和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う 作:ビシオ
僕の方は鬱病と闘病しながらも、なんとかかんとか無事に過ごしております。それもこれも皆様が拙作を読んで評価と感想という多大なる労力を割いてくださったおかげです。誠に感謝します。
クリスマスには間に合わなかったですが、今月分描き上げることができたので、良ければお読みくださいませ。
鶏の鳴き声で目が覚める。
呼吸をするが、淫猥な空気を吸った事で朝勃ちもあるので激しく勃起する。そして、僕の体は抱きしめられていたことに気づいた。というか、僕は誰かを布団にしてるようだ。何故なら、背中があったかいし、頭の左右に爆乳があるし、それでいて体はその女性の腕で固定されてる。
僕の頭上からはスー、スー、と規則正しい寝息が聞こえる。このまま起きたいが、かといって寝てる女性を起こすのも忍びない。というか、ちんぽがバキバキに勃起してて辛いし起きたらそれを見られてしまうことになるから恥ずかしい。
どうしようかと悩んでいたところ、ちょうど肉布団にしていた女性が起きた。
「ふあぁ~~、よく寝たわ~~」
どうやら、僕が肉布団にしていたのは凛さんだったようだ。
彼女が体を起こすと僕の体も一緒に起きる。そして、その肉体の柔らかさの感触を楽しむことを惜しみつつも、彼女から離れて挨拶をする。もちろん、両手で勃起ちんぽを隠して前屈みになるという状態だ。
「凛さん、おはようございます」
「うん、頼君おはようさん」
挨拶は重要だと古事記にも書いてある、なので情けない恰好だが挨拶をお互いした。すると、久理子さんとマレノさんも起きたようだ。二人とも、あくびをしながらも体を起こす。爆乳が起こした体に沿うようにゆさっと揺れるので勃起ちんぽが休まることがなかった。
「頼君、おはようございます」
「頼、おはようさん」
「はい、お二方もおはようございます」
寝ぼけ眼を擦りながら起きる二人に挨拶を交わす、その二人の寝起き姿も美しいので勃起が止まることを知らない。その勃起を見せないように、僕は三人から離れて平伏して挨拶をし、そして謝罪した。
「御三方、昨晩は自分勝手な行動をして申し訳ありませんでした」
飲まされた媚薬と精力剤のせいとはいえども、自分の欲望のままに腰を振って相手を抱きつぶした。非難や罵倒をされても仕方がない、そういう意味での土下座であり謝罪であったが三人に通じたようだ。その上で三人は僕の謝罪を受け入れて赦した。
「気にせんでええで」
「寧ろお得でしたわ♡」
「また、あんな風に襲い掛かって来てもいいんだぜ?」
「ご寛恕ありがとうございます。ですが、あちらの三人はどうすればよいでしょうか?」
目の前にいる三人だけならまだしも、公家の子女にまで手を付けてしまったことは罪に問われても仕方がないだろう。ただ、あの時抱いたのは覚えていたが、所々の記憶がぼやけているのである。それが怖いので、尋ねたのだが返答は意外だった。
「それに関しては大丈夫やで」
「こちらで話をつけましたから」
「というよりも、あちらからすれば棚から牡丹餅だからな。頼が気に病む必要はねぇよ」
「は、はぁ……」
守護当主がそう言うのであれば……、ということで納得することにした。尤も、三人が話をつけたと言っても、僕は何も言ってないので僕は僕で彼女達に謝罪しなければならないが。
その後、挨拶として彼女達にキスをして着替えることになった。三人から、
着替えようとしたら、凛さんが呼び鈴を鳴らす。すると、下人達が沢山部屋に入って来て部屋の片づけをするもの、寝具を整えるもの、そして僕らの着替えを手伝うものと分かれて役割分担で仕事をしに来た。
僕は一人で出来ると言ったのだが、三人から
全裸なので、まずは褌を履くことになる。勃起ちんぽを隠さずにブルンっと擬音を出すほど曝け出し恥ずかしいので隠そうとする、しかし僕の正面に陣取った下人の一人が僕の両手を掴んで離し
「このままでは頼様に褌を履かせることが出来ませんので、
と言われて、爆乳でパイズリさせられた。
忍者のような、黒子のような黒衣から現れるのは綺麗な肌色で柔らかそうな爆乳だ。それで、勃起ちんぽを挟まれてほうっと呻き声を出してしまうが仕方がない。恥ずかしいのでやめさせてもらおうと思ったのが、ここで
「
と凛さんから言われたら仕方がないと割り切る。
そのままずちゅん♡ずちゅん♡ぐにゅん♡ぐにゅん♡とパイズリされて気分と射精感が高まり、射精。爆乳に包まれながらどぷんどぷんと勢いよく乳内射精する。
ぬぽぉっ♡と爆乳から離れたちんぽは見事に元気を失いしなだれる。パイズリした下人はそのまま子種を一滴残らず手で掬って舐めとり、別の下人が僕のちんぽをフェラして掃除した。立ったままなので、腰砕けになりそうであったがそこは別の下人が脇から腕を入れて支え上げてくれたので無理やり立ってる状態になる。尚、その際後頭部に爆乳が当たっているのは言うまでもない。
下人達からお湯で温められた手ぬぐいで綺麗に拭かれ身綺麗にされた後、されるがままに服を着させられる。御三方がそういう方で仕事させてるのか、男の僕でも手短にぱっぱっと着替えさせられた。
あっという間に着替え終わった後、別室の食堂へと向かうことになる。そこで僕らは朝食を取ることになるのだが、気になることがあったので凛さんに尋ねた。
「そういえば、僕の妹達はどうしたんでしょうか?」
僕との御酌を競り落とした三人と、あれやこれやと一晩過ごしたのだが、妹達とは競売会場で別れたきりで会ってない、そのことが気になったのだが大丈夫だと言われた。
「妹ちゃん達はな、天網で沢山遊んでもらってるで」
「ここは様々な遊戯がありますからね」
「尤も、ドはまりして身を崩す奴も多いがな」
そう言われると大丈夫とか言われても不安になって来る、だがその不安を払拭する姿を食堂内で妹達は見せていた。
食堂と言っても、平民が使うような大衆食堂ではなく僕らのような上級貴族が使うような貸し切り場所だ。故に、僕らが向かう食堂「菊の間」には僕らの関係者しかいない。
中に入れば、一同が座布団に正座し綺麗に並んだ状態で、御膳の上にある料理を食べていた。左から東西南北という風に別れており、従者及び側近の数は同数になるようになっている。ちなみに、上座は席が空いてある。綺麗に四つある席は守護当主の席だ。
その菊の間で妹達は、豪勢な食事を元気に沢山食べていた。
「兄様おはようございます」
「「兄上、おはようございます」」
「頼兄しゃま、おひゃようほひゃいまひゅ」
「うん、四人ともおはよう。焔、ちゃんと口の中を飲み込んでから喋りなさい」
妹達は食事の手を止めずに話しかけてきた、一応貴族に連なるために上品な食べ方をしているのは褒められる。しかし、幼い焔はもっきゅもっきゅと食べつつ喋っているのでちょっとだけ叱る。まぁ、幼いからしょうがないだろう。おいおい教えていけばいいだけだ。
妹達の保護者としてそこにいる叔父上は、彼女達の様子に苦笑しながら珈琲を飲んでいた。珈琲は船舶品であるため高級品だ。南方守護と東方守護の一部でようやく栽培できるようになったとそれぞれの当主が説明する。僕もあとで貰おう、前世の味を思い出してワクワクしていた。
部屋の中にある料理が置かれてある膳は、まさしく満漢全席といった様子だ。
肉や野菜などの、炒め物、蒸し物、焼き物などがあり、調味料もふんだんに使われている。輝く白米に、高級な味噌汁。更には甘味までついている。はっきりいって、この場にある高級食材と料理だけで平民どころか中堅の商家の年収は軽く吹き飛ぶであろうくらいの金がかかっている。
その空いてある四つの上座に僕らは座る。四つの上座はそれぞれの守護当主が座る仕来りだ。それぞれの座布団に座り、下座の従者や家人などの食事よりワンランク上の食事に僕らは両手を合わせ頂きますと挨拶をし手を付ける。
高級食材と調味料を使っているからか、大変美味であった。白米は炊き立てご飯だし、口に入れるとふんわりと柔らかく、噛めば噛むほど美味しい。それを流すための味噌汁に口をつけると、こちらも適度な塩味と出汁の効いた味噌汁で大変美味い。豆腐も絹ごし豆腐なので舌触りは柔らかく、若布も海の香りがし、油揚げも美味い。
おかずの塩鮭に箸をつけると、獲れたて新鮮な物に塩を振ったからか油がしっかりと乗っていてこれまた美味であった。塩鮭は大体干物なのがほとんどに対して、これは獲れたての鮭に塩をまぶしたものだからプリプリ且つホクホクである。小鉢に入っているひじき煮もふんわりとした食感で楽しませてくれる。
全てを美味しく頂いたあと、食後のデザートとして饅頭とお茶がやってきて頂く。饅頭もお茶も高級な場所から出来たものなのか、大変しっとりとした甘さで美味しく、お茶もさっぱりとそれでいて程よい苦みのあるいいお茶であった。
そして、僕は叔父上が飲んでいる珈琲をくれと女中に言うと、隣にいる久理子さんが話しかけてきた。
「頼、珈琲のこと知っているのか?」
「ええ、船舶品で大変苦みのある飲み物だと聞いております。興味があるので飲んでおこうかと」
やり取りをしてる最中にやってきた珈琲を飲む。うむ、苦い。そして、懐かしい。
前世で良く味わっていた品物を思い出すかのように噛み締め、味わった事で、ちょっとした涙を流してしまった。そう、涙だ。しばらく会えなかった親友に出会えたような喜びだ。転生して早十六年とちょっと、それまでの記憶を元に調味料などはそこそこ再現しつつも完全ではない。それに、調味料はどうにか出来ることが出来たものの、珈琲といった現物がないとどうしようもない物は逆立ちしても手に入ることが出来なかった。
その喜びを一口また一口と噛み締めるように味わい、飲み干し、感動の涙を少し流した。その涙を見た一同は、どうやら苦すぎて涙を流したと勘違いしたようで、苦笑しながらマレノさんが話しかけてきた。
「あらあら、涙を流すほど苦かったのでしょうか? 頼君には早すぎたかもしれませんわね」
「ええと、まあそうですね。結構苦かったです」
実際は思い出補正と、懐かしさと漸く味わったことが出来たという達成感による感動だが、それを指摘するのも野暮だし理解できないだろうからそういうことにしておく。
すると、涙を流したほど苦い奴を好き好んで飲む僕の姿に感化されたのか、妹達が珈琲を欲しがり、女中に頼んで
「「「「いただきまーす」」」」
一口含み、一同に
「「「「にがっ!!」」」」
と言って苦い表情をしていた、その同調の取れた行動で思わず笑ってしまう。僕の笑い声に、妹達は恨みがましい目を向け
「兄様、こんなに苦いとは思ってませんでした」
「それを涙を流すほど飲むなんて兄上は変わっていますね」
「渋い緑茶とは別の苦さでこれはちょっときついですね」
「拙者、これは苦手でござる!!」
妹達は珈琲に対してそれぞれの感想を言う、焔なんか下げようとしたほどだ。下げるのは流石に勿体ないので僕は止める。
「まぁまぁ、待ちなさい皆。これを美味しく飲む方法があるから」
「ほほう? 頼君は初めて飲むモンなんに美味しく飲む方法思いついたんか? 流石は北土の貴公子やなぁ」
しまった! うっかり前世の知識で飲む方法があるからと口を滑らせてしまった。だが、相手は僕が知ってるというのではなく思いついたという風に解釈したようなので、それに対して乗っかり話を進めることにする。
「ええと、はい。とりあえず牛乳はありますか?」
「牛乳はありますわよ」
「砂糖は?」
「お前さんの北土の砂糖ならすぐ用意できるぜ」
「なら、それらを持ってきてください。美味しく飲む方法を編み出したので教えますよ」
東方守護と南方守護は女中に指示し、牛乳と北土の砂糖を持ってこさせる。そして、僕は一同が一斉に視線を向ける中で、実演して見せた。
「まず珈琲ですが、このまま何も入れていない状態に砂糖を入れて混ぜて飲んでみてください」
言われた通りにして飲むと、守護当主達と叔父上はほうと感心の声を上げた。
「頼君、これは凄いね。砂糖を入れるだけで大分飲みやすくなったよ」
「気に入っていただけたのなら嬉しいです。ですが、それより更に飲みやすくする方法がありますよ。それは牛乳を入れることです」
僕がそう言った事で、珈琲を手にした者たちは同じように牛乳を入れて飲む。すると、皆が皆あっと驚く顔をした。砂糖入れて飲むときも、若干は苦い顔をしていた妹達もわかりやすい明るい顔をしたほどだ。
「兄様、これは飲みやすいです」
「先ほどのと違って」
「段違いです」
「これなら拙者も飲めるでござる!!」
苦い顔して避けてた妹達も受け入れてくれた、そのことがとても嬉しい。
一方で守護当主達は三人で話し合っていた。
「これなら、ウチが牛乳と砂糖を物流で──」
「珈琲豆の生産はこちらが──」
「海運で一気に運ぶのはあたしが──」
その話し合いが気になったので、僕も顔を向けて参加してみた。
「三人とも、何を話し合っているのですか? 宜しければ僕も参加して宜しいでしょうか?」
三人は、話し合いを切り上げて僕に顔を向けて笑顔を向ける。
「いや、頼君恐れ入ったわ。君の発想には脱帽やで」
「飲んだだけで、飲みやすい方法を思いつくなんて流石ですわね」
「ついでにだが、こいつを売りやすい方法はないか? 船舶品なのもそうだが、どうも名前が良くないのか受け入れられないようでな」
「ふむ……そうですね……」
そう言われて考える。名前が宜しくないのか、珈琲をカタカナのコーヒーに書き換えるのもアリだが、それはそれで変な風に思われるかもしれない。となると、僕は別の方向を思いついた。
「我らが扶桑国では茶が親しまれていますよね? では、それに
そのまんまな名前だが、元の名前は僕の好きな戦記小説でよく主人公が親しんで飲んでるのがイメージ元だ。続きを待っていたのだが作者が逝去したのが悔やまれる。
その名前に対して皆とてもいい感触を抱いたようだった。
「ほほう、中々にいい名前やな」
「黒茶とはまた親しみやすい名前ですね」
「それで広めれば売れそうだな」
「頼君、我が領地の茶屋でもその名前で広めてみようか」
「宜しくお願いします、叔父上」
叔父上の提案によろしくお願いすることにする。我が領地で珈琲もとい黒茶の需要が高まれば供給量も増える。そうすれば、僕も沢山飲むことが出来ることになるだろう。
「牛乳を入れた物は
「ほう、中々に雅な響きだね」
「珈琲豆を売りに来た行商人が言っていたので、それを覚えていただけですよ」
ついでとばかりに、先ほどのミルクコーヒーとカフェオレも名前を付けて置いた。こうすれば、次から飲むときに注文しやすくなるだろうという打算がある。自分で思いついたのではなく、流れの行商人のおかげとさりげなく謙遜することも忘れない。
そうだ、豪華な食事を提供出来るならばアレもあるだろうか。
「すいません、パンという食べ物は置いてありますか?」
「パン? 聞いたことないなぁウチは」
「新しい食べ物ですか?」
「ええーっと、南蛮の白人が食べるようなものなんですが……」
凛さんもマレノさんも知らないので、なるべく特徴を言ってみる。すると久理子さんから答えが出た。
「もしかして、洋餅のことか?」
「御存知でしたか!?」
「んー、船乗りで白人というと、南蛮人が良く食べるものがあってな? あたしらが米が主食のように連中はそれが主食で茶色い饅頭というか餅というか、そういうものだからあたしら船乗りの間じゃ西洋の餅だから洋餅って呼んでるんだ」
「恐らくそれです」
「そういや、洋餅をパオンって発音してたのを聞いたことがあるが、そうかお前さんは
「えっと、こちらに行商人が来た時に南蛮人が食べるものとして持ってきた時に紹介してきたんですよ。それが耳に残っていたので覚えていたというだけで、僕が思いついたわけじゃないです」
「なるほどな」
危ない危ない、パンはパオンと言ってるのか。そして洋餅と呼ぶとは中々に洒落に効いた言葉だ。和風ファンタジーさながらといったところである。僕は行商人が思いついたということにして、逃れる。
その様子を見て三人の守護当主達も、笑みを浮かべながら言う。
「頼は洋餅を食べるのも面白い食べ方をするな」
「牛乳砂糖黒茶に付けて食べるのは中々に食べやすい方法ですわね」
「ほんまに、見事な発想がポンポン思いつくなぁ。頼君頼君、君の考えた黒茶と洋餅、それらをウチの出す喫茶店で出してもええやろか? もちろん、発想料として銭は払うでぇ」
「銭を貰えるのなら、こちらも文句はありませんよ。でも、素人の思いつきなので安くて良いです」
「カーッ、ここで安くとるとか優しいなあ! ウチはもう頼君の発想と優しさに脱帽やでぇ♡」
ペシンとおでこに手をやって、おどけたように言う凛さん。此方としても、多少なりとも銭が貰えるのなら文句はない。素人の思いつきなので安めにしておけば関係も良くなるし言うことなしだ。尤も、関係自体は肉体関係を結んだ以上もう結構強いんじゃないかなと思っているが。
話を切り替える。昨晩僕は妹達と別れたが、妹達は何をしていたのかが気になった。
「そういえば、昨晩僕と波羅達は別れたけど、君達は何をしていたんだい?」
「ここの賭場で遊んでおりました」
楽しそうな顔で言う波羅は、懐から大きく実った銭袋を出した。
「闘鶏や競亀に」
「麻雀や賭け相撲」
「どれもこれもが楽しかったでござる!! また遊びたいでござる!!」
双子と焔もそれぞれたわわに実った銭袋を出して胸を張る。とはいえ、素人がそんなに簡単に勝てる物なのか? という疑問もある。すると、念話が飛んできた。
(頼君頼君、今回は楽しませるために妹ちゃん達を
その内容に若干眉を顰めるが、理由を聞かねばならない。
(それは感謝します。ですが、そうした理由は?)
(だって君が御酌してくれた上に抱かせてくれたやろ? それを妹ちゃん達が知ったら怒り狂うやんけ。せやから、それを逸らすためにちょいと指示を出したんや。程々に相手して勝たせるようにな)
それを言われたら今度はこちらが反論できなくなってしまう。
(そうですか、妹達の面倒を見て下さったことに感謝します)
(構へん構へん、愛する君を抱けたことに比べたら妹ちゃん達を勝たせるくらいなんざ屁でもないわ。寧ろこちらが礼を言いたいくらいやで、種付けしてくれたからなぁ)
昨日の痴態を思い出して顔を真っ赤にしてしまう。それに気づいた妹達は
「兄様、顔が真っ赤ですがどうしましたか?」
「いや、ちょっと暖房が効いてきたかなって思っただけだよ」
そう言って、誤魔化すようにパタパタと襟元を掴んで空気の入れ替えをしたら、叔父上を除く女性一同がガン見してきた。危ない危ない、貞操逆転世界だから女が胸をチラチラ見せつけるようなものかと今更ながら理解して慌ててやめる。
そして、話題を切り替えるように僕は守護当主三人に話しかけた。
「あの、僕は剣聖様を探しているんですが心当たりはありますか?」
その名を出すと、ややピリリとした空気になる。特に叔父上は難しい顔をして、僕に話しかけた。
「頼君、師匠を探している理由はなんだい?」
「妹達の稽古をつけてもらいたいと思いまして」
嘘偽りなく言うと、叔父上は腕を組んで難しい顔をする。叔父上は剣聖様から才能を見出されて師事を受けたから、その
「う~ん、君の気持はわかるけど師匠はこう言っては何だけど気紛れだからなぁ。何か気を引く物がないといけないよ」
そう、原作ゲームでも気を引く物がないとダメだった。しかし、その気を引く物を僕はこの日の為に作り上げたのだ。
「そこは問題ありません、何故なら僕が作った清酒「白雪」があるのですから」
「ああ、成程その通りだ!」
ポンと手を叩いて納得した叔父上。
そう、原作ゲームだと剣聖様は無類の酒好きなのだ。それこそ、鬼とタメを張れるくらいに吞兵衛である。あるルートだと、味方に引き入れた紅月蒼月と酒飲み合戦をしていい勝負まで出来たというエピソードがあるくらいだ。
「そうか、君が清酒を頑張って作ったのはこのためだったんだね」
「はい、叔父上から剣聖様の話を聞いて、そして我が領地の発展の為に作ったんです。一石二鳥ですね。ですので、叔父上に話をつけて欲しいのです」
「ははは、我が甥っ子ながら君のことが偶に恐ろしく感じるよ。師匠なら酒を出して拒否はしないだろうしね」
笑いながら言う叔父上に僕は頭を下げて、剣聖様への渡りをつけるようお願いする。叔父上はそれを了承してくれたので、あとは剣聖様を探すだけだ。
すると、凛さんが指を鳴らして側近を呼ぶ。
「
「はっ! 忍びの情報によりますと、天網の近くの凛様が経営してる酒屋に弟子と思われる半妖と共にいるとのことです」
「だそうやで、頼君」
「凛さん、ありがとうございます」
凛さんのおかげで探す手間が省けた。だがしかし、側近さんの言った弟子と思われる半妖という存在が気になる。原作ゲームだと、叔父上は師範代としての皆伝位を貰い妹達に稽古をつけれる存在だが、働きすぎによる過労がたたって早死にするので主人公たる波羅は通常ルートだと中途半端な初伝か中伝までしか教わることが出来ない。
勿論叔父上を生き残らせるようにすれば、中伝より上の奥伝が、桃代姉さんの病の進行を抑えることが出来ればそれに対する礼として皆伝まで覚えさせることが出来る。だが、皆伝より更に上にある極伝は剣聖様から師事しなければならない。
このゲーム世界に生まれた僕は、必死こいて金を集めて叔父上を働かせないように休ませ、桃代姉さんの病の進行を止めたので波羅は皆伝まで覚えることが出来た。だがそれより上を覚えさせるためには剣聖様へと繋がりを持たなければならないのだ。
そして、繋がりを持つ時点では隠居生活且つ剣客商売として生きているので直近の弟子は持っておらず、原作ゲームならば波羅が久しぶりの直近の弟子となるはずだ。
だというのに、既に弟子がいるという。しかも半妖のだ。
剣聖様は強い物と酒が好きで、気に入れば妖魔すら弟子にとると設定資料集に書いてあった。となると、どういうことか剣聖様はその半妖と繋がりを持ち、弟子にしたと言うことになる。
もしかしなくても、原作ゲームのルートから外れているのだろうか? と若干恐怖する。だが、今までのルートはほぼ原作通りだ。若干僕が梃入れしているのもあるから多少の違いはあれどそのままの筈。
考えても埒が明かないので、食事を済ませ、このまま別れようとしたところ、三人の守護当主達からハグとほっぺにキスをつけられる。爆乳に顔を埋められ、紅のついたキスをされて、見事なまでのキスマークが頬に三つもつく。その光景を見た妹達は少し怒った。
「御三方、兄様に馴れ馴れしいですよ!」
「いつのまに」
「そんなに兄上と仲良くなったんですか?」
「頼兄さま、後で拙者にもちゅーしてほしいでござる!」
焔はいつも通りなのでいいとして、妹達が怒るのは理解できる。だがしかし、昨晩はあれほどまぐわったのだ。そのことを言おうか言うまいか悩んでいたが
「そりゃ、昨日は頼君が御酌してくれたからなぁ? ♡」
「色々と持て成してくれたのですわ♡」
「だから、あたし達と頼はもう他人じゃないんだぜぇ? ♡」
三人の方からぶちまけてしまい、ピシリと固まる妹達。
そして、一斉に僕の方に振り向くと
「兄様、後でしっかりと「お話し」ますよ」
「絶対に」
「色々と教えてもらいますからね」
「拙者も参加するでござる!」
「は……はは、お手柔らかに……」
どのような「お話し」になるかは想像つかないが大変なことになるだろうとは予測できる、剣聖様に会うまでに早くも問題が生まれたことに僕は軽い頭痛を覚えてしまった。
足早に逃げるように、剣聖様のいる酒屋に向かう。妹達と叔父上と下人達もそれに付いてきてちょっとした大名行列になってしまった。
そして、目的地に辿り着いた僕は、そこで新たなる出会いがあるとは思いもしなかったのであった。
今月というか今年最後の投稿になります。来年は鬱病が寛解していい方向に変わる様になるといいなと思いながら過ごしております。
皆さまも、来年はいい年になるように祈っております。よいお年をお迎えください。
黒茶と洋餅はある戦記小説が元ネタです。わかった人は僕と握手
宜しければ感想評価お願いします。