和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う 作:ビシオ
後書きに投稿が大分遅れた理由として最近の出来事とか匿名投稿解除についてを書きます。活動報告もご覧になってくださいませ
目の前で愛する兄が泥棒猫ならぬ泥棒狼に唇を奪われた。
最初はいきなりの出来事に呆然としていたが、次第に火にくべた薬缶の如く怒りが燃え上がり、その場から立ち上がって兄様を掴んで引っぺがした。兄様は縮こまった子犬のように呆然としているも顔を赤らめている。可愛い、じゃない、許せない。あの泥棒狼の匂いがついているのが鼻につくので、それを上書きするかのように強く胸に兄様を押し当てる。そして──
「貴様、平民の分際で無礼なッッッ!!!」
──怒号が自然と自分の口から吐き出される。下の妹達もいきり立ち、それぞれが怒気を発している。
対する相手はというと、涼しい顔をしていた。それが、どうしようもなく私達の神経を逆撫でする。
「一目で惚れた男に接吻をして何が悪い」
それどころか、更に煽るようなことを言ってきた。私達の堪忍袋の緒が切れる寸前になり、事実私は切れていた。激情に任せて私は鯉口を切ろうとしたところ、その手は兄様の手によって抑えられる。
「波羅、抑えて」
「ですが兄様!!」
「暴力沙汰は許さないよ」
キリッとした目つきで兄様は言う、格好いい。だが、それとこれとは別である。良く知らない女に、愛する兄の唇を奪われて怒らない女はいないだろう。もし、そんな女がいたら袋無しだ。それを言おうとしたのだが、兄様は察したのか
「波羅、君の言いたいことはわかる。見ず知らずの女性にいきなり僕が接吻されて怒ってるんだろう? 気持ちはわかるけど、これから師匠と姉弟子になる人なんだ。どうか、僕の顔を立てて抑えてくれないか?」
そう言うと、私の中にある怒りの炎もだいぶ収まって来る。私の心中を理解し、ここまで言われると流石に上げた拳を下げざるを得ない。だが、兄様の行動如何によっては実行も辞さない。そういう意思を込めて、私の胸の中に兄様を抱きしめながら見ると兄様は理解したかのように頷く。
とりあえず、抱きかかえてた兄様を降ろすと、兄様が非礼を詫びた。
「妹達が失礼しました」
「いや、詫びるのはこちらのほうよ。面を上げよ」
剣聖様から言われるように兄様は面を上げると、剣聖様はその場で居住まいを正し、
「我が一番弟子である銀は半妖になり立てでな、そして儂の弟子を喰った記憶があるものの世間常識を知らぬのだ。それを儂は叩きこんでる最中ではあるが、まだまだ足りぬ。故に先ほどのような失礼な行動をしたことを、師として謝罪する」
そう言うと、その場で深く頭を下げた。
「失礼なことをしたな、反省している」
忌々しい泥棒狼も先ほどは開き直っていた物の、流石に師が頭を下げるなら一緒に下げるという常識は叩きこまれてるようだ。その場で頭を下げる。だが私にはわかる、狼耳が立ったままだ。本当に反省してるならばしおらしくなってるだろうが、そうなってないということは形だけの反省ということだろう。全く持って度し難い。
しかし、私の気持ちとは裏腹に兄様はそれを受け入れて赦した。
「剣聖様、頭をお上げ下さい。貴方方の謝罪は受け取りました、その上で赦します」
「弟子よ、いや、当主代行殿。感謝いたしますぞ」
師弟関係にあろうとも、公式的な立場では兄様の方が上だ。兄様から聞いた話では剣聖様は中流階級の武家であるものの、本人は剣聖という称号を朝廷から賜っているので、本人の格は上流貴族と遜色ない。だが、それでも四方守護の一角を担う私達の方が上なのである。そういう意味で、敬語を使って礼を述べる剣聖たる師匠に、私達も溜飲が下がる。
だがそれは、剣聖様に対してだ。当の本人に対してではない。相手はというと、謝ったから良いだろうとでも言うような表情でその場で静かに座っている。それが非常に気に食わない。故に、私は
「剣聖様、私は姉弟子にあたる銀殿の実力を知りませぬ。ですので試合を申し込みます」
これから姉弟子になる人に決闘基試合を申し込んだ、そうでもしなければ気が済まないからだ。愛する兄の唇を奪うという行為に対して、ここは通さねば女が廃る。剣聖様も兄様も、それを理解してくれたのかどちらも鷹揚に頷き
「それはそうじゃのう。互いに刀を交えればわかるところもあるじゃろう」
「そうですね、では空いてる場所を借りましょうか」
「それならば、儂の道場が近くにあるからそこでやるぞ、門下生たちに紹介も出来るしのう」
「いいですね、一石二鳥ですね」
「うむ」
互いに理解し、試合をすることになった。
いきなりス〇ーキの如く接吻かまされたら、妹達が激怒して試合することになったでござるの巻。
いや、妹達の気持ちはわかるんですけどね。男女を入れ替えたら自分達の姉が、初見でしかないイケメンに唇を奪われるなんて目撃したら、弟達は脳が破壊されて激怒するのもしゃーない。誰だってそうなる、僕だってそうなる。ただ、この世界は貞操逆転してるから僕がその姉の立場になったわけですが、正直なところ接吻と相手のハグは気持ちよかったです。爆乳に包まれるのが桃代姉さんや伊予さん、三方守護の熟女達に勝るとも劣らない柔らかさと気持ちよさ、そしていい匂いでした。
なんて自分の感想なぞどうでもいい、問題は妹が試合をするということになったのだ。
開けた場所というと、近くにある剣聖様の開いている天地流道場しかなく、そこに全員移動することになった。道場では、剣聖様の弟子達がおり、中には叔父上と同じ師範代である高弟に当たる人もいる。その方々達に、僕と叔父上、そして妹達は挨拶をしに行く。
修行で素振りなどの鍛錬をしていた弟子達は、原作ゲームでは全員男であった。だがしかし、この世界では女性も入り混じっている。
男性の皆は鍛えているせいか筋肉が付いており、ボディービルダーと程まではいかないもののマッチョな男性たちがそこそこいる。無論、中には女性も多く混じっている。比率的には男と女は四対六と言った割合で、女の方が多い。もっと言えば、女性の方が体格が大きく筋肉も太くおっぱいもお尻も大きい。この世界が逆転したのみならず、女性の方が基本的に体格が大きいので一目見るだけで男性より強そうだ。
その男弟子達に、下人などの女性陣は熱い視線を送るものの、当の男弟子達は嫌そうな表情をしスルーするように視線を逸らす。貞操逆転してると考えるならば、スポーツ女子に男子が厭らしい視線を向けるようなものだろう。こうしてみると、やはり貞操逆転してるのだなという実感が沸いてくる。それでも、自身に掛けた暗示のせいで違和感がしこりの様に残っているのだが。
だがしかし、貞操逆転しているのならば、弟子の全てが女性になってないとおかしい。剣聖様も男じゃなく女もとい老婆なら納得できた。だが、現実は道玄も一刀斎も男だ。どこかちぐはぐな貞操逆転だなという印象がある。
故に、僕は今のところ安心できる要素が余りないのだ。このままならば、剣聖様が若返りの秘術を使って波羅を手籠めにする可能性があるからだ。それは道玄についても同じである。どちらも男である以上、妹である波羅だけでなく原作では男だったのに女となってる双子の沙羅と由羅も孕み袋の対象となる可能性が高い。だから、そこらへんを注視して行動しなければならないのだ。
弟子達は、剣聖様の姿を確認すると一様に修行の手を止めその場で礼をし始める。
「「「「師匠、お帰りなさいませ!!」」」」
男弟子も女弟子も一様に礼をするその様は圧巻だ。弟子の数が師範代を思われる高弟含めて三十人程なので、大体学校の一クラスくらいの人数がこの天地流の道場にいることになる。その中でも、女弟子達は曝しを巻いているものの爆乳がぶるんと擬音を出しながら揺れるので目に悪い。
剣聖様は鷹揚に頷き
「一同面を上げよ、新たなる弟子達を迎えることになった」
そして、僕達のことを紹介される。紹介されたら、弟子達は驚き慌てて頭を下げた。
立場的には上から数えた方が早いくらいの貴族が、北方守護当主代行がやって来たのだからさもありなん。公式的な立場では朝廷から称号とこの道場を含めた土地を持つ天地一刀斎は、武家ではあるが所謂中流階級とも言うべき立場だ。無論、剣聖という称号により上流階級に仲間入り出来るものの、それは剣聖様のみである。家族一族、そして道場の門下生は範疇にないのだ、尤も家族一族は妖魔との戦いで全員おらず剣聖様のみとなっているのが悲しいが。
その剣聖様も、上流階級に入れはするものの本人は堅苦しいことが嫌いなのと政治に積極的に関わろうとしないために上流階級との関係は薄い。尤も、この道場は武家や貴族のみならず平民からも素質のある者を弟子入りさせ平等に鍛えているため、その節で上級貴族の弟子も居るにはいる。だがあくまで師弟関係のみを求め、上級貴族だからと口利きをするような政治的行動を剣聖様はしないのだ。する必要がないほど道場の運営が順調なことと、本人の不治の病で寿命が間近に迫っているから上流階級に今更取り入るには遅すぎるというのもあるが。
そんな中で、四方守護の一角がやって来たのだから弟子達も驚きはするだろう。大臣級の公家が急にやって来るようなものである。
前世が平民故にむずがゆさを覚えつつも、僕は声を出す。挨拶は重要だ、古事記にも書いてある。故に、率先して挨拶をした。
「皆様初めまして! 綾絶家の頼と申します。こちらは右から順に僕の妹の波羅、沙羅、由羅、そして親戚筋の赤土焔です。僕達一同、剣聖様に弟子入りすることになりました。新入り故に至らぬところがありますが、これから兄弟子姉弟子の皆様方からのご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します!」
そう言って、率先して頭を下げ、妹達もそれに倣う。頭を下げる僕らの姿を見て、戸惑いつつも頭を上げる門下生達。その中の高弟が一歩前に出る。尤も長身且つ筋肉爆乳爆尻美女だ、銀さんと同レベルと言っていいほどのムッチムチかつ見上げるような体格である。ちんぽに悪い。
「綾絶頼殿、丁寧なあいさつ痛み入ります。某は師範代を勤めており、剣聖様がいない間はここを纏めている
「いえいえとんでもない、僕達一同貴方方の弟妹弟子になるものです。叔父上共々よろしくお願いします」
とりあえず受け入れられたようで、ほっとする。だが、是枝さんが疑問を呈してきた。
「綾絶左門殿は、某を上回る師範です。ならば、弟子入りする必要はないのでは?」
「仰る通りです、僕達は叔父上から手ほどきを受け成長しました。ですが、妖魔との戦いでは力はいくらあっても困ることはありません。そして剣聖様直々に教えを賜る方がもっと強くなれる。そう思って、弟子入りを願うことにしたのです」
そう言うと、相手も納得したようだ。
僕は指をパチンと鳴らし、下人達に物資を持ってこさせるように合図する。それを受けた下人達は、沢山の物資を持ってきた。米俵に季節の果物、肉、魚、野菜等々である。更には、清酒と砂糖もつけ止めとばかりに金品も用意する。
「これからお世話になることと、そして教えを乞う以上対価が必要となります。その代金として、些少ながらこれらの物資や金品を提供したいと思っております。どうか、道場運営に役立ててください」
そう言って頭を下げると、門下生たちは驚きどよめき、そして喜色をあらわにした。牛股師範代もだが、剣聖様も喜ぶ。
「頼殿、北方守護からの支援誠に感謝いたします。全て道場経営に充てさせて頂きます」
「頼よ、師として儂からも心からの礼を言う。朝廷からある程度の支援を受けているとはいえ多いとは言えぬし門下生もそこそこおるのでな」
「いえいえとんでもない、ちなみにですが支援はこれ限りではありません。剣聖様から手ほどきを受ける以上継続して支援させて頂きます」
「そうか、支援を継続してくれるとはありがたい。師として再度礼を言う」
そう言って、牛股師範代と剣聖様は頭を下げて礼を言ってきた。
僕からすれば、有用な武力ユニットが金と物資で支援して手に入るなら安いものである。何より砂糖と清酒交易で儲けた上に、三方守護当主から御酌代兼夜のお勤め代として千両も貰ったのだ。金は貯めるばかりではなくこういう時にガツンと使って経済を加速させ、人間関係を良くするのが僕の目的だ。そうすれば、妹である波羅が当主になった時に楽になるだろうという打算もある。
ただし、兄弟子にあたる男性達には注意を払わねばならない。原作ゲームだと彼らは剣聖様が波羅を犯した後、調子に乗って犯しにくるのだ。無論、貞操逆転してる以上先ほど下人達が兄弟子に熱い視線を向けてそれを嫌がる表情を見せたからその心配はないかもしれない。だが、かもしれないであってゼロではないのだ。そして、波羅だけでなく沙羅と由羅、そして焔までいる。彼女達の処女を守るためにも兄弟子達の動向を注視する必要があるだろう。
僕の場合はというと、姉弟子達から凄い熱い視線を向けられている。それに向かって手を振ると喜色を露わにした。無論、牛股師範代も顔を赤らめている。まぁ、僕の童貞は既に桃代姉さんに捧げたし、伊予さんに三方守護に抱かれまくった。こう言ってはなんだけども女性達に抱かれたのはめっちゃ気持ちよかった。避妊してないことに目を瞑れば、であるが。
ただ、姉弟子がもしかしたら妹達に嫌がらせをする可能性もなくはない。女同士の陰湿ないじめは男以上だと聞く、そのことにも気を付けて行動せねば。場合によっては自分の身体を差し出してでも止めねばならぬ、その覚悟は出来ている。もちろん、避妊をお願いしてであるが。
そして、互いに挨拶は終了した。後は、銀さんと波羅の試合をやるだけである。
道場である故に場所は広く、床も門下生達が雑巾がけをしてるおかげか綺麗だ。床が綺麗ということは、掃除などの意識をしっかりしているし高弟や師範代の教育が行き届いているということでもある。
そして、互いの弟子達と僕ら一行は周囲に陣取り、中心には竹刀を持った銀さんと波羅がいる。
審判役として、牛股師範代が二人の間に立ち
「双方宜しいか?」
「無論」
「はい」
師範代の声に銀さんと波羅が答える。
「では、双方、礼!」
試合をする前の挨拶は重要だ。互いに礼をし、そして手に持った竹刀を構える。お互い、天地流のため構えは中段だ。事前に、殺しは当然無し、目潰しなどの急所攻撃も無し、竹刀に霊力を纏うのも無しなどの
なお、表情を変えてないのは剣聖様、叔父上、牛股師範代を含めた高弟達だけだ。余談だが、高弟達は牛股師範代含めて全員女性である。その中で男性の師範代は叔父上のみだ、それだけ叔父上の刀の才能が高いとも言える証左でもある。
じりじりとした気迫をぶつけ合い、寒気にも熱気にも似たようなのが道場に混ざり合う。銀さんからは寒気が、波羅からは熱気が出ている感じだ。
「始めェッ!!」
牛股師範代の掛け声に互いの竹刀が交錯し、
剣道の試合では無い為、互いに面、銅、籠手などの剣道の防具はつけてない。勿論、ちゃんとした防具はあるものの、天地流は痛みが無ければ覚えないということで置いてないのだ。そこは、他の流派との明確な違いとも言える。じゃあなんで竹刀や剣道道具があるねんという突っ込みは、天正帝が生み出したから、で終わりである。
そして、剣道のように決まった型での攻撃ではなく、実戦のように戦うのが天地流のやり方だ。だというのに、双方は竹刀をぶつけてるだけなのに火花が散っている。それほどまでの気迫ある戦いをしていた。
霊力をモノに通すと、ある意味オーラブレードとなって物体をスパッと斬ることが出来るのだ。一流の退魔師や剣士は武器がない時はその辺の木の枝だけでなく、食べ物の葱や牛蒡を即席の武器として代用したりすることができる。なので、事前の
だというのに、二人の試合は火花が散るほどの威力で打ち合っている。まさに剣戟。これで霊力を通していない素の状態なのだから困る、もし霊力を通していたのならば間違いなく衝撃波がやって来て周囲をかき回していたことだろう。
門下生達は勿論であるが、高弟達も二人の試合で出た火花に驚く。銀さんについては剣聖様の直弟子ということだから、強いのは当然とも言える。だが、波羅に関しては今日初めて見た少女にすぎない。だというのに、銀さんと渡り合えている。その事実に高弟達は驚いているようだ、波羅の事を自分達と同等だと認識したようで、驚いた後顔を引き締めて試合を注視している。
その一方で、僕の傍にいる剣聖様と叔父上は涼しい顔をしながら見ていた。
「左門よ、お主の姪っ子は中々にやるようじゃのう」
「はい、師匠のお弟子さんも半妖とはいえ剣筋がいいですね」
「あ奴は儂が鍛えたのもあるが、弟子の一人を喰ってその記憶を元に剣筋をなぞっている部分もある。未熟なところはあれど、そこは半妖としての力で補っておる。とはいえ、儂が直々に矯正したからの、そこらの凡夫には負けぬよ」
剣聖様の言葉に気になった僕は声を掛けた。
「あの、お弟子さんを食べたとのことですが、そのことに関して剣聖様は思うところはないのでしょうか?」
師匠からしたら弟子を喰われていい思いはしないだろう、そう思って聞いたのだが。
「優勝劣敗、弱肉強食は世の常よ。確かにお主の言う通り思うところはある、じゃがしかしその弟子が弱くて負けた以上は儂からは何も言えぬ」
「はぁ」
「だがある意味、黄泉帰ったとも言える。実際に銀と話したところ、弟子の記憶を全てではないが覚えているようでな。それに剣筋も弟子そのものであったのでな、更に言うならば弟子を喰ってからは人喰いはしてないし平民に迷惑を掛けてもない。ならば、嘗ての師として儂が面倒を見る必要がある。そう思ったのよ」
「もし、彼女が間違いを犯したら?」
「斬る」
僕の疑問に即答した。
それくらいの覚悟ならば、こちらからは何も言うことはないので黙る。剣聖様の言葉を信じるならば、人喰いをせず迷惑を掛けていないと言うのならば、領主の立場的観点から見ても文句はない。それに、剣聖様が面倒を見るし間違いを犯したら斬るとまで言ってくれた。ある意味最高の保護者とも言える、ならば任せても大丈夫だろう。
視線を戻すと、剣戟がもはや剣舞とも言うべき戦いが繰り広げられていた。
互いに舞うように、動き、飛び跳ね、隙を見出して攻撃している。そしてお互い、有利を見出そうと努力している。まるで格ゲーの差し合いのような、それでいて激しい攻撃だ。
銀さんが竹刀で突く、だがそれを波羅は前へと飛び出し最小限の動きで見切り竹刀を踏みつける。それで、体勢を崩した銀さんに体を回転させてその勢いで首元へと竹刀を叩きこむ。が、波羅の竹刀を咄嗟に片手で掴んだ銀さんは竹刀を引っ張る。それに引きずられる形となった波羅の喉笛へと噛みつくように大口を開け──
「それまでッッッ!!!」
牛股師範代の掛け声で、双方動きを止める。
傍目から見たら首元に噛みつこうとしてる銀さんの勝利とも言える。だが──
「この勝負引き分けと致す」
──牛股師範代はそう判定を下した。
どよめきが周囲で起きた。当然だ、傍から見たら喉笛を噛み砕く寸前の動きで止めている銀さんの勝利にしか見えない。だが、牛股師範代は説明をした。
「此度の試合は、あくまで試合である。決して、命を懸けた戦いではない」
これが真剣を用いた決闘であるならば、片手で刀を掴んだ時点で手は切られそのまま首を斬られている。だが、半妖であることを考えれば片手を犠牲にして喉元に喰らい付く位の事は狼はする。つまり、剣士としてなら波羅の勝利、獣としてなら銀の勝利。どちらも互いの全力を尽くした戦いであるため甲乙つけがたい、よって引き分けとする。そう牛股師範代が解説をした。
牛股師範代が剣聖様を見やると、彼は頷き。
「是枝よ、お主も見る目が養われているようじゃのう」
そう言った。それは即ち、牛股師範代の判定を認めたということに他ならない。
双方共に力量を量ったので、これにて試合は終了となった。
互いに礼をし、牛股師範代から握手しろと言われたので渋々ながらも二人はする。そして、握手し互いに
「「次は私が勝つ」」
とだけ述べて、銀さんは剣聖様の元へ、波羅は僕の元へとやって来て抱き着いてきた。妹の爆乳に顔が埋まって苦しい。だが、彼女が悔しがっているのが分かっているので我慢して抱き返す。
「兄様、私の戦い見てくれましたか?」
「うん、しっかりと見てたよ」
「悔しいです」
「うん、惜しかったね」
「次は負けません」
「うんうん」
僕を抱きしめながら、静かに涙を流す波羅の背中を優しくポンポンと撫でてあやす。彼女もそれが嬉しいのか、さらにぎゅっと抱きしめてきた。苦しいけど気持ちいい、だが勃起しないように僕は霊力を必死に股間に送って鎮めていた。
爆乳に埋まって周囲が見えないが、どうにか頭をもぞもぞと動かして隣を見ると、銀さんが剣聖様と話していた。
「師よ、申し訳ございません」
「構わん、互いに全力を尽くしたのならば儂から言うことはない」
「次は勝ちます」
「その意気じゃ」
あちらも、自分が勝ったとは思ってないようだ。同じことを考えているのはちょっと面白いなと僕は思った。銀さんはよく見ると、ケモ耳がペタンと倒れて尻尾もしな垂れているから落ち込んでるのがわかりやすく可愛いと思った。
妹が声を出さずに泣き終え僕を離す。僕は波羅の頭を撫でて慰める。その様子を、見計らった銀さんがやって来た。
「頼、私の戦い見てたか?」
「はい、僕の妹との試合は素晴らしかったです」
「そうか」
僕を静かに見下ろした銀さんは、ひょいと僕を持ち上げると波羅より大きな爆乳に僕を埋めるように抱きしめて
「次は私が勝つところを見せてやるからな」
そう言って強く抱きしめる。おっぱいに顔が埋まって苦しいが気持ちいい、何より体格が子供と大人位の差があるため僕は宙ぶらりんとなる。
すると、僕の後方から殺気が放たれた。言わずもがな、波羅を含めた妹達だ。
「銀さん、兄様を離してください!」
「そうです、兄上は私達のもの」
「貴方は姉弟子として認めますが、兄上を好き勝手するのは認めません」
「拙者も頼兄さまに抱き着きたいでござる!」
「五月蠅い、お前たちばかり頼を可愛がってずるい、私にも弟弟子を抱っこさせろ」
波羅も、銀さんのことを認め敬語を使って言うが、僕を抱きしめることは認めないようだ。というか、沙羅と由羅も認めているのはいいが、僕は君たちの兄ではあるけどモノじゃないんだよなぁ……と思いながらどうしようも出来ずギャーギャーと言い争っているところ、僕は別の誰かに御姫様抱っこで抱きかかえられた。
「双方、お師匠様の前だ、醜い争いは辞めなさい」
そう言って、ニコニコ笑顔をしながらも殺気を飛ばすのは牛股師範代であった。
「頼君を巡って醜いぞ、しばらくは某が預かる」
「そうじゃのう、しばらくは是枝が頼を預かるがよい」
ピシャリと言って僕を抱っこしたまま高弟の座る座布団へと胡坐をかいて座る。その中に僕は赤ちゃんのような恰好で収まってしまう。
流石に牛股師範代のほうが上だと銀さんも波羅達も理解したのか、文句が喉元まで出掛かるも師範代からそう言われ、剣聖様からも援護射撃を受けるとなると銀さんも妹達も何も言えなくなってしまったようだ。そして、今度は叔父上が声を出す。
「皆さん久しぶりですね、綾絶左門です。牛股師範代の代わりに私が音頭を取ります。稽古始め!!」
普段は穏やかな叔父上だが、稽古ともなると厳しい鬼軍曹となるのは僕も波羅達も特訓で身に染みている。叔父上の掛け声に、門下生達は慌てて稽古を再開しはじめる。その様子を、僕は牛股師範代に抱っこされながら見ていた。
銀さんに負けずとも劣らぬ爆乳が僕の身体全体に当たる。お姫様抱っこであるために余計に柔らかさを感じてちんぽに悪い。間近で見ると、牛股師範代も美人の類であるため余計にちんぽが勃起しそうになる、というかちょっとした。おっぱいにちょっぴり我慢が出来ず勃起したちんぽが当たる。
牛股師範代はそれを感じ取ったのか、小声で話しかけてきた。
「頼君、おっきしちゃった?」
「ひゃ、ひゃい、申し訳ありません……」
「ううん、いいのいいの。男らしくて恰好いいよ。偉い♡偉い♡よしよし♡」
波羅や銀さんに語り掛けてきた鬼軍曹のような厳しい声ではなく、姉が弟をあやすような優しい声で話しかけてきて面食らう。そして、勃起したのを褒められて、頭を撫でられて、厳しい時と優しい時のギャップが凄かったのもありさらにちんぽが強く勃起する。
なお、勃起したちんぽは牛股師範代の爆乳に埋まっているため外からは僕が勃起してるのを確認することが出来ない完璧な隠匿だ。
もぞもぞと動いて逃げようとするも完全におっぱいに体が埋まってしまって、そして彼女が逃がさないように抱っこしているので逃げられない。困っていると、剣聖様がやって来て道場主の位置に座り、こちらに話しかけてきた。
「牛股よ、頼はどうか?」
「はい、優秀な男かと」
「そうか、そうじゃろうな。何せ、お主の乳で勃起しておるものな」
剣聖様クラスのレベルになると、僕が勃起してるのが分かるようだ。謝罪をしようとしたところ、
「頼よ、男子たるもの女は孕ませるものじゃ。それが男の義務じゃ……」
男の義務と言ったところでトーンが少し下がり、寂しそうに言う剣聖様。何かあったのだろうか? そう思っていたら。
「後で牛股是枝を抱け、これは師としての命令じゃ」
僕と牛股師範代にしか聞こえないような小声で、だがしっかりとした声で爆弾発言をしてきたのであった。
牛股師範代は喜色を露わにし、反面僕は困惑する。周りが大声で掛け声をしてるから僕らの会話が聞こえないような小声ではあるものの、それでもその内容には驚くしかない。僕は、是枝さんのおっぱいから漸く顔を出して剣聖様に小声で話しかける。
「あの、流石にそれは拙いのでは?」
姉弟子と肉体関係を結ぶなんて、道場としてどうか? そういう意味での問いかけだったのだが
「我等人間は妖魔達と違って数を用意しやすいが、男の数が段々と目減りしてきてのう。だから、貴族だろうが平民だろうが男は女を見て欲情したのならば、それを抱いて孕ませるのは一種の礼儀なのじゃ」
なんというエロゲー世界観、いやエロゲー世界だったわ。
なんて突っ込みはどうでもいい、反論しようとしたところ。
「お主の言いたいことはわかる、じゃがのう……儂もその道を歩んだのじゃ。妻一筋と言いたかった、が、それは朝廷と帝に奏上しても通らなんだ。逆に、僧兵や仏門の尼を抱けと言われて抱いて孕ませるのが仕事だったのじゃよ」
尤も、産んだ子供は全て妖魔との戦いで死んでしまったがのう。
そう寂しく言う剣聖様に、僕は二の句が継げぬ状態になった。
だが収穫がある、彼の言葉で世界が、歴史が少し変わってる事に気づいた。剣聖様は妻一筋であったのが原作ゲームだったのに対して、この世界だと貞操逆転してるからか、種馬として働かされるようだ。そして子供が全て全滅してるというのは共通している。だから寂しい声音をしているのだろう。
どこかが同じでどこかが違う、そう思っていたところ。
「たのもう!! ここに、北土の貴公子がいると聞いてやって来た!! 是非とも会わせて頂きたい!!」
大きな声で、道場の扉をバァーンと開けたのは、巨女の尼僧達であった。
この世界での僧兵は筋肉キャラだ。原作ゲームでも巨漢の男達が薙刀や棍棒を振り回して戦う有用ユニットである。素手で鬼と遣り合えるくらいには巨漢のムキムキマッチョマンであり、仁王像のような強さと風格が素晴らしく頼もしかった。
だが、貞操逆転しているこの世界では僧兵は女性であった、今扉を開けた僧兵のように。
総数が三十人ほどいるが、全員おっぱいも尻も、そして何より鬼と見間違うようなムキムキ筋肉が凄かった。
そこらへんまで原作ゲームと同じなんかい、と僕は心中で突っ込んだ。
この世界の僧兵も鬼も、ブルアカの栗浜アケミやFGOのバーゲストをイメージして頂ければ幸いです。
投稿が遅れた理由は、いつもながらの鬱病もそうですが、初めてskebをしたところ、人生初の依頼が来てそれを達成するのが大変忙しかったのが理由です。人生初の依頼絵でしたが、おかげさまで無事に絵を納品することが出来ました。そして、その金でモンハンワイルズプレミアムエディションを買いました。経済活動に貢献できました。イェイ。
後、久しぶりに格ゲーしたいなと思ってスト6を買いました。SFは4でザンギエフはやったけど5はやってないので大丈夫かなーと思ったけど、4とほぼ同じ操作性だったので、クラシックスタイルのザンギエフで頑張っており現在プラチナ3です。勝つと嬉しく、負けると悔しく、メンタルにいい刺激となっております。RE4も買ったら良リメイクで楽しかったです。全実績解除するくらいやりこみました。
今回の話で連載してほぼ二年となりました。二年も続けられたのは、応援してくださる読者の皆様方のおかげです。
お気に入りが10000超えなど、素人長編処女エロ作品に身に余る多大なご評価で大変恐縮ですがとても嬉しいです。ありがとうございます!!2周年記念で匿名投稿の解除しますのでフォローしていただけると嬉しいです。
こんな僕ですが、これからも、お付き合いのほどよろしくお願いします。
感想評価お気に入りもよろしくお願いします。
活動報告も読んでいただければ幸いです