和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う 作:ビシオ
声を掛けられて横を見ると、今生の家族という贔屓目を抜いても美少女がそこにいた。
背中まで伸ばした黒髪は、手入れをせずとも綺麗に輝き天使の輪を作っている。触ると絹のような手触りを約束することだろう。それをポニーテールにしていることで動きやすさを重視している。
顔はゲームの主人公だからとも言えるが、凛とした、それでいて可愛さを兼ね備えた顔をしている。アクションゲームだからか、ややつり目で力強い意志を感じさせる。その力強い目は僕を睨んでいる。ステータスを上げるとにらむだけで弱小妖魔を退治出来るから怖い。その片鱗を感じて漏らしそうだ。
それでいて、十六歳の僕より二つ下なのに、体はほぼ成熟しており、かなり肉付きがいい。体のラインが分かりにくい和服なのに、胸と尻はその大きさを強調している。僕なんか必死に筋トレしてもマッチョにならないのに羨ましいわ。そして、彼女が怒る理由はわかる、僕をバカにした連中が許せないのだろう。
「波羅、どうした?」
僕は努めて優しく語り掛ける。
「なぜ、兄様は連中の暴言を許すのですか」
いかにも憤懣やるかたないといった表情だ、現に霊力がすげえ漏れてる。ちびりそう。やめてくれ、凡人の僕に効く。
「悔しいが事実だからだよ、言い返せない」
「ですが、先ほどなんか『当主代行の座を降りて、早く輿入れすれば我ら一族に貢献できますぞ』なんて言ったのですよ!?」
えっ?! マジ? そんなこと言われてたの? 僕、お前が声を出した時の霊力に当てられてほとんど聞いてなかったわ。というより悪口なんかまともに受けたらメンタルやられるだけで何の得にもならんわ。ただでさえこの世界は厳しい世界でメンタルやられるのに、これ以上やられたらどうしようもないから別のこと考えるようにしてるわ。僕の好きなロボット警察漫画のおまわりさんなんか、上司に怒られてるとき今晩は天丼にしようかな、なんて考えてまともに聞いてないんだからすげえわ、さすがカミソリと言われただけはある。見習いたい。
「まぁ、お前と比べて僕は霊力が非常に劣るからしょうがない。それにいつの時代も、政略結婚なんざ当たり前だしそっちのほうが遥かに家に貢献できることを考えると猶更事実だからな、余計に言い返せないよ」
「しかし!! 実の兄を輿入れしろなど娼夫の如き扱い、妹として断じて許せませぬ!!」
ちょっと字が違うんじゃね? 男の僕がそういうことしたって需要ないでしょ。というか、怒鳴るのはともかく霊力駄々洩れしてるから止めて止めてマジで僕に効く。流石ゲームの主人公ちゃんだわーという感想しかわかない。RTAプレイヤーの万夫不当を目指したプレイだと、某無双乱舞ゲーみたいに妖怪達をバッタバッタと草刈りすることが普通にできるし、ボスの大妖どころか大ボスの凶妖なんかワンパン撃破まで出来るスペック持ってるんだからやべえわこの子、この時点で既に片鱗あるよ。
「僕みたいな凡人が上に立つのが許せないのは理解できる。お前の方が優秀だからな。だが、父上から引かされた貧乏くじを放り投げることは出来ん。お前が当主になるまでに僕が地ならしするから、どうか我慢してくれ。頼むよ」
「むう、そこまで言うのでしたら……」
渋々といった表情で引き下がる。良かった、僕に懐いてくれているとはいえ、この子が暴れたら手に負えないわ。流石にこの若さだと重鎮達には負けるけど、それでもいい勝負できるってのは先ほどの言霊術の霊力でわかる。14でまだ成長途中であるというのに、長生きしてる重鎮達とタメはれるところまで行けるって時点でもう才能の原石である。羨ましい。
だが、言葉だけでは解消できそうにないので、更に畳みかける。
「まだ怒ってるか、ならお前の願いをかなえてあげるよ。僕に出来る範囲ならね」
「で、では……今晩膝枕をして欲しいのです」
先ほどの怒った表情が打って変わって、赤面した年相応の少女の顔をする。
やだ、可愛い。そんな顔したらお兄ちゃん頑張るよ。ただ、男の僕が膝枕してあまり意味がないんじゃね? と思わなくもないが、それを口に出すと機嫌損ねそうだから黙ってその願いを聞き入れる。
今ではこんな風に懐いてくれてるが、少し前は僕が弱かったことからくる見下しでちょっと塩対応だった。反抗期みたいなもんだと思って気にしなかったが、その反抗期みたいなもんが来る前は結構懐いていて兄様兄様とカルガモの雛みたいについてきてたのは可愛かった。
塩対応から今のようにまた懐いてくれているのには、それ相応の理由がある。
主人公の前日譚として、所謂チュートリアルプレイとして妖魔退治に向かうのだが、その妖魔退治が報告の中ボスたる中妖と違って大ボスたる大妖が相手で、こちらがほぼ全滅するという負けイベントのようなものがあるのだ。ほぼ負けイベントで主人公は命からがら逃げることができ、これで戦闘の基礎と強い敵には無理せず逃げるということを覚え、そして各種道具の有効性なども体感で学ぶというものである。ただ、倒すのは非常に厳しいが無理ではなく、アクションゲーム故にプレイヤーの腕が高いなら倒して一気に経験値やレアアイテムを手に入れたりできる。
この前日譚はほぼ全滅するがレイプされるわけでもないし、この敗北で「主人公は能力は高いが油断していいわけではない」と主人公とプレイヤーに教えるチュートリアルなので無視してもいいようなものだが、ここはゲームではない。何より、僕の知ってる『現世の波羅姫』に僕というイレギュラーは存在しない。
故に、心配になって、貴重な隠密装備を駆使してこっそりと単独でついていったら、ほぼ全滅するところまでは一緒だが彼女まで殺されそうになってた。これには慌てた。
本来ならば、この大妖である人狼が波羅をレイプしようとする寸前で、彼女は隙を見て大妖のイチモツを蹴り飛ばし、悶絶したところを一目散に逃げるというものだった。
だが、彼女が相対してた大妖は雄ではなく雌であった。そして、他にも雌の妖魔がたくさんおり、道案内の男の農民を逆レイプしてたのだった。大妖は雌で男が余っていなかったが故に、男をレイプすることなく波羅を殺そうとしてたのだ。
さすがにこれは拙いと思って、チュートリアルでも使われた閃光玉に煙玉、鼻を効かなくする臭い玉をありったけ駆使して何とか彼女を抱えて逃げることができた。この時の彼女はまだ小さかったので抱えることができたが、流石に僕ができるのはそれまでで、犯された男農民や、死にかかってる配下は見捨てることとなってしまったのが悲しかった。
だが、それ以上に妖魔達から必死に逃げていたのでそれどころではなかったというのが正直なところだ。ゲームだと各種道具は数回使う程度で済んだのだが、僕たちを追いかけてる妖魔が尋常じゃないくらいしつこかったのだ。
特に大妖の人狼が「あの雄を捕まえろ!!」と僕を名指しで追いかけてきたのが怖かった。ヒロインである主人公凌辱エロゲーだが逆レイプがないわけじゃない、主にモブ男やネームド男に対するものなので、それと同じかと思った。人狼は雌で、顔はエロゲー故に高得点だし体付きも色々と大きくてエロかった。が、エロい妄想をする暇もなくひたすら逃げまくって、手持ちの道具をすべて使い果たしてようやく逃げ切ることができた。
それまで、犯されるか殺される! と背後からの恐怖を味わいながら逃げていたので、逃げ切ったら自然と涙が出て、妹も守り切ることができたので、泣きながら彼女を抱きしめた。もう二度とあんなことはしたくない。道具も使い果たしたから補充も面倒だった。
それからというもの、彼女は一転して甘えるようになったのだった。そして、僕がこの世界に転生してからあれやこれやとやっていた中で、調味料の一部や嗜好品の作成が上手くいき、それによる利益が出たので食事を作るようになった。その食事を振舞うともっと懐くようになった。そして彼女の体に変化が起きた。
「さて、昼餉もまだだったから食べようか。久しぶりに僕が作るが、食べるか?」
「は、はい! 兄様の作る焼き飯が食べたいです」
「よしよし、じゃあ部屋に行っててくれ」
当主が料理なんぞする必要ないし沽券にかかわるとみられるが、僕は前世の味が忘れられないので色々と料理研究をしているのだ。最初は、もちろん重鎮達が馬鹿にしてきたが、出来た料理を僕が作ったと隠して食べさせ、美味いという言葉を引き出した後に作ったのは僕だという発表をすると、苦虫を噛み潰した顔をしたが、それ以降文句を言わなくなり、逆にこっそりと注文を付けたりしだした。今では立派な取引材料の一つになってる。
二人して立ち上がると、妹が甘えるようにこちらに正面から抱き着いてきた。それによしよしと背中を撫でると、僕の顔は妹の胸に挟まってしまう。そう、胸である。数えで十四くらいなのに、妹は僕より背が高い。僕が百四十センチくらいだとすると、頭1つ分はでかい、凡そ百七十センチくらいだと思う。背がでかいぶん、色々とでかい。乳も尻も太ももも大きいのだ。霊力を身体に回して成長促進させたら体は大きくなると言うが、本人がそれをしたのかどうかは不明だ。
だが、妹に見下ろされるというのはちょっと堪える。しかし、こうして甘えてくるとでかい大型犬みたいなもんで可愛い。胸が当たるのは役得だが、欲情はしない。そんなので欲情したら、ただでさえ兄貴としての威厳がないのに、殊更に無くなってしまうし、妹からも嫌われるだろう。主人公ちゃんに嫌われたら、この酷い世界で生きていける自信がないので、精神集中に霊力を集中させ煩悩を退散させてる。
妹がこんなに大きくなったのは、もしかしなくても僕が原因だろう。
僕は料理研究をしながら、ゲーム知識を思い出していた。そういえば、美味い料理でステータスアップとかあったよな……、恒久的な奴と一時的な奴に別れるし、ゲームの知識がこの世界に当てはまるかどうか知らんけど、美味い料理作って妹に食べさせたらかなり強くなるんじゃね?
という打算も込みで、色々研究してもりもり食べさせていったのであるが、ここまで大きくなるとちょっと食わせすぎたのではないかと思い始めている。兄よりでかい妹など存在しねえ!! と思ったが僕に今抱き着いてるこの子は妹です、姉ではありません。
彼女にされるがままにされてると、襖が開き二人の人物が入ってきた。
「兄上」
「姉上」
「会議は」
「終わりましたか?」
二人の可愛らしい双子の少女は僕と波羅の妹で、ゲームでも波羅を支えた彼女にとって大事な肉親である。名前は沙羅と由羅。姉の波羅の凛々しい顔とは違って、十二歳相応の可愛さと明るさを合わせた顔をしている。髪は黒髪のボブカットでそれぞれお揃いの簪を左右違う場所につけて区別している。本当に顔が同じなので、簪を同じ場所につけたらわからないほどだ。
ゲームでは主人公である波羅の大事な家族であり、この双子の「弟」達を守るのも彼女の戦う理由の一つとなっている。
そう、ゲームでは弟である。だが、僕が転生したこの世界だと何故か二人とも女となっている。名前も元のゲームだと沙悟、由悟となっているが、それを当てたのか沙羅、由羅となっているのだ。
このゲームは主人公が女でそこから都でイケメン公家との結婚などのサクセスストーリーがあることで女性プレイヤーも少なからずいるのだが、それだけでなく双子の弟達も女性プレイヤーからは人気者だった。だがエロゲー故に、妖魔に囚われて改造され、無事取り返したと思ったら性欲が抑えられず姉である波羅を二人がかりでレイプする、なんていうルートすら作られてるから恐れ入る。さらにそこから、双子の性処理をしつつ妖魔の改造と洗脳を戻すのだが、性処理する際に波羅の上昇するステータスボーナスが高く、それ目当てでそのまま性処理し続けてたら避妊失敗して双子の子を妊娠出産、その子どもを育てて戦力増強、みたいな選択肢まで作られているのだからスタッフの作りこみには脱帽したものだ。
だが、僕がこの世界に転生して双子を見た時、女の子だったから驚いた。これを知った時、もしかしたら僕というイレギュラーがいたから変わったのかもしれないと考え始めた。公式スピンオフのエロ漫画だと、妖魔連中に囚われた双子の弟の片方が性転換して、男の方は女妖魔の肉バイブとなり、女のほうは肉便器となった挙句、最終的には二人が合流したら性的開発されまくったせいか、出会ったら発情して即合体し子供まで作ったIFルートな漫画があった。
それの関係なのかもしれないが……、如何せんはっきりとわからない。綾絶波羅という特徴的な名前でゲーム世界だというのはわかったが、全部が全部そうじゃないのかもしれない。やたら女性の権限が強いのと、女性の体格と身長が大きいことと、男があまり前に出ないこと以外は大体ゲームと一緒のように見えるのだが……。
その疑問を顔に出さず双子ににこやかに答える。
「ああ、終わったよ」
「それは良かった。ところで兄上」
「姉上にお昼ご飯を作るようですが」
「私達も」
「お腹が空きました」
「丁度いい、ならお前たちの分も一緒に作ってあげるよ」
僕がそういうと、喜んで僕に抱き着いてくる二人。僕の左右から挟むようにくっついてきて、僕の首元に顔を擦り付ける。そう、下の妹なのに僕と身長が変わらないのだ。上の妹は僕より大きく、下の双子も僕と同等で、兄としての存在感が薄れそうで悲しい。僕が十六、波羅が十四、沙羅と由羅が十二とわかりやすく二つほど年が離れているが、それの通りに身長差があるのかと思いきや、この成長速度だと、僕がこの中で一番背が低くなる。やめてくれ、身長差で負けるなんてただでさえ凡人の僕に効く。
ちなみに、双子も双子でかなり優秀だ。波羅がRPGのなんでもできる勇者だとすれば、双子は魔法使いと僧侶みたいなもので、姉と違って接近戦は得意ではないが、術に関してはちょっと上回るほどに得意である。言うまでもないが僕より上だ。ゲームでも主人公であり姉であり当主である波羅を支えてくれる数少ない最初から友好的なキャラである。ゲームでは波羅一人でも無双できるが、双子をサポートとして付けると隙がほとんどなくなり、最終まで鍛え上げるともうこの3人で扶桑皇国の平和を守ってしまいました。というレベルにまで達してしまう。
だから、親戚一同が僕が当主代行をしてるのが不満なのだがそりゃそうだと僕も声を上げるだろう。上の妹と下の双子の妹に劣る兄。大体退魔師はどこも実力主義の傾向が強い、僕と妹達は腹違いなだけだが、主筋である僕が平凡で、傍流の妹が優秀と逆転状態なのが話がこじれる理由である。まったくなんでこんなことになってしまったのか、と、妹達に囲まれながら思う。
だが、妹達が妖魔の孕み袋になるのは何としてでも阻止したい。そのためにゲーム中で起きるフラグはどうにかこうにか潰そうと対処してる。
先ほど説明した、ゲームのチュートリアル部分で波羅が死にそうになるイベントだが、あれと似たようなことが双子にも起きる。こっちは双子を操作するのだが、これで後衛の大事さを学ぶようになっている。波羅が前衛のチュートリアルだとしたらこちらは後衛のチュートリアルという風に分けているのだ。
そして、こちらも双子は波羅と同じように偽情報で中妖じゃなく大妖が相手となり、そこに分家の者と一団を率いて討伐しに行ったら全滅しかかるという内容だ。
僕は波羅で痛い目を見た反省を兼ねて、あの時は僕一人でこっそりと行ったが、当時の双子は幼い故に援軍を送るという名目で戦闘団を率いることができたので、こちらの被害を抑えつつ双子が危険な目に会うのを防げた。この時、波羅も連れて行ったのだが彼女もあの時大妖に敵わなかった屈辱があったからか、一層鍛えていたおかげで主力として戦った。
もうばったばったとなぎ倒す姿は痛快としか言いようがなく、巨大熊の大妖もボッコボコにして倒していた。流石主人公といった感じで、双子の後衛の援護もあって、怪我人は出たが死者を無くせたのは良かった。
波羅と双子は乳母の教育方針か派閥争いかわからないけど、あまり仲が良いとは言えず僕が間に入っていた。なので、今回の救出劇も波羅が協力してくれるかどうか不安だったが、快諾してくれたので助かった。
双子も、自分たちが危険な目に遭ってしまったが、兄と姉が援軍としてやってきたおかげで無事だったので死の恐怖から解放されたら僕らに抱き着いて泣き始めた。それからというもの、波羅と双子の仲も良くなったので、兄として姉妹の仲がよくなってるのはいいと思う。
ただ、こうして、僕に懐いてくれるのは嬉しいし、僕も彼女たちに優しくしてるからいい関係を築けているが、これが崩れたら真っ先に消されるよなぁ……と思いながら若干されるがままになっていた。四人兄弟の中で一番上の僕が平凡だから、お家騒動起きたら真っ先に消される可能性大であるし、妖魔との戦いでも四人の内誰か一人を生贄に捧げるって選択肢が出たら間違いなく僕が選ばれるだろう。
いや、妹達を守るためなら生贄になっても良いが、妹達が不幸な目に遭うのであればなるべく生き残って彼女達を助けたい。
それを、妹達からこうして懐かれることになってるのでそれを回避できるという意味でも一安心だ。
まだ抱き着いて離れない、見た目は凛々しい武人なのに甘えん坊な大型犬のような上の妹と、可愛らしい中型犬の妹達に昼飯作るからといって引きはがして、僕の部屋で待つようにいい、僕は厨房へと歩き始めた。
それにしても、この世界に転生し、あれやこれやと行動しながら思ったのだが、ゲームの世界観と一緒かと思いきや、何か違うのである。何が違うのかというと、どうも男と女の考えや役割が違っているように見えるのだ。
ゲームだと男性向け故に、女性主人公であり僕の妹である波羅を中心にエロイベントがとにかく起こる。負けてレイプ、卑劣な罠にハマって孕み袋、有力貴族と婚姻結んで初夜が貴族によってはラブラブもあるが凌辱する貴族もあり、中には妖側と手を組んでたもしくは実は貴族の正体は妖で内部工作のために変化しておりそれに婚姻して初夜のあと出産したら半妖の子を産み絶望した。といったルートもあったりする。
男性向け故に、男から襲われるのは普通と言っていいだろう。妖も比率的に雄の妖が多く、雌もいないわけじゃないが比率は少ない。数少ないレズプレイはあるが、やはり生産性がないのでスチル画もどちらかというと八割は男から犯される奴だ。何より、ゲームだと沙羅と由羅は弟であり男だったのだ。それがこの世界では女になってるのが気になる。
どうにか十六で成人した僕は、今までに妖退治を何回かしに行ったのだが。なんか逆になってる気がするのである。僕が先日仕留めた人狼も雌だったし、食われてた武芸者も女性だった。男の武芸者や陰陽師もいるにはいるし、うちの分家連中も男達は軒並み強い。だが、それでも半数かやや上くらいは女性が多いし彼女達が強いように感じた。
何より、先日の退治は僕以外で出れる人間がいなかったから僕が出たのだが、基本的にあのような出撃は僕は認められていないのだ。病に臥せっている父も、看病してる母も、お前はなるべく前に出るな、攫われるぞと忠告してくれるのだが、これはまあ親として心配してくれてるからだろうとあまり気にしてなかった。
まぁ、男性向けだから女性が多いとその分エロシーンがあるし、ゲーム中でもモブの巫女やら女武芸者もいたからそんなものだろうと思っていたが、喉に小骨が引っかかったような違和感が拭えなかった。
綾絶頼はうんうん唸りながらも答えを出せず歩き始めた。
そして、彼は知らなかった。この世界は彼が遊んでいたゲームの世界とほぼ同じのように見えて決定的に違うところがあると。
当主代行というと聞こえはいいが、まだ三か月も経ってない上に、彼自身が箱入り息子みたいな感じで扱われてたゆえに、情報収集が限定的となっていたこと。親戚一同が輿入れしたほうがいいというのも、妹の波羅を当主に置くようにするのも、この貞操と力関係が逆転した世界では女が上に立つので当然のことであった。彼が男である故に、箱入り娘ならぬ箱入り息子として扱われたことも、世界観を良く知ることができなかった。
故に、彼は彼自身がゲームにおけるエロイベントの中心になるとは、この時は微塵も思っていなかったのだ。そして、後にそれを身をもって、彼自身のこれからの人生によって知ることになる。
背が大きい妹って好きなんです。
多機能フォームって奴使うと、色々整形してくれるんですね。今までサクラエディタでやってたんで凄い便利です。前の話とか調整しました。
とりあえず六話まで書き溜めて予約しています。次話は明日0時予定です