※この作品はR-18です。

和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う   作:ビシオ

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とても暑いですね、皆さんお体ご自愛下さい。

僕の方もなんとかなってます、皆さんのお気に入りや評価のおかげです、ありがとうございます


三十三話 マジカルちんぽの逆ってなんだろうねって話

「とても面白かったですね、兄様」

「また見たいですね」

「次が待ち遠しいです」

「拙者、こんなに面白かったの初めてでござる!」

 

 妹達がきゃいきゃいはしゃぎながら口々に感想を言いあった。

 

 あの後、特に何もなく歌舞伎を鑑賞して終わった。それがとても意外であった。

 

 何故ならば、左大臣殿は歌舞伎の最中にこちらに話しかけて口八丁で心の内に入り込むという原作ゲームでもあったやり方をしてくるのだ。それをされるかと思って身構えていたのだが、そういうのは一切なかった。寧ろ、左大臣殿も、東西南方守護も普通に歌舞伎を見るのに集中していた。杞憂だったのだろうか? 

 

 そのことが気になったのが顔に出ていたらしい。凛さんが目敏くそれを気にして声を掛けてきた。

 

「頼君、どした?」

「いえ、てっきり平民たちのように喜び楽しみ泣きながら見てるものだと思いきや、皆さん静かだったのが意外でして」

 

 内心は違うのだが、とりあえず思ったことを言って誤魔化す。

 

 歌舞伎というと江戸時代の華やか且つ喧噪な雰囲気を感じるだろうが、それと同じことがこの世界の歌舞伎でも起こっていた。平民たちは喜び、悲しみ、騒ぎ立てて盛り上げていた。

 

 一方、一等席にあたる桟敷席にいる半数以上は守護当主含めて静かに観覧していた。全員が全員ではなく僕の妹達のようにはしゃぐ人もいたが、こちらの席に座っていた皆は静かに弁当を食べながら見ていた。ちなみに弁当は幕の内弁当であり、平民たちの海苔巻きいなり寿司とは違うレベルの出来の良さと味の美味さであった。何故平民の弁当の内容を知ってるのかというと、御付の下人達の分まで僕が買ったからだ。内容を見せてもらったが、貧富の格差がよくわかる。

 

 僕の疑問に凛さんは答える。

 

「実は、妹ちゃん達みたいに昔は騒いでいたもんやで。でもなぁ昔と比べて平民も裕福になって沢山歌舞伎を見に来るようになり、同時に劇場も拡張したりしたんや。すると、ウチら貴族は静かに優雅に見るのが美しいと何時頃からかわからんけど言われるようになってな? その結果、なるべく静かに観覧するようになったんや」

「ははぁ、そういう理由があったんですか」

「尤も、なるべくやけどな。拍手をしたり屋号を呼ぶくらいはするでぇ、そのほうが楽しいからなぁ」

 

 からからと笑いながら答える凛さん。

 

 僕の前世の日本でもあった、マナー講師みたいなのが幅を利かせたのかもしれない。結果、映画を鑑賞する時の様に静かに見るようになったとのことだ。尤も、屋号を叫ぶところは共通していたので、映画で大笑いを上げるのと同じだろう。静かに見て、喜ぶべきところはともに喜ぶ。実にいい空気であった。

 

 

 ちなみにだが、歌舞伎の内容は有体に言うなればロミオとジュリエットだった。それを皇国風にしたものだ。恐らくだが交易などで向こうの作品がこちらに流れ着いて、それをアレンジしたのだろう。皇国風にしたら似て非なるモノになっているので、これはこれでとても楽しく、歌舞伎者の演技力も相俟って、とても楽しい催しだった。

 

 何より、僕の前世であったような歌舞伎とは違う部分二つある。一つは貞操逆転して男女比が傾いてるからか、演者は全て女性であったこと。もう一つは、術を使って煌びやかな演劇をしたことだ。現代風に言うなれば3D効果の映像を見せるような感じである。それとの違いは実際に火や水を出しているところか。大層臨場感があって面白かった。

 

 これほどまでに面白いのならば、成程人気が出るのも頷けるというものだ。平民のみならず貴族が見に来るのも当然と言えるだろう。娯楽の少ない世界ならば猶更である。

 

 

 

 劇が終了した後、妹達は演劇に夢中で食べるのを忘れていた弁当を食べ始めたので、僕や三方守護、そして左大臣殿は傾奇者達に労いの言葉をかけに挨拶に楽屋へと向かう。叔父上は子守を任せているので一族では僕と御付の下人数人のみだ。

 

 楽屋はある種の聖域であり、そこにお偉いさんが来ても態度を崩すことはないと言われている。

 

 だがしかし、四方護家に左大臣殿まで来たとあってはそのような不文律など紙切れのように飛ぶ。事実、僕たちが来た時には演者一同平伏して出迎えた。

 

 その平伏する中で、奥まった場所に佇む者。堂々と煙管をふかして紫煙をくゆらせる女性に、御付の女性を入り口に置き五人で向かう。僕らが近場に来て漸くその人物は僕らに気づいたようだった。

 

「おやまあ、これはこれは一同お揃いでどうしたでありますか?」

「久しぶりやな、雅はん。見事な演劇やったから、ウチらで労いの言葉をかけに来たんや」

「あらあらまあまぁ、それはお手数おかけしますねえ」

 

 顔立ちは中性的なその美人な女性は、演劇の疲れを微塵も見せない堂々とした態度で凛さんの言葉を受け取る。メインヒロインであった男性役をこなしたその顔は立男形に相応しい。

 

 名を京極 雅(きょうごく みやび)という彼女は、シュッとした顔をしており、切れ長な目が美しく化粧をすれば美男子に変身できるほどの中世的な女性であった。髪の毛は短髪であるものの、それでも女性らしさを失わない髪型をしており、焔ほどではないがほんのり赤ががかった色が美しい。

 

 劇を終えたからか、衣装や飾りを外して素のスタイルになっているが、化粧はまだそのままである。唇もぷるんとした肉厚で、口紅をしているのでとても柔らかそうに思わせる。これらを見ただけでも美女だというのは疑う余地はない。この世界にブスな女性を見たことないのもあるが、彼女も例にもれず美女であった。

 

 何よりも──

 

「ふぅ、ちょっと失礼しますねぇ」

 

 しゅるしゅる、どたぷんっっ!! 

 

「わあっ」

 

 歌舞伎で男形をするということから、胸を締め付ける必要があるのだが、その曝しから解放された爆乳を見たことで、僕は思わず驚きの声を上げてしまった。

 

 その声に反応した京極さんは僕の存在に気づき声を出す。

 

「おや? もしかしてそこのおチビちゃんは男の子ですか?」

「せやでえ、名を綾絶 頼君って言うんや。こう見えてウチらと同格の北方守護の当主代行やで」

「あらあらまあまぁ、はしたない姿を見せて失礼しますね。何分ここは女しかいない場所なので、可愛らしい貴方も女の子かと思いましたよ」

 

 ホホホと笑い、そう言いながらも、胸を一切隠そうとしない。

 

 その形の良い爆乳はツンと上向きの乳首をしており、大きな乳首も美味しそうであった。クーパー靭帯が強靭なのだろう。桃代姉さんも伊予さんも形崩れをしていなかったし、この世界の女性は強靭なのが普通なのかもしれない。

 

 僕はというと、その爆乳に目が離せなくなり、やや前屈みになってしまった。勃起しかかってることに気づいて慌てて霊力を股間に送って鎮める。体を横に逸らして、自身の両手で目を塞ぎながらも声を出す。

 

「す、すみません。前を隠していただけますでしょうか?」

「あら? 何故ですかぁ?」

「何故って、その、み、見えてるので」

「見えてるって、何がですかぁ?」

「お、お、おっぱいが、です…………」

 

 答えるうちにみるみる羞恥心が高まって顔を俯かせてしまう。その僕の様子を周りの守護当主はというと、ニヤニヤと面白い物を見る目で見ていた。それは、京極さんと、僕と同じ男である為人殿もそうだ。

 

 僕の様子をニヤニヤ見ながらも、久理子さんが助け船を出した。

 

「雅よ、頼を揶揄うのはそこらにしておこうか。彼が可哀想だぜ」

「ええ、彼の反応を楽しむのはいいですが、相手は当主代行ですわよ? これ以上は無礼に当たりますわ」

「そうですねえ、可愛い男の子の新鮮な反応を見るのも面白いですが、無礼ですねぇ。では」

 

 マレノさんも同じように助け船を出したことにより、漸く京極さんは曝け出していた爆乳を手ぬぐいで覆い隠す。両手の目の隙間から隠したことを確認できた僕は、やっとこさ両手で目を塞ぐのをやめることができた。

 

 やはり、精神が体に引っ張られているからか、とても恥ずかしいと思えてしまう。精神年齢ならとっくに三十路超えてる筈なのになあ。そう思っていると、京極さんが手招きをした。

 

「頼君でしたっけ? どうかここまで来てくれませんかぁ?」

「えっ? は、はあ」

 

 思わず周りを見るも、三人の守護当主はもとい、為人殿ですら頷いて行くように促す。賢明な読者な諸君ならわかるが、僕と彼女らでは身長に差があり過ぎる。百六十五センチと、最低でも百八十の為人殿、残りは二メートル超えの女性達ばかりだ。そんな彼女らに見下ろされその圧に負けて、僕は座敷を上がってゆっくりと彼女に近づき、彼女の傍に正座する。

 

 正座して傍に近寄り、彼女を見上げる。

 

 桃代姉さんと同じくらいの大きさのため、崩して座っている彼女がとても大きく見える。まるで大人と子供だろう。いや実際そうなのだが、こうして美人の傍に来るというだけでドキドキが止まらない。

 

 なにより、爆乳は手ぬぐいで隠しているのだが、その隠し方が爆乳の上にかるく掛けて乳首を隠しているだけだ。所謂、乳暖簾である。他の乳の部分は丸見えなので、先ほどより一層エロく見えてしまい勃起が収まりそうにない。その勃起をさせないためにも、僕は必死になって霊力を股間に送っていた。

 

 そんな僕の心情を知らず、彼女は優雅な手つきで僕に手を出す。握手かな? と思った僕は手を差し出すと、彼女から手に指を搦め握る。するとまるで、恋人握りみたいになってしまった。

 

 これは危ない。僕はそう思った。何故ならば、京極 雅は原作ゲームでも出たネームドキャラ且つ、マジカルちんぽの持ち主だったからだ。

 

 

 京極 雅は、京極家という名のある退魔師の生まれであり、本人も退魔師である。そして、原作ゲームでは男であった。

 

 本人は名家生まれの為退魔師としての才能はあるが、遊ぶことが大好きな放蕩息子で、実家を困らせているばかりか、性欲にも忠実で沢山の女に手を出してきた。それはもう、穴ならば何でもいいと言うばかりに手を出し、人妻やら友人の妹やらに手を出し、孕ませ、揉め事を多数作った挙句仕舞には勘当させられた。勘当とは言ったが、あくまで公式的に朝廷に出したものではなく、内輪だけの話であり、家から追い出すだけにした。そうすれば、放蕩息子も頭が冷えると実家は考えたからだ。

 

 勘当されて、頭を丸めて家に戻って来るのを実家は期待していたが、彼は斜め上の行動に走った。本人は自身の色香を使って歌舞伎の道へと走り、短い期間で立女形へと登り詰めるほどの才能を見せた。

 

 この時彼は、勘当させられたことを歌舞伎の座には隠して自身の名をそのまま使って入り、立女形になった。その名声が都に轟くことになるとは実家も知らず、勘当は内輪だけの話もある上に、立女形としての名声で貴族達からも評価を貰った事もあり、渋々ながらも勘当を取り下げ実家に戻ることが出来たというウルトラCをかましたと資料集にある。

 

 尚、実家に戻ったからといって今までの非行が消えたわけではない。名声が轟くと、それと同時に彼の非行も流れ、彼の股間から生まれた問題などの落とし前をつけるために朝廷から白州の御裁きを受け、各家ごとに賠償金を払うよう言い渡された。中には平民などもあり、そちらは身分の差ということで誤魔化せたが、相手が名家や貴族だった場合は誤魔化せず、複数の名家や大名らに対して合計千両近くの慰謝料を五年以内に払う羽目になる。

 

 当然実家はそれを払うことができず、公式的に勘当して有耶無耶にしようとしたところ、雅本人が待ったをかけ三年で完済して見せると豪語した。千両ともなれば、花魁の身請けと同額であるし、千石大名と同じ年収でもある。京極家は名家ではあるものの三百石でしかなく、手取りともなれば百石、つまり百両くらいしか残らない。

 

 十年掛かる賠償金を三年で払うと言うのに戸惑ったものの、本人が立女形として稼いで万人を魅せる働きをする、それでもできなかった場合は勘当して良いと言ったので、実家はその通りにした。

 

 すると、僅か二年で千五百両も稼いでしまった。

 

 これには理由があり、太平の世になり庶民が金余りになって裕福となったこと、歌舞伎が平民だけだったのが貴族も見るようになり、落とす金が莫大になったこと。そして、浮世絵や扇子、障子などに雅の絵を飾る……現代風に言うなればアイドルグッズを売るわけだがそれの取り分は立女形が六割という決まりがあったので、それらの販売や容貌、技芸、人気によりあっという間に稼いでしまったのである。

 

 これにより、名家や貴族達に対する詫びと金を入れることで蟠りは消え収まった……かと思いきや、本人は自身の人気を利用して、女を食いまくった。相手は平民が多数であったものの、一部は貴族を孕ませてしまったりし、また問題が起きた。だが、本人の歌舞伎としての天賦の才を利用し、莫大な金を稼いだために金の力で黙らせることが出来た。

 

 実家はというと、放蕩息子が大金を稼いで各名家や貴族への賠償金を支払うことが出来たのでほっとしたのもつかの間、別問題を持ってきて頭を痛めた。だがしかし、雅は実家にも仕送りをし、それの金に非常に助かってるので苦虫を嚙み潰した表情で黙認するほかなかった。貴族や平民に対する賠償金も、雅が一から十まで全て稼いで払うので、実家には悪い名声が少し響くくらいのダメージしかなかったのも理由だった。実家の懐が一切痛まないというのが大きかったのである。

 

 そして立女形となった雅はそのまま歌舞伎役者として活躍するのだが、本人の気分次第で劇をやったりやらなかったりするという問題すら起こし始めた。

 

 座長はどうにか役者としていて欲しいと思ったものの、本人の容貌、技芸、人気は右に出るものなしな上、あまり強く言うと別の座に移るかもしれない。もし、この座を辞めたら他の座が諸手を挙げて歓迎するのは目に見える。故に、彼の好きにやらせることにした。

 

 結果、彼がいないときは売上はまずまずだが、いる時は莫大になるという痛し痒しな状況になってしまった。だが、別の座に引き抜かれるよりは…………という思いで一同諦めていたりする。尤も、雅も雅で座に恩義を感じているので出来るだけ演劇をするが、あくまで出来るだけだ。楽しくなかったらすっぱりやめる、その我儘が許されるほどの才能があった。

 

 

 

 そんな雅は、原作ゲームの主人公である波羅とは、彼女が歌舞伎を見に行った時に出会うことになる。

 

 

 

 ゲーム中での歌舞伎は、恋仲になるキャラと仲を深めたい時や、楽しい催しを見るとステータスが上昇するという理由でプレイヤーは選択する。上げづらい魅力を上げるのはここと他数えるほどしかないと言うのも理由だ。魅力ステータスは交渉事や色香に使えるので、多くのプレイヤーは歌舞伎は欠かさず観覧するほどである。

 

 そして、雅は美少女である波羅を目敏く見つけ、下人に文を渡して波羅に送るのがフラグとなっている。それを読んで楽屋に行くか、拒否するかで今後の選択も変わるのだが、彼自身は有能な退魔師且つ、後方スキルが優秀なキャラなので彼に会いに行くプレイヤーは非常に多い。そして、イケメンキャラなので女性プレイヤーからの人気も高い。

 

 だが、マジカルちんぽの持ち主且つ本人の魅力が非常に高いので、気を付けなければあっさりと堕ちちんぽで貫かれてしまうのだ。それだけでなく、雅は快楽至上主義のため、快楽の為ならば妖魔側に鞍替えするくらいの危険人物でもある。彼が妖魔側に寝返った場合、こちらの有能な女性キャラはほぼ全てが彼の攻略対象となり寝取られる羽目になる。

 

 どんどん寝取られてしまった状況を見て嘆いたプレイヤーは数知れず。もっとひどいことに公式Q&Aで

 

「妖魔に寝返った京極雅にどんどん女性キャラが寝取られていくのを見てどう思いましたか?」

 

 という問いに対してほとんどのプレイヤーは

 

「妖魔ごと滅べと思った」

 

 と呪詛を込めて答えるほどの竿技能の持ち主である。それと同時にイケメンでもあるため非の打ちどころがない竿男優だ。そして、彼が妖魔側に寝返らないためにあの手この手でご機嫌取りをしていくのが重要になって来る。下手をすれば天秤があちらに傾き、こちらの有用な女性キャラが奪われてしまうからだ。

 

 それを防ぐために、好物などを送って気を逸らしたりすることが重要だ。だが、それらが無い場合は苦肉の策として彼に対して自身の体を抱かせる他、他の女性キャラを宛がったりといったことで、妖魔に寝返らないようにする努力が必要になる。

 

 だが、その努力に答えるように彼は有能キャラだ。立女形をやるほどだから、男妖魔に対して特攻の魅力が効き、行動を拘束させたりすることが出来る数少ないキャラである。女妖魔にも、その自慢のマジカルちんぽで堕として自軍ユニットに組み込むことが出来るほどだ。

 

 戦闘以外にも、外交でも高い魅力を利用して交渉を有利に運ぶことも出来るほどだ。両面キャラとして有用なマジカル魔羅棒の持ち主が、京極雅であった。

 

 

 

 

 ……以上がざっとした京極雅の説明である。だが、原作ゲームでは彼だったのが、目の前の存在は彼女へとなってしまっている。雄太郎が消え伊予さんがいるように、東西南方守護がそれぞれTSしてるように──西方守護はTSではなく立場入れ替わりというべきだろうが──合わせてるんじゃなかろうか? と勘ぐってしまう。

 

 そして、こうして楽屋へとついて行って、更には恋人つなぎまでやってる状況だ。非常に拙い。目の前に美女の優しい笑顔があるのもドギマギしてしまう。

 

「ウフフ、小さなお手々。可愛いですねぇ」

「そ、それはどうも」

「警戒してる? そんなに怯えなくても大丈夫ですよぉ?」

 

 そりゃ警戒するだろう、妹である波羅を性的に食い、焔も食い、棒がついてる双子の弟すらも掘って食って性転換させてさらに食うほどの色狂いだ。立女形というかこの世界では立男形というべきだろうが、それでも魅力がむんむんと漂っている。何より、手つなぎするほどの距離のため、目を下げると巨大な乳暖簾が目に入るし、更には劇が終わった後だからか、汗をかいているのが濃厚なフェロモンとして鼻腔を通り抜けるのだからそりゃもう股間にマグマのような熱が集まって来る。

 

「しかし、男の子が楽屋に来るなんて非常に珍しいですねぇ?」

「ぼ、僕としては先ほどの演劇が凄かったので、それを皆さんと共に労いに来ただけです」

「それでも、大体の男は文を寄こすだけです。だからこうして来るなんて、ボクちゃんが初めてですよぉ?」

「こ、子供扱いはやめて下さい。これでも元服してるんです」

 

 強気に言うものの、赤面しているせいか説得力がない。相手もそれをわかっているようでニヤニヤとして表情で見ている。それでいて、手は恋人の様に繋がって相手が握ったり開いたりして、柔らかい手を感じてどうにかなりそうだ。

 

 魅力値が高いキャラなんて会わなきゃいいだけじゃん、とゲームをプレイしながら思ったが、その通りである。この世界に生まれたら魅力が高いキャラはそれだけで心が蕩けそうになるのを今身をもって理解している。

 

「さて、頼君は今後も私の劇を見に来てくれるぅ?」

「え、ええ、面白い物を見せてくれるのであれば」

「ウフフ、それはもう私の誇りにかけて見せて上げますよぉ♡」

「そうですか、そういって多数の男子に粉をかけてるのですね」

 

 失礼だが、ジャブを放つ。すると相手は目をぱちくりとしたあと声を上げて笑った。

 

「あははは! そりゃあ、北方守護の当主をやるほどだから、放蕩姫の噂くらいは聞いてるわよねぇ?」

 

 実際にはゲーム中の情報である。だが、この世界での情報は集めてなかった。大体が同じだろうと高を括っていたからだ。それがこんな風にTSしてるならば真面目に集めていただろうが、後の祭りだ。

 

「うふふ、貴方の考えてる通り私は放蕩姫と言われているわぁ。でも、残念ながら男とした経験はほとんどなくてねぇ?」

「御戯れを」

「本当よぉ」

 

 相手は言葉巧みに言ってくる危険な存在だ、言ってることが本当かどうかも判別できない。本当だと言っても嘘の可能性がある、というか嘘だろう。

 

 そう思っていた矢先、恋人握りをしていた手を急に引っ張られた。

 

「わぷっ?!」

 

 彼女の、僕の頭ほどもある爆乳に顔がうずまる。倒れ込んだのを優しく抱きしめる彼女。

 

「どお? 私のおっぱい。頼君がチラチラ見てたおっぱいよぉ? 気持ちいいでしょう?」

「むぐぐ……」

 

 喋ろうにも肉の壁に口がふさがり声が出ない、それどころか、鼻呼吸をすると胸の谷間のフェロモンを吸い込んでしまって勃起してしまう。してしまった。

 

 ちょうど、彼女の太腿に乗っかっている形になってしまっているからか、そして僕が霊力を股間に送って鎮めていたがそれも限界になってしまい、勃起が彼女にバレてしまった。

 

「あらあらまあまぁ、これはどうしたことかしらねえ?」

 

 流石にこれ以上は不味いので、慌てながらも顔を上げる。するとそこには、ニマぁ~~とした表情を浮かべる彼女がいた。

 

「ぶ、無礼ですよ!! んむっ?!」

 

 叱りつける言葉は、彼女の口で塞がれる。

 

 彼女の柔らかい唇が、僕の唇の上に乗っかり柔らかい感触を与えてくれる。更には、舌まで潜り込んできて、甘い味を僕の口腔内へと送り込み、腰砕けになりそうになった。抵抗するために出した舌は、そのまま絡めとられてディープキスになってしまった。

 

 蕩けそうになるのをなんとか喝を入れて体を奮い立たせ、彼女から離れる。

 

「ぷはっ?! な、何するんですか?!」

「ナニって、可愛いから接吻をしただけよ?」

 

 揶揄うようにニマニマとして表情をする雅。僕は恋人握りをしていた手を振りほどいて、その場から立ち上がる。立ち上がって漸く目線が同等になるものの、相手は楽しそうにこちらを見ていた。

 

「い、いきなり接吻だなんて、僕らは出会ったばかりですよ?!」

「いいじゃない、減るもんじゃないし。男は多数の女を抱いてナンボでしょう?」

 

 この世界観が、原作ゲームと逆転してる以上それはそうなのだが、だからと言っていきなり接吻させられていいわけじゃない。気持ちよかったのは事実であるが、彼、違う、彼女は原作ゲーム通りならば危険人物だ。もしかしたら、既に妖魔と繋がってる可能性も考えなければならない。

 

 何よりも、僕の立場が波羅の立場だったとすると、彼女に抱かれるフラグを立ててしまっているかもしれない。そう考えると素直に喜べなかった。妹の為ならば体を張ることを厭わないが、この場合は妹とは何も関係がないから貞操を大事にしたいという思いがある。既に伊予さんと桃代姉さんに抱かれてしまっている物の、多数の女性と関係を持つなんて僕はちょっと無理そうだからだ。奥手であった前世のこともあり、女性は苦手である。

 

 だというのに、こうして雅さんはずいずいと踏み込んでくる。それが非常に怖かったのもあった。

 

「と、ともかく! 貴方の演技はとても凄かったです。それを褒めに来ました、話は以上です!」

「あら残念、もっとそれ以上の話をしてもいいのよぉ?」

「結構です、ではこれにて御免!」

 

 僕は逃げるように妹達の元へと向かった。他の守護当主や左大臣殿を置いて。

 

 

 

 

 

 

「あらあら、揶揄いが過ぎたようね」

「せやでぇ、雅はん。ありゃちょっとやり過ぎや」

 

 そう言う物の、凛の顔はニヤニヤとしたあくどい笑みであった。それは、久理子とマレノ、果ては為人すらも同様であった。

 

「全く、いきなりシモの方へと話を持っていくとはお前もブレないなぁ?」

「久理子さん、貴方にそれを言われるのは心外ですよぉ? 貴方も私も同じように男を漁る仲ですしぃ?」

「違いねぇ」

 

 ガハハと大口を開けて笑う久理子。

 

「それにしても、上手いこと接吻までするなんて流石の手の速さですわね?」

「マレノさん、女は手を出してナンボですよ。ただ意外だったのは、平手一発は覚悟してたんですけどねぇ?」

「そこは驚きましたわね。男性なら女からああも強引にされたら激怒しても仕方がないのに」

 

 マレノの言葉に、一同頷く。

 

 男は、性欲の強い女に抱かれるのがこの世界の基本であり常識である。故に、男は女が余り好きではない。性欲が先走る存在故に、種馬扱いされてることを知ってる男は毛嫌うのだ。体格差や力量差などが千年前から段々と時間を掛けて逆転していったからそうなってしまった。

 

 だから、先ほど雅が頼に接吻した際、一同は平手一発は来るだろうと思っていたが、結果は御覧の通り何もなく怒って帰って行った。

 

 ……否、あれすらも怒っていないだろう。あれは怒っているのではなく困惑していたのが大きかった。ここに居る一同は人と接する機会と経験が豊富なため、頼のあの時の感情も良く分かる。それどころか──

 

「ああ、それと。彼、私の体で勃起しましたよ?」

「「「「えっ!?」」」」

 

 これには守護当主のみならず、為人や平伏していた団員一同すら思わず顔を上げて伺ったほどだ。慌てて再度平伏するも、驚きは皆同じであった。

 

「頼君が、貴方の体で勃起ですって?」

「ひゃ~、その無駄にデカイ脂肪でおっ立つとは驚きやなぁ」

「お前さんの体で勃起するたぁ、頼はとんでもないスケベな男だな……」

 

 東西南方守護当主がそれぞれ感想を言う。それはそうだ、男は勃起しづらい存在だ。大体がゆっくりと時間を掛けて勃起させるか、薬で無理やりかの二択である。男が女に対して潜在的な恐怖を持ってしまったのが千年前から続いて染みついているのだからさもありなん。

 

 にもかかわらず、頼はあのハグで勃起した。その言葉に驚かないのも無理はない。今までの男の常識が覆される存在が、彼である。

 

 驚きの声しか上げず見守っていた左大臣夜鳥為人は、雅へと尋ねる。

 

「雅さんから見て、彼はどういう男に見えましたか?」

「ん~そうですねぇ、やや内気で押しに弱く、それでいて体は正直なスケベな子。といった感じですねぇ?」

 

 そう感想を述べると、ペロリと舌を唇に這わせて舐める。先ほどの接吻を再度反芻しているかのようだった。そして、彼女の感想を聞いた為人は、顎に手をやり

 

「ならば、彼こそが帝の求めた男かもしれません」

 

 その言葉に、一同顔を引き締める。自分たちの繁栄の為には、帝をどうにか説得するのが重要だが、そのために必要なのが男である。

 

「ならば、私達のやるべきことは決まりましたわね」

「せやなぁ、可能な限り彼を援助しつつ──」

「それでいて、あいつの体を味見すること、だなぁ?」

 

 要はママ活である。東西南方守護当主はそのように方針を決めた。だが、それを聞いた為人は待ったをかける。

 

「ですが、その前に私が彼について調べなければなりません。女に対してどれほど動けるかどうかを」

「そうでんな、あいつとの賭けもあるさかい、それから決めなければなりまへんなぁ」

 

 為人や凛だけでなく、ここに居る守護当主……否、重臣と妖魔はある人物と「賭け」をしていた。

 

 その賭けとは、今後の皇国や妖魔全体の行く末を決めるものと言っても過言ではない。

 

「だけどよぉ、為人さんはそれでいいのか? あんたがこれからすることをしたら、もう元には戻れなくなるんじゃないのか?」

 

 久理子の言葉に為人は嗤う。

 

「天正帝の呪いから解放されるのであれば、喜んで」

 

 マレノは頬に手をやりながらため息をつく。

 

「あの御方の呪いは強力ですものねぇ、まあ私達も十分貴方の体で楽しませてもらいましたから」

「為人はんの体が楽しめなくなるのは残念やけど頼君の体がどれほどの味なのか、楽しみやなぁ?」

 

 尤も使い物になるかの判別が重要やけどな、と凛は最後に付け加えて一同頷く。

 ここに居る雅含めた東西南方守護当主は為人を中心とした棒姉妹であった。そして、彼の正体はある種の公然の秘密でもあった。

 

 何故ならば、それが天正帝が彼に与えた命令であり呪いでもあったから。

 

 ちなみに、平伏してる団員達は、一部記憶を消されて元の業務に戻ることとなる。

 

 

 

 

 

 

「兄様、どうしましたか? 顔が真っ赤ですよ」

「いや、ちょっとまぁ、何でもないよ。さて、次の場所へと向かおうか」

「次は競売ですね」

「どんなものが出るか楽しみですね」

「兄さま、お弁当美味しかったでござる!」

 

 妹達の疑問を躱しつつ僕は答える。焔はいつも通りなのがある種の清涼剤であった。

 

 次の競売では、清酒を高く売るために僕自身を使うことになる。

 

 だが、この行いが後にどれほどの影響を及ぼすかは、僕は考えてもいなかった。否、軽く考えすぎていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




新キャラ出しまくってちょっとわからなくなってきそう
でもエロに持っていきたいからしょうがないね

竿男優が逆転したらどうなるんでしょうか、これってトリ〇アになりませんかね?
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