◇
「う、ううっ……! はあっ……あっ、あぁん……!」
アンダーエデンの地下に悩ましい声が響く。ここに連れてこられてから数日、ひたすらに繰り返されるローション塗布を受けるゆきかぜは、動かない四肢を強張らせ、懸命に快感に耐えようとしていた。
「い、いやあっ……! 乳首に……擦り付けないでぇ……!」
代わり映えがなく、終わることのない訓練。しかし粘液を塗り込められての効果は目に見えて増しており、日に日に声の量も抑えがつかなくなってきていた。
「あ、あん、ああああッ! だ、ダメぇッ! ち、乳首……イッ……イッちゃうぅ……!」
小振りな胸の頂を弄り回され、ゆきかぜは身体を小さく震わせて浅い絶頂を迎えた。だが息を切らす少女など関係無いかのように、男達は作業の手を休めようとしない。
「く、うっ……! しつ……こいのよ……! ずっと黙ったまま……ううっ……私の身体に変な液体塗りつけて……! 何か……ああっ……喋れないわけ……?」
無駄だとわかりつつもゆきかぜは作業をを続ける男達へと挑発的な言葉を投げかけた。しかし案の定、それに対する答えはない。この男たちはあくまで作業として、ゆきかぜの身体にローションを塗りつけるだけなのだ。
(ほんと……人間の皮を被った機械か何かよ、こいつら……。私がどんな反応しても、何を言っても全く気にかける様子がない……。こんなことを延々と……本当に作業のように繰り返されたら、私……)
弱気な心が浮かんできてしまい、慌てて首を横に降る。しかしそれで僅かに身じろいでしまったために、予期しないタイミングで今しがた達した鋭敏な乳首が男の手に当たってしまった。
「あ、ああんっ!」
敏感な部分が擦れたことで、ゆきかぜの口から甘い声がこぼれる。だがそんな不慮の事故があっても、男達はやはり気にかけた様子もなく、手は次第に胸から離れていった。
(こ、こんなの……! ローションを塗られるのもつらいけど、孤独なのが何よりも怖い……! 凜子先輩が傍にいてくれれば、もっと強い心を持てるはずなのに……。独りで、私が何を言っても相手は無言で、ずっとこんな風に塗りこまれて……。頭が……おかしくなっちゃいそうだよ……)
元々活動的なゆきかぜにとって、この孤独で単調な訓練は思いのほか心にダメージを与えていた。誰とも何も話すことが出来ないために気を紛らわせられない。励まし合うことも出来ないために心が弱い方へと流されていってしまう。同じくこの街に囚われているはずなのに顔を合わせられない凜子はどうしているのだろうか。その凜子の弟、学園に残っている恋人の達郎はどうしているのだろうか。そんなことばかりが頭をよぎっては、ローションによる身体への愛撫で消えていく。
「うっ、はあっ……! そ、そこおッ……!」
そしてこの数日の塗布作業で、どういう順番で身体にこのジェルが塗られていくのかはもうよくわかっている。次に手が及ぶのは身体の中でもっとも過敏な部位、股の間だ。
「ぐっ……。ふうっ……!」
来るべき衝撃に備え、ゆきかぜは歯を食いしばって唇を真一文字に結んだ。腰の辺りを這っていた手が少しずつ降りてきて秘所へと近づく。
「んっ……! んんっ……」
懸命に堪えようと、鼻から艶っぽい吐息をこぼしながら声を押し殺そうとする磔の対魔忍。機械に咥え込まれた手に握り拳を作り、血が出るほどに力を込める。
(来るなら……来なさいよ! そう何度もイッたりしない……! 今日こそ……今度こそ、耐えてみせる……! あそこの中にも指を入れられないのに、イッちゃったりしないんだから!)
ゆきかぜへの愛撫は念入りで執拗だった。だが胸の部分に加えて股間部分も対魔忍スーツを模したコスチュームが破られ、性器が露出しているにも関わらず、未だ膣内への指の挿入は無い。陰核や陰唇といった器官までは媚薬ローションを塗りこまれ、性感帯として開発されつつあるも、女体のもっとも感じる部分へは全く手がつけられない。
リーアルに賭けの条件を提示された時に言われた苦痛というものがこれだと、遅ればせながらゆきかぜは気づいていた。あの凜子でさえ抗えなかったというほどの女悦への快感。それが与えられないという生殺しに、早くも心が揺さぶられそうになる。これまで心では拒絶しながらも身体が幾度と無く迎えている絶頂とはまた異なる子宮での絶頂とは、一体どれほど甘美なものなのだろうか。
(……ッ! いけない!)
恥骨の辺りまで手が迫ってきたのを感じ、ゆきかぜは強制的に思考を中断した。余計なことを考えていてはまた快楽に流されてしまう。もし頼れる先輩が傍にいてくれるなら心頭滅却、とアドバイスをくれるであろう。その先輩の教えを守るべく、目を閉じて心を集中させようとした。
「く、ふうっ……! あ、ああっ……!」
だが目を閉じてしまったのは逆効果だった。視界を閉ざした結果、身体は感覚で代替を務めようと動く。そうなればより肌が鋭敏化され、触れられた時の感度も増してしまっていた。
「あんっ……あっ……。そ、そこぉ……ぐにぐにするの……いやぁ……」
指先で秘唇がなぞられる。途端に女心にかあっと火がついた。幼い膣は膣壁への刺激を望んで愛液を染み出させ、やがて体外に溢れたそれは、ローションと交じり合って塗りこまれる。股間から聞こえてくる淫靡な水音に、ついさっきの決意は早くも揺らぎ始めていた。
(あ、あぁ……。やっぱりダメぇ……! あそこ……入り口を触られただけでキュンってしちゃって……物凄く切なくなっちゃうよぉ……!)
きつく結んでいたはずの口元は既に解けて荒く呼吸を繰り返している。さらに愛撫が続けられ、粘液を纏った指先が肉芽に触れた途端。ゆきかぜの目が見開かれて嬌声が口を衝いて出ていた。
「そっ、そこダメえええぇッ! くっ……クリトリス弄っちゃ……! あ、あああああああッ!」
陰唇への愛撫での絶頂こそ抑え込んだものの、続く殊更敏感な部位である陰核への刺激には耐えられなかった。身体を震わせて呆気なく達してしまう。その事実に、疲労感と同時に屈辱感が心に溢れてきていた。
(また……またイッちゃった……! なんで……なんでこんなので……! 私の身体……きっともう物凄くいやらしくなっちゃってるんだ……。ごめん……ごめんね達郎……。きっと達郎はこんな私を見たら……軽蔑するよね……)
未だ処女であり、膣内にはローションを塗りこまれていないものの、それ以外は淫らに開発されてしまっている。そのことがますます彼女を惨めにさせ、罪悪感も覚えさせていく。もしも隣に凜子がいれば慰めや激励の言葉がもらえたかもしれないのにと思うと、より一層その心は苦しくなっていくのだった。
「あ……! そ、そこぉっ……!」
しかしそんなゆきかぜの気持ちなど、作業を続ける男達には関係ない。作業を進める彼らは次の場所を塗布するべく、今の場所の後ろ、排泄器官へと手を伸ばしていた。
「や、やだぁ……! お尻……いやぁ……!」
膣内への刺激が無いことを、ゆきかぜが余計に気にかけてしまっているのはこれが原因だった。女性器には中に指が入れられないのに、肛門へは入れられていく。今もローションをたっぷりと纏った指が遠慮もなしに、尻の窄みへと押し込まれていた。
「いっ……ぎいいいぃッ! いやぁ……抜いて、抜いてぇ!」
嫌悪感を覚えて懇願するも、男達は同情もせず、かといって嘲笑もせず、ただただ淡々と作業をこなすだけだった。腸壁までローションを塗りこむように指が動かされ、身体が無意識に反応してしまう。
(やだ……やだぁ……! こんなの、気持ち悪いはずなのに……。でも……指を入れられると、お尻が熱くなってきちゃって……。私……どうしちゃったの……?)
悩めるゆきかぜをあざ笑うかのように。アナルの中へ入れられ、外側へ向けて塗布していた指が不意に引き抜かれた。
「あ、あひゃああぁッ!?」
予期していなかった突然のタイミングで指が抜かれたことで痺れるような快感が襲った。入れる時より抜く時の方が気持ちがいいと身体は覚えてしまっており、そのことに忠実な反応を示した結果だった。
(お、お尻で……ちょっとイッちゃった……。なんで……最初はこんなことなかったはずなのに……!)
否が応でも媚薬ローションによる訓練の影響を感じずにはいられない。そして肛淫はまだ終わっていない。身体の外側へ向けての塗布が終わった後は――。
「まっ、待って! 今はダメ、ダメだから……ああっ! あんっ、あっ、そ、それえぇ……! お尻側からグリグリしないでぇ……!」
身体の内側へ向けての腸壁ローション塗布に、ゆきかぜの口から甘い声が漏れた。直接膣と子宮に刺激が与えられない代わりに粘膜越しの刺激だけが与えられる。そのせいでより一層焦らされ、ゆきかぜを悩ましい気持ちにさせていた。
「あっ、あっ、あああっ……! い、いやぁ……! お尻……キちゃう……お尻なんかで……イッちゃう……! うぅ……あ、あ、あッ……! いやああああああああぁッ!」
肛門から指を引きぬかれると同時、ゆきかぜは全身を強張らせて今日1番の絶頂を極めた。ヒクヒクと収縮する蕾からは今塗りこまれたローションが噴き出し、快感の強さを物語っている。
(また……またお尻でイッちゃった……。もう私……処女なのにお尻で感じる変態になっちゃったんだ……。達郎はこんな女の子嫌いだよね……。う、うぅ……)
絶頂の余韻で身体をひくつかせ、自己嫌悪に陥っている間に、他の箇所へのローション塗布を終えた男達は撤収の準備を始めていた。また無様に何度も絶頂してしまった。耐えることが出来なかった。そう思いながら男達の様子を観察していたところで、近づいてくる足が目に入った。
「リーアル……」
視線を上げる前に、その名を呼んでいた。顔を見なくてもわかる。ここに来るのは基本的にこの男しかいない。
「訓練は順調なようだな。途中から見させてもらったぞ」
「なっ……なんですって……」
「しっかりアナルでイける身体になってきたじゃないか。お前が懇願するまで膣は使えないからな。そこでしっかり感じるようにならないと困る」
「ふっ、ふざけないでよ! 私は……!」
感じてなどいない、と言いたかったゆきかぜだが、その先を続けることが出来なかった。今さっき排泄器官に指を入れられて達してしまったのは事実だ。しかもそれを見られていた、と言われては、否定しても無駄であろう。
「まあ、強がるなら強がるでいい。そう簡単に堕ちてしまっては、こっちとしても期待はずれだからな」
「ふん! せいぜいそう言ってるがいいわ。この程度……なんてことはないわよ!」
精一杯の虚勢だとわかっていても、今のゆきかぜにはそう言うことしか出来なかった。こうでも言わなくては、身体も心もすぐに崩れそうで怖かったのだ。「対魔忍の誇りは忘れない」などと凜子へのメッセージで言ったというのに、早くもそれが消えそうなのが恐ろしかった。
「それでいい。まだ媚薬ローションの訓練日程は残っているのだからな」
「ううっ……。くうっ……」
こんなのがまだ続く。そう思うだけでやはり心が悲鳴を上げそうになる。孤独でますます苦しくなるであろうこんな訓練に果たして耐えられるのか。心の中に不安が押し寄せてきていた。
「ああ、そうそう。ここに来たのはお前の訓練状況を確認するのもあったが、凜子からの映像メッセージを受け取ってきたからだった」
「凜子先輩から!?」
と、そんな心が弱い方に流されかけた矢先に出たメッセージの話題に、ゆきかぜは飛びついた。自分のメッセージは送ったが、相手からのは初めてだ。自分よりつらい目に遭っているかもしれないが、先輩の凛々しい姿を見ればきっと自分も元気と勇気をもらえる。そう彼女は信じていた。
「当然見たいだろうな。では見せてやろう」
そう言ってリーアルは動くことの出来ないゆきかぜの目の前に小型端末を差し出し、動画を再生した。しかし映像が映し出された途端、その画面の中の相手の姿を目にして後輩対魔忍は言葉を失っていた。
「凜子……先輩……」
そこに映っていた凜子は、かつて米連に潜入していた際に着用していたスーツを纏い、しかし胸や秘部などの場所の布地を引きちぎられて露出させていた。さらに全身がベトベトに汚され、彼女自身も横になったまま立ち上がれず、顔だけをカメラに向けて言葉を発している状態だった。
『ゆき……かぜ……。こんな姿で……すまない……。心配しないでくれ、などと言っても……これでは説得力が無いが……。私のことは……気にするな……。妹代わりの大切なお前のことを思えば……この程度……なんということはない……。つらいだろうが……お前も……頑張ってくれ……』
直後、凜子の頭がベッドに落ち、映像は消えた。再生が終わってなお、ゆきかぜは信じられない様子で呆然と視線を宙に彷徨わせている。
「そんな……。凜子先輩……なんであんな……」
「この映像は昨日の地下アリーナでの戦いの後に撮ったものだ。凜子は敗北してな。公開凌辱を受けた後だったために、見ての通りの姿だった、というわけだ」
「公開凌辱……ですって……! あんた、凜子先輩を何だと思ってるのよ!」
怒りに身を任せ、拘束されている腕を動かそうと力を込める。しかし頑丈な機械はびくともせず、華奢な身体が僅かに動いただけだった。
「逆上するな。最初の賭けの時に提示した内容であろうが。それに凜子も死んではいない。先ほど様子を見に行ったが元気そうだったぞ」
「何が元気そうよ! あんなボロボロになるまで犯されて……元気なはずないでしょ!」
「……ゆきかぜ、怒るのは結構だがな」
ズイッとリーアルが顔を覗き込んだ。思わずゆきかぜは口を噤み、その顔を凝視する。
「凜子はお前のために恥を受け入れているんだ。そのお前があまりにも不遜な態度を取って俺を怒らせて、結果手足がボン、なんてことになってみろ? お前が苦しむのはもっともだが、凜子もさぞかし悲しむだろうな」
「そ……そんなの屁理屈よ! 人を罠に陥れて捕まえて……。それでキメラ微生体なんてものを投与して枷を嵌めたのはそっちじゃないの!」
「ああ、そうだ。だが俺はその枷を外して解放されるかもしれないチャンスを与えてやってるんだぞ? ……自らフイにするような真似はやめろ。俺はお前の口から直接男を求める言葉を引き出すのも目的のひとつとして、このゲームを持ちかけたんだ。途中棄権ではつまらん」
離れていく顔に対し、ゆきかぜは苛立たしげに顔をそらした。
「……私がそんなことを言うと思ってるとか、ほんとおめでたい馬鹿ね」
「いや、お前は言うさ。言わせてみせよう。……それだけの減らず口が叩けるなら十分だな。では俺は凜子のところに行かねばならないからこれで失礼する。今日はお披露目イベントで準備をしないといけないからな」
「ま、待ちなさいよ! お披露目イベントって何よ!」
離れていく背中に言葉が投げかけられる。それを聞いて振り返ったリーアルの顔は、実に醜い笑みを浮かべていた。
「今日から凜子は娼婦となって客を取る。その披露会だ」
「娼……婦……」
その言葉にゆきかぜは愕然とした。自分の処女を守る。その条件のために、頼れる先輩は地下アリーナで戦わされ、敗北して身体を汚され、さらに娼婦として客を取る。まさに文字通り、己の身体を投げ打つつもりなのだ。そう気づくと同時、心が締め上げるような感覚を覚え、考えるより先に口走っていた。
「や……やめて……! お願いだから凜子先輩に酷いことするのはもうやめてよ! 私はどうなっても……」
「では賭けはお前達の負けでいいのか?」
「そ、それは……」
思わずゆきかぜは口篭る。畳み掛けるようにリーアルは続けた。
「それに今の申し出を凜子が聞いたとして、喜ぶと思うか? 俺との賭けに乗った時点で、あいつは自分の命運を悟っていた。その気持ちを裏切るようなことがあれば、おそらくあいつはお前を軽蔑しひどく落胆するだろう。お前に出来ることはただひとつ、俺との賭けに勝つために残りの期間を耐え抜くことだ。……そしてそれでなお快感に抗いきれず、浅ましい欲求の言葉を口にしろ。そうやって堕とすからこそ、対魔忍というものは厄介でありながらも面白い」
リーアルの言葉に、一瞬前まで見せていた弱い表情はゆきかぜから消え去っていた。憎むべき相手を射殺さんと睨みつけ、静かに、だが怒気を孕んだ声で告げる。
「……あんたのその思い上がりが墓穴を掘るって、私が教えてあげるわ。凜子先輩の決意は絶対に無駄にしない。どんなに身体を汚そうと、私達の心までは支配出来ないってわからせてやる……!」
「そうだ、それでいい。凜子と同じようなことを言いおって、実に面白い。それでこそ張り合い、堕とし甲斐があるというものだ」
含むような笑みと共に、リーアルはゆきかぜに背を向けて部屋を後にした。残された対魔忍は静かに、だが確かな闘志を燃やしていた。
(……凜子先輩、ごめんなさい。先輩につらい思いばかりさせてしまって……。でも、私は負けません。何があっても先輩の意思を無駄にはしません……! 先輩のために、私は頑張ります……!)
姿が見えずとも心は繋がっている、そして心までは支配されないとゆきかぜは強く思った。まだ約束の期間自体は折り返しすら過ぎていない。それでも、心が繋がりあった2人ならきっと乗り越えられると、彼女は固く信じて疑わなかった。
◇
アンダーエデンの館内を、館の主であるリーアルにつれられる形でバスローブを纏った凜子が歩く。これからヨミハラの広場で奴隷娼婦となったことを報告する披露会がある。そのための
「どうした? 会場まで我慢できないか?」
肩越しに粘りつく笑みと共に問いを投げかけられ、凜子はその口を結んでから否定の言葉を口にする。
「ふざけるな……。そんなはずがあるか……」
言いつつも、言葉尻に色があるのを感じ取り、リーアルは先ほどの笑みをそのままに顔を前へと戻した。今の凜子の身体は「準備」を終えた段階だ。この後観客に披露して、好奇の眼差しを向けられるに適した状態となっている。
「ああ、そういえば。昨日呼んだVIPの米連司令がお前のアリーナでの痴態を見て大層喜んでいたぞ」
と、不意に切り替わった話題に凜子は露骨に顔をしかめた。昨日も酷い有様だった。見た目が幼女と侮ったつもりは無いものの、結果として後れを取り、またしても公開凌辱という晒し者となってしまった。そのことに対して、そして自分を売った相手にまでそんなあられもない姿を見られたということに対して怒りと情けなさが湧き起こってくる。
「あの特製スーツのレプリカが特にお気に入りだったようだ。客の反応も良好だったし、俺もなかなか似合っていると思ったからな。娼婦となってからのコスチュームとして加えておくことにしよう」
「余計な真似を……!」
「余計ではないぞ。お前は客を悦ばせなければならないんだからな。その要素としてコスチュームというものは大きい。実際、米連の司令は緊急の連絡さえ受けなければ、かつて自分の元にいた頃の戦闘装束に身を包んだお前を抱きたかったと悔しそうに言い残して昨日帰って行った」
嫌悪感で露骨に顔がしかめられる。が、直後、今の話の妙な点に思い当たり、探りを入れるように凜子は尋ねた。
「昨日帰ったということはほぼとんぼ返りか? 随分と忙しいのにわざわざ私を見に来たとは、好き者だな」
「予想外の事態が起こったそうだ。……本来口外はすべきではないのかもしれないが、お前にも関係のある話だ。教えてやる。あの司令がここに来る直前、基地内に侵入者があったそうだ。その侵入者はあの男が連れていた傭兵の女と交戦、敗北して捕らえられた。拷問をしても何も口を割らなかったそうだが……。どうやらお前達のことを調べようとした女の対魔忍が単身乗り込んできたらしい、と言う話だった」
「な、何っ!?」
「傭兵の女がお前に伝言を残していった。『なかなか面白い手品を使う門下生に慕われたな。だが飛んだツバメは私の方が鋭かった。可能なら、彼女が師範と仰ぐお前とも剣を交えてみるのも興味深かった』だそうだ」
面白い手品、門下生、ツバメ、師範。その単語から単身潜入したのはバックアップの任を受けていた逸刀流の門下生、穂村奏に間違いないと凜子は悟った。物分りがよく言葉遣いも丁寧な後輩ではあるが、時に後先を考えずに行動してしまうこともある。今回もそんな癖が仇となって独断先行してしまい、囚われてしまったのだろう。自分達ばかりでなく、奏までもがということに表情が曇る。
「安心しろ。司令が急いで帰ったのは、基地が襲撃されてその捕虜が奪還されたからだそうだ。対魔忍が動いたらしい。もっとも、米連で何があろうが俺には関係ないがな」
「……そうか。助かったのか」
それは良かったと凜子は僅かに胸を撫で下ろす。そして、もしかしたら自分のところにも対魔忍の仲間が助けに来てくれるのではないか、という僅かな希望も生まれていた。
「しかし米連基地に囚われた仲間が助け出されたからといって、自分もそうなるかもしれないなどと馬鹿なことは考えるなよ。ここは光の届かぬ魔界都市、ヨミハラだ。対魔忍といえど忍び込むことは困難。そして薄汚い政治家達のおかげで立ち入る大義名分さえも用意させない、闇の街なのだからな」
だが直後にそう言われたリーアルの言葉によって、やはりそれは僅かな希望でしかないのだとわかっていた。学園の仲間達は自分達を探すために動いてくれているであろうが、ここを直接調べることは出来ない。仮に奏や救出に行ったという対魔忍達が何かしらの情報を得られたとして、ヨミハラに自分達が連れてこられた、というところまではわからないだろう。あるいは首尾よくわかったとして、不確定情報ではやはり大手を振って救出に来るのは難しい。確認作業というステップを踏むこととなり、しかも困難な潜入のためにミイラ取りがミイラになりかねず、期待はできない。
「それより他人の心配をしている暇などあるのか? お前はこれから娼婦として初めてのお披露目会だ。くれぐれも俺の顔に泥を塗るような真似はするなよ?」
「なるほど、お前のメンツを潰してやるのも面白そうだな。……だが手足を吹き飛ばされたくは無い。お前との約束は守る。だから……」
「賭けに勝ったときはちゃんとゆきかぜを解放しろ、か? 念を押されるまでもない。が、それ以前にお前達が勝つこともないがな」
それきりリーアルは雑談をやめた。少し前までなら「対魔忍を甘く見るな」と言ったような強がるセリフをぶつけていただろう。だが今の凜子にはそうできる余裕がないほど消耗し、これから奴隷娼婦となることに心の奥で怖れていた。
(弱い心を持ってはいけない、とわかってはいる。だが……淫らに堕ち切ったこの身体が、これから娼婦として男達に抱かれ続けると思うと……いつか心が壊れてしまうのではないかと不安になってくる。……いや、例え心が壊れようと、ゆきかぜだけは絶対に助け出してみせる。リーアルの命令に背かなければ、賭けには勝てるはずなんだ……)
自分に言い聞かせるように、これまで何度も考えていることを心の中で呟く。これから娼婦となっても、己の心を凍りつかせ、演じ切ればいい。そうすれば、恥だなんだといった感情など押し殺すことが出来る。そんな思いと共に館を出て、ヨミハラの広場へと向かった。
広場には既に多くの見物客が来ていた。誰も彼もが下卑た笑みを浮かべ、凜子の痴態を楽しみにしている。2度の公開凌辱の影響があるのだろう、凜子の知名度はかなりある様子で、特設ステージの上にリーアルと凜子の姿が現れると大きな歓声が上がっていた。
「皆様、お待たせした。これより秋山凜子の奴隷娼婦披露会を開催する!」
リーアルの言葉により一層客達が盛り上がる。それを受け、ステージの中央、バスローブ姿の凜子は恥ずかしそうに視線を下に落とした。
「ではまず、凜子の挨拶から。……ほら、恥ずかしがっていないでさっき教えたとおり、さっさと皆様に挨拶しろ」
促され、唇を噛み締めてから、凜子はゆっくりと口を開いた。
「こ……この度、リーアル様の娼館、アンダーエデンで奴隷娼婦として働かせていただくこととなりました……元対魔忍の秋山凜子です……! 私は任務に失敗して捕らえられ、味方にも見捨てられてここに連れて来られました。そこで本来処刑されるところだったのを、リーアル様の温情によって命だけは助けていただきました……。そのご好意に報いるため、私を買っていただいた皆様に満足していただけるよう懸命に努力いたしますので、不束者ではありますがどうかよろしくお願いします……!」
無論話の中身にはありもしない虚偽の内容も含まれている。だがこういう内容の方が客受けがいいと、リーアルに言うように言われたものだった。案の定、そんな挨拶を受けて客達は歓声を上げていた。
「『斬鬼』とか言われてもざまあねえな!」
「味方を見捨てるなんてやっぱり対魔忍なんてのは人でなしの集まりじゃねえか!」
「凜子ちゃんが俺の相手をしてくれるのを楽しみにしてるよ!」
嘲笑の声を投げる客、挨拶を鵜呑みにした客、エールを送る客……。反応はそれぞれだった。だが一様にぎらついた視線を投げかけている。それだけは確かにわかることだった。
「さて、挨拶が終わったところで、披露会ということでちょっとしたイベントに移行しようと思う。……おい、凜子」
名前を呼ばれ、震える頭で頷くと、凜子は羽織っているバスローブを止めている帯に手をかけた。結び目を解いてそれを脱ぐと、観客から喝采の声が上がった。
バスローブの下は、一糸纏わぬ姿だった。晒された裸体は、女性として発達した巨大な乳房と引き締まった肉体のメリハリが美しい。それだけで異性はおろか、同性までも魅了しかねない肢体は、さらに光を反射して艶っぽさをより演出している。ここに来る前にリーアルによって「準備」された結果。全身にくまなく塗りこまれた媚薬オイルの影響だった。
それよりも客が目を奪われたのは凜子の股間の方であろう。そこには淫具と思われるものが咥え込まれていたのだ。さらに後方の排泄のための穴にも何かが押し込まれているようで紐が出ており、媚薬オイルで発情し、てかてかと輝く身体と相俟って卑猥な絵柄となっていた。
「これから一人前の奴隷娼婦となったことを本人に証明してもらう。まだ新人で不慣れなため見苦しい点もあるかもしれないが、どうか温かい目で見守っていただければと思う。……では凜子、始めろ」
恐る恐る膝を曲げて腰を突き出し、上体を手で支えて足を大きく開く。股間が露わとなり恥ずかしさに押し潰されそうになりながらも、凜子は懸命に叫んだ。
「いっ……今から、手を使わずにオマンコとケツマンコに入っているものを捻り出します……! どうか、私のはしたない姿、見てくださいっ……!」
最後の方は沸きあがった客の声によってかき消されていた。涙がこぼれそうになるのを堪え、歯を食いしばって凜子は下腹部へと力を入れる。
「んっ……くっ……んんっ……! んううぅっ……!」
苦しそうな声を上げ、膣に埋め込まれた淫具が動く。だがそれもすぐに止まってしまい、なかなか出てくる気配はない。
「オラどうした! 動いてねえぞ!」
「凜子ちゃん、もっといきんでいきんで!」
観衆から飛ぶ声に、なおも凜子は力を込めるが、やはりなかなか出てきてはくれない。僅かに動くたびに口からは甘い声が漏れ、身体が僅かに痙攣する。
「なかなか出てこないとじれったく思うかもしれないから解説しておこう。皆様は先日の凜子の地下アリーナデビュー戦を覚えていることかと思う。あの時に押し込まれた極太ディルド、それが今凜子の膣が咥え込んでいるものだ。あれはサイズもさることながら、無数についたイボとカリ首を模した傘状の部分が実に凶悪で、容赦なく膣壁を刺激して女を狂わせる。特に傘状のカリ首部は捻り出そうとする動かすたびに確実に膣壁を抉る。その説明を聞けば、凜子が苦戦しているのも頷けるであろう」
リーアルの説明に、野次や応援の声がどよめきに変わった。その説明が正しいかのようにディルドが動くたびに凜子は悩ましい声を上げ、それでもどうにか半分ぐらいまでは淫具を押し出してきていた。
「あ、あ、あ、ああんっ……! うっ……くっ……んんんっ……!」
切なく力む声と、それを後押しするような客の声が響き渡る。また少しディルドを押し出したところで、凜子の身体がビクッと震えた。
(ま、またぁ……! ううっ……もう……小さく何度もイッってて……。これ……きつい……!)
抜き出て行くたびに浅い絶頂を幾度と無く味わってしまっていた。そのために力が入らなくなり、膣内の感覚も麻痺している。
「もうちょっとだよ凜子ちゃん、頑張って!」
「もっとオマンコ動かせよ!」
嘲笑めいた声すら、いつの間にか声援のように思えてきてしまう。それに後押しされたかのように、より一層下腹部に力を入れ、ミリミリと異物が押し出されてきた。
「んっ……んんんっ! あっ……ああああああああッ!」
一際身体を大きく震わせ、とうとう凜子は膣から極太ディルドを捻り出した。だが最後にまた達してしまい、その余韻で浮かせていた腰が地面につき、荒く呼吸を繰り返している。
「す、すげえ……。あんな太いの咥え込んで、しかも手を使わずに出したのかよ……」
「よっしゃ、次は後ろだ! どんなもんが出てくるか楽しみでしょうがねえ!」
「早く続けろよ! 何へばってやがんだ!」
客の声に促されるように凜子は身体を起こす。今度は客側によく見えるようにお尻を向け、ガニ股に足を開いて地面から僅かに腰を浮かせる、和式トイレの時のような格好を取った。
「こ……今度は……お尻です……。お腹にギチギチに入ったアナルパールを……順番に産卵していきます……!」
大きな歓声が上がる。排泄を思わせる姿勢で先ほど同様に力み、腸内の異物を押し出そうと凜子は唸り声を上げた。
「ん、んんっ……! んぎいぃッ……!」
だが球体の1つ目が半分ほど見えたものの、そこからが進まない。球体である以上、直径部分にあたるのが半分のところであるために、そこがもっともサイズとして最大の位置なのだ。客の歓声や侮蔑の声を浴びつつ、凜子は歯を食いしばって必死に力を込めた。
「んんんああっ……! あっ、あっはあああああああッ!」
ボリュッ、と排泄穴をめくれるようにしながらひとつ目の球体が姿を現す。腸液で
「あんなサイズのが入ってんのか……」
「あと何個あるんだよ、あれ……」
客達の声を半分ほど耳に入れつつ荒く呼吸をしていた凜子が、再び力み始める。
「ん、ん、んんくうっ……!」
2つ目の球体が姿を見せる。しかしやはり半分ぐらい出たところでその動きは止まった。
「んぐうううううぅっ……! んはああああああぁッ!」
それを力んで無理矢理押し出す。同様にして3個目、4個目と順調にアナルから異物が出てきていた。しかし5個目に差し掛かったところで凜子の上体が崩れ、膝と腕をついて四つん這いのようになってしまった。
「どうした凜子。まだ半分残っているぞ」
無慈悲に告げるリーアルに対して涙を浮かべながら、救いを求めるように凜子は懇願した。
「も、もう無理……。お尻からこれ出すたびにずっとイッてて……。身体に……力が入らないんだ……」
「泣き言を言うのか? さっき俺の顔に泥を塗るなと言ったはずだぞ?」
「うぅ……。ご、ごめんなさい……ごめんなさい……!」
頭を床に擦りつけるようにしながら、プライドをかなぐり捨てて凜子は謝罪の声を上げた。それに対し、仕方ないという素振りを見せた後で、リーアルは客へ向けて口を開く。
「お集まりの皆様、見苦しいところを見せてしまって申し訳ない。なにぶん凜子はまだ新人の奴隷娼婦。加えて、すぐに達してしまう鋭敏ボディと、絶頂するほどに感度を増していくイき癖を持つために、それが裏目に出てしまったようだ。今もアナルパールを1個排出するたびに絶頂を迎え、もう身体が言うことを聞いてくれないらしい」
リーアルに赤裸々に語られる暴露に、凜子は唇を噛み締め、恥ずかしさのあまり顔を地面へと突っ伏していた。
「申し訳ないが、今日のところは大目に見てもらいたい。……とはいえ、途中でやめるわけにはいかない。よって、俺が手伝ってやろうと思うのだが……」
言うなり娼館の主は四つん這いになる娼婦の下へと近づいた。そして肛門から出た性具を掴むと、それを引き抜くのではなく、あろうことかこれまでひり出した分を押し入れ始めた。
「あ、ああああああッ!? ま、待てっ! なんで戻すんだ!」
「自力で最後まで出来なかった罰だ。もう1度入れなおしてから、俺が一気に引き抜いてやる」
残酷な宣言に凜子の顔から血の気が引く。だが対照的に、より淫らな絵を求める客達は一気に沸き立つ。
「そ……そんなことされたら……。頭……おかしくなってしまう……!」
「なればいいだろう。アネモネに言われなかったか? お前の全てをズタズタに引き裂かなければ、完全には屈服しないだろうとな。……それ、2つ目が戻っていくぞ」
自力で排出した球体が戻されるたびに、凜子の身体は痙攣を起こしていた。さっき聞かされた話から絶頂を迎えているのだと、今の客達にはわかっていた。それ故今押し込まれた分まで含めて全てを一気に引き抜かれたらステージ上の女はどれだけ乱れるのか。今から楽しみでしょうがないという雰囲気であった。
(み……見られてる……。私の……こんな情けなくて恥ずかしい姿が……! そして皆興奮してあんなに股間を大きくして……。あ、あぁ……あれを入れられたら……どんなに気持ちがいいんだろうか……!)
浅ましいとわかっていながらも、思わずペニスに膣内をめちゃくちゃにされる想像をしてしまう淫乱娼婦。だがそんな甘い考えを巡らせている間にも出したアナルパールは戻されていき、とうとう全てが元通り胎内に押し込まれてしまった。
「あぁ……。はぁ……はぁ……」
既に息は上がっていた。この疼きと苦しさから早く解放してもらいたいと思うと同時、一気に引き抜かれてしまったらどれほどの衝撃が全身を襲うのか想像ができず、怖れも心に浮かんでくる。
「ではいくぞ」
「ま、待っ……!」
凜子の静止を聞かぬまま。リーアルは淫具の先にある紐の輪に指をかけ、力任せに一気に引きぬいた。
「お、おおおおおおおッ!? んおおおおおおおおおおおッ!」
獣のような咆哮が響き渡り、凜子の身体が強張った。これまでの自力での排出時を遥かに越える絶頂。しかし出てきた球体の数は4つ。先ほど凜子が自力で出した数と一緒だった。
「ここまではさっきお前が出したわけだ。……なんだ、もうグロッキーか? だらしない。もう1度目を覚まさせてやる」
言うなり、再びリーアルは今一気に引きぬいた球体を凜子の肛門へと押し戻し始める。悪魔の所業とも思える行為に、さすがの凜子も悲鳴を上げた。
「や、やめろおおっ! もう……もうやめてくれええええっ!」
「快感が足りないか? 安心しろ、次はちゃんと最後まで引き抜いてやる」
「ち、違う! そういうんじゃ……あ、あ、ああああああっ!」
「またイッたか。いいぞ。お前の痴態に客は喜んでいるようだ。ほら、2個目も戻すぞ。またイけ」
球体を押し込まれて言われた通りに絶頂。さらに戻していくたびにも絶頂を迎える。再び全てが押し戻された時、もはや凜子は膝こそかろうじて立てているものの、全身が痙攣して力なく地面に突っ伏している状態だった。
「さて、ようやく戻ったな。では今度こそ全部引き抜くぞ。準備はいいか?」
「あ……あぁ……」
相手が半ば放心状態とわかっても、リーアルは邪悪に笑みを浮かべただけだった。それから淫具を纏める紐に指をかけ、一気に全てを引き抜いた。
「い、いぎいいいいいいいいぃッ! イッぐうううううううううううぅっ! あ、あ、ああああああああああああぁぁッ!」
合計8個ものゴルフボールサイズの球体が引き抜かれ、凜子は全身を激しく痙攣させて完全に地面へと崩れ落ちた。肛門から流れる腸液だけでなく、膣からは潮を噴き出し、ステージ上を汚していく。
「あ、あ、あぁ……」
まともに言葉も発せず壮絶な絶頂の余韻にひたる汚辱の対魔忍。そんな彼女に、容赦なく客達の声が降り注いだ。
「見ろよ! あいつ、ケツでイきやがったぜ! ポッカリ開いたケツ穴がまだヒクヒクいってやがる!」
「あんなでけえの8個もケツにいれてやがったのか……! 信じられねえ!」
「やべえ、凜子ちゃんのいやらしい姿見てるだけで立っちまったぜ……。今すぐにでも犯してえ!」
客の反応が上々とわかると、リーアルは小さく笑ってから問いかけた。
「皆様、予定とは少々異なってしまったが、凜子のお披露目ショー、満足いただけたかな?」
その問いには歓声でもって返事が返された。満足そうに笑みを浮かべてさらに続ける。
「凜子には明日から客を取らせるつもりでいるから、どんどんアンダーエデンに足を運んでもらうと嬉しい。娼婦業にしばらく専念させるために地下アリーナの方は休ませることになるが、客足を考えてまた戦わせるつもりではいる。……今日は凜子の奴隷娼婦披露会にお集まりいただき感謝する。皆様が凜子を抱きに来てくれれば、この淫乱なメス豚もきっと喜ぶことだろう」
締めの言葉を述べた後も客達の喝采は続いた。激しい肛虐に晒されて意識を半ば失っていた凜子は働かない頭でそれを聞き、とうとう自分は奴隷娼婦となってしまったのだと改めて思い知らされた。しかし言うことを聞かぬ身体はもう動いてはくれず、そのまま一筋の涙と共に瞳を閉じ、妹分の相棒の顔を一瞬思い浮かべてから、気だるい意識を手放していた。