和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う 作:ビシオ
サブタイトルつけた方がいいかなと思ってつけました。指摘もありましたんで、エロシーンの時には目印つけました。ご指摘ありがとうございます。
なんか色々書いていたら楽しくなって長くなってしまいましたごめんなさい、楽しんでいただけたら幸いです。
「頼兄さま、難しい顔をしてどうなさいました?」
声をかけられた方に顔を向けると、僕より背が低い女の子が居た。
その子は、燃えるような赤毛をしており、陽光に当たると反射光で明るいオレンジ色を発して輝いている。肩まで長く伸ばした髪は、波羅のポニーテールのように縛ったりせずそのままにしてるので、ライオンの鬣を思わせるような伸び方だ。顔は、くりくりとしたお目目をしており少女特有のあどけなさがあり大層可愛い。
だが、手に持っている得物は彼女の背丈を優に超えてる長槍だ。僕が使う槍より長く、僕の身長をちょっと超える。十文字槍のそれは、鎬からけら首までうっすらと赤い色が走っており時たま淡く発光している。その柄にも幾何学模様が描かれており、専門家が見れば持ち手の霊力を利用する術式だというのがわかる。
石突も、普通の槍のものと違ってゴツゴツした真っ黒な岩の塊がついている。その岩石はひび割れており、割れてる部分からは赤い色が光って見えており熱も薄く発している。まるで、冷めた溶岩を思わせるようなものだ。
その名槍の名を「流紋玄武槍」という。扶桑皇国の天下名槍百本の中の一本であり、北土の名門
そしてこの子は
その彼女が心配そうな表情をしていたので、僕は不安にさせないように笑みを浮かべ
「ああ、これから都入りするからちょっと不安だなって思ったんだよ」
「そうでしたか、拙者は初めての都なのでとても楽しみでござる!」
「そうだね、僕も不安だけど同時に楽しみでもあるよ」
初めての都入りということで、期待に胸を膨らませフンスと鼻息荒くし胸を張って答える少女、可愛い。
僕は彼女の疑問に答えつつ頭を撫でるとにへら~、として笑う。そして僕に抱き着いてきた。可愛い。こちらも返答するように軽く腕を回して抱いてポンポンと頭を撫でると、嬉しかったのか顔を擦り付けてくる。なんだか赤い鬣をしたライオンが懐いて顔を擦りつけている感じだ。可愛い。
僕の周りは基本的に背が高い女性ばかりだったから、この子みたいな年相応に小さい子がとても新鮮に見える。僕の妹の三姉妹は上は僕より背が高いし、下の双子は僕と同等だしで兄なのに威厳が出せない。というか、三人に良く抱き着かれて頭を撫でられるのがちょっとクるのだ。兄としてのプライドが崩れ去ってしまうのである。
対して、この子は小さいので僕のプライドが崩れることがないし、こうやって抱き着かれても小さいから邪なことを考えることもないので非常に楽なのだ。妹達は背もデカイしおっぱいも大きいし太腿も尻もでかい癖に、僕にしょっちゅう抱き着いてくるから僕の精神がガリガリ削れてしまうから、懐いてくれるのは嬉しくはあるが辛いのだ。
だけど、焔に対してはそういうことを考えないし精神も削れないので。こうして甘やかしてしまう。僕自身妹達を甘やかしてる自覚は少しはあるが、親戚筋とはいえ小さい妹分のこの子はもっと甘やかしてしまってると思う。
但し、綾絶家の親戚筋であり、名門である赤土家は武家としても有名で、現当主である赤土焔はゲームでもサブヒロインの一人として出てきたネームドキャラだ。
見た目は小さいが、手に持ってる名槍が自身の身長を軽く超える重い代物であるにも関わらず、軽々と扱うほどに見た目に反して怪力である。そして、僕の槍術の師匠役みたいな存在になってる。厳密に師と弟子みたいな関係というより、僕と叔父上みたいな関係と言えばいいだろう。僕も槍を使うが彼女にははっきり劣るので、たまに彼女から師事して技術を磨いている。
ゲームでの彼女は、元気のあるロリ槍侍ガールで得物である槍が火属性持ちで、彼女も燃えるような赤毛からイメージしやすい様に火属性の術が得意だ。
槍をブンブンぶん回して、火属性攻撃をバンバンまき散らし、炎の竜巻すら作って、バッタバッタと妖魔を燃やして蹴散らすその姿はまさに豪傑。見た目が小さい幼女なのに、怪力無双ロリという枠でプレイヤーからの人気も高い。
アタッカーとしても非常に優秀で、雑魚散らしに関しては術と物理両方の観点でも十指に入り、物理観点なら五指に入る程の蹴散らし力が高い。ボス戦でも火属性特化なので、火が弱点の敵ならば向かうところ敵なし状態であり、幼い体に秘められた怪力は鬼にも引けを取らない。
ただ、ボス戦と雑魚戦のどちらが専門かとするなら後者であり、ボス戦も使えるには使えるが彼女より優秀なキャラが波羅を筆頭に色々いるため、雑魚散らしは焔に任せてボス戦は別のキャラで、と役割分担すると大層効率がよいと設定資料集に書いてあったっけな。
一方で弱点は、百人中百人が見てもわかる様に火属性特化なキャラなので、水属性に非常に弱い。
ポ〇モンかな?
後は、幼い故にエッチに対する耐性がないので、そっち方面を攻められたらエッチに目覚めた子になってしまって、怪力無双ロリ槍侍が、ちんぽ大好き槍侍へと変貌してしまう。エッチ方面の開発が進みまくってしまうと、場合によっては町に寄った時の歓楽街や遊郭に入り浸りしたり、そこらの浮浪者に股を開いておねだりするようになってしまうほどだ。もしくは、敵のネームド妖魔からセックスを餌にしてあっさり寝取られて敵に回ってしまうこともあるくらいに色狂いになってしまう。
水属性に弱いという文言に多くのプレイヤーがポ〇モンかよと突っ込みを入れたが、エロゲー故にこっち方面だと気付かされて膝を打った者は多い。かく言う僕もその一人だ。
ちなみに、水に弱いとあるが水属性攻撃を食らうとポ〇モンのように効果は抜群だ!な大ダメージを受けるわけではないし、某錬金術師の大佐のように濡れたら全くの無能になるわけでもない。単に流紋玄武槍の特性である火属性付与がなくなるというだけで、持ち前の力と得物の槍は健在なので、槍働きだけでも雑魚散らしには有用である。ただ、技の大半が火属性攻撃と槍の攻撃を合わせた奴ばかりなので、大幅に火力が下がるから注意ということだ。
彼女の火属性攻撃は、弱点属性持ちに特効があるのもそうだが、相手を炎上状態にしてスリップダメージを与え続けるのが地味に重要なのである。
妖魔に対してのスリップダメージは、毒、酸、氷結、出血、炎上と、他にもあるが大別して五種類あり、その中で一番用意しやすく簡単なのが毒と炎上である。
理由は言わずもがな、毒は毒薬を調合すればいつでもどこでも作れるし、炎上は燃える油をぶっかけて火遁霊術を与えればいいだけだ。この二種は、道具での補助がしやすいのである。
残りの三種は、酸と氷は水属性を極めれば両方使うことが出来るがそこまで育成するのが大変で、道具での補助も特別な素材を作るので作成しにくい。出血は槍や刀などで普通に切れば出血値が溜まっていくが、出血値は武器の良しあしで決まるし接近戦故に反撃も当然くらうから他と違ってリスクがある。
そして、焔の攻撃は基本的に火属性且つ火炎蓄積値が高めなので、大抵の敵に二、三回ほど当てれば炎上状態になり敵に対して地味に使えるダメージソースになっているのだ。
どれほど高いかと言うと、例えば波羅の技の中に「火炎纏い切り」という火遁を武器に纏わせた技がある。これは他のキャラもレベルが上がると使える属性攻撃だが、道具の補助なしでこれを四、五発ボスである大妖以上に当てると炎上するとする。
対して焔の場合は通常攻撃二、三発で炎上するのだ。対して違いがないように思えるが、波羅の場合は攻撃する前に火遁を用いて属性付与をしなければならない手間があるのに対して、焔の場合は得物の槍が最初から火遁を纏っているのでその手間をかける必要がない。それにプラスして、使い手である焔が火属性が得意というのもあり、属性攻撃にボーナスがつき只の通常攻撃が火遁纏切りと同等の属性且つ波羅の「火炎纏い切り」より蓄積値が高いという利点があるのだ。
ちなみに、「流紋玄武槍」みたいに火属性が付与されてる特殊武器が他にもあるが、それを焔に持たせても同様に敵を炎上させやすい効果があるので、火属性付与の特殊武器を複数所持してるなら場面によって武器チェンジさせることでさらに柔軟な対応が出来る。尤も、初期の得物が槍で本人も槍の熟練度が高いので、他の武器の熟練度を上げないといけない手間があるので注意だ。
わざわざ手間をかけず、戦闘が始まったらさっさと攻撃するだけで炎上状態に出来るので、相手のライフ削りにとても便利なアタッカーなのだ。もっと早めたかったら波羅の場合わざわざ油壺を投げつける必要があるが、それなしに炎上させることが出来るのは結構使えるし道具の節約にもなるのである。
特に、広範囲に薙ぎ払い尚且つ地面に火炎を走らせて焼け野原にする「
だが、先ほど挙げたような弱点により、火属性攻撃が使えなくなると一気に火力が下がるリスクもあるが、それはきちんと克服できる。
しっかりと成長させると、そのわかり切った弱点を自分で克服するほどになる。火属性術は水に濡れたら使えないというのは、世の理を知ってるならその通りだが、その常識をぶち破る必要がある。
賢明な読者諸兄も、水に濡れたら火がつかないというのはわかるだろう。だが、術師ならば、そんなこと知るか!と己の炎を燃やして火をつけるので、熟達の術師ならばその高い霊力によって『水にぬれても消えない火』を扱うことが出来る。これが出来るかどうかが熟達か未熟かを分けるようになってるのだ。この火は霊火といい青白い色をした炎だ。通常の術師は赤色なので、一目で見分けがつきやすい。ちなみに、妖魔が使う場合は鬼火、狐火などがある。
場合によっては、濡れたら自分自身を燃やして水気を蒸発させて復帰するという荒業すら使える。勿論、高レベルになるまで育成しないといけないのが欠点ではあるが、要は水に弱いという焔の弱点も、彼女が幼いからというのが理由だ。ゲーム中でも都に所属してるベテランのお爺さんお婆さん退魔師は消えない霊火を当たり前のように扱う。そこまで精神と技術が成長してるから出来る技だが、数えで十の彼女は精神が未熟なのでまだ出来ない。故に、そこから成長させて使えるメンバーにするというのがゲームでの育成要素だ。
成長させ、水に対する弱点も克服させ、霊火を覚えると、たとえボス相手でも消えずに与え続けるようになってしまう。炎上スリップダメージが普通なら毒と同じで一定時間で消えるが、こうなったら重要な火力キャラとなり、文字通り最初から最後まで使える存在となる。
そんなサブヒロインで使えるキャラが、僕の親戚且つ妹分となってる。なので、僕も可愛がってるしこの子も懐いてくれている。まぁ、仲良くしておけば波羅を手助けしてくれるだろうしって打算もあるけど。
そう思ってると、彼女が顔の擦り付けをやめて顔を上げた。
「そういえば兄さま、兄さまは都で何をするのが目的なのでござるか?」
「そうだね、まず帝や公家の皆様方に挨拶して、和歌などの茶会にも参加して、販売してる牛車の買い付けをして、持ってきた交易品を売りさばく……大体はこんなところかな」
後は、大狸の鍛冶師と、ドスケベジジイ教授や剣聖様に会うこととか、拳法道場に波羅を連れていって門下生にすることとか、宗教団体への挨拶など色々あるが、それは別に言わなくてもいいので黙っておく。
「はえー、色々と大変なのでござるなぁ」
「そうだね、でも上に立つってのはこういうことだからね。焔もいずれ自分でこういうことをしないといけないんだよ?」
「うっ、それを言われると辛いでござる……」
僕より若いこの子は、僕の当主代行と違って正式な当主である。なので、責任の度合いで言うならはっきり言って僕より重い。年下のこの子が当主になってる理由は単純だ、当主であった両親が妖魔との戦いに殉職したからである。なので、必然的に当主になったわけだが、僕の家と違って分家みたいなもの且つ縁戚である故に責任は重いと言ったが、綾絶家と違って重要な行動をあまりしなくていい。
というのも、北土のまとめ役としての仕事は総代である綾絶家であり当主代行である僕がやるので、他の家は大体僕の指示に従うか支援するだけという気楽なものだ。当主が貧乏くじと僕は言った理由はここにある。僕が会議で上洛云々について言ったときも反対しなかったのもそれが理由だ。
ちなみに、今回の上洛は僕の家だけで十分なのだが、この子が参加してる理由は彼女の家臣から「姫様を連れていってほしい」と言われ、焔からも一緒に土下座されて頼まれたからだ。
まだ幼い状態で両親が死んで当主になってしまったので、見聞を広めるために都に連れていって見識を増やしてもらいたいと家臣共々土下座をされて頼み込まれた。僕としても可愛い妹分一人連れていくだけなら問題ないし、こういうのは家族旅行に親戚の子を預かるようなもんだろ、って考えもあったので了承した。その時、家臣からは当座の旅費と僕への謝礼ということでかなりの金子を積まれて渡されたのだが、これは丁重に断った。
上洛は基本的にかなりの金がかかるのだ。馬の世話をする下人やら身の回りの世話の家人やらを沢山連れていくし、それの道中の世話や宿代もあるし、関所を通るときの通行料の問題等々…………。道中でもこれだけあるのに、都についたら各所への挨拶回りや和歌や茶会の参加と面倒臭い付き合いをしなければならないのである。
上洛は何も知らない人なら憧れの都に行くということしか考えないだろうが、僕のように上に立つ人間からしたらひたすら金がかかるし、公家の方々への挨拶やらも面倒だしでやりたがらない。だが、まとめ役で総代である綾絶家はそれから逃げることが出来ない。言わば、他の連中の代わりにかなりの出費をして出張旅行に行く社長のようなものだ。
わかりやすい例を言うなら江戸時代の参勤交代、アレと同じだと思うといいだろう。ゲームの設定資料やゲーム内での語られる内容でも、四方を守護する総代に財政的負担をかけるために地方の状況を帝に上奏し説明させるという名目で上洛を義務とした、とある。この場合、財政負担をするのは総代となってる護家のため、それを支える各大名や御家人は参加はしない。する場合もあるにはあるが、それはたまに都への遊行や重要な資材や道具の直接の買い付けなどをする際、総代に一緒について行って上洛を共にする場合もある。
御家人も退魔師であるため道中の護衛も自分で出来るし、滞在費などは自分持ちだが人数が多いと割引をしてくれるところもある。総代側から見ても、人数が増えても滞在費は御家人の分まで面倒見る必要はないから気にしないでいいし、道中の護衛は彼らも参加するので数の正義ということで安全も高まるのだ。場合によっては、財力と権力の誇示の為に御家人一同を連れていく場合もあるらしい。その時はまさに一大イベントとなる。だが、最近でそれをする護家は我が家も含めていない。
上奏するための上洛を皆を代表して護家がやる代わりに、各大名や御家人は総代である四方護家の指示に従うようにという取り決めがある。尤も、駄目な行動をしたら戦国時代の武田家の家臣や国人ばりに言うこと聞かない連中になったりするから気をつけなければならない。ゲームでも忠誠が下がってのちの行動に影響が出るので、そこはプレイヤーの腕の見せ所となる。
それで、赤土家家臣と焔からは旅費やら謝礼などの意味を込めた金子を出されたのだが、これは赤土家のかなりの割合を占めた財産であった。
上洛には多額の出費がかかる。人一人増やすだけでもそれなりにかかるし、それが大名家の当主ならば下人や家人と同じ場所に寝させるわけにも行かないので、僕ら兄妹と同じ部屋を取るし食事や各種の世話もあるので高めの出費となる。本来なら焔の家人なども連れていくはずだが、それをすると余計に出費が増えるので、彼女一人だけを連れていってほしいと言われた。節約ではあるが、体力のない分家の悲哀がここにあった。赤土家は両親が殉職して収入が途絶えて、幼い彼女がせっせと妖魔退治の報酬で稼いだり、家臣も内職を頑張って家への収入にしたりと涙ぐましい努力をしている
もちろん、僕は彼女が有力なキャラクターだとゲーム知識から知ってるので、色々援助して助けている。原作ゲームでも、家を維持するためにあれやこれやと働きづめで、桃代姉さんを助けるために働きづめの叔父上と同じになっているのだ。それを援助してるので、こうして兄さまと懐いてくれてるのでこちらとしても目論見が通っているから万々歳である。
あと、僕は交易品で稼いだ金があるし、彼女一人増えた程度で眉をひそめるほどの出費にならないし、先ほど説明したように親戚の子を預かるようなものなので、謝礼を断りながらも同行には了承した。
おかげで、焔からは凄い感謝され、焔の家臣も涙を流しながら土下座をして礼を言われた。
まぁ、それ以前にも彼女の両親が死んでからは色々と僕が世話を焼いているのもあるし、代行という立場を利用して後見人になったり、彼女自身が幼いからという理由で僕が彼女の領地の治水工事や治安活動をやったりしてるからなのもあるが。
こういうことをしておけば、困った時に僕をその火力で助けてくれるだろうし、妹が当主になった時も有用な戦力として活躍してくれるだろうという打算も込めた行動だ。ちょっとだけ利用してるようで気が引けるが、この子もサブヒロインである上に波羅と同等かそれ以上に凌辱シーンがあるキャラでもある。こうして懐いてくれてるから情が湧いたというのもあって、この子も出来るだけ守ろうという気になっているのであれこれ世話を焼くことになった。
焔と談笑してると、正門の方から下人がやってきた。
隣には小奇麗な小袖を着た人もいて、僕の家の家人じゃないのはわかる。下人が僕の目の前で膝をついて報告する。その時に巨乳が揺れて目に悪かった。
「頼様、検問の順番になったようです」
「え? でも僕たちはまだまだだったんじゃないの?」
視線を正門に移すと、僕らの前にはまだまだ平民が列をなしている。が、段々と騒ぎが大きくなってきた。何かあったんだろうか?そう思ってると下人がさらに報告をしてきた。
「はっ、実は左大臣殿が特別な計らいをしてくれたようです。此方の方はその使いだと」
そう言うと、一緒にやってきた顔立ちの整った家人が頭を下げ
「綾絶家当主代行の頼様でございますね。私、主人である左大臣の使いで参りました。頼様が検問を待ってるとのことですが、我が主人が大事な客人を待たせるわけにはいかぬと言いまして、先ほど門番に話を通した所存でございます」
そう言って彼女は頭を下げる。
どうやら、僕が律義に待っていたのを左大臣殿は手を打ってくれたらしい。だが、あまり権力に物を言うのもなんだかなぁという気もあったので
「お心遣いありがとうございます。ですが、順番を守るのは大事。我が家が北方守護であろうとも、決まりを守らねば下々の民に示しが尽きませぬ」
そう言って、感謝の意を込めて断りのノーサンキューと言ったのだが
「いいえ、此度の上洛は優先されることです。特に綾絶家は特例で猶予を与えられた身。こうして都に赴いた以上、決まりを守ること以上に猶予で遅れた上洛をすることが最優先でございます。故に、平民たちと同様に列を守る必要はありません」
伝令と同じでございます。そう締められて頭を再度下げる家人。
そう言われると、反論する術がなかった。
式神やら、水晶玉による念話通信など和風ファンタジーみたいな通信方法はあるが、これは一部の者つまり退魔師みたいな能力持ちにしか出来ぬことである。故に、伝令はいつの時代もあらゆる障害を跳ねのけて報告するのが仕事であり、道中の障害は特例によって無視していい。情報の伝達は何より重要だからだ。
その例を用いられると、此方としても反論できなかった。何より、彼女が言うように特例で上洛を遅らせた身分である故にそこを言われると弱い。他の三方はしっかり上洛してる中、こっちは当主関連で遅れてしまった。致し方ないとはいえマイナス点なのには変わりないので、ここを反論して列を守ると言うと、上洛を牛歩で遅らせていると見なされる恐れがある。
だが、権力に物を言わせて決まりを破るようで、あとで何か言われないかなぁ…………。ここで色々言われて、波羅が当主になった時に問題起きるんじゃないかなぁ……。そういう不安が胸中にあったのだが
「ご安心を。門番や周辺の平民には『此度の割り込みは左大臣の命令によるもの』と説明しております。故に、綾絶家に不評は向きません」
主人がそれを見越して命令したことです。
そういって頭を下げて来た。此方の不安を見透かされていたようだ。そこまでされたのなら此方としても反論もないし問題もない。
「わかりました、左大臣殿のお心遣いとご配慮、誠にありがとうございます」
「はい、どうか主人は頼様に是非ともお会いしたいとも申してました。ですので、どうかお時間を頂きましたら主人に直接お礼を申し上げてくださいませ」
「はい、お礼の品を持って是非ともお会いしたいとお伝えください」
わかりました、必ずお伝えします。と左大臣の家人は言って都へと入っていった。
僕はその背を見ながら床几から立ち上がり下人に指示を飛ばす。
「よし、各自休憩終わり!検問の為に並ぶこと、手荷物をすぐ出せるようにして検査をしやすくするように命令を伝えておいてくれ」
「はっ!」
「焔は僕と一緒に、馬に乗るから僕の前あたりに座って」
「はいでござる!」
既に門番に話が通ってるせいか、前方のざわめきはどうやら門番が列に並ぶ平民をどかすざわめきだったようだ。左大臣の家臣が正門に行ったあたりで前方がモーゼの海割りのように平民が左右にどく。
その間を堂々と僕らは進んで、都入りをした。
「なんとか無事に入れたね」
「はい、左大臣殿の力に感謝ですね」
叔父上の言葉に僕はそう返す。
検問を受けたが、あまり居心地がいいものではなかった。平民からジロジロみられるのは未だに慣れない。特に女性が多いからか、どうも熱っぽい視線が送られてるようで体がむず痒い。前世が唯の平凡な人間だから、多数の人間に注目されるというのがやはり慣れないのだ。
肝心の検問だが、予想よりスムーズに進んだ。
ゲームだとランダム要素でガラの悪い門番に絡まれて袖の下とか渡したりするイベントがあったりしたが、そういうのはなかった。
というか原作ゲームだとガラの悪い門番はモブのおっさんで、運が悪いと性処理させられたりするものだが、門番は女性であった。というか兵士のほとんどというか今のところ女性しか見当たらない。しかもモブ顔ではあるが整った顔だし筋肉もついてて太腿も太いし、鎧の上からでもおっぱいが大きいのがわかるほどだ。
やはり、僕の知ってるゲームと何か違う。
と、どこかの小説タイトルみたいなのを思い浮かべたが。それを表情に出さずに大人しく検問を受ける。この何か違うというのも、都入りして色々見れば疑問も解決できるだろうし。
検査を受けるとき相手の兵士長がやたらベタベタ触ってきて、逆セクハラみたいなことをされて、三人の妹達が怒り焔も「頼兄さまに対してうらやま……無礼な!」と槍を向けるひと悶着があったが僕が間に入ってどうにか取り成して流れた。
その兵士長は、前方で荷物を検分していた退魔師にこっぴどく怒られてたので、妹達と焔もその姿を見て溜飲が下がる。そして、その退魔師は片目を眼帯で覆う女性だった。ゲームの資料集であったが、眼帯をつける退魔師はその目に魔瞳を持つのが多い。その魔瞳による瞳術で隠蔽を見破るのだとか。
その退魔師は僕らに先ほどの兵士長について詫びを入れ頭を下げつつも注視して検分していった。もうすでに下人や家人などを見たので、最後に叔父上と妹達そして僕という風になった。妹達や焔を見るときはすぐに終わったのだが、叔父上や僕を見るときはガン見していた。男であるということがそんなに珍しいかはわからないが、僕は首を傾げたのに対して叔父上は苦笑するだけだった。妹達はこの検分役の退魔師がガン見してる理由がわかってるようで若干の殺気を放ち、それに気づいた退魔師は慌てて検分を終えて、ようやく都入りが出来た。なんで殺気を飛ばしてたんだろう?検分役だから、じっくり見るのは当然だと思うし、僕自身禁制品などを持ってないから堂々としてるだけだから問題ないはず。強いて言うなら、股間回りをじっくり見てたことくらいか、僕だけじゃなく叔父上のも見てたしなぁ。見てたのは僕のほうが長かったけど、多分隠し物を体内に入れるとき、胃、耳の穴、尻の穴、といった場所にスパイは入れると映画や漫画などであった。だからそれでじっくり見ていたんだろうと思う。
そして、検分も無事終わり、僕ら一団はこうして正門前の広場で溜まってるわけである。
だが、既に周りから注目を浴びてるし、ここに居座るのも迷惑をかけるから移動しなければならない。そのために人生の先達に尋ねる。
「叔父上、これからどうしましょうか?」
「そうだね、とりあえず宿に入ろうか。荷物を置いて、旅の疲れを癒さないとね」
「わかりました、では事前に話を通しておいた蓬莱亭に行きましょうか」
蓬莱亭とは都にある複数の宿でも上から数えた方が早いくらいの一流宿である。
ゲームでも宿に泊まるとき、ランク付けされた宿を選ぶのだが、値段が高いピンを選ぶと食事や睡眠に温泉果てはマッサージもとい按摩などがあるのでステータスにボーナスがついたりする。だが、べらぼうに金がかかる。
ゲーム内でも、主人公一人旅や仲間を入れた複数人での宿泊なら出費が高いのはそうだが複数人故に納得できる。だが、上洛みたいに一団を率いるとなると下人や家人の分の宿代まで入ってるので出費も倍増する。
逆にキリを選ぶと一団を率いてもかなり安く出費を抑えることができる。だが、キリ故に食事も不味いし睡眠の質も悪いし温泉など無くたらいにお湯入れて体をこするみたいな貧乏宿なのでステータスがマイナスになる。もっと酷いと、酔っぱらった破落戸が部屋を間違えて入って犯されたり、酷い宿を選んだことで恨んだ下人が夜這いにやってきたりして主人公が犯されるイベントが起きる。流石はエロゲーといったところだった。
僕はというと、交易品の発明で稼いだ金があるので一団含めて上等な宿を用意できた。
それに、この世界に転生して初めての都入りというのもあるし、妹達や焔も初めてなので彼女達にいい思いをさせたいという兄としての使命があった。
叔父上からは
「こんな宿を選んで(出費が凄いことになってるけど)大丈夫か?」
と言われたので
「大丈夫です、問題ない。一番いい宿を選びます」
そう返した。
なんとなくどこぞのゲーム主人公と相棒のやり取りみたいだなと思ったが気のせいだろう。
ゲームプレイだと、プレイヤー側のネームドや有能な部下の宿はピン、下人はキリ、みたいに振り分けることも可能だし、叔父上とのやり取りでもそうした方がいいと言われた。
だけど、僕はそれを拒否した。理由は、振り分けることで出費を抑えることが出来るが、そうすると忠誠度が下がって下人の裏切りや破壊工作が起きるかもしれないためだ。
ゲームでの下人や家人はモブで雑兵扱いだ。ゲームだと後でいくらでも補充できるし、金さえあれば質の高い下人も用意できる。だが、忠誠度が低いと妖魔と通じて地味に嫌がらせなどが起きたりするのである。
最悪だと、不満を持った下人が妖魔と通じてその体を妖魔が乗っ取り、その下人がどんどん成長し有能なステータスとなり傍に置くようにすると、ある日突然裏切って部隊壊滅からの主人公孕み袋エンドや、主人公が寝てるときに睡眠姦して知らないうちに妊娠、といったエロイベントが起きたりする。
僕はそれを恐れた。妹達をそうしないために、そしてゲーム世界と違ってこの世界に転生したらゲームのように簡単に補充など出来るわけじゃない。後、下人のほとんどが女性なので死ぬ姿をあまり見たくないという安い男のプライドもあって、なるべく忠誠維持を心がけてる。
まぁ、これが出来るのも偏に金のおかげだ。
金がなかったのならゲームの効率プレイのようなことをしてたと間違いなく言える。お金は正義、はっきりわかんだね。
そうこう考えつつも蓬莱亭にたどり着き、宿の主人と従業員一同が一斉に並んでの歓待を受ける。宿は貸し切りだ。僕の一団が大人数なのもあるが、貸し切りにしても問題ない資金があることと、叔父上から他人がいるより我が家一団で占めた方が安全だと言われたのでその通りにした。
しかし、一斉に左右に並んで「いらっしゃいませ!!」と歓待を受けると、物凄く喜んで浮足立つ僕がいた。前世の貧乏サラリーマン時代の時、こういうのに憧れを抱いたが所詮遠い夢だろうなと思っていた。それがまさか転生していいとこの坊ちゃんになって金持ちになってあの頃の憧れを叶えることが出来るとは。ちょっとした感動を覚えるとともに、人生どうなるかわからないものだなぁという感想を抱く。
心の中でちょっと偉くなった感じのウキウキ気分を抑えつつ、顔には出さず下人や家人に簡単な指示を出し、叔父上とも連絡しあって、しばらくは自由にすることにした。僕が波羅を連れて上奏するのには色々とこちらの準備もそうだが向こうの準備もある。大体1週間から2週間の間と連絡役の役人から言われたので、その間に歌舞伎や牛車の買い付けなどをする予定だ。下人や家人にも自由時間として、揉め事を起こさぬことなど色々と取り決めを大勢の前でいい、一人一人にお小遣いとしての金子を渡す。ほとんど女性だが、全員が下人だろうが家人だろうが大喜びで両手を握って感謝を言ってくれた。ちょっと嬉しい。ここまでやれば、近隣で問題を起こすことはないはずだ。ゲームでも、たまに下人が破落戸と喧嘩して対応に追われるイベントがあったが、それも忠誠心やこういうボーナスを渡す心遣いをしているなら抑えることが出来るので、それを実践しただけだ。お金渡して揉め事なくせるなら安いものである。
全員に渡し終えて解散した後僕は自身の一等部屋に入り、綺麗に敷かれてあった布団にとりあえず豪快にダイブして大の字になった。一等なだけあって布団も柔らかくいい匂いがする。このまま寝たい気分になったが、部屋の外から声を掛けられた。
「兄様、波羅です。入ってもよろしいでしょうか。由羅と沙羅もいます」
「ああ、いいよ」
失礼します。
と言って、僕の妹達が入ってきた。だが、それだけでなく焔もいる。四人とも、着ていた具足は外して楽な部屋着となっている。
「兄様の部屋に結界を張りに来ました」
「我が家のように」
「しっかりと張ります」
「うん、お願いするよ。ところで、焔がいるのはなんで?」
ゲームでもあったように、宿に泊まるときに自身の部屋に結界を張る項目がある。これを、することでスパイを防ぐのだが、それを怠らずにこっちでもやるように妹達にお願いをしてたのでこうして三人がやってきた。
だけど、焔は呼んでないし来る理由がわからない。
首を傾げていると
「はい、我等姉妹は焔と共に旅の疲れを癒すためにこれから風呂に入ろうかと思いまして」
「ああ、もうそんな時間か」
外に目をやると、既に夜の帳が下りてきていた。都の中にある塔、そのシルエットが橙色の空に浮かび、塔の傍を飛ぶ鳥の姿が美しい。この夕焼けの美しさは、世界が変わっても変わらないなと一種の感動を覚える。晩御飯の前に風呂は珍しいけど彼女たちは戦働きをしたから癒そうとするのは当然か、そう思い
「で、三人と焔の四人でお風呂に入るわけだね、行っておいで」
「いえ、それだけでなく兄様も一緒に入ろうと思いまして」
「そうです兄上、この宿は貸し切りです。兄上と我等姉妹に焔の五人で仲を深めましょう」
「それに、私達は妖魔と戦ったので疲れました。ですので、兄上に按摩をしてほしいのです」
「えっ、それはちょっと…………」
妹達が小さいときは面倒を見るために一緒に風呂に入って体を洗ってあげたものだ。だが、段々と成長して今みたいな肉付きが凄いことになってからは勃起してしまうのでめっきり入ってない。
それでも、彼女達は僕と一緒に入ろうと誘ってきてその度に断るのだが、その後の記憶があまりなかったりする。風呂に入ったことは覚えているのだが、いつ入ったのかは覚えてない。
ちなみに由羅の言う按摩はやったことはある。ゲームでも、風呂上りもしくは風呂の最中に三助の按摩を受けるとステータスが上がる効能があったので、それを思い出して風呂上りに彼女達に按摩をしたことがある。勿論僕は素人だから、按摩師から人間のツボ一覧みたいなのを買って、それを見ながらツボを押してるだけなのだが、痛い痛いと言いながらも熱っぽく息を吐いてその後ビクビクしてたから効いていた…………と信じたい。
話が逸れたが、彼女達に誘われたが一緒に入るのは拙いだろう。そう思いすぐに断る。
すると、
「頼兄さま、拙者は兄さまと一緒に入りたいでござる!!」
「わかった、あとで一緒に入ろうか」
この子は親戚だし、責任者として面倒を見る必要あるし、何より体が幼いままだから勃起することもない。仮にしそうになっても霊力をちんぽに当てれば抑えられる自信がある。見た目が小さいから、幼い時の妹達の背中や髪を洗ったようにやればいいだろうと思ったので了承した。
すると、妹達が頬を膨らまして抗議する。
「兄様、ずるいです。焔はよくてなんで私達はダメなのですか」
「兄上、ずるいずるい」
「私達は、兄上のお体を洗いたいんです。兄上からまた洗ってもらいたいのです」
「いや、そうは言っても君たち十分大きくなったじゃないか」
僕より体格のいい妹達と一緒に風呂なんて勃起不可避である。
妹達に欲情なんて、ただでさえ兄としての威厳がないのに嫌われてしまうわけにはいかないので拒否する。
「兄様、もしかして私達と一緒に入るのが恥ずかしいのですか?」
「えっ?そ、そりゃあまぁ…………」
「何故?教えてください」
「そ、それは言えないよ、恥ずかしいし…………」
妹達の体がスケベに成熟して勃起してしまうから。
なんて馬鹿正直に言ったら終わりだ。なので、赤面しながらも回答を拒否する。
「そうですか、仕方ありませんね───」
波羅が溜息をつきながら頭を振る。どうやら諦めてくれたらしい、そう思っていたら顔を上げて───
「───恐縮ですが兄様、正直にお答えください」
───
「妹達の体がスケベに成熟して勃起してしまうから、だから一緒に入るなんて出来ないよ。君たちの体に欲情してしまうなんて、兄として情けない限りだし」
「まぁまぁ」
「なんということでしょう」
「こ、これはどういうことでござるか?」
双子は共に両手を頬に当てて体をくねらせて喜んでる。そして焔が戸惑ってる。
おかしいな、どうしたんだろう?僕は
すると、僕の回答を聞いて満面の笑みを浮かべた我が妹は
「恐縮ですが兄様、これから私達と一緒に風呂に入りましょう」
「うん、いいよ」
またもや下手に出られた。そうされたら、此方としても断りにくい。
拒否していたのを翻して、僕は風呂に入ることを了承した。
色々書いてたら長くなってしまいました。未だに一話何文字がいいのかわかりませんが、個人的にここら辺にしようかな~って思ったら区切るのでまちまちになるかもしれません、ご了承ください。
今回は、三分割しようとしましたが、エロシーン入れたいのにそれじゃ長すぎるよなぁと思ってドッキングして次にエロシーンしたいなと思ってこうなりました、反省。
サブタイ、僕の頭じゃ中々思いつかないときがあるので、読者様の感想などで面白い奴あったらつけるかもしれません。勝手に拾いますが、嫌でしたら外します。
次エロシーン予定ですんで頑張ります!