※この作品はR-18です。

和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う   作:ビシオ

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皆様の感想評価お気に入り、誠に感謝します。
評価を緩和したところ、さらに二十人もの方々が評価し、10点も増えてとても嬉しいです。

更に嬉しいことに累計トップ10位に入った事、誠に感謝申し上げます。素人処女長編エロ小説が過分な評価を頂き恐悦至極です。

今回も頑張って書いたので楽しんでいただければ幸いです。




三十二話 相撲は生で見ると迫力あるから是非見てみよう

「──とまぁ、近場の施設はこんな感じやなぁ」

 

 僕らは、凛さんと共に歩きながら「天網」の施設内を色々と教えてもらった。

 

 尚、世玖芭殿と叔父上を真似して呼んだら凛さんと呼ぶように強く言われたので渋々そうしている。どうやら、叔父上にも粉かけてたみたいで叔父上はそれを捌くのが大変だったようだ。凛さんの背中越しから叔父上が片手で「ごめん」ってやってたので、それを受け入れて呼んでいる。

 

 まぁ、接待みたいなものだからしょうがないだろう。今まで叔父上が引き受けてたので、それの身代わりになる形だ。叔父上にはいつも世話になっているから、これくらいお安い御用だ。

 

 で、僕と凛さんは隣同士で並んで歩き、叔父上は三歩後ろに下がって我が家の連中を引き連れている状態だ。僕と凛さんが親しく話してるせいで、後ろから妹達の圧が凄いが後で許してもらうほかない。

 

 僕も僕で、顔を向けると見上げる巨人美女と爆乳が視界に入るので、それはもう目に悪い。歩く時も、腰を揺らして美しく見せる所謂モデル歩きをするものだから、乳も尻も揺れる揺れる。更には、体につけてる香料も鼻に入っていい気分がするのも大変ちんぽに宜しくなかった。

 

 なので、気分を誤魔化すためにも必死に話しかける。話せば気が紛れるからだ。

 

「競売会場だけかと思ってたんですが、色々な娯楽施設があるんですね」

「せやで、貴族の社交場でもあるさかい飽きさせないように工夫をする必要があるんや。と言っても、平民も楽しめることが出来るように一通りの店だけでなく歌舞伎や能も見れる施設もあるし、賭場などもあるで」

「賭場まで?! それは楽しそうですね」

「なんや、頼君は賭場に行ってみたいんか? なら相撲に行こか、ちょうど賭け相撲が始まるところやで」

 

 競売会場はメインであると同時にサロンも兼ねており、貴族間での情報交換の場となってる。茶室や歌室、華道室などもあるほか、なんと賭場や相撲場に闘技場まであるほどだ。現代風に言うならば、遊ぶ場所が集中しているアミューズメントパークと思えばわかりやすいだろう。

 

 競売自体は決まった曜日に行い、それ以外は賭場や闘技場、賭け相撲場所などで遊びの場を設けているという。

 

 賭場や賭け相撲場所自体はこの商業区画だけでなく平民区画にもあるが、その場合の相撲は所謂番付が下の連中がやる場所で、この「天網」で上位番付の仲間入りになるという。上場所、下場所という呼び名で別れていた。下場所で名を上げれば上場所で昇進し、場合によっては貴族お抱えになるというある種の昇進システムが組み込まれているそうな。

 

 なので、平民でも賭け相撲が人気であると同時に貴族から目がかかるまたとない機会なので熱心に励んでるそうな。上場所の力士も番付が下がると下場所へと降格になるのでそりゃもう必死且つ熱い相撲が見れて賭けも大盛況。

 

 

 そんなこんなで、僕たちも見学の為に相撲を見に来た。

 

 他の施設や店が「天網」の建物内にあるのに対して、相撲は外でやるらしい。歩いて行くと、庭のように広い場所があった。そして、中心に土俵があり、 観客席はみんな地面に茣蓙で座る形式だ。まぁ、和風ファンタジーだから国技館みたいな形は無理だろう。

 

 土俵から天網を見ると、あるところには歌を詠んでる貴人達が見え、そこには庭園もあり、離れた所には茶室と思しき小屋もある。どうやら、貴人たちも遠くから観戦することも可能で、更に相撲や平民の様子を見て歌にして詠んだりもするようだ。

 

 だが一方で、しっかりと貴賓席はある。所謂桟敷席という奴だ

 桟敷席から見れる場所から、土俵の方を見る。桟敷席は一段高く作られてちょっとした高台になっているので非常に見やすいし、周りも見下ろせる形だ。なんだか、僕らが入ってきたらざわついてきたが、気にせず着席する。

 

 桟敷席にも席代はあるが、一般人もとい平民が入るには敷居が高い高値が設定されてる。桟敷席は金払いの良い貴族や公家が主に使う席であるため、座るのは僕らみたいな存在のみとなってる。平民でここに来れるのは大店の店主などの大商人くらいなもので、極たまに一生に一度はここに座りたいという物好きな平民くらいらしい。今回の相撲場所は、他の貴族はおらず物好きな平民もおらずでほぼ僕らで占有していた。

 

 席は長椅子みたいな感じになっており、平民の茣蓙と違って座布団があるので座りやすい。着席すると、下人達が御茶菓子をお盆に持ってやってきた。これをつまみながら見るらしいので、僕らは饅頭とお茶を飲み食いしながら見ることにする。

 

 そうこうしてると、行司が声を上げて力士入場となった。

 

 片方は人間だが、もう片方はおでこから肌と同じ色の二本角が生えていた。二人とも褌と晒しを巻いているが、巻いていてもなお巨乳なのは目に悪い。あと筋肉もついていて、健康的な体だなぁと思った。

 

「おお、力士は大柄ですね。そして西の方は鬼の半妖……ですか?」

「せやで、人間の力士もおるが鬼が強いんよなぁ。あ、ちなみにあいつは半妖じゃなくて妖魔やで」

「えっ?!」

「言いたいことはわかるでぇ、半妖じゃなくて妖魔がおって大丈夫なんかってな。ちゃんと刺青で術式を彫ってるから反抗はしないようになっとるで」

 

 言われて西の鬼を見ると、首や背中に紋様がある。恐らくあれが反抗防止のための呪術なのだろう。

 

 二人の力士は、僕らの桟敷席の方に顔を向け凝視する。凛さんの方を見てるかと思いきや、僕の方だった。何故分かったというと、判別するために試しに体を左右に揺らすとそれに応じて二人の視線も動いたからだ。

 

 とりあえず目が合った以上挨拶をしなければならない。そう考えた僕は二人に向かって小さく手を振り笑顔を向ける。二人は赤面した。行司が掛け声をかけると、どちらも凄まじい気迫を出し始めた。

 

 凛さんが僕を揶揄う

 

「なんやあの二人、頼君に笑顔と手振りをされてやる気出しとるで。頼君も罪な男やなぁ♪」

「凛さん揶揄わないで下さいよ、目が合ったから挨拶したほうがいいかなって思っただけです」

 

 うりうり~と肘鉄を軽くしてくる。なんか本当に近いなこの人。おっぱいもちょっと当たったし心臓と股間に悪い。

 

 ちなみに賭け相撲なので、東と西どちらに賭けるかで僕は東、凛さんは西に賭けた。

 

 そして試合が始まった。

 

「須佐丸ー!」「武蔵丸ー!」

「押せ押せー!」「いけいけー!!」

 

 鬼の怪力を生かした真っ向から突撃する須佐丸を、武蔵丸はひらりと回避。すかさず褌を掴んだ。懐に入られた須佐丸はそれをひっぺがそうとするも、懐に入られ且つ、体の斜め後ろから掴まれたために腕がそこまで回らず剝がすことが出来ない。更には、須佐丸は大柄過ぎたので手が回らないのも原因だった。

 

 そのまま武蔵丸は自身の怪力を生かして外側へと押し出していく。須佐丸も出ないよう抵抗するものの、褌を掴まれたことで腰を浮かされては踏ん張りがきかない。

 

 白熱した試合に、僕だけでなく妹達も応援する。そして、そうこうしてるうちに決着。決まり手は相手を土俵の外に押した送り出し。東の武蔵丸が勝ち、僕は賭けに勝った。と言っても、最低額の十文しか賭けてないが。

 

「頼君、勝ったようやな。おめでとう」

「はい、十文から三倍に増えました」

 

 凛さんの方を見ると、静かに座り煙管から紫煙をくゆらせていた。賭けに負けたのに、微塵も残念がってない。

 

 レートは人間の武蔵丸のほうが三倍、鬼の妖魔の須佐丸は一.二倍という差であった。やはり鬼のほうが強いとは誰しも思っていたようでレートも違ったが、人間の意地が勝った……と思いたい。

 

 そう思ってると、妹達も喜色満面な表情で話しかけてきた。

 

「兄様! 勝ちましたね!」

「兄上と同じのに賭けました」

「賭け事は楽しいですね」

「もっと楽しいことしたいでござる!」

「こらこら、賭け事はほどほどにしなさい」

 

 妹達は僕と同じに賭けたから同じく勝ったのはいいが、まだ十四歳以下で賭け事させるのは良くない。そう窘めたのだが横槍が入る。

 

「まぁまぁ、頼君。ここ「天網」は正にあらゆる娯楽がある建物や。それこそまさに、この世の娯楽を詰め込んだ施設と言っても過言ではないでぇ。せっかく遠いところから来たんやから、たっぷりと遊んだ方がええやろ?」

 

 猫撫で声で言ってきながら、僕の頭を撫でる凛さん。美人さんからそう言われて撫でられて思わず頷きそうになるも、それを拒否する。

 

「遊びたいのは山々ですが、僕はここに仕事を、特産品を売りに来たんです。遊ぶのはやることやってからですよ」

「おやぁ、若いのに出来た子やなあ、偉い偉い♪」

「子供扱いはおやめください、もう十六だから元服してますよ」

「おっとそうやったな、君が小さくて可愛くてつい子供扱いしてもうたわ」

 

 からからと笑いながら頭を撫でるのをやめる凛さん。正直言って頭を撫でられるのは気持ちいいが、恥ずかしいのでやめて欲しい。

 

 そうしてると、戦った力士二人が桟敷席にやってきた。ちょっとした高台になってるから階段を上って来るのだが、木の階段であることと二人が巨体のためか一歩歩くたびに木の軋む音が聞こえる。

 

 そしてやって来たのだが、もうデカイ。

 見上げる形となるがその場で膝をついた力士二人、どちらも二メートルは超えてるから凄い迫力がある。膝をついたおかげでちょうど目線が見上げる形からやや上くらいになる、それでもなおデカイ。

 

 そして太腿と尻も乳もデカイし筋肉もついてて凄い。先ほどまで血沸き肉躍る戦いをしてたからか、汗も流していたが、その汗の香りも女性だからかそこまで不快な匂いはしないのも大変ちんぽに宜しくなかった。

 

 なんだろう? 最近になってから女性の体を見ると前屈みになりやすくなった。僕ってこんなに淫乱だったっけなぁ…………? 現在抱かれた女性って三人しかいないはずなのに……。と疑問に思うほかない。エロゲーだからと言われたらそれまでだけど、何か原因があるんじゃないだろうかと思い始めてるが、答えなど原因の糸口がさっぱりわからないから唸るしかない。

 

 唸って考えていると段々と思い出してきた。確か抱かれまくるとエロステータスか何かが関係してるような…………、過去に見た設定資料集でそのような情報が朧気ながらあったようなことを頭に流れてきたが、それは途中で凛さんの声で遮られた。

 

「武蔵丸、見事やったな」

「はい、勝ちました」

「須佐丸、次は頑張ろうな」

「はい、凛様」

 

 それぞれに声を掛ける凛さんと、簡潔に答える力士女性二人。力士は長い髪をポニーテールかおさげにするのが基本で、強い力士はアピールのために特別な髪形にすることもある、とは凛さんと叔父上の談だ。目の前にいる武蔵丸と須佐丸は唯のポニーテールだが、簪がどちらも金色で、よく見たら凛さんの物と意匠が似ている。

 

 その視線に気づいた凛さんは補足した。

 

「そういや頼君に説明しとらんかったな。貴族や大名はお抱え力士を持つのもおるんやけど、この二人はウチが贔屓にしとるんや。タニマチって奴やな」

「成程……では、どちらが勝っても問題ないから余裕だったんですね」

「おっ、そこに気づいたか、偉い偉い♪」

 

 いちいち褒めて撫でてくる。嬉しいと思ってしまうのは、彼女の笑みと口調が優しいからだろうか? ただ、番付が上の力士二人を同時に抱え込むことが出来るタニマチが出来るのは、流石の財力と言うしかない。

 

 そう思ってると、力士二人は僕の方をじっと見ていた。二人とも、力強い印象を持ちつつも整った顔立ちをしている。美人かブスかと言われれば前者のほうに軍配が上がる。

 

 凛さんは二人の顔を見て、そして僕の顔をみてニヤリとした。

 

「頼君、頼君。せっかくやし、二人に何か言ってくれんか?」

「そうですね、お二人の試合は凄かったですし」

 

 凛さんがそう言ってきたので、僕も頷いて答える。実際白熱した試合だったし、相撲なんて僕はテレビ越しからしか見たことがなかった。

 

 一応領地の祭りでの相撲はあるが、あそこより熱気と活気が溢れてた。流石上場所というところだろう。

 

 なので、まずは負けた須佐丸さんの手を両手で握り、顔を真っすぐ見つめて

 

「須佐丸さん、実に惜しかったですね。次は頑張りましょう」

「は、はい!」

 

 鬼の須佐丸は、赤い肌をしててもわかるくらいに顔を真っ赤にした。それを武蔵丸が目で殺すような強い視線を須佐丸にしてきたので、僕は慌てて今度はこっちの手を両手で握り、同じように真っすぐ見つめる。

 

「武蔵丸さん、とても凄い試合でした」

「はい!」

 

 こっちも目に見えて喜ぶ、その表情は笑顔と羞恥が混ざってて可愛かった。凛さんから肘で軽く小突かれ小声で言われる。「勝利者にはご褒美やったほうがええで」と。

 

 言われてみると確かに。なので、勝ったこともあり、ちょっとサービスすることにした。

 

「これは、勝利者である貴方へのご褒美です」

 

 そう言って、握った彼女の手の甲にキスをする。

 

「ぴゃっ♡」

 

 可愛い悲鳴を上げてビクンとし、そして雌の香りが強くなった気がする。汗だけでなく、別の香りがしてきたが、もしかして──

 

「おやおや、最高の勝利者への褒美やなあ。同じ女として嫉妬してしまうでぇ♪ さて、二人とも疲れたようやから控室に向かえや」

 

 クスクスと笑いながら片手を挙げると、脇にいた下人達が力士二人を囲むようにして控室へと連れていく。まるでドナドナされるように見えてしまうのは気のせいだろうか? 

 

 そう思ってると、凛さんから笑顔を向けられ

 

「いやあ、ご褒美やればと言ったけど、あれほどの素晴らしいものはないなあ。優勝杯より価値のある奴やで」

「いえ、それは流石に大袈裟ですよ」

「何言うてはるん? 男から手の甲に接吻なんざ、それこそ歌舞伎や小説の世界の出来事やで? それを自らするんやから、頼君はとんでもないたらしやなぁ?」

 

 ケラケラと笑って揶揄いながらも頭を撫でてくる凛さん。

 

 手の甲にキスしただけなんだけどなあという感覚だったが、貞操逆転してると意味が変わるらしい。

 

 いや、考えてみればその通りなんだけど、未だに自分の価値が良く分かってないのだ。低くはないと思うが、言うほど高いかな? と。もしくは、この世界の価値観に気づいて恐怖し「自分自身に掛けた暗示」が原因で尾を引いているのかもしれないが。

 

 頭を撫でられながら、僕はそう思った。

 

 だが、これで一つの見物が終わったので、そろそろいい時間となったようだ。凛さんの近くに下人が近寄り

 

「凛様、そろそろ歌舞伎の準備が整うようです。競売は歌舞伎が終わった後になるとのご報告が」

 

 そう報告してきた。その下人も、背が高くおっぱいが大きい。顔はお面で隠しているが乳は隠せていなかった。

 

 凛さんは頭を撫でるのをやめると

 

「さて、頼君。次は歌舞伎に行こうか?」

「はい、妹達も楽しみにしてたので是非ともみたいです。あと、次は席代は僕が出しますよ」

「いらんいらん、あんたらはお客さんや。もてなしするのはこっちの役目やから気にせんでええで」

 

 競売まで時間があるようなので、次は歌舞伎を見ることになった。歌舞伎ということで、妹達もわくわくしている。焔なんかちょっと飛び跳ねてるくらいだ、可愛い。

 

 貴族や公家と言えども金を払って席を買って、見晴らしの良い場所で見るようにしてる。そして貴賓席というだけあって見やすい相撲の桟敷席は、一般人もとい平民でも入れる。だが相当な金を払わなければならない。

 

 今にいたるまで、席代もそうだが茶菓子代なども彼女から出してもらってる。はっきり言ってもうパパ活ならぬママ活攻勢が始まってるのかもしれない、それを恐れた僕は彼女に自分が出すというが、主催と客人という関係性を説明されたらこちらも引き下がるしかない。

 

 

 歌舞伎ということでワクワクしている可愛い妹達の様子を見て移動する準備をしてると、凛さんから話しかけられる。

 

「君が望む競売はもうしばらくしたら始まるけど、ブツはしっかり持ってきたんか? なんだったら、君自身を出してもええでぇ?」

「無礼な!」

「波羅、よしなさい。ここで、大声を上げないように」

 

 冗談めかして言う凛さんに激怒した可愛い妹。大声を上げたので周りが何事かと思って注目してきたので、僕は場を収めるために妹を窘める。

 

 まぁ、妹が怒るのもわかる。自分自身を売り込むなんて身売りそのものだからだ。だが、僕は内心で自分が考えてることを凛さんに見透かされているんではないかと思ってヒヤリとした。

 

 僕が窘めたことで、渋々と下がる妹。

 

 僕は頭を下げて

 

「妹が失礼しました」

「いや、今のはウチが悪かった。大事な大事なお兄ちゃんが身売りするとか無礼以外でもないからな。波羅ちゃん、そして頼君、この通り謝罪するでえ」

 

 そう言うと、長身を見事に四十五度まで下げた。最敬礼である。

 その際、爆乳がどたぷんという擬音を出しながら揺れたので股間に血流が集まってしまって、慌てて霊力を送って鎮めさせた。

 

 波羅は、嘗て僕が焔に言った事と同じような台詞を言う。

 

「謝罪を受け入れます。兄様は私達にとって大事な男の子です、それを娼夫が如く扱うのは決して許せません。二度と言わないようにお願いします」

「いやほんま、申し訳ないわ。堪忍やで」

 

 とりあえず場が収まったのでよしとする。一方周りは、「天網」の主である凛さんが少女に謝ってる姿を見てざわざわと騒ぎ始めたので、僕は場所変えを提案した。

 

「とりあえず、ここから離れましょう。目的地に向かいたいので凛さん、どうか頭を上げてください」

「せやったな、じゃあウチが案内するさかいついてきたってや」

 

 そう言って、彼女は下人を引き連れて歩き始めたので、僕ら一団も後をついて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 歌舞伎というと、江戸時代のようなものを思い浮かべるがまさにその通りと言えよう。目的地である歌舞伎のある施設に来たが、もうそろそろ演目が始まるからか既に熱気があった。

 

 僕らは凛さんの案内で、一番値段の高い桟敷席へと向かう。其処には既に僕ら以外の客も座っていた。

 

 相撲の桟敷席はやや敷居が高いのに対して、歌舞伎は元が大衆向けだからか、桟敷席は平民でもやや手が届くような値段となっている。尤も、マナーをしっかり守らないと出禁となるため気をつけないといけないが。

 

 桟敷席に座る人達はほぼ女性で、たまに男性とのカップルがいた。男性は叔父上や僕と同じ小柄に対して、相方の女性は頭一つはデカい。貞操逆転が目立つ形だ。桟敷席から下の座席を見ると、男もいるにはいるがやはり数は少ないのが気になる。出生率とかも原作『現世の波羅姫』と違っているのだろうか? 

 

 そう思ってると、凛さんから声を掛けられた。

 

「頼君、紹介したい人が三人おるんや、ちょっと来てくれるか?」

「紹介、ですか?」

「せや、南方守護と東方守護の当主がちょうど見に来てるんや、あと左大臣殿やな」

 

 頭に電撃が走るほどの衝撃を受ける。

 

 その三人は、原作ゲームでも主人公を犯す種付おじさんの代表格だったからだ。

 

 いきなりここでエンカウントするとは思ってもおらず、二の句が継げぬ状態になってしまった。

 

 

 

 

 ここで三人について説明をしようと思う。

 

 南方守護は元を正すと海賊であった。

 扶桑国の南方は群島となってるからか船を扱う海賊が多く、それらの海賊を纏め上げ一大勢力にまで仕立て上げたのが南方守護の始祖となっている。

 

 朝廷は何度も討伐を行ったが、海上を支配する彼らに対して練度の差があるだけでなく、朝廷の輸送船も略奪されて経済にかなりのダメージを与え続けたので朝廷がそれに頭を痛めた。そして、討伐するのではなく懐柔することに方針転換をし、公家の名家が輿入れする形となって貴族の仲間入りを果たした見事な成り上がりであった。

 

 成り上がりではあるものの、敵となっていた存在が味方になったら頼もしいことこの上なく、海上交通の利権を南方地帯限定で全部明け渡し、海上護衛の要職に就かせたところ、海賊被害が一転して消え失せてしまったのである。

 

 それはそうだ、最大勢力の海賊が朝廷の錦の御旗を手にしたのだ。他の木っ端な海賊など相手にならず、滅ぼされるか降るかの二択を選ばされ、ほとんどの海賊が後者を選び、海賊という存在が扶桑国からほぼ全て消え去ってしまったほどだ。

 

 千年前の「人妖大戦」では、海洋交易による貿易や補給物資の輸送などの重要な役を担い、海外から傭兵を雇って援軍まで連れてきたほどだ。その海外傭兵は半分は帰ったがもう半分は扶桑国を気に入り土着民となった。

 

 それからというもの、海洋交易による莫大な富や、海上護衛の役を担い、扶桑国の海に置いて右に出るものなしとなってからは誰もが成り上がりと侮るのをやめ、周囲からも貴族と認められ漸く仲間入りを果たし、参内も許された。

 

 南方地帯の海上交通利権を持つこと、「人妖大戦」では補給輸送や海外傭兵を連れてきたこと、それらの功績を上げたことで一代限りの名ばかり貴族ではなく名実共に貴族となった。そして、南方地帯を守護する役目を仰せつかることになり。四方守護の一角となったのである。

 

 以上が、南方守護の簡単な略歴だ。

 

 ちなみに外見はというと、南方地帯を中心に海洋交易が仕事なのか、日焼け民もとい褐色肌で筋肉に溢れた肉体をしている。中には黒人みたいな黒い肌の人もいて、総じて肌が黒いのが特徴だ。尤も髪の毛は黒が中心でありながらもエロゲー特有のカラフル髪もいるが。

 

 金髪刺青ムキムキ竿男優が多く存在しているのが南土人の特徴である。南蛮との交流も積極的だからか、そっち方面の血も入っているのでイケメン且つワイルドな風貌が多いのが特徴だ。

 

 

 海の漢というワイルドな風貌が多い南土人に対して、東方守護の治める東土人達は穏やかな農耕民族だ。

 

 

 彼らの住まう東方守護は、四方護家の中で最も肥沃な黒土を保有し扶桑国の自給率を一挙に担っていると言っても過言ではない。実に半分くらいの食糧生産は肥沃な東方守護から流れてきている。

 

 その食料生産によって多大な利益を出しており、「扶桑国の食糧庫」と言われるほどの重要な土地として認識されている。その重要さは「人妖大戦」で真っ先に狙われるほどで、それに付随して兵士の数が多い。

 

 兵士の数が多い理由は、食糧庫と言われるほどの重要拠点を守るために数で補っているのである。それに比例して農民の数も多く、東西南北中央の五拠点の中では人口が最も多い。

 

 食糧庫と言われるほどだから、飢える心配がない。腹いっぱい食べれるし、それでいて妖魔にも狙われるわけだから数をそろえる。飢える心配がないため、産めよ増やせよというわけで人口が増える土壌になった。

 

 原作ゲームでも兵士を補充する際や、一部隊の初期人数が最も多いのが東方守護の部隊である。特に兵士補充は徴兵可能人数が初期から上限近くまであるため、どれだけ補充しても枯渇する心配がないと言われるほどで、どこぞの大国のように畑から兵士が取れると言われるほどだ。

 

 但し、兵士補充をしやすいと言っても質がいいわけではない。兵士の質ははっきり言って僕のいる北方守護より体格が小さく性格も穏やかで争いごとはそこそこ向かない、という風に差別化されており、それを補うために数で攻めるというやり方でやっているのだ。

 

 ただ、どこぞの厳つい軍人が「戦いは数だよ兄貴」と言ったように、兵士の質は悪くても数と連携で戦えば十分強いのである。要はプレイヤーの戦術や戦略が光る地方となっている。戦略や戦術が好きなプレイヤーはフリーモードで遊ぶときに東方守護を選ぶ人がいるほどだ。

 

 尚、東方守護は人種の坩堝と言われている。その理由が、先ほどの南方守護が雇ってきた海外傭兵が理由になっている。既に大戦から千年も経過したからもう立派な土着民と化し歴とした扶桑国人となった。

 

 ──なったのだが、東方に住まう人々は僕ら扶桑国人と違って少し彫が深い……所謂欧米系みたいな顔立ちとなっている。南方が東南アジアやアフリカ系とするなら、東方は欧米系みたいな風に別れている。つまり、純粋な扶桑国人と言えるのは中央、西方、北方と言う風になっているのだ。尤も、我が北方と東方の境目は血が混じるからか、所謂スラヴ系やモンゴロイド見たいな顔立ちとなってしまっている。

 

 

 

 更に言うならば、東方守護とそれを中心とした一族は見た目がある種族に…………金髪エルフに似ているのだ。

 

 

 

 なんで、和風ファンタジーなのに外人どころか人種が別のエルフが出てくるんじゃい!! 

 

 

 

 という突っ込みは至極尤もだろうし誰だって思う、僕だって思う。

 

 だがしかし、開発スタッフはこう言ったのだ。

 

「日本人でありながら外見は外人*1というのは実はいたんです、それを参考にしました。後は南方守護が雇った海外傭兵がエルフだったり獣人だったりして、それが扶桑国に定住した結果が東土人なのです」

 

 先ほど上記に説明した土着海外傭兵のように、既に千年も経ってしまったから立派な扶桑国人となってしまったとのこと。付け加えて

 

「既にエロゲー特有の青やピンク髪が出てるし今更でしょう?」

 

 トドメの二言として。

 

「これエロゲーですよ、何言ってるんです? だから好き勝手やってるんです」

 

 そう締めくくった。要は、和風ファンタジーエロゲーにエルフや獣人、黒人白人を出すための言い訳である。

 

 

 それを言われると、エロゲーだからそうかな……そうかも……と受け入れるプレイヤー達になった、僕も含めて。調教されてしまっているとも言えるがこの際どうでもよいだろう。

 

 尤も、外見が扶桑国人とは違うため、初期は差別の対象になっていたのは言うまでもない。海外傭兵達も、自分達を受け入れる中でそして住みやすい場所として温暖な気候であり食料が豊富にあり、住人も農耕民族で穏やかな東方にほぼ移り住んで定住した。

 

 そして、ある傭兵団の団長がエルフであり、その見た目の麗しさから時の東方守護当主に見初められて輿入れを果たす。エルフの血が強いせいか、生まれた子は美男美女でエルフ耳の子が半分以上の割合で生まれたため、そこから千年もの時を経て東方守護とその一族はエルフのような外見になったのだ。

 

 寿命こそファンタジーエルフのように五百年も長生きするわけではないが、霊力による老化抑制もあって、百年は普通に生きる。東方守護一族の血が薄い分家は普通の人間と同じ寿命だ。尤も、寿命云々なぞ霊力による老化抑制や長命作用のある道具や食べ物もあるから考えても意味はないのだが。綾小路道玄なんか齢百数十を余裕で超えてなお性欲の衰えない化け物ジジイなわけだし。

 

 玉の輿となったエルフの団長が子を産み、その一族が長い時間を掛けてエルフの一族と東方守護は様変わりした。この効果は地味に大きく、東方守護のトップが扶桑国人ではない外見のため、他の人種を受け入れる土壌が出来上がり、半妖も差別をほぼされずに定住することができ、エルフやら獣人やら半妖やらが多く住む地方となった。

 

 もっと言えば、半妖も獣人も妖魔も外見で判断するしかなく、扶桑国人じゃない外見は皆半妖か妖魔か南蛮人だという認識も相俟って、多くの半妖や友好的な妖魔が移り住んでしまった。その結果、東方は人種の坩堝となったのだ。ゲーム中にある半妖の住処というのも、三方だと差別と迫害の対象のため村規模でしかないが、東方守護の支配地域のみ町規模まで栄えている。

 

 

 だが、エロゲーであることを忘れてはならない。特に原作ゲームは主人公兼ヒロインである波羅が犯される凌辱エロゲーである。つまり、原作通りに倣えば南方守護と東方守護は、前者は褐色筋肉のワイルドな風貌の髭おっさん。後者は、耽美系エルフでその美貌で多くの女性NPCをメロメロにするある意味女性特効が強いキャラ、という風になっていた。

 

 そして、南方守護は部下たちも荒くれ者且つ黒人や褐色肌が目立つヤリチン兄貴みたいな連中なので、それはもうNTR系薄い本みたいにヤりまくられる。それはまるで、薄い本の如くラブホで定点カメラで朝までヤられるように犯されまくる。

 

 東方守護の場合は、本人と一族も耽美系なので、そっち方面でじっとりねっとりと犯される。尚、竿役が全員イケメンであるため女性プレイヤーからも人気が高く、薄い本を作るサークルがそこそこいたほどだ。

 

 他にも、獣人や半妖に妖魔もいるため、彼ら彼女らは皆野獣の如く性欲が強い。そしてオープンスケベであるため性に対して奔放なのである。

 

 主人公である波羅も、原作ゲームでは男の子であった沙悟、由悟も、焔でさえもうっかりするとあれやこれやと言い包められて出会い茶屋で一発ヤられたりしたほどだ。

 

 東方守護のエルフなんかは女性特効とも言える耽美系イケメンのために、波羅と焔は魅了耐性を鍛えておかないと一発で落とされるほどだ。勿論美女エルフもいるために、沙悟、由悟も金玉を握られそこから言いなりになるルートもあったほどである。

 

 だが、この中で最も危ないのは左大臣である。何故ならば彼は原作ゲームでラスボスだったからだ。当然男故に女である妹達は負ければレイプされるし、双子の弟達が片方は性転換し、もう片方は性欲増進で、互いにセックスしあって子供を作るという斜め上なやり方までやってのけた原因とも言える存在だ。

 

 そんな、エロ方面に特化し尚且つ今後の攻略的にも重要な存在と、まだ原作ゲームが始まってもいないのにエンカウントするのに驚いた。この三人と会うのは帝への謁見の時だと思っていたし、ゲームでもそうだったからだ。

 

 

 衝撃で精神がクラクラしながらもなんとか踏ん張り、気を取り直して凛さんに聞いてみる。

 

「西方守護と東方守護の当主が来られるとは驚きですね。こうしてみると、東西南北の守護当主が一同に会していることになりますが、何か理由はあるんでしょうか?」

「そりゃあ、目当ては頼君に決まってるやん」

「えっ?」

 

 思わぬ答えに鳩が豆鉄砲を食ったような声を僕は上げてしまう。

 

「だって、二代続けて男の当主且つ、領地は多いが寒冷地でまともな産物が鉱物くらいしかない厳しい北土で砂糖と清酒を生み出したのが君やんけ。君は巷じゃ『北土の貴公子』って言われてるんやけど知らんかったん?」

「え、ええ…………初耳です」

 

 嘘だ、行商人から耳に入れたりはした。だが、僕自身が自己評価の低い大人しい前世の記憶があったため、その評価を聞いても「またまた御冗談を」と流していた。だが、こうして真正面から言われると心にクるものがある。

 

「そうかぁ。ま、自分の噂なんじゃ耳にすることもなかろうしの。とりあえずまぁ、君は話題沸騰の男子なんや。それに、東西の当主が来た理由は五つもあるんやで?」

「い、五つも?」

 

 せや、と言いながら凛さんは握りこぶしを僕の前に突き出した。そして、そこから指を一本ずつ動かしていく。

 

「まず君は『北土の貴公子』と呼ばれ、浮世絵でも売れるくらいの美形や」

 

 そういって人差し指を立てる。

 

「次に女ばっかり生まれるこの世じゃ貴重な男子やろ?」

 

 中指を立てる。

 

「更には血も北方守護の正室の子やから正当な子や」

 

 薬指を立てる。

 

「オマケに北土を潤わせるほどの交易品を生み出した」

 

 小指を立てる。

 

「トドメに莫大な利益をウチみたいにため込むんやなくて次々に吐き出し、北土から寒村を根絶させようとしとる」

 

 親指を立てて、握りこぶしが手のひらへとなる。

 

「そんな子が都に来てるんや。そら、顔を一目見らんといかんってなるやろ?」

 

 その手のひらを、僕の頭に載せて撫でながら説明してきた。

 

 先ほどまでのやり取りだったならば、子供扱いはやめろと言って跳ねのけてたつもりだったが、今は自分の客観的な評価を貰ってそれで頭が上手く回っていない。

 

 もしかして、僕色々とやっちゃいました? 

 

 そう思ってしまう位には、妹のためと頑張って発展させたことが注目の的だったようだ…………。妹が犯されないためと、当主を受け継いだ時に不便なくやるようにしたのがかえって自分の評価を高めてしまったらしい。

 

 なんだろう、自分がここまで評価されることに段々と気恥ずかしさがこみあげていき、顔が赤くなっていく。前世なんかうだつの上がらないサラリーマンだったし、真正面から評価されたことなんてあまりなかった寂しい人生だったから、こうやって高い評価を受けると赤面が収まらない。

 

「おっ? なんや、顔を真っ赤にして、可愛いなぁ。もしかして、自分がここまで評価されてることを知らなかったん?」

「え、ええ…………」

「波羅ちゃん、頼君はいつもこんな感じなん?」

「はい、兄様はよく謙遜をするお方で、私達が可愛いとか格好いいとか言っても他人と比べて大したことが無いといつも言っております。他者からの評価についても同様です」

「ほんまかぁ、謙遜も過ぎるとアカンでぇ?」

「すいません、性分なものでして」

「そっかぁ、性分ならしゃーないな。中々変えられへんからなぁ。だけど──」

 

 一拍置いて顔をずいと近づける凛さん

 

「君は、自分が思っているよりとても評価されてるんや。そのことは理解しておいた方がええでぇ」

「は、はい。わかりました」

 

 美人のドアップでそう言われると頷く他ない。

 

 すると、凛さんの背中から声が聞こえた。

 

「世玖芭さん、こんにちわ」

 

 耳に心地の良い声が聞こえる。声音だけで、桃代姉さんのような優しさを感じるようだ。

 

 僕の目の前には巨女たる凛さんがいるため見えなかったが、彼女が横にどいて紹介した。そして、そこに立っている三人の姿を見て衝撃を受ける。

 

「紹介しようか、頼君。左が南方守護当主の鎗麻 久理子(やりま くりこ)はん。右が江瑠柁(えるだ) マレノはん。真ん中が左大臣である、夜鳥 為人(やどり ためひと)はんや」

 

 名前を聞かされて、更にガツンと殴られたような頭痛を覚えてしまう。何故ならば、原作だと鎗麻 久理男、江瑠柁 マレットという名前だったからだ。まさかここまで性転換してるとは思わなかった。世玖芭 凛さんといい、この二人といい、流石にここまで男女が入れ替わってると嫌でも理解してくる。

 

 

 

 南方守護当主の鎗麻 久理子さんの外見は、褐色短髪銀髪巨女巨乳と評するにふさわしい。

 

 顔はワイルドな風貌の美人と言った感じだ。きらめく銀髪を短髪にしているものの、整った髪型にしている。そして、顔には斜めに入った傷がある。どこぞのソシャゲ海賊みたいな美人だが傷のある顔だ。尤も、僕はそんなの気にしないけども

 

 服装は、世玖芭凛さんと違ってそこまで派手じゃない。凛さんが金満すぎるというだけもあるが、京子さんの服装はこの世界の普段着である小袖だ。だがしかし、その小袖は金糸が織り込まれており、絹糸で作られているのか照明の光源から輝きを放っている。海賊が祖先であるからか、普段着としている小袖を贅沢な格好にして威厳を見せているのは逆に素晴らしい。

 

 特に目立つのは、胸元が大きく開いてその巨乳を見せつけるかのような格好である。曝しを巻いているものの、その巨乳は形をほとんど崩しておらず、寧ろぎゅうぎゅうの谷間を見せつけており、見事なI字となっている。

 

 そして、下半身は動きやすい様に尻からげにしている。おかげで、下半身は股間まで見えているが黒い肌襦袢を着ている。この肌襦袢が下半身にピッチリと張り付いて、その立派な筋肉とぶっとももを見せつけており、股間すら丸見えの格好…………有体に言えばスパッツを履いているのだ。

 

 上下ともにむっちりムキムキで、ガタイも凛さんより少し大きいほどだ。腕の筋肉も素晴らしく、角が生えていたら鬼だなと思うほどである。海の荒くれを束ねる存在なためか、力も必要らしい。

 

 

 東方守護の江瑠柁 マレノさんは。白人爆乳爆尻金髪エルフという他ない。

 

 顔立ちは、桃代姉さんのようなおっとり顔で、月並みな表現だが美女だ。整った顔や鼻筋、彫の深く絵画のような美しさ、そしてエルフを象徴する長耳と煌めく金髪。

 

 しかも服装が巫女服なのだが、この巫女服が改造されており、とんでもないスケベ姿になっている。

 

 上半身は白衣であるものの、胸部分に大規模な改造を施しており、スリットが入って横乳が丸見えだ。それでいて、肌襦袢は京子さんと同じくピッチリだが、あちらはスパッツに対してこちらはレオタードだ。

 

 なぜわかったのかと言うと。横乳の部分が黒い肌襦袢で覆われてるからである。そして、緋袴だがこちらは普通の袴じゃなくて、凛さんみたいなチャイナドレスのように改造されており、横のスリットが非常に際どく黒い襦袢が見えているのでレオタードだとわかった。非常にドスケベエルフである。

 

 それでいて、この世界の女性に倣って長身だからたまらなくエロい。鎗麻さんと違って筋肉はなく、お腹がちょっとお肉余ってるように見えるが十分美人だ。

 

 ちなみに、名前が南蛮風もとい洋風なのは、千年前の海外傭兵団団長がエルフで妻として輿入れし、それ以降エルフ耳で生まれた子は洋風の名前を入れるように決まっていると設定資料集に書いてあった。なので、特徴的な名前なのだ。だが、既に土着民と化しているので立派な扶桑国人である。

 

 

「コイツが当主代行か、中々いい男じゃねえか」

「とても可愛らしいですわね」

 

 鎗麻さんと江瑠柁さんがそれぞれ僕の顔を見て感想を言う、褒められるのは悪い気分はしない。だが、まずは挨拶をしなければ。

 

「お初にお目にかかります。北方守護当主代行を勤めております、綾絶 頼と申します。以後お見知りおきを」

「おう、俺の名前は凛が言った通りだ」

「私達の名前も、どうか親しみを込めて下の名前で呼んでくださいませ」

「いや、そこまで馴れ馴れしいことは──」

 

 そう言うも、横から援護攻撃が入って来る。

 

「頼君、ウチのことは凛さんって呼んでくれてるやん。なら、この二人も呼ばなきゃ不公平って奴やで」

「凛、いいこと言うじゃねえか。そうだ、俺はお前と仲良くしたいんだ」

「ええ、今後の交易の事も考えると、是非とも仲良くなりたいですわ」

 

 揶揄う凛さんに対して、当主としての顔を見せる二人。そうか、砂糖と清酒は人気だからこの二人にとっても重要な産物なのか。ならば、仲良くしたいというのも理解できる。それに、僕からしても交易で経済規模を拡大し、厳しい北土を開発して領民と妹達に親戚一同を楽にさせたいというのは変わらない。ならば、彼女達の言う通りにしたほうがいいだろう。

 

「わかりました、久理子さん、マレノさん」

「フフフ、美少年に名前を呼ばれると股間にクるものがあるなぁ」

「ええ、こういう時はお酒を飲みたいですわねぇ」

「それでしたら、我が家の清酒をお渡ししますよ。今回は競売で最上級清酒を出すつもりです、それにちょっとしたオマケをつけるので良かったら落札してください」

「なんや頼君、ちょっとしたオマケって? 落札っていうのも気になるなぁ。普通に売り出すんやないんか?」

「その落札商品だけが特別ってだけですよ。まぁ、詳しくは競売が始まってからのお楽しみということで」

 

 そう言って、会話を終わらせる。そして僕は、最後に残った人に深々と頭を下げる。

 

「左大臣殿、都での検問の際はお世話になりました」

「いえいえ、貴方達はとても大事なお客様ですからね。それに、私としても是非とも会いたかったのもあります」

「僕としては、てっきり数日後のお礼の挨拶で会うものとばかり思っておりました」

「ふふふ、私が歌舞伎好きなのと、貴方方が競売に参加すると言うのも聞きましてね、こうしてやって来たわけですよ」

 

 左大臣殿は、濡羽色とも言うべき黒い長髪をした()()だ。

 

 顔は、大人の色香が漂う美青年とも言うべきイケメンであり、現に後ろの妹達をチラと見ると左大臣殿に少し見惚れている。体格は細身だが、僕より背が高くこの世界の男性が僕や叔父上みたいな百六十五センチくらいだとすると、左大臣殿は百八十センチと波羅と同じくらいの高さを誇っている。南方と東方守護に挟まれた形だと背が低く見えるが、この世界の女性が長身で体格いいのが当たり前のようなので、比べて小さく見えるだけだ。

 

 そして、その瞳にはハイライトが無い。とても漆黒の瞳をしており怖い。

 

 だが、僕にとって怖い理由は別にある、それは──

 

「今後とも、よろしくお願いしますね、頼君。私のことも下の名前で呼んでください」

「ええ、わかりました、為人殿」

 

 ──他の三方守護が女性に性転換や入れ替わりしているのに対して、彼は綾小路道玄と同じく原作ゲームでも男性だったからだ。即ち、妹達が抱かれる恐れがあるということだ。

 

 もっと言うならば、ラスボスとも言える存在が彼である。それが、性転換せず男性の姿でいることに、僕は最大限の警戒をしつつも彼の名前を呼んだ。

 

*1
欧米系島民のこと




江瑠柁→エルフだ

鎗麻 久理子→やりまくり、がそれぞれ元ネタにした当て字です。
久理子さんに関してはFGOのカイニスとドレークいいよね・・・って思いながら合体した感じで作りました。

左大臣殿に関しては答えは感想で言っても宜しいですよ(ニチャァ

まず皆様に謝罪申し上げます。
評価でもお叱り受けましたが、後からタグ入れたホモ描写は見たくなかったと言われました。全く持ってその通りで自分の見切り発車が原因です。お詫び申し上げます。

ですので、お詫びと言ってはなんですが、お客さんごめんなさい煮込み雑炊は三色煮込み雑炊になったんですよ(孤独のグルメの店主感


鬱病故にカタツムリ速度ですがどうかお許しください。もし文章でおかしいところや誤字報告あるならしてくださると助かります。

皆さんの為に、そして僕が見たいエロの為にも頑張るので、これからも感想評価や応援のほどお願い申し上げます。

8月は社員試験の為に遅れるかもしれません、ごめんなさい
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