和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う 作:ビシオ
初秋に入って領民総出での収穫も終わり、そしてそこから税の徴収やら領民の陳情、交易品の選定や都への上洛の準備などが終わり、もうそろそろ上洛が始まることで上洛に向かうメンバーの中にはソワソワしたりしてるものもいた。だが無理もないことだろう、都は
妹達も初めての都ということで、訓練もそこそこにしながらも三人で何しようか何を見ようかなどの話で盛り上がってる。かくいう僕もちょっと楽しみにしており、三人の妹達もキラキラした目で言ってくる。
「兄様、都に行ったら歌舞伎なるものを是非とも見てみたいです」
「私もみたいです」
「でも、私は名物などを食べたいです」
「「「そのためにも──」」」
「わかったわかった、全部言わなくてもいいよ。僕もみたいから一緒に見に行くし、食べ物も食べよう。そのための金は全部僕が用意するから安心をし」
僕がそう言うと、三人は揃って頭を下げて礼を言う。
三人も金がないわけではない、妖魔討伐などで領地内の大きな町にある役所から報奨金などを貰うことで金銭を得ている。これはファンタジーなどの冒険者ギルドのようなものだ。仕事の斡旋などもしているし、冒険者ギルドお約束の化け物退治などの仕事を出したりしている。その仕事は基本的に退魔師に限らず、農民なども小妖などを狩ってその証を役所に持って行って金銭を貰ったりしている。だが、農民が小妖を狩るのは命懸けのため頻度は高くないし大体村に住んでたりするモグリやはぐれの退魔師が退治したり、町へ行って退魔師に金を払って依頼するというのが農民の妖魔対策だ。
モグリやはぐれの退魔師も、僕ら名家名門には圧倒的に劣るがそれでも対処できるくらいの力はあるので、それで金銭を得たり代わりに衣食住を提供してもらって定住するというのが普通らしい。場合によってはそのまま村長に収まる例もあれば、村長から娘を宛がわれて村の一員となる、ということもある。その退魔師の血を受け入れた村長一家は代を重ねるにつれて高い霊力を持つようになり、それが結果的に勢力も大きくなって名家となる。というのは、この世界の貴族や名家などに大体共通している歴史だそうだ。無論我が家も、過去は将軍の雑用だったが、気に入られて娘を頂き、そこから代を重ねて今に至るという風に歴史が出来ている。
名門や名家などの退魔師は、余程大きな事件や農民の手に余る事態が起きた時しか動かない。小妖を狩るのに自分達強者が出るのは割に合わないと思っているし、事実そういう面もある。何より退魔師の数は平民に比べたら少ないのだ。武士や兵士は農民でも鍛えたら成れるが、退魔師は生まれ持った霊力がないと成れないという理由がある。
あとは、小妖を狩るのははぐれやモグリの仕事という面もある。
彼ら彼女らは、名門より劣る卑しい存在だ。だがしかし、自分たちの代わりに小妖を狩ってくれるのでお目こぼししてる。というのが名門の認識らしい。
それはわが綾絶家でも同じ認識だ、だけど僕はそんなの関係ねぇとばかりに出回って片っ端から退治していってる。理由は簡単で、領民が死ぬと労働力が減るし税も減るからという即物的なものだ。まぁ、それだけではなく領地の見回りは重要だし、問題が起きたら対処するのも領主の仕事だ。畔が崩れたら土遁術で作り、風遁の刃で収穫を手伝い、火遁で火がない村々に火を起こして凍死しないようにする。揉め事が起きたら領主権限で裁いたりして一役買っている。
分家の村々にもそれをやっているので、おかげで領内の治安はすこぶる高いし民心も安定してるし、飢えや凍死なども減らしていってる。親戚一同もこれには嫌味も言わないし、何なら出向いたときに食料寝床を用意してくれてるくらいだ。まぁ、彼らからすれば自分達の代わりに僕がやってくれるので面倒が省けるからという理由だろうけど。
小さいことからコツコツとやって、波羅が領主になった時にやりやすいようにやってるだけだ。おかげで、領民たちからも感謝されてるんで悪くない。後は、裕福な時代に住んでいた前世のせいか、日本からアフリカなどの貧国を見て飢えなどに苦しむのをテレビ越しに見ていたのが現実の目の前に現れたから、目の前に現れたのなら逃げずにどうにかしないといけないという理由もあるが。
最初は僕が見回るだけだったが、今では妹達もついてきている。おかげで仕事がやりやすくなったし、僕がやってる仕事を妹達に見せることで学ばせる意味もあるのでいい傾向だ。そして、小妖やたまに出てくる中妖などを妹達に退治させて小遣い稼ぎをさせている。
ちなみにだが、僕は交易品発明の利益がドン引きするくらい巨大になってしまったのでお金にはほとんど困ってないから、妖魔退治の賞金は妹達に全額与えてるし彼女達が受け取る様にしている。
だが、それでも日々の出費や妹達の家人への給料その他などで資金が潤沢にあるわけではない。故に、彼女達は僕に頭を下げているわけだ。
最も、僕としても兄として可愛い妹達にあれこれ世話焼きたいというのもあるんで基本的に断ったことはない。なので、都に上洛するときの娯楽資金は僕が全額ケツ持ちするようにしてるし、それは妹達だけでなく、叔父上を含めたあらゆる人員、それこそ下人に至るまでの資金はほとんど僕が持つと言ってある。下人が風俗に行く金まで出す、と言ったほどだ。
但し、少額ならばともかく、高額の場合はいくら使ったのか何につかったのかの報告書の提出や領収書……はこの時代にないだろうがいくら払ったかのメモを取れと言いつけてある。あまりにふざけた内容だったら罰するとまで言っておいた。こうでもしないとアホなことに使うかもしれないからだ。あとは、そういう金の流れを掴むことで配下が何をしているのかの把握を出来るというのもあるが。
他家の上洛の場合は、下人のケツ持ちまですることはまずない。僕がそれを出来るのは、交易品の利益が本当にヤベーと引くくらいにまでに金が入ったからだ。
「砂糖は転生知識チートにて最強……覚えておけ!」とどこぞの白目の強い人みたいなことが転生小説で役に立つ知識一覧にあったが本当にその通りだった。
おかげで、金を使っていろんなことが出来る。農民たちが働きやすいように治水、陰陽衆への物資拡充、理究衆への研究費、下人衆への修練及び補充費、などなど…………。ゲーム内でもそれぞれの集団がおり、それらは便利な連中なのだがやはり金がかかる。
陰陽衆と下人衆はゲームだと雑兵枠といったところだ。前者は下人より強い術が使えるが素質に左右されるので金がかかる、後者は霊力無しでも大丈夫な雑兵で安いしいくらでも補充可能が強みだが前者より弱い。まぁ、下人でも全く霊力ないというわけじゃなくてある奴はあるし術も使えるが陰陽衆に入れるほどじゃないといったところだ。陰陽衆はコストの高い兵士なのでポンポン前に出さないが、下人衆は雑兵であると同時に忍者の役割もあるので結構消耗が激しいのだ。
それに、いくらでも補充可能といったってそれはゲームであって転生したこの世界だと現実だから簡単に補充しやすいわけじゃない。特に下人衆は下働きもそうだが肉壁としての雑兵でもあるし、場合によっては忍者のように情報収集させる役割もあるという、将棋の歩であるので非常に消耗が激しい部門だ。というかそんな簡単にポンポン死なれても困るので僕はちゃんと修練と人員充足をするように心がけてるので最近では死者は減っているし、なんなら彼女達の意見を聞いて働きやすいようにしている。
理究衆は研究開発する枠だ。姿が白頭巾を被った連中で、人に言えないような研究をしたりする。ゲーム中の彼らは研究開発なので、大体のことはここに任せれば明らかに門外漢のようなものでも開発出来たりする。が、やはり金がかかるのが欠点だが、研究開発はゲームの最初から最後まで大事なので気を抜いてはならない。なので、僕はここに結構な金をつぎ込んでたりする。おかげで、ここの連中は一部は都からやってきた優秀な者もいたりする。そういう人は、僕が金払いがいいのを聞きつけてやってきたりしたのでこちらとしてもありがたいし待遇も高めにしている。
ゲーム序盤から結構な資金持ちにすれば、波羅が当主になった時にやりやすいだろうと思って色々頑張ったが結果が実を結びそうで何よりである。やはり金……金は全てを解決する……!!
三人と自室で和気あいあいと色々と話していたのだが、部屋の外から声をかけられた。
「失礼します。頼様、
「ああ、
許可すると失礼します、の挨拶と共に襖が開けられそこには
「頼様、お嬢様が大事な話があると。つきましては、お嬢様の元へご足労願います」
そう言って、
「わかりました。今から向かいます」
「ありがとうございます、頼様」
尤も、僕は病弱な人にそんな鬼畜なこと出来ないし、何より嫁さんだし、前世の感覚もあって足を運ぶことに不満も苦労もしないので普通に了承する。
「すまん、桃代姉さんに呼ばれたから行ってくるよ」
「わかりました、桃代姉様には宜しくと言っておいてください」
「兄上、桃代姉上に私達からも」
「宜しくとお伝えお願いします」
「うん、わかったよ」
名残惜しいが、ここで切り上げて部屋を出る。そして、
余談だが、
案内されて桃代姉さんの部屋に入る。いつもは家人が傍に控えているのだが、今回は部屋には姉さんのみだ。それに、いつもは布団から半身を起こしてるような状態に対して、今回は布団は横に畳まれており、姉さんは部屋の中心にあるちゃぶ台の横に座っている。あと、お香を焚いていて珍しいなと思った。
僕は、姉さんに手招きされたので、ちゃぶ台を左にして姉さんの真正面に座る。姉さんはというと、僕が目の前に座るとちゃぶ台の方に向いて、上に置いてあった急須に入っていたお茶を湯呑に入れていた。何から何まで珍しいな、起きてるのもそうだが、こうしてお茶を入れてくれるのも初めてみる気がする。
「姉さん、
「ありがとう、わざわざごめんなさいね。本来ならば私が足を運ばなければならないのに」
「気にしないでください、姉さんの体のことを知っているから無理をさせるわけにはいきませんよ」
お互いの挨拶をしあう。
姉さんは僕が薬を買ったり食事を色々工夫しているからか、原作より病状は良くなっているようだ。原作だと色白の美肌だがそれでも病気で危ないというくらいに体調宜しくないというのがわかったが、こうしてみると普通に顔も明るくて病弱には見えない。布団から起きてこうして座っていることからも体調がいいのはわかる。
「もうそろそろ上洛ね、準備は出来た?」
「はい、叔父上の協力もあって無事に整えました」
「そう、よかったわ。はい、お茶をどうぞ」
「あ、どうもありがとうございます」
姉さんが会話しながら手ずから入れたお茶を頂く。口にすると、僕が買ってきた高級茶の味だ。だが、いつも飲んでる味なのに、なんだか微妙に違う味がした。ちょっと甘い……?
「頼君、あのね、貴方にお願いがあるの」
「はい、なんでしょうか?」
お茶を口に含み、その変わった味を味わいながら聞く。姉さんからお願いがあるというのも珍しいな、大体は自身の病気を気にして控えめな事しか言わないのに。原作ゲームでも病気のせいで自分から強く言うことが出来ない人だった。なのに、こうして大事な話をするとは珍しいし、原作ゲームにもなかったことだ。
「貴方が男だということは言うまでもないわね? なら、貴方の、いえ、名門としての男の役割はわかるかしら?」
「うーん、男ですから品のない話になって恐縮ですが、世継ぎを作ることでしょうか?」
歴史はそこそこでしか知らないけど、徳川家は将軍家の跡取りを作るために大奥なんでハーレム作って、将軍はそこに行ってひたすら子作りするのが大事な仕事だった。と聞いたからそれと同じかなと思って、それっぽいことを言ってみる。姉さんはそれに頷き
「そう、わかっているのね。では、貴方に聞きづらいことを聞くわ。貴方は子を作る行為に拒否感はある?」
「いえ、特には」
いつになく真剣に聞いてくる姉さんに背筋が真っすぐになる。なんだが、眼差しもいつものほんわかしたものではなくキリっとした……、というよりも刀を握った時のような真剣なまなざしだ。馬鹿な僕でもわかる、冗談や茶化しなどなく本気で聞いているのだと。
「世の男の人達はとても奥手で、そういう行為はあまり積極的にやろうとしないの。貴方もそうなのかしら?」
「え? うーん、いえそこまでは‥‥恥ずかしいという思いはありますが……」
世の男が奥手ってマジ? 本気と書いてマジ? 思わず二回も考えてしまった。
だが、姉さんが冗談で言ってるわけじゃないのは雰囲気や表情でわかる。原作ゲームだと女主人公で僕の妹である波羅が凌辱されまくるゲームだから、基本が男性向けゲームなために男の性欲が強いし竿男優なんて当たり前にいるものだ、だってエロゲー世界だから。
だというのに、姉さんが言ってたのは僕の考えていたのとは真逆だった。
衝撃的なことを聞かれて頭が混乱する。目の前が歪んでしまう。なんだか吐き気も覚えてきた。
もしかして……いや、生まれてからはわからなかったが成長していって少しずつ違和感を感じていた。だがそれを口にするのが怖かった。何より、女性達がやたらデカイし美人だし、周りの男達はいい女がたくさんいるのに下卑た視線を向けようとしない。それどころか、逆に女性から男性に熱い視線を向けていた。それらは、領内の見回りで、町村を見ていた時にわかったのだ。そして、その熱い視線には僕に対して向けられていたことも気づいていた。
だが、それは僕が領主の息子だからっていうのが理由だろうと思っていた。最初はそう思っていたが、時が経つにつれて違和感は加速度的に膨らんでいった。でもそれを指摘するのが怖くて目を逸らしていた。
しかし、こうして姉さんに言われたら、もう目を逸らすことが出来なくなる。向き合う時が来たと言えばそれまでだが…………。前から思っていた疑問、それは…………。
まさか、この世界って原作ゲームそのものじゃなくて…………男女の貞操が逆転した世界なのでは…………?
そう思ってしまった。答えを見つけてしまったかもしれない。自分が結構な勘違いをしていたのかもしれない。
一度気づいてしまったら、動悸が激しくなり、気分が悪くなる。根本的な間違いをしていた、そうなると自分の今までの行動で何か間違ったことがあったのではないだろうか? そうなると、不安が膨らんで押しつぶされそうになる。このまま過ごしていいものかと、原作ゲーム通りに行くのかと。
眩暈がしたので、思わず左手をちゃぶ台の上に置き、立ち眩みで倒れないようにする。僕の様子がおかしいことに気づいた姉さんが近寄り、左手に自分の手を重ねるようにして目を覗き込んだ。
「大丈夫? 顔色悪いわよ?」
「い、いえ、大丈夫です。ちょっと考え事をしていたもので……」
「そう……。気分が悪くなったならお茶を飲んで、ね?」
「は、はい、頂きます」
お茶のおかわりを姉さんが入れてくれたのでそれを飲む。ちょっと微妙な味がするが、基本的には僕が買った高級茶なのでそのまま飲める。何か味を付け加えたのかな? と思った。
「まぁ、いきなりこのようなことを聞いてごめんなさいね、貴方も男である以上女性と懇ろになるのに不安があるでしょう。でもね、貴方が男だからこれは大事なことなのよ」
「は、はい。存じております」
僕が男で、子作りできるかどうかを聞いて、不安な表情をしてしまったから姉さんを不安にさせてしまったことに反省する。跡取り息子が女と性行為出来ないってんならそりゃ不安になるよな、確か徳川家光が男色で世継ぎ作らないからやべぇってなったんだっけ? もしかしたらそっち方面かと思わせたかもしれない、反省しなきゃ。まぁ、先ほど答えのようなものを出したが、まだ確定したわけじゃない……はず。
そう思いながらお茶を口に含んだ。
「それでね? 貴方が男として子作りが出来るかどうかが重要なのはわかるわよね?」
「はい」
やたら念を押して聞いてくるな、と思いながらもお茶を飲む。
「当主の息子である以上、伴侶が複数に増えるのは避けられないことはわかるわよね?」
「それはまあ、はい」
父だって、妻を三人を持ってて、それぞれに僕、波羅、沙羅と由羅を産ませたわけだからわかる。こういう時代なら側室がいるのはそりゃそうだろうと。そう思いながら、湯呑に残ったお茶を一気に口にして──
「なので、女性に慣れる必要があるので、今晩私と褥を共にして頂きます」
「ブ──────────ーッ!!!!!!」
──衝撃的なことを姉さんに聞かされて、目の前に座る姉さんに向けてお茶を思いっきり噴き出してしまった。
女性が処女かどうかは処女膜見ればわかるけど、男性が童貞かどうかは本人の自己申告しかないよねっていうのをネタにしてる本作。なので、記憶をオラッ催眠!で消されて今のところ本人の記憶で童貞のままですが、ようやく卒業するかもしれません。目出度いですね。
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