※この作品はR-18です。

和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う   作:ビシオ

28 / 57
色々とありますが、僕は元気です……皆様の感想評価誤字報告のおかげです

毎月更新って亀のように遅い、それだと、僕自身見たいエロシーンも中々見れない。読者の皆様方もエロシーンにたどり着けないと不満がでるだろう。ならどうしようか……


せや!なら二話分を一話にまとめればいいんや!!

って頭の悪い発想で二話分を凝縮したので2万字近くなりました。次でエロシーン入りたいから許してください!!




二十八話  強い人に弟子入りはしないといけないよね

「この魚の煮付け、甘くて美味しいですね」

「この大根も中々じゃぞ」

「頼様の持ってきた調味料のおかげだべ」

「いやいや、蒲公英ちゃんが手伝ってくれたおかげだよ」

 

 

 僕らは料理を食べている、僕と蒲公英ちゃんが作った料理は好評のようで何よりだ。蒲公英ちゃん背が高いから年上かなと思って、年齢を聞いたら僕と薫さんと同い年だと言うから驚いた。

 

 僕と同い年なのに背が波羅より少し低いとはいえ体格は色々とデカイくてエロい。薫さんから説明を受けたが、彼女は平民の祭りでやる相撲大会で上位に食い込む力持ちだそうだ。だから尻も太腿も太いのかと納得した。同じくらい胸も大きい上に、晒なんて巻いてないからノーブラで乳首が服の上から丸わかりである。

 

 恥ずかしくないんだろうかと思ったが、貞操逆転すると男がノーブラなのと同じなのだろう。やはり、貞操逆転して男女の出生率と価値観が変わると女性がオープンに体を晒すようになり、尚且つ沢山子を産めるように体格差が違ってくるのだろうかと思ってしまう。

 

 僕自身その可能性には気づいていたが、あの紙芝居を見るまで自身の記憶を()()()()()していたからなぁ‥‥‥。いや、エロゲー主人公の兄だから自分は違うだろって思ってたことが、実は自分がその主人公枠じゃないのかと恐怖してその時の記憶を封印したのだ。それが紙芝居のお姉さんの言葉で破られ、恐怖で気絶しそうになったところで万太と出会えたんだから、ある意味怪我の功名である。レアキャラに出会えたのは嬉しくもあるが、恐怖がぶり返したのもありアンビバレントな状態になってしまうのが玉に瑕だが。あと、今更ながらあの飲まされた薬もどんな代物か効くの忘れた。活力剤とは行っていたが、出来れば効能などを教えてもらいたいものだ。今度会った時話してみよう。

 

 蒲公英ちゃんはムッチムチな体格の見た目と違って、手先は器用で料理作りは僕より上手だ。彼女曰く、薫の妻として毎日出向いて料理を作ってるとのこと。成程、毎日作ってる彼女に比べて僕は毎日じゃないから経験の差が出てくるのだろう。そこは素直に認め称賛すると、顔を真っ赤にした。芋っぽい顔だけども、赤らめる姿はちょっとかわいかった。

 

 妻と言っていたが、それにしては薫さんの「いざとなれば使う」という言葉や、道玄さんの「薫で断絶」という言葉が非常に気になる。男として見る場合、種馬として見られるから女をモノ扱いするのだろうかと疑問に思った。そして、道玄さんの断絶という言葉…………、まさかもう男色に走ってないよね? と少し恐怖してる。原作ゲームでは主人公たる波羅が体を売るか否かで男色に走るかどうかになっている。だから、既にそっちに行ってたら……という恐怖がある。

 

 その割には蒲公英ちゃんが料理を作る際、薫さんの妻として働き彼と既に体の繋がりを得てるからいずれ子供を産むつもりだと言っていた。本当に男色ならば、女性から触られるのを嫌悪するほどだ。原作ゲームではそれくらいのガチホモだった。尤も、逆転したこの世界だとまだなのかもうなのかの判別がついていないからそこを見極めなければならない。

 

 その見極めの為にも、彼らとお近づきになり、情報を入手しなければならない。全ては、可愛い妹達の為だ。虎穴に入らずんば虎子を得ずどころかケツを出す羽目になるかもしれないから、自身のケツに注意しなければならないが。

 

 料理を一緒に作る際、彼女が持ってきた材料では素朴過ぎたので、僕が市場でいろいろ買った食材を使って料理を作った。結果、彼女は恐縮するくらい平民にしては御馳走となった。

 

 

「これほどまでの馳走、正月や祝日などの御祝い事じゃないと食べれませんよ」

「まぁ、わしらが本に金をかけてるせいもあるがのう」

 

 

 二人の言葉は事実であった。

 趣味と実益、そして自身の知見のために本を収集している。それは確かに役に立っているし、講師としての仕事にも、貸本屋としても使えている。講師は道玄だけでなく、薫も寺子屋でちびっ子達相手に教師の代役をやれるほどだ。そうやって銭を稼いでいるのだが、新しい本や禁書を餌にされてはそっちに金が流れてしまうのである。故に、金を稼いでもその日暮らしのような質素な食生活であった。これは原作ゲームでもそのように紹介されたから、そこは変わってないのだろう。

 

 ただ、本の収集もそうだが、道玄の失敗した実験も関わっている。この実験がどこまでの完成度なのかも調べなければならない。これによって、妹達がレイプされるかどうかに関わるからだ。それだけは避けなければならない。兄として妹を守らねばと心に決めている。

 

 それが、客人を迎えたことで贅沢になったのだ。一汁一菜が一汁三菜、更には酒と甘味までつくおまけつき、喜ばない理由がない。

 

 だが、僕がここまでのことをするのにはもちろん理由がある。それは、彼らと近づき術の師事を受けたいからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 食事が終わり、蒲公英ちゃんが食器を片付け台所に持っていき、僕らは食後の緑茶を飲む。この緑茶も、僕が出した高級茶葉だ。

 

 

「ふむぅ……大変良い香りじゃ。頼殿、感謝しますぞ」

「高級茶など、貴族時代に飲んだ限りですよ。私は小さい時だったので、もうほとんど忘れかけてました。頼さん、ありがとうございます」

「いえいえ、これくらいお安い御用ですよ」

 

 

 本心である。有能なキャラと繋がり作れるのなら高級茶葉くらい安いものだ、それが妹の夫候補の一人なら猶更だ。だが、もう一人の道玄さんについてはまだわからないからこれから調べないといけないが。

 

 

「さて、一服したところで道玄さんに僕からお願いがあります」

「ほほう、この老骨に何用ですかな?」

「教授まで勤めた貴方から、術の師事を受けたいのです」

 

 

 そう言って、その場で頭を下げる。

 立場上、こちらが依頼を出す形でもいいが、依頼と師事とではそれぞれメリットデメリットがある。原作ゲームで道玄に師事を受ける時、中級、上級、最上級と三つのコースが選べるのだ。そして、依頼だと中級まで、それより上の上級、最上級を選びたいなら師事という風に別れてある。

 

 依頼にあたる中級の場合は金を払うだけで素早く教えてくれる。デメリットは上級術を学べるか否かというところなので、上級まで行きたいのなら師事を受ける必要がある。

 

 師事の場合は依頼と違って金がほとんどかからない。尤も、弟子の教育のためと言いながら色々な物品を用意する必要がありそれらがどれも集めるのが簡単であるものから大変であるものまで様々だ。だが、大変なものであっても無理ではないので数年かければ師からの課題をクリアできる。

 

 金ならば中級まで、金がないなら物納で上級まで、という風に別れてある。中には両取りの最上級もあるがこれは序盤では非常に厳しくかなりのリセマラをして運が無ければキツいとRTA走者に言わしめたほどだ。そして、どのコースでもエロゲー故に体の要求が度々起こる。その体の要求に応えると、肉体レベルで術技能が上がる他、道玄の研究が進むのだ。

 

 肉体要求は師事ラインが一段階上がるという、最大のメリットがある。中級コースが上級コースに、上級コースが最上級コースに、最上級コースが特級コースにという風になるのだ。余談だがRTA走者の大半は中級コースで道玄に体を捧げるルートを選びさっさと上級術まで覚えたりしている。物納である上級で体を捧げて最上級にする手もいいのだが、RTA故に時間最優先でプレイヤーの手で処女を散らされるのだ、仕方ないね。その結果、薫が男色に走って夫候補から脱落するがしょうがないのだ。

 

 

「師事を受けたい? 貴方に教えることなどありますかな?」

「ご謙遜を、先ほども申し上げましたが貴方の術は未だに衰えを見せません。それどころか、理究衆筆頭教授まで勤めた貴方の術は金子を積んででもお願いしたいと思っております」

「ほほほ、そこまでの評価はありがたいですな。ですが、金子以外にも色々と要求するやもしれませんぞ?」

「それは…………、もしかして貴方の研究のことについてですか?」

「ほほう、知っておりましたか」

「ええ、話半分程度ですが」

 

 

 道玄の研究とは、若返りの秘術である。

 

 

 誰もが求める若返り、それは霊力で老化を抑えるのとでは全く違う。

 老化抑制は、実年齢が八十や九十といった老人なのに、四十五十代あたりまで肉体を維持する。こちらとどう違うのか? と言うと、老化を抑えるために霊力を使い続けなければならぬというデメリットがある。そしてそれは、年を重ねるごとに老化抑制のための消費霊力も比例して上がって行くのだ。

 

 幾らベテランの退魔師と言えども老化に勝てぬ。だからといって、肉体を維持するために老化を抑えるほうに霊力を回すと今度は術式展開の効果や威力が下がってしまう。当然だ、本来ならそちらに使うべき霊力が老化抑制のために使われてしまうのだから。無論、強い退魔師は老いても健在だし、年を取れば取るほど技術も洗練されていき、霊力も省エネ出来るように知識も上がって行く。それでも、齢百数十超えの一流な老齢退魔師と言えども三割から四割はそっちに持っていかれてしまうのは明確なデメリットと言えよう。見た目が若くとも中身はヨボヨボ、なんてのもあるほどだ。どこぞの少年探偵の逆バージョンになってしまうのが、老化抑制の欠点と言えよう。

 

 なので、道玄の若返りの研究とはそれらの肉体をリセットするようなものだ。これにより、純粋に若返ることで更に沢山活動できる他、老化抑制のために回していた霊力が必要なくなるので文字通りの全盛期を味わうことが出来る。更には、子供辺りまで若返れば成長による霊力の上昇もあり得るので、全盛期を越えて更なる躍進へと向かうことが出来る。

 

 

「ならば、わしが失敗した理由もご存じですかな?」

「ええ、端的に言うならば予算と材料が足りないことですね」

「ほほほ、ならば──」

「もっと言うならば、根回しの賄賂を渡さなかったことでしょうか」

 

 

 からからとした笑い声をピタリと止めてスッと目を細める道玄。その研究をしていた道玄は、いいところまで行っていたが、結局のところ失敗した。

 

 失敗した理由は、予算と材料が足りないことであった。

 

 予算は申請すれば通るだろうと思うが、材料を買うための予算が足りない。その材料とは、公家や大臣クラスですら持っていることは稀というくらいの高級な霊験あらかたな代物の他、果ては大妖や凶妖から手に入る素材や、朝廷が管理する禁足地などにある代物などだ。どちらも高すぎて予算超過をするのは想像に難くない。だが、それらを申請しなければ研究が完成しないので、道玄は申請してみるものの却下された。

 

 却下は帝は関わっておらず、当時の大蔵省の長官である大蔵卿が独断で却下した。

 

 研究の事は知っているが、高い金を使う物品の癖に進みは遅い。そういう理由でもう少しどうにかなりませんか? 的な却下理由の文を書いて突っぱねた。だが、突っぱねた理由は自分に対して賄賂を持ってこなかったというのが『現世の波羅姫』の設定資料集で書かれてあった。

 

 いつの時代も、役人への根回しは重要である。当然ながらそれは賄賂も含まれている。現代日本ならば、口座管理の出納帳による増減などで国税局からの査察が入って賄賂があったかなどがわかるだろうが、この世界にはまだそのような銀行制度はない。タンス預金ではあるが、そのタンス預金は公家や貴族が管理している上に余程の罪状がなければ家宅捜索などされないのである意味厳重に守られていた。

 

 当時の大蔵卿は金にがめつく吝嗇であり、その吝嗇さで朝廷の財政を改善させた手腕がある。だが、一方で根回し的な賄賂は必要とも考えており、それを渡さなかった道玄に怒った。

 

 賄賂というと顔を顰める人がいるだろう。僕も現代日本で生きていた記憶があるから、そういうのは宜しくないと今でも思っている。だが、この世界に転生した今となっては、ある程度必要だと割り切るようになった。いや、割り切るというより()()()()()()()と言った方が正しいだろう。

 

 それは、先ほどの大蔵卿のように役人に賄賂はある程度必要なのは欠点だが、各種根回しをしっかりやってくれる存在でもあるため、物事の移行がスムーズに進むのだ。

 

 それは大蔵卿に限らず役人に付け届けをするのもそうだ。役人は基本的に頭が固い、当然だ、朝廷に仕えているのだから。固くなければ自分達の首が飛ぶので仕方がない。更に言うなら、余計な仕事を貰ったところで給料が増えるわけじゃないのだ。

 

 基本的に考えると、現代日本と違って地位と給与が保証されてないのである。なので、アレコレ役人にお願いをしたとしても、それを受けた役人からすればそれをやったってタダ働きなのだ。なので、頭の固い対応をするしかない。当然だ、いきなり他人が余計な仕事を持ってきても自分に何の利益もないからだ。

 

 

 だが、その固い頭を柔らかくして、余計な仕事を押し付けてもいいようにするのが賄賂である。誰だって、袖の下を貰えば嬉しいし、話を通そうと努力をしてくれる。言うならば、余計な仕事を持ってきた際の報酬が賄賂、と考えるといいだろう。

 

 僕が当主代行となった時も、朝廷からの役人に対して特産品を専売扱いするために賄賂を渡したりした。

 

 勿論、賄賂を渡さないという方法もあるが、その場合特産品が横流しされたり商売敵に邪魔される恐れがあった。なので、当時は結構な賄賂を支払ったし痛かったが、その結果スムーズな流通と専売になったので、その痛かった賄賂は十分ペイしたので結果的に考えれば払って良かったと思っている。原作ゲームにも賄賂機能はあったが、これは朝廷での決議に対してのみ働いていたものだった。だが、この世界に転生した今となっては僕が転生知識で作った特産品はゲームにかすりもしてないので、そう言った意味でも賄賂で専売権を確保することは重要であった。

 

 細めた目を閉じ、深々とため息を吐く道玄。

 

「中々に痛いところを突いてきますな」

「これでも当主代行ですから。それに、僕自身賄賂の重要性を理解しておりますし、貰っています」

「ええ、ええ、そうですとも。あの頃のわしは研究第一と考えており、そのための金もモノも研究につぎ込めばいいと考えておりました。勿論賄賂で物事を流れやすくするべきなのでしょうが、研究を完成させることばかりにかまけてそちらの根回しを怠ってしまったのですじゃ……」

 

 全く持って、悔恨の限りですじゃ。と道玄はごちながら頭を撫でる。

 

 このご老体も貴族故に賄賂の重要性は理解はしてた。だが、研究とは自分ではなく国が金もモノも用意してくれるので、その楽さに胡坐をかいてしまい、研究費の一部などを渡して霊薬などを持ってこさせるようにすればよかったのにしなかったのが研究失敗の原因の一つと設定資料集で書かれてある。

 

 

 ちなみに、賄賂自体は僕も貰っている。この場合、寄付と言わせているが。

 

 

 貰っているのは、うちの領地にやってきた商人からだ。各種通行税やら関税やらで徴収するのだが、僕はそれを撤廃して戦国時代の有名大名がやったような楽市楽座の真似事をした。最初、税を撤廃したことによる収入減で親族から批判が来たので、半年待って欲しい、その時収入が下回ったら再度戻すし、戻す際の補填は僕がする、という条件で矛先を修めてもらったことがある。

 

 その結果、楽市楽座のおかげで流通が加速し収入爆増、僕の作った清酒や砂糖などの各種特産品は飛ぶように売れて入荷待ちが起こるほどとなり、親族の方にも金が流れていったので親族も怒り顔からニコニコ顔に変化した。トドメと言わんばかりに、さらに税撤廃した際に起きた一時的な赤字補填を十倍にして返したので、北方守護の楽市楽座については僕が管理するという管理権まで勝ち取ることに成功した。

 

 んで、楽市楽座にすれば後は家来などの町奉行に任せて放置すればいいんじゃね? と考えていたのだが甘かった。商人からは、ウチを優遇してくれと賄賂合戦が始まったのである。

 

 商人にも各種の特産品を持ち込んだりして他の商人と競合したりして諍いが起こったりする。他の領地ならば、やくざものなどの破落戸達を雇って襲うなどの昔ながらの手法を行うが、僕はそれを禁じており、斬首とまで言い渡した。一時期は収まったものの、それを破って実行した商人は、宣言通り斬首して晒し首にした。

 

 女性を斬首するのは辛かったが、それで領地に揉め事を持ってくるのならば話は別である。心を鬼にした。全ては後を正当に受け継ぐ波羅のためだ。そのために、僕の目の前で白洲で破落戸達と共に斬首し晒し首にして一罰百戒にした。

 

 同席した町奉行からは

 

 

「頼様御自ら裁かなくても良いのでは? 流血を見せるなど、御身の御心を煩わせてしまいます」

 

 

 と心配されたが

 

 

「当主代行自らやることと、町奉行である貴様がやることとでは前者の方が重みがある。貴様の面目を潰してしまって申し訳ないが、今後の領地の治安を守るためだ。スマンがこの時だけは許してくれ。後は貴様に任せる」

 

 

 と言って詫びた。

 町奉行は、僕の心意気が伝わったのか、その場で平伏し、他の与力や同心達も一同平伏した。

 

 その際、美人な彼女達の巨乳がゆさっと揺れて勃起しかかったのは僕だけの秘密である。

 

 話が逸れた。

 僕が言うように、当主代行自らやることは、北方守護のトップが決めることに等しい。これにより、他の領地や大名たちの麓で起きていたこの手の諍いがパッタリと無くなった。

 

 じゃあ、争いが無くなって平和になったかというとそうではなくなった。その手が使えなくなったとなったら、商人達は挙って僕に付け届けもとい賄賂を持ってきて正攻法に切り替えたのだ。

 

 

 

 

 僕から役人に賄賂を贈ってスムーズに事を進めることに忌避感は大分薄れたし、その結果専売特許を貰ったりしたから今ではそれなりに賄賂を贈ってる。

 

 だが逆に、僕が貰うという事態は想定していなかった。今まで自分から贈るばかりだったので、まさか自分が貰う立場になるとは全く考えていなかった。ここで、賄賂を受け取るとどこぞの山吹色のお菓子見たいな風になるのではという心配が多少なりともあったし、現代日本で生きていた感覚で受け取りにくかった。だが、先ほどやったような一罰百戒をしたことと、楽市楽座による解放は市場競争を生み出したが、優先権をどうするかで揉めた。

 

 そこを町奉行に任せた所、寄付もとい賄賂の量で優先度を決めると言ったのだ。これには僕もビックリして町奉行に話を聞いたところ。

 

 

「頼様、賄賂の多寡は信用度と緊急度の証でございます。金を沢山積むということは、それなりの金子を持っているということの表れであり、自分を優先してほしいという表れでもあります。それに、ここで賄賂を拒否するとせっかく頼様が沈めた揉め事が過熱する恐れがあります」

 

 

 故に、寄付もとい賄賂を受け取り、それの量によって優先度を割り振るという方向に決めた。僕は町奉行に説得されたし言ってる内容も理屈が通っているためその通りにした所、我こそはという風に金が沢山積み上げられ、それによる商人の優先順位も決まり、加熱して爆発しそうだった諍いが落ち着きを見せた。

 

 なお、積み上げられた寄付は一割は僕、二割は各種領地の町奉行や同心に衛兵といった家来、三割は各種領地を治める親族、残りの四割は北方守護の公共事業費として割り振った。

 

 家来からは感謝され、親族からも感謝された。僕より家来や親族に多く渡すことで自尊心や金銭的余裕を満たせることができるし、僕が一割貰ってても自分達はそれ以上に貰ってるから文句は言えない。そして残りを公共事業費として村や町の治水工事に割り振ったことで、土木工事による臨時収入で平民が潤い、北方守護の領域は一気に底上げ成長することに成功した。もう、原作ゲームでヒーコラしていた貧乏な寒村なぞ数えるほどとなっており、そちらも吸収統合などをする予定なので、北方守護の領民たちから貧民が根絶するのも目前である。

 

 おかげで、わが領地はみるみるうちに発展していき、僕の金も溢れんばかりに入り込んできたので、それをせっせと桃代姉さんの治療薬や研究開発費につぎ込んで、さらなる開発を目指していった。

 

 

 色々と話が逸れたが、要は両取りルートを選ぶのだ。

 

 

「道玄さん、もし師事をしてくれるのならば、貴方の研究を資金と物品両方で全面的に援助します」

「なんと?!」

「頼さん、それは本当ですか?!」

 

 そう言って、深々と頭を下げる。道玄さんだけでなく薫さんまで驚いた。

 

 

 こちらのルートはRTA走者ですらそれなりの運がないと厳しいと言わしめたが、僕はそれを実行できるほどの金がある。ここで使って、僕だけでなく妹達にも師事をさせて、彼女達の力の底上げをすれば今後が楽になるだろうという考えだった。

 

 道玄は今でも、若返りの秘術の研究を行っている。理由は、研究者気質であるため自身の手掛けた研究が道半ばで放り出すなど出来ないという至極尤もな理由だ。

 

 だが、平民になってしまった今では、研究は出来るし大蔵省からの査察もないが、高級材などの材料ルートがほとんど断たれたのである。流石にこれは道玄にとっても痛く、彼が必死に家庭教師として教鞭を振るい貴族の家に出入りしているのも、繋がりを再構築して研究材料を手に入れるルートを構築することである。

 

 こちらは順調に行っているから問題ない、目下の問題は金がないことにより霊薬や秘宝のような、高級材が手に入らないことだ。これが貴族時代ならば、国からの直接支援もとい、国家事業の一部として容易に要求することが出来た。しかも費用は国持ちである。

 

 しかし、平民になった今ではそれが厳しい。貴族に送るための賄賂も、生活費と本代で消えてしまう。なので、賄賂や霊薬の代金の代わりに彼が教鞭を振るうのだ。金から逃れられない運命がそこにあった。

 

 原作ゲームで主人公である波羅が道玄と繋がりを持てるのも、彼女が貴族だからというのも理由の一つだ。中級コースならばそこからの報酬で研究を再開する。上級コースならば、金よりも物ということで、修行という名目で貴族じゃないと入れないような禁足地に向かわせ材料を取りに行かせる。という風になっている。原作ゲームで、中級コースで金を、上級コースでは逆に物をという風に別れている理由が道玄の研究のためであった。そして、三つ目の両取りもとい最上級ルートでは、物を持ってくると同時に道玄に金を払うことで彼の研究を一気に加速させると同時に自分の技術を高めるために最高のルートなのだ。

 

 ある意味、リセマラしないといけないような厳しい条件も、金が潤沢にある今の僕ならそれが選べる。ゲームじゃなく現実だからリセマラなんて悠長な真似できないから必死に領地開発していったが、その結果が早くも実を結びそうだ。

 

 

 彼の研究を加速させる理由は、若返りの秘術を使うと、肉体が若くなるがそれと同時に性欲も戻るのだ。

 

 道玄はドスケベジジイであり、エロゲー故に体の要求を主人公にしてくる。百歳を超えてるのに、下の息子は元気溌剌なのだ。

 

 それだけでも問題なのに、肉体が若返ってロリババアならぬショタジジイになってしまったらもうほぼ毎日のように犯され確実に孕まされてしまう。妹を守るためにもそれを防がなければならない。

 

 だが、体の要求が起こるのはちゃんと理由があり、若返りの秘術は受精卵が必要で、有能な退魔師の卵子ならば強いエネルギーもとい霊力を持つ。これと、道玄の精子を組み合わせて受精卵にするのだが、そこから子を作るのではなく、子を作る過程のエネルギーを抽出することで肉体を若返らせる…………とかなんとかだったっけな。

 

 その際絞られた受精卵は当然実を結ぶことなく搾りかすとなり捨てられるので、子を作ることにはならないが、悍ましい研究なのは間違いない。

 

 そして、道玄は自身の精子がまだ元気な内に、有力な退魔師の卵子が欲しかったのだが、貴族から平民に落とされた状態で、貴族の卵子を要求するなど非常に厳しいというか無理である。ここで身分剥奪された痛みが襲ってくるのだ。

 

 そんなところに、犯され主人公兼ヒロインである僕の妹の波羅がやって来たのはまさに天啓、まさに鴨葱と言えよう。

 

 もちろん、体を捧げないルートもあるしそこから完成もさせられるのだが、当然遅々とした進みとなる。どちらを選ぶかはプレイヤーの決断だが、研究を完成させると肉体のステ振りリセットや、重篤な傷の瞬時な治癒など特典がある。

 

 若返りの秘術とは肉体を若返らせるが、それだけでなく肉体を戻すという効果もある。つまり、片端の状態からも五体満足に復帰できる。これは、桃代姉さんの子継病を治す手段の一つになっているのだ。勿論、傷や病の具合によって時間の偏りがあり、重篤過ぎると延命だけだ。だが、姉さんにせっせと薬を買っているので、研究を完成させることが出来れば、治す手段を一つ手に入れることになる。そういう意味でも、研究を完成させることに意義はあるのだ。

 

 ちなみに、若返りの秘術の正体もとい外観は肉繭である。そう、触手系とかそっち系でよく使われるような肉繭である。中に入ったら改造されること間違いなしなアレだ。何故そんな外観にしたのかという質問に対して開発スタッフは

 

 

「某有名バトル漫画の回復ポッド、あれを参考にしました。ほら、中に入れたら怪我も治るし無くなった腕も生えるでしょう? 寧ろ一部の機能を上回ってますよ」

 

 

 と言ったが、プレイヤー達からは「中身の機能はほぼ同じで一部上回っていても外観がグロすぎるだろ!!」と強いツッコミが入ったがそれは置いておく。

 

 

 

 

「どうでしょう? 僕のことを知っているならば、我が領地が発展しているのもご存じでしょう。ならば、そこからの援助で道玄さんの研究を支援できますよ」

「ふむぅ……」

「御爺様、これは引き受けるべきだと思います。ここまでの好条件はありませんよ」

 

 

 顎を撫で考え込む道玄に、薫さんが援護してくれる。その甲斐あってか、彼はようやく首を縦に振った。

 

 

「わかり申した、そこまでの条件ならばこちらも否とは言えませぬ」

「ありがとうございます」

「では、綾絶頼殿、これからはわしのことは師匠か先生と呼ぶように」

「はい、師匠。では、お近づきのしるしにこちらをどうぞ」

 

 

 そう言って、万太の桐箱から蓋をされた酒瓶と盃を取り出す。

 

 

「師匠、我が領地で作られた高級清酒です。ささっ、どうぞ」

「おおッ! これはこれは弟子からのありがたいものじゃのう!」

 

 

 目に見えて喜色をあらわにする道玄。ささっと盃を取ったので、酒瓶を傾け酒を与える。それと同時に、薫さんにも酒を注いだ。

 

 

「私の分まで…………頼さん、ありがとうございます」

「いいんですよ、これからはしばらくお世話になる間柄になりますし」

「しかし弟子よ、酒は飲まないのか?」

 

 

 自分の分の盃も置いたが、そこには酒は注がない。僕はあまりお酒が強くないからだ。

 

 

「あまりお酒に強くないんですよ、飲めないわけではありませんが」

「ふむぅ……だが、これからのことを考えるなら、酒程度は飲めるようにならんといかんぞ? 貴族の宴会ならば猶更じゃ」

「それはまぁ、そうですが……」

 

 道玄の言っていることは事実だ。貴族の宴会は、ひたすら会議しながら酒や食い物を食べるからだ。

 

 読者諸君ならば、宴会と聞くと酒と食べ物を食べて大騒ぎするだけという認識があるだろうし、僕も現代日本で生きていた故にそう思っていた。

 

 だが大昔の宴会は意味が違う、平安時代の宴会は会議だったのである。それこそ酒と食べ物があるのは同じだが、食べながら今後の事について会議するのだ。だから、朝廷の公家や貴族がひたすら宴会していたという記述があるが、あれは遊び惚けていたわけではない。ひたすら食べて飲みながら今後のことについて会議をしていたのだ。

 

 そして、この和風ファンタジーエロゲー世界な『現世の波羅姫』でも同じだ。主人公である波羅が朝廷に参内して会議に参加する際、その後の宴会でも酒を飲まされるのだが、この時酒酔いに耐性がないと、都のデブ貴族にお持ち帰りされて処女を散らされる、なんてことが運悪く起きたりする。

 

 この世界だと、それが逆転していると考えると、僕が耐性をつけなければならないかもしれないが、妹が当主を継ぐ以上は彼女も耐性をつけなければならない。何より、逆転してるからといって全部逆転しているわけじゃないのだ。事実、全部逆転しているのならば目の前にいる薫と道玄が女性になってないとおかしい。なのに、目の前にいる二人は男性である。故に、そこにも注意を払いながら行動する必要がある。

 

 

「わしとお主は師弟の関係になった、ならば盃を交わすのが道理じゃろう。じゃからほれ、一緒に飲む──」

「みんな~、お風呂が沸いたべ」

 

 

 道玄の言葉を遮ってやって来たのは蒲公英ちゃんだった。顔をちょっと煤で汚しながらやって来た。恐らく、先ほどまで火を噴いていたのだろう。ということは、外から薪を燃やして沸す薪風呂なのだろうか。

 

 そう思っていると、道玄が口を開き

 

 

「どうやら風呂が沸いたようじゃな、ならば頼よ、先に入るが良い」

「えっ? こういうのは師匠が先ではないでしょうか?」

「よいよい、それにお主からの酒と馳走の礼もあるしのう。あと、酒を飲んだ後に風呂は入らない方が良いと聞く。ならば、盃を交わすのはお主が入った後にしようぞ」

「そういうことでしたら、お先に失礼します」

「うむ。薫よ、彼の背中を洗うが良い」

「わかりました」

 

 

 先に入ろうとしたところに、いきなりぶっ飛んだことを言ってきた。

 

 

「そんな、師匠のお孫さんである薫さんに三助のような真似をさせるわけには…………」

「いいえ、私は構いません。それに、私は頼さんに助けていただいた身、それのお礼の一つの為にも是非ともさせて頂きます。さぁさぁ、戦闘の疲れと汚れを落とすためにもお風呂に行きましょう!」

 

 

 余りの熱意にぐいぐい押された上に、手を掴まれて引っ張られて成すがままにされてしまった。そして、僕は風呂に入ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお、中はそこそこ広いですね」

「はい、こちらも空間術を用いております。更には、風呂桶も檜なので居心地は良いですよ」

 

 

 僕は裸で浴場に入った。

 物凄く恥ずかしいので、僕が先に風呂に入って、彼には後から入ってもらった。そして、今に至るまで後ろを向いていない。背中で会話をしているので、薫さんがどのような格好なのかは見ていない。

 

 風呂場は流石に蓬莱亭の大浴場に比べたら劣るが、個人宅にしてはそこそこな広さであった。外から沸す五右衛門風呂のようで、外ではフーフー息を吹いてる声が聞こえる。恐らく、蒲公英ちゃんが火を吹いているのだろう。

 

 

「二人とも~、お湯の調子はどうだべ~?」

 

 

 声を掛けてきたので、風呂釜に手を少し入れて音頭を確かめる。うん、ちょうどいい温かさだ。

 

 

「ちょうどいいよ、そのまま温度の維持をお願いね蒲公英ちゃん」

「わかりましただ! 頼様はゆっくり風呂につかってくんろ!」

 

 

 格子窓から見える外では、彼女が手を伸ばして振って答えた。

 

 

「では。まず最初に、かかり湯をしましょうか」

「はい、薫さんお願いしますね」

 

 

 彼が男色じゃないようにと祈りながら、風呂椅子に座る。風呂桶から掬ったお湯を、ゆっくりと背中にかけていってもらう。

 

 

「では、背中を洗いますね」

 

 

 そう言うと、ヘチマと無患子を使って背中をこすってきた。うん、凄い楽だ。

 

 

「次は腕を洗いますね、伸ばしてください」

 

 

 言われた通りに片腕を伸ばし、それをしっかり洗ってもらう。その際、左腕を上げたら右を向き、右腕を上げたら左を向くようにして、出来るだけ彼の姿を目に入れないようにした。

 

 目に入れない理由は、彼が青髪インテリイケメンだからに他ならない。それ故に、彼が裸の姿でも美しいのは自然と想像できるし、目に入れたら僕の情緒がぶっ壊れそうになるからだ。

 

 

「次は髪の毛を洗いますね、解いてください」

「はい」

 

 

 言われた通り、紐をほどいてポニーテールを解く。僕の髪の毛は薫さんと同じく長髪で肩甲骨辺りまで伸ばしている。ポニーテールにしてるのも、侍の丁髷モドキに見せるためだ。実際この世界は和風ファンタジーだからか、男は髪を伸ばしてポニーテールにして丁髷にしているのをよく見る。もちろん、本当の丁髷の男もいるにはいるが、原作ゲームでは数が少なかった。まぁ、犯す男もそれなりの美形とかじゃないと萎えるからと資料集に書いてあったっけなと思い出した。

 

 僕の黒に近い茶髪は、妹達からは勿論、姉さんや下人たちからも人気があった。普段嫌味を言う親族すら、僕の髪の毛は褒めるほどだ。実際自分の髪の毛はサラサラヘアーなので、自分でも触って気持ちがいいほどだ。ほとんど碌な手入れをしてないのにサラサラを維持できるのはエロゲー世界だからだろうか? と思わなくもない。前世の自分はしがないサラリーマンで短髪だったし髪の毛にも無頓着であったが、今生は無頓着にさせないほどの美髪だと周りから褒められている。

 

 そんな髪の毛を解いて、薫さんに洗ってもらう。

 

 

「無患子が目に入っていませんか?」

「大丈夫ですよ、そのままどうぞ」

「はい、綺麗な御髪だからしっかり洗いますね」

 

 

 言った通り、彼は丁寧に、しっかりと洗ってきた。髪の毛から伝わる感触から感じるに、両手でしっかりと挟んでゴシゴシと洗っているようだ。そんな風に丁寧に表れると、こっちも悪い気はしない。

 

 

「綺麗な御髪ですね」

「ありがとうございます」

「肌も綺麗です、が、所々生傷がありますね」

「ええ、妖魔退治もそうですが訓練でもつけていましてね。まあしょうがないものと割り切って──」

「いけませんよ、頼さん。男は体に傷をつけては女性を不愉快にさせてしまいます」

 

 

 そう強く言われて言葉が詰まる。

 逆転すると、女の体に傷をつけるなということになるのだろうか? だが、そんなことを言ってる暇もないくらいに中妖や小妖といった獣たちが襲ってくるので、それに対して退治しなければならないので怪我は必定なのだ。

 

 それに、男の傷は勲章と漫画などで教わったわけだし、僕は気にしていないのだが薫さんは違うようだ。

 

 

「では、次は足を洗いますね」

「えっ?! い、いや前は結構で──」

「足を洗うだけですよ、ほら伸ばしてください」

 

 

 そう言って、薫さんは前に出てきた。

 

 そして、彼の姿を見てしまった。

 肌襦袢がお湯の蒸気で濡れたせいか、しっとりと肌に吸い付きその下の肌も薄っすらと見えてしまう。青い長髪も蒸気でしっとりして肩に張り付いているのが大層厭らしい。顔はイケメンなのも相俟って、非常に絵になる美しさだった。

 

 だが、その体付きは細いとはいえ硬い男の体だ。だが、ピンクの乳首が見え、褌からは股間の盛り上がりが見えているが、その盛り上がりが天を突いていた。天を衝く股間は、まるで少年やおい本みたいな可愛さと猛々しさが混じっている。その股間の一物さえなければ、彼が貧乳の女性のように見えたかもしれないが、あいにく股間のブツから目を逸らすことが出来ない。

 

 同性で勃起してるのがまずおかしい、薫さんはまさか……原作ゲームが始まる前に男色に走ってしまっているのか?! 

 

 僕がまじまじと見ているのに気付いた薫さんは、申し訳なさそうにし

 

 

「頼さん、貴方に打ち明けるのはとても心苦しいのですが私は男色なのです。ですので、先ほどから貴方の体に欲情しております」

 

 

 そう言いながらも、足を持ちながら近づく。

 

 

「その…………、あの時助けて頂いてからお慕い申しております。貴方に惚れました、付き合っていただけませんでしょうか?」

 

 そうぶっちゃけられて、冷や水を浴びせられたようになる。

 股間のブツさえなければ綺麗な貧乳美少女が僕に近づいているのだが、彼の一物が、僕の魂がそれを否定している。この時点でケツを掘られるのは勘弁してほしい。

 

 

「そうですか、正直な告白に感謝します。ですが、僕は嫁のいる身で同性愛者ではありません。申し訳ありませんが、薫さんの告白に応えることは出来ません」

 

 

 そうきっぱりと断った、流石にここは断らないと僕のケツがヤバイ。

 薫さんは目に見えてシュンとし

 

 

「そう……ですよね、貴方も当主代行という身で十六歳ならば、既に嫁がいても不思議じゃないですね。ごめんなさい、気持ち悪いことを言いました」

 

 

 そう、悲しげな顔をしながらも言う。

 だが、それに対して僕はこう語り掛けた。

 

 

「貴方の男色家という性癖について僕は応えることは出来ません。ですが、それを好きじゃないと言いはしますが、やめろと押し付けることはしません。ですので、貴方はそのままでいいのです」

 

 

 すると、驚いた顔をして僕の顔を見上げた。

 現代日本で生きていた感覚で答えただけなんだが、そんなに驚くことだろうか? 僕の住んでた日本なんかコミケを筆頭に数々の性癖が公開されているがそれを否定と嫌悪はされてても、やるなとかするなと押し付ける人間は居なかった。いるにはいたが、表現の自由の否定に当たるため大反発を喰らって、やるなと押し付ける側は必然と負けていった。

 

 まぁ、そういう前世の感覚があるので、やおいやゲイホモに理解をしてる。それらの性癖は好きじゃないし、好きか嫌いかの二択で答えるならば嫌いを選択するだろう。だがしかし、絶対にやるなやめろと否定することはしない。それをした所で何にもならないし、みんな違ってみんないいからだ。それを言ったら、僕の巨乳好きなんてのも否定されるからだ。否定していったら芋づる式に終わりが無くなってしまうのである。

 

 故に、寛容と慈悲の心をもって、薫さんの告白を拒絶はするが性癖は否定しなかった。

 

 すると、薫さんは嬉しい顔をして

 

 

「私の告白を拒否してくれたことは悲しいですが、性癖を否定しなかったのは初めてです」

 

 

 お礼にしっかり洗いますね、そう言いながら足を洗い始めた。足の指先までしっかりと洗ってくれて気持ちがいい。あと、僕がそう言ったのは、性癖を否定しないのもそうだが、道玄との繋がりがここから壊れるのが嫌だからという現金な理由もある。だから、ある意味玉虫色のような回答であったが、どうやら薫さんにとっては嬉しかったようだ。

 

 右足、左足と膝下まで洗って貰った。太腿は流石にダメですよと断り、前も結構と言った。そして、洗ってる最中に僕のブツをガン見してきたので、見るだけです触ったら支援は無しですよと釘をさす。

 

 

「どうして、そのように優しくしてくれるのですか?」

 

 

 洗ってる最中に不思議そうに聞いてくる薫さん、それに対して僕は

 

 

「ここで、師匠とのつながりが貴方から壊れるのが嫌という打算的な理由もあります。あの人から師事を受けられなくなるのは嫌なので、後は──」

「後は?」

「薫さんが、僕にとって男性の初めての友達だから、ですかね」

 

 

 そう言った、すると、みるみるうちに羞恥心が高まって来て、思わず見つめあってた顔をそむけてしまう。薫さんも顔を下に向けてしまいながらも、足洗いをするのをやめなかった。

 

 洗い終わったので、薫さんは立ち上がり失礼しますと一言言って出ていった。

 

 そして、僕は風呂に入る。風呂は気持ちよかったのだが、なんだかドッと疲れてしまった。まさか風呂に入ってる最中に男色に走っていることが判明した上に、相手から愛の告白を受けるとは、あの世紀末世界の高名な軍師の目をもってしても見抜けないだろう。ていうか無理である。

 

 しかし、男色に走っているというのが判明しただけでも収穫がある。それと同時に、妹達の夫候補からは外れてしまうこともわかった。蒲公英ちゃんを使うという言葉からして、男色家ではあるが、お家存続のために種馬として蒲公英ちゃんを孕ませて子を産ませるということなのだろう。

 

 逆転世界で、男が少なくなっているという中で、男色に走っている、なんかもう色々とヤバイ。こうなると、僕が入門しようとしている道場。あそこもめっちゃ怪しい気配がしてきた。

 

 格子窓から見える月景色は綺麗であったが、僕の心はモヤモヤしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風呂から上がり、居間に戻ると、僕の盃に酒が注がれていた。そして、薫さんと師匠がちゃぶ台に座って待っている。

 

 

「風呂はどうだったかな? 弟子よ」

「はい、一番風呂を頂き感謝します。とても気持ちよかったです。薫さんの三助も大変丁寧でした」

「それは重畳、さぁ盃を交わそうぞ」

 

 

 流石にこれは避けられないかなぁ、お酒はあまり好きじゃない。というか、酔っぱらうと頭が上手く働かないのが嫌いなだけだが、チューハイみたいなジュースのような酒なら飲めるが目の前にあるのは清酒である。

 

 自画自賛になるが、いい香りがする味の良い酒なのは間違いない。作った僕自身が味見してるのもそうだが、結構酒精が強いのだ。それを盃一杯とはいえ飲むのはちょっとだけ辛い。でも、師と弟子の関係になったのならば、師の決定には従わなければならない。

 

 ちゃぶ台に座り、盃を手に持つ。そして、二人に目をやり、僕らは共に

 

 

「「「乾杯」」」

 

 

 そう言って、同時に酒を呷った。

 口に入れると、アルコール特有の強みが口の中に広がるも、それと同時に清酒の良い香りが口蓋から鼻の奥を通って香りを感じる。そして、喉に流すと焼酎よりは弱いが焼けるような熱さが喉を、そして胃を通る。

 

 大人ならば大丈夫だろうが、この体は転生してまだ十六歳だ、元服した以上は酒は飲める年齢だが、現代日本ならばまだ未成年である。なので、前世のサラリーマン時代に比べてお酒に強いわけじゃないから結構キツイ。

 

 体がぽかぽかしてきたと同時に、頭も回らなくなってきた。

 

「どうだ弟子よ、酒の味は」

「ひゃい、わがやのりょうちの特産品だから、とてもおいしいですぅ」

「うむ、この清酒はわしも飲みたいと思っていた一品。その特産品を、こうして飲めて幸せじゃわい」

「それはそれは、よかったでしゅ」

「ところで、先ほどから呂律が廻っておらぬが大丈夫か?」

 

 

 ししょうが、しんぱいしてくれてる。優しさにありがたくおもうも、なかなかことばがでてこない。

 

 

「いいえ、あまりだいじょうぶじゃないですぅ、なんだかとってもねむく──」

「そうかそうか、ならばそのまま眠ってよいぞ、わしらが運んでやろう」

「ししょー、ありがとうございますぅ…………」

 

 

 その後の記憶は眠っていて覚えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目の前の少年は、可愛らしい顔をしながら眠ってしまった。

 お酒に弱いというのは間違いなかった、だがそれ以上に()()()()()()()()()()のが原因だろう。

 

 

「御爺様、本当にやるのですか?」

「もちろんじゃ、せっかくやって来た高名な貴族じゃぞ? しかもわしに弟子入りする上に、資金と物品の援助を申し出てくれる。これほどありがたいことはない。ならば、まず先に物を頂くことになるかのう」

 

 

 頼は、原作ゲームの資料集で道玄の研究の予測をつけており、それは凡そ当たっていた。だが、当たっていたのは()()でしかない。若返りの秘術というのも大体間違っていないし肉繭の外観も変わっていない、だが決定的な違いがあった。それは、この世界が原作ゲームと世界観が天正帝によりゆがめられたこと、それによるバタフライエフェクトで道玄の研究も多少なりとも影響を受けてしまったことにある。

 

そう、頼は若返りの秘術と思っていたが、それは微妙に違っていた。道玄の研究とは「自分自身の願う体を手に入れる」という研究である。

 

 

「さて、妖魔の卵子はいくらでもある。だが、わしらの子種では活力がない。じゃが、この子なら?」

 

 

 原作ゲームでは、妖魔の卵子と優秀な退魔師の精子を掛け合わせ、それによる受精卵のエネルギーを使う。妖魔の卵子を使うのは、平民に落とされた身では優秀な退魔師の卵子とは必然と貴族の物となる。しかし、それが出来ないから代用として妖魔の卵子を使い、受精卵のエネルギーを使うところまではこの世界と一緒だが、精子の方に問題があった。

 

 この世界の男は天正帝の呪いの影響の反動により女の性欲が強くなり、妖魔も断種され女の妖魔もとい淫魔だらけになってしまった世界になったことで、男は狩る側から狩られる側となりその結果精子が弱くなってしまったのだ。

 

 その結果、この世界では精子が貴重になってしまった。そして、更なるバタフライエフェクトが起こり、道玄がその影響を受けたのだ。

 

 

「わしの息子はまだまだ現役ではあるが、流石にもう女を抱きたいとは思わんしのう」

 

 

 道玄の性欲も健在だ、だがしかし、若いころは躍起になるほどだったが、年を取った今では女の性欲が強すぎて逆に押されてしまう。押し倒されるのがこの世界の普通なのだが、道玄はそれを良しとしないほうだった。彼は、大昔は男が上にある物だという価値観を知っており、それは自分もそうだろうと思っていた。

 

 だが、呪いの反動によって影響を受けたこの世界の女性の強い性欲には負けてしまい、それなりの数の売春婦を孕ませてしまったものの、流石に自分が押し倒されるのは嫌なのであった。プライドとして、相手を支配するような性交が好きなのだ。それが出来なくなってしまった以上、己の愚息が萎えてしまうのも致し方のないことであった。

 

 

「それに、私達の子種に活力がありませんからね」

「うむ、天正帝の呪いの反動じゃな」

 

 

 道玄の実験に薫も協力はしていたが、二人とも子種に活力がないので思ったような受精卵が出来ないのだ。何より、精子を出す作業が非常に辛い。蒲公英が相手になってくれているが、3Pをしてるのに対して二人は押し負けるほどだ。それほど思春期の少女の性欲が強いとも言えるが、「今度産無(コンドーム)」に精子を溜める作業だけでも一苦労なのだ。

 

 

「じゃがしかし、この子はどうじゃろうな?」

 

 

 そう言って、笑みを浮かべる道玄。彼からすれば、頼は正に鴨葱であった。新鮮且つ、自分たち以外で優秀で血筋も悪くない子種が欲しかった。それこそが、道玄の研究のための受精卵を作るのに必須だからだ。その条件に見事に当てはまったのが頼である。しかも彼から、資金物品両面で援助を申し出てくるのだから逆にこちらが驚いた。だが、それと同時にチャンスでもあった。自分達以上の貴族の子種がホイホイやって来たのである。これを利用しない手はない。故に、彼の言う物品を今まさに貰うわけである。

 

 

「さて、蒲公英よ。準備はよいか?」

 

 

 襖越しに掛けられた声に反応し、シャッと襖が開けられる。彼女は荒い息と共に、巾着袋に入った「今度産無」を持ってきた。田舎少女のような所謂モブ顔の垢抜けなさがあったが、それを吹き飛ばすように目に見えて発情していた。

 

 

「お、おらこのお貴族様とまぐわえるんだべか?」

「もちろんじゃ、ちゃんとその今度産無に子種を溜めるようにするのが条件じゃがの」

「わかっただ! おら頑張って絞りだすだ!」

 

 

 そう言って、お姫様抱っこで頼を担ぎ上げる。彼女の褌からは液が溢れ出ており、それが歩いていく道を濡らしていきつつ寝所へと向かっていった。

 

 その様子に若干顔を顰める薫だが、すぐにキリっとした顔になり

 

「では御爺様、念話で話していた内容は間違いありませんね?」

「無論じゃ」

「では、私も彼の射精を手伝いに行ってきます」

 

 片手で片眼鏡を調整しながらも、スッと立ち上がり蒲公英の後をついて行く薫。

 薫は、風呂場で頼の体を洗ってる最中に道玄から念話で話しかけられた。内容は、彼の子種を蒲公英を使って睡眠姦により絞り出すというものだ。

 

 

 薫からすれば、道玄の提案した睡眠姦など拒否するところだった。当然だ、愛する男の子種を睡眠姦で絞り出すなど許せない行為だ。

 

 だがしかし、道玄からこう言われたのだ

 

 

「わしの転生器が完成すれば、お主の望みを叶えることが出来るぞ?」

 

「お主だって、あやつの体を堪能したいのじゃろう? ならば蒲公英と共に子種を絞り出せばよいではないか」

 

「わしの調合した薬は朝まで起きぬ、その間にじっくりと楽しむが良い」

 

 そこまで言われて、迷った。だが、それでもやはり出来ぬと思い、それの決意の為に彼に風呂場で告白したのだ。だが結果は知っての通り撃沈であった。

 

 

 彼からは、自身の男色の性癖を認められたことは嬉しかったものの、失意と失恋による傷は大きかった。トボトボとした足取りで居間に向かった薫、居間では道玄が酒を楽しんでいたが、そのそばに例の睡眠薬が置いてあった。

 

 それを見た薫は理解した、本当に御爺様はやるつもりなのだと。それを阻止しようとしたものの、心の傷を埋めるかのように、道玄の甘い囁きが彼に入り込んでしまった。

 

 

「透視で見ておったが、お主は振られたのじゃろう? ならばその腹いせに彼の体を好き放題すればよい。自分は彼の体を弄んだのに、相手はそのことを一切知らぬ。それはそれで滾るのではないか?」

 

 

 心に罅が入っていた薫は、その甘言を防ぐことは出来なかった。

 

 齢二百数十を超え、教授の身までたどり着いた老人からすれば、言葉一つで孫を弄するなど簡単なことであった。

 

 

 




賄賂について調べるだけでも大変でしたが勉強になりました。
作中でも書きましたが、昔の賄賂は、仕事に対しての給料保証がないし、賄賂額で序列や信用を組み立てるものだし物事をスムーズに進めるためにあったようです。そして、横から知らないやつがいきなり仕事を持ってきても何の利益にもならないから利益にさせるように賄賂が必要でした。

今の時代だと給与と地位が保証されてるので、その状態から特定の人物から貰ったり、相場の賄賂額を越えてもらうことは腐敗の証だそうです。

昔のイスラム圏だと公然と賄賂もとい寄付を募って判決を決めたようです。
科学的捜査もなく人望と信頼が頼れる時代だったので

『この人を信用できると思う人が寄付しなさい、その量を人望度、信頼度とします』

として判決をしたそうです。

欧州からは野蛮と非難されましたが

『この人はやらかしたけど、もしいなくなると困る人がこんだけいる』

と思った民衆がこぞって賄賂もとい寄付したと考えると理屈だけなら正しく見えるから面白いです。

ようは昔の賄賂=遊園地のファストパス

順番早くないと予算無くなったとか予定が変わったとかで放置される可能性もあるので、こぞって袖の下を送る必要があったのです。

賄賂システムが一番身近で存続しているのが欧米の「チップ」文化です
チップが多い客にはいい対応するけど少ない客には塩対応するのと同じですね

……なんでエロ小説なのに真面目な賄賂考証してんだろ。なので、次はエロゲー世界らしくエロエロにしますのでご期待くださいませ。

ネタバレになりますが次で頼君と薫君の行為が含まれるのでボーイズラブ並びに精神的BLタグを追加しました。読者の皆様方には大変申し訳ございません。

更なるネタバレ、睡眠姦ゴムエッチ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。