和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う 作:ビシオ
長いエロ小説は何分初めて故に、長い目でよろしくお願いします。
それは満月の夜だった。真夜中だというのに、月のお陰で山の中も若干明るい。
僕たちは、周囲の村に出没する『妖魔』を退治するために屋敷から出陣した。
妖魔達は目がいいので、迷彩を兼ねて忍者のような黒衣を身にまとう。気休めかもしれないが、中妖くらいなら騙せる。体に霊力を巡らせ、現代社会の人間が見れば、まるでアニメや漫画のような忍者のように見える素早い動きをしながら目的地へと向かう。
「……っ!!」
先頭を走っていた僕はそれを見つけ、木に隠れながら仲間に手信号で知らせる。仲間たちも即座にそれを受け、隠れる。
各々が木陰に隠れながら、僕が見つけたそれを見た。
それは人の形をしていた、が、人ではなかった。
旅人と思われる人を貪り食うその姿はもはや人ではない、体の至る所から体毛が生え、その姿はまるで狼──。
いや、正確に言うなら人と狼が合体した人狼とでもいうべき存在だった。
「……」
舌打ちしそうになるのをグッと我慢する。僕の部下の下人達は霊力は少ないが、そんな彼女らでもはっきりと分かるほどの妖気が漏れている。この感覚の強さからすると、中妖どころではない、大妖だ。しかも最悪なことに人型だ。これが獣形態なら幾分かマシなのだが、人型は知能が発達してる故に恐ろしい。
その姿の様子を見ると、人狼が服を着ているがその服がボロボロだ。恐らく、ただの人間が狼の妖に噛まれたか何かで人狼化してしまった哀れな被害者だろう。そして、人喰い衝動に耐えられずに襲ったのだ。その死体となってる旅人は、よく見ると髪が長いし刀が落ちているので女性の武芸者か何かだろう。襲われたところを反撃したが、相手が強く食われてしまったと見ていいだろう。
……大妖と焦って判断したが、落ち着いてもう一度集中して相手の妖力を探る。しっかりと判別したところ、中妖以上ではあるが大妖未満と言ったところだ。ほんの少しだけ余裕が持てた。ギリギリだが行けそうである。これで大妖以上なら確実に撤退しているが。
パッパッ
僕は手信号で部下に合図をし、戦闘態勢を整える。妖怪達は感覚が鋭く、反射光などでも感知する。故に、僕たちが持つ刃には炭などを塗って反射を抑え、更には鉄の匂いも出さない且つ毒を兼ねた薬品を塗ってる。当然無味無臭だ。僕がこの場のトップ且つ槍持ちなので、僕が一番先に突撃することになる。
そして、下人達は合図を待って待機した。僕は人狼の様子を見ながら合図を出すタイミングを図る。
人狼は一通り食べ終えて満足したのか、屈んでいた体を伸ばして顔を上へと向けた。
月明りがその黒い体毛を妖しく照らす、返り血にまみれたその姿はギャップ差もあって幻想的な光景を出していた。そして、その横顔は美しい女性の顔で、服の残骸からまろびでる二つの物体が大きく揺れており、腹は武芸者を食って力を付けたせいか筋肉質で6つに割れていた。
ほんの一瞬、情欲が出そうになったがすぐさま鎮める。敵相手に何をやってるのか、と己を叱咤する。周りを見ると、部下の何人かが見とれていた。無理もないが、今は任務中だ。手信号をすると、見とれていた部下も慌てて武器を構える。そして、人狼が何かに気づいたのか、急にこちらとは反対側の向こうを向いた瞬間、僕は飛び出した。
「!!?」
音に気づいて人狼がこちらを向くが、僕は体に霊力を身にまとい、ロケットのような飛び出しで槍を突いた。
「ギッ!!」
「チイッ!!」
もはやほとんど避けれない状態まで距離を詰めていたが、人狼は咄嗟に腕で防御し、槍が腕を貫通した。腕がなければ心臓に刺さっていただろうに、初手が失敗して舌打ちする。
「
「頼む! ってうわっ!!」
部下が僕を援護するように人狼に躍りかかる、すると人狼はその膂力で突き刺さった槍を抜かずそのまま振って槍ごと僕を部下に当てた。
援護に入った部下とぶつかり倒れこむ。背中に柔らかい感触がした。人狼は倒れこんだ僕と部下にとびかかろうとした、僕の下に下人がいる状態なので、このまま僕を食う気か?! そう思って、奴がしたように咄嗟に腕を出して噛まれないようにすると──
「ギャン!!」
横合いから、人狼に弓矢が刺さった。霊力がこもった矢故に、毛皮を抜けて突き刺さるだけでなく一種の質量弾みたいに重しを付与してるので吹き飛ばされる。これが退魔師の奴なら貫通するどころか、場合によってはバラバラにするものだが、下人が込めた霊力だからこれが限界だろう。僕は即座に立ち上がり、勢いをつけて奴の首に槍を突きさした!
「グァァァアアア!!」
獣と女の声が混じったような咆哮を人狼は発する。刺さった槍を掴んで抜こうとするが、それを僕はさせないように押し込む。トドメとばかりに槍先から内部を破壊するように霊力を流し込む。これが効いたのか、しばらく暴れていたが、段々と力が失われて行き、やがて動かなくなった。
「……」
僕は、無言で槍を抜き首を触って脈を測る。動いてない。
敵とはいえ、美人顔の女性を殺すということに罪悪感を覚えるも、すぐさま振り払う。この世界の女性たちはやたら美人でこういう妖魔も同様だ、情が移りそうになるので気を付けないと。
人狼の死を確認し、ようやく後ろを向いた。僕の配下である下人3人がやって来る。一人は刀、一人は弓矢、もう一人は術担当と役割を割り振っていた。下人達は、僕の前に集まると膝をつく。
「全員無事か?」
「はっ」
「ならば良し」
替えの利く下人とはいえ、無駄に死なせることをしたくない。それに、女の死ぬところは見たくない、という安い男のプライドがあった。そう、こいつら下人は女達である。総じて僕より背が高い。その中の一人で、槍持ちの僕を援護しようとして一緒に飛ばされた下人が声を掛けてくる。
「
「ない、お前が下になってくれたおかげで背を打たずに済んだ」
「はっ、ですが私は
「いい。僕があの人狼の力を見誤っていただけ、気にしないで」
そう言って話を切り上げる。今まで人の上に立ったことがないのもそうだが、偉そうに振舞ったこともないので、虚勢を張りながら偉そうに言う。効果はあるようで、恐縮しながら下人は頭を下げた。
そして、今回の騒ぎの原因である人狼の首を取ろうと、僕は槍を置き腰の小刀に手を伸ばそうとしたが──
「ッ?!」
ぞわり。
背筋が粟立つ感覚がし、周りを見渡すと、それらはいた。
僕が人狼の首を斬るのを中断し突然立ち上がって周りを見たのを見て、下人達もようやく気づいた。周りから突進しながら妖魔達が襲ってきているのを。
「頼様を守れ!!」
彼女達は僕を中心に円陣を組み、奴らに備える。そう、人狼が最後に吠えたおかげで、小妖や中妖達を呼び寄せたのだ。
襲いかかる妖怪達を相手に、僕たちは立ち向かった。
半刻ほど戦い続け、妖怪達を殺し続けるも、限界がやってきた。いくら鍛えているとはいえ、疲労だけは避けられない。
「ぐぅっ!」
鼬の小妖の放ったホーミング鎌、本来ならば見切って避けれるのだが、動きが鈍って完全回避とはいかず、足を掠ってしまいその場で膝をついてしまう。
「頼様!!」
下人が心配する声を聞きながら、僕は即座に腰の道具入れの治療薬と解毒薬を取り出した。焼けるような痛みが襲ってくるのを我慢し、即座に解毒薬をかけ、上から治療の軟膏を塗る。
「僕は大丈夫だ! お前たちは?!」
「我らはまだいけます! 早く首切りと浄化を!!」
「奴らを足止めするので、お早く!!」
妖の生まれる原因は数あれど、最も知られているのは霊力を持つ退魔師や妖の死体を獣が食うことだ。故に、それを防ぐために首を斬るか、切らなくても浄化しなければならない。妖が妖を食べるとさらに強くなるのは、退魔師の中では常識である。
本来ならば、綾絶家の当主代行として、北方守護の代表の退魔師として、配下の下人達を使いつぶしてでもこの人狼の首を斬って持って帰らねばならない。首さえ切れば、残った死体を妖が食っても強化はされるがそれほど強くならないからだ。いざ、首切りをし浄化をしようとしたその時。
──ぞくり
まるで、強者から睨まれた獲物のような悪寒が走った。すぐさま周囲に霊力を飛ばしてレーダーのように感知すると──見つけた、見つけてしまった。僕たちを圧倒する強者の存在を。
どう頑張っても勝てそうにないので、僕はこの場から撤退を選んだ。
「チぃッ、首切りは中止! 撤退する!!」
「そんな?! 何故ですか?!」
「あれを見ろ!」
思わず指を差して示してしまった。
そこには、足元の人狼と同等レベルの妖力を持つ人狼がこちらを指さしながら小妖達を嗾けていた。その姿は、僕達が退治した人狼と同じく筋肉質な女体であった。僕たちが退治したのは黒い体毛だったが、あちらは月明りで照らされて白か銀に輝いている。顔も、黒毛の人狼と同じ、美しい女であった。
「そんな、人狼がもう一体いるなんて……」
下人の一人が絶望の声を上げて僕は失敗を悟った。配下の士気というものは重要である。この時僕は説明するために指さしたのだが、説明は後からでも良かったのだ。士気の低下は、撤退にも影響を及ぼす可能性がある。そして、下人の士気が低下してしまった以上、これ以上ここにいるのは拙い。何より、あの大妖級と思しき人狼が襲いかかってきたら浄化も首切りも間に合わず仲良く全滅だ。それだけならいいが、全滅した後、僕たちの死体を食い、足元の人狼の死体を食えばさらに強化される。それだけは拙い。
ならば、僕たちがこの場で逃げれば、あの人狼が食べるのは足元の人狼のみとなる。どちらを選んでも強化されるが、最悪か、最悪の一歩前かを選ぶとするなら後者以外の選択肢はないだろう。
「撤退だ!!」
僕は大声を上げて、腰の道具入れにある煙玉を足元に投げつけ爆発させる。妖達は、基本的に動物の形をしているのがほとんどだ。その中でも獣の妖はメジャーである。僕の煙玉にはカラシを混ぜているので、小妖や中妖の狼達はその場でキャインキャインと悲鳴を上げながら蹲る。
その隙に、僕達はその場から遁走した。追手がやってきたが、今度は懐から火薬を詰めた閃光玉を投げつけて視界を奪った。これで追手を撒くことができ、全速力で僕達は逃げ出した。
そして、僕は逃げ出しながらあることに気づいた。
黒毛の人狼に一番槍を突きさす前、奴は向こうを向いた、あのナイスタイミングとも言うべきあの時。その向いた先は、僕が見つけた白い人狼の居た方向と同じだった。
ならば、僕があの黒毛の人狼を殺す前から、あの白い人狼は居たのでは? と
黒衣の人間たちが逃げ出したのを知ってたが、白い人狼は追わなかった。距離が離れすぎたので無駄だと悟ったからだ。
そして、人間たちが殺した同胞の元へとやってくる。足元の黒毛の人狼の死体を見て、白い人狼はその場に座り込み、その死体を食らい始めた。
人間が聞けば耳を塞ぐような嫌な音を出しながら、黒毛の人狼の頭を食らい、腕にかぶりつき、腹を裂いて内臓を食べ、豊満な胸すらも全て食らった。文字通り骨すら残さず食べた後、黒毛の人狼が食らった女の武芸者も残っていたので残さず食らい、そこに残るのは小妖や中妖といった死体のみとなる。
食べ終わってしばらくすると、白い人狼の体からゴキゴキと異音がなり始め、どんどん体が肥大化していった。
筋肉質な体はより強くなり、背丈も2mを優に超え、その胸には人狼の頭と同等かそれ以上のものがぶら下がっていた。
そして、白い人狼の体毛には黒毛が混じり、縞々の体毛となった。さらに強くなった人狼は、その場で歓喜の咆哮を上げ、そして次なる目的を決めた。
あの黒衣の人間たちの雌の中に混じってた雄、あいつは私を殺した強い雄だ。あいつが欲しいと。
黒毛の人狼を食らい、女の武芸者も喰らって記憶が混じった白黒の人狼は、女の武芸者が使っていた刀を拾い。山の中を進んでいった。あの雄の匂いを辿り、発情して股から液を漏らしながらゆっくりと追い始めた。
体格のいい女性が好きです。長身女性だとなお良し。
だいこんおろし様、へか帝様、春の神様、お便器様、鉄鋼怪人様といった素晴らしい方々に影響されました。