ、あああああっ……!」

「もう膝立ちできねえか? んじゃあ俺が支えてやる」

 

 腕を引っ張られ、凜子の身体がゾクトの胸元へと引き寄せられる。さらにスーツの胸の部分を破って乳房を露出させ、口と手で捏ねくり回しながら下からの突き上げを開始した。これまでの膣への快感に加え、胸への責めも本格的に加わり、ますます快楽の波へと飲み込まれていく。

 

「はぁっ……。胸もぉ……!」

「いいだろ? 乳首も乳輪もこんなに勃起させてんだもんな」

 

 右の乳首を下で転がされ、左の乳房を手で乱暴に弄くられる。先ほどの愛撫で火のついた女芯は熱を帯び、胸責めも痺れるような揺さぶりとなっていた。

 

「はあぁ、あっ……あんっ……。あ、あぁ……」

 

 だが胸と膣が快感に晒されているのに決定的な一撃が足りない。数度軽い絶頂は迎えているものの、凜子が真に求める深い絶頂が訪れない。とどめを待ち侘びる子宮がキュンキュンと切なく疼き、口からは悩ましい喘ぎ声がこぼれていた。

 

「どうした? 何か言いたそうじゃねえか?」

 

 無論そうなるように仕向けられてのこと、ゾクトにいいように弄ばれてのことだ。通常の凜子ならその程度の企みなどあっさりと看破し、己の名の通り凜とした態度で甘い誘惑を断ち切れただろう。しかし身体が淫らに堕ち切り、心も平常を保てないほどに揺れ動かされているこの状況では、もう相手の思い通りに動いてしまう他なかった。

 

「い……イかせて……。イかせてください……」

「あぁ? さっきから何回もイッてんだろ? こんな風によ!」

 

 緩やかに前後運動していた腰を急に突き上げ、乳首に歯を立てる。瞬間、発情し切った女体は強張り、嬌声と共に引きつった。

 

「あ、あああああああぁッ!」

「ほら見ろ、やっぱりイッってるじゃねえか!」

「は、はいぃ……! い、イッてます……! で、でも……これじゃないんです……! もっと子宮が焼きつくような……そんなアクメがしたいんです……!」

「なるほど。つまり淫乱なメス豚対魔忍娼婦であるお前は、俺にザーメン膣内出しされてイきたいと、そういうわけだな?」

 

 その言葉に、凜子は一瞬口を噤んだ。だが膣内を怒張で小突かれた途端、喘ぐ声と共に肯定の言葉を紡ぎ出す。

 

「そ、そうです……! 私の……ああっ……。メス豚対魔忍娼婦の秋山凜子の膣内に……あっ、熱いザーメンたくさん注いでくださいっ……!」

「よく言った! ご褒美にたっぷり出してやるぜ!」

 

 乳房から口と手を離して背中へと回し、固定した上で腰が激しく振られる。ギアを上げてのハードピストンに、断続的に短い絶頂が凜子の体を襲う。それでもペースは衰えず、肉と肉がぶつかり合う音と淫靡な水音が辺りへと響き渡っていた。

 

「お、おおおおおぉッ! ま、また……イッてるうぅ……! もっと……もっとすごいのきてぇ……!」

「う、うおっ……! マンコの中がうねってやがる! こんなにおねだりされちまったからには、もう全力でいくぜ!」

 

 ますます2人の性交は激しさを増した。理性を失った凜子は目の焦点も虚ろに、奴隷である証の浮かんだを舌を突き出して、もうすぐ訪れるであろう巨大なオーガズムを貪ろうとしていた。

 

「そろそろ出すぜ……! 子宮でしっかりと俺のザーメンの味を覚えろよ!」

「は、はいぃ……! きて……早くきてぇ……!」

「いくぜ、オラァ!」

 

 打ち付けられていた腰が止まり、子宮内へと精液が流し込まれる。止め処なく訪れるエクスタシーに酔いしれ、凜子は深い絶頂へと上り詰めた。

 

「き……きたぁ……! オマンコに濃いザーメンがぁ……! あ、あ、ああああぁぁッ! イクッ、イクッ、イクイクイクイクイぐううううううぅぅぅッ!」

 

 背中を弓上に反らし、今日1番の絶頂を極めてしまう娼婦対魔忍。恍惚とした顔は歓喜で完全に蕩けて脱力し切り、今しがた精を放った相手へと倒れこんだ後も四肢を僅かに痙攣させている。

 

「あ……あぁ……あへぁ……」

「ハハッ! いい顔するようになったじゃねえか! この無様な顔をお前の大切な相棒のゆきかぜにも見せてやりたいぐらいぜ!」

「ゆ……きか……ぜ……」

 

 激しすぎる絶頂の余韻に浸る凜子には、相棒の名を呼ばれてもまともに反応することが出来なかった。上の空のようにその名を呟いただけで、顔は先ほどまでと変わらない悦びの色が浮かんでいる。

 

「それにしてもすげえ名器だぜ。1回で終わるには惜しすぎる。旦那、もうちょっと続けても……」

「ダメだ。事前の約束どおり今日は口で1回膣で1回だ。あくまで研修ということに加え、この後もアリーナで戦わせる予定があるからな。……まあお前の気持ちはわからんでもない。俺も先日はつい熱くなって完全に気絶するまでやってしまったからな。また凜子を抱きたければ、今度は客として来い。その時は好きなだけ抱かせてやる」

「くうっ……。わかりやしたよ。……おい凜子。今日はここまでだ。今度は客として来てやる。その時はお前がぶっ壊れるぐらい犯してやるからよ!」

 

 聞こえているのかいないのかわからない凜子にそう声をかけ、ゾクトはまだ繋がったままだったペニスを引き抜く。膣から溢れた精液がこぼれ、軽い絶頂感と共に凜子の身体が震えた。

 

「あ……。もう……終わり……?」

 

 力なく尋ねる凜子を無視し、ゾクトは身支度を始めていた。その最中、訝しい表情を浮かべながらリーアルへと尋ねる。

 

「しかし旦那、こいつはもう完全に堕ちたんじゃないですかい? 自分から求める言葉を口走ったわけですし」

「わかっていないな。さっきお前に最後の懇願をする直前、一瞬躊躇した様子を見せた。こいつはまだ心の奥底までは堕ち切っていない」

「ですが……。自分から娼婦だとも言いましたぜ?」

「そう。むしろ俺がまだ堕ち切っていないと判断したのはそこだ。凜子と賭けの際に提示した条件は『俺の言うことを忠実に守ること』。つまりどれだけの男の精液を浴びようが、娼婦へと貶められようが、2週間耐え切れば条件を守ることとなる。おそらく凜子は自分でも無意識のうちにそのことに気づき、下手に抵抗して消耗するよりも娼婦を演じて一時的に心を麻痺させる方が楽だとわかったのだろう。……厄介過ぎる、対魔忍の誇りとかいうものだ。あるいは、仲間であるゆきかぜを強く思ってのものかもしれんが」

 

 信じられないと、ゾクトはベッドの上で半ば意識を失いかけている対魔忍へと目を移す。性に溺れ、深すぎる絶頂を極めてなお、本当に堕ち切っていないというのだろうか。

 

「にわかには信じられんかもな。だが対魔忍を調教するのはこれが初めてではない俺にはわかる。心の芯の部分だけはなんとしても守り抜こうという姿勢だ。こうなると根っこを折るのがなかなか骨でな。身体が乱れれば心もある程度は揺らぐものの、平常時は回復して理性を正常に保てるわけだ。長期間をかけてじわじわと続ければいずれ折れるが、2週間という期間で完全に堕とすのは難しいかもしれん。もっとも、堕ちようが堕ちまいが、俺に反抗することなく期間を過ぎればこいつは条件を満たすことになるがな」

「じゃあ……」

「やはり俺の賭けについてはアプローチを変える必要があるな。……ゆきかぜを堕とす方が、この賭けに正当に勝つには確実だろう。凜子がゆきかぜに依存しているならなおさら効果的だ。ゆきかぜさえ堕ちれば連鎖的に凜子も堕ちるのだからな。この後はこのまま当初の予定通り、闘奴と娼婦として働いてもらうとしよう。その方が面白い」

 

 邪悪な表情と共に含んだ笑みをこぼすリーアル。それからベッドに横たわったままの凜子へと近づき、髪を掴んで顔を引き起こした。

 

「おい凜子、聞こえているか?」

「う……あぁ……」

「この後、夜はアリーナで戦ってもらうぞ。VIPゲストが来ることに加え、お前の相手としてノマドから面白い逸材が来ている。それまで休んで体力を回復させておけ」

 

 返事はなかったが、リーアルは凜子の髪を離した。力なくベッドに落ちた顔は、もう瞳を閉じていた。

 

「ふん、気を失ったか。まあゆっくり休むがいい。夜はまた公開凌辱ショーがお前を待っているのだからな」

 

 愉快そうに呟き、娼館の主は奴隷商人を連れて部屋を出て行く。後には、秘所から胎内に吐き出された精液をこぼし、深い眠りに落ちた奴隷対魔忍の姿だけが残されていた。

 

 

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