※この作品はR-18です。

和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う   作:ビシオ

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いつもいつも閲覧感想評価誤字報告ありがとうございます。鬱病でマイナス思考に陥ることが度々ありますが、皆さんのおかげで持ち直しております。

fanbox開設の旨を前話で書いたところ、早速支援してくださる方が出てくれました。本当にありがとうございます。この場を借りて感謝申し上げます。

前話で貼った雄太郎と伊予さんのイラストに評価や感想ありがとうございます。とても嬉しいです。

雄太郎というかオスケモ描くの初めてだったゆえにクレイヴサーガってホモエロゲー(検索閲覧注意)を参考にして四苦八苦しながら描きましたが
「僕はエッチな女の子書きたいのになんでケモホモ描いてんだ・・・」
って虚無に陥ったのは皆さんと僕の秘密です(でもちゃんと経験値になったのでヨシ(現場猫


四十七話 えー流行知らないのー!?キモーイ!!って言われるの地味に傷つくよねって話

 道。

 

 この一文字だけでは、文字通りの道路や通路といった道を考えるだろう。だがしかし、その前に武、華、茶、書、弓、などと言った文字が着くと意味が変わりそれぞれの「道」に個性が出てくる。

 

 武道ならば、勝利を目指すだけでなく相手への敬意と鍛錬を通した自身の精神的成長を目指す。

 

 茶道ならば、心の静けさや客人へのもてなす心、和やかな心と他者への敬意を重視する。

 

 華道ならば、自然への敬意や精神修養、花を通して心を磨くことを目標とする。

 

 それぞれの個性が出るが、共通しているものがある。それは

 

「礼儀や相手への敬意を忘れず、自己研鑽により自身を高みへと昇る」

 

 ということだ。

 

 そして、それらの三道や武道は武家や貴族にとって覚えておくべき重要な事柄だ。様々な道を学んで知識をつけて自身を高みへと昇らせる。その後、他者との交流によって学んだ技術を花開かせ、自身の存在を周囲に知らしめる。

 

 難しく言うとこうだが、簡単に言うならマウント合戦である。

 

 早い話が、自分自身が都で流行してる文化をどれほど学んで身に着けているか、を知らしめるのだ。

 

 これは、僕の前世の現代社会でもあったような、ブームを追ってそれを身に着けてるものがカッコイイ! と見做すのと同じだ。

 

 これに乗り遅れたら

 

「なに、本当か!? 最近の流行知らないのでおじゃるか?!」「帝さえ知ってるというのに!」

「流行知らないのを許されるのは、元服前まででおじゃる!」「帝のお沙汰を待つが良い!」

 

 と指差されて馬鹿にされること必須である。

 

 つまり、流行に乗ってる伊達者になれるかどうかが重要なのだ。

 

 なので、僕と妹の波羅は最新の流行に乗るべく彼女達に教えを乞う事になった。

 

 

 べん♪ べん♪

 

『 人の世百年に伸びにしろ、死の定めは変わりなし

 

 故に人生苛烈に生きろと、(おのれ)の本能叫びける

 

 妖魔を倒して名を上げて、(おの)が伴侶を手に入れる

 

 子を成し家持ち領地持ち、出世街道走りける

 

 (おの)が名を歴史に刻めば、これ人としての誉れなり     』

 

                             べべん♪

 

「そこをくるりと回転よ」

「「はい!」」

 

 と、僕と波羅は師の指導の下で幸若舞を踊っていた。

 

 為人殿の邸宅内にある大広間に僕らは居て、部屋の中心は僕と波羅が躍っており、周囲にはそれを監視指導する貴族の子女達がいるだけでなく、三味線を弾く女中まで用意した本格的な練習だ。

 

 そして、師に当たる人物はというとなんと京極 雅が指導する。彼女自身が流行りの舞や着物を着る伊達女であるため、こうして集会によく呼ばれるそうな。

 

 勿論、彼女自身の歌舞伎としての仕事もあるのでそう簡単に参加出来るわけではない。だが、彼女は僕らに歌舞伎を見せた演目、あれが今月の締めだったようでこうして参加出来たわけだ。右大臣一条殿が文を(したため)て式神に運んだところ、三十分どころか僅か十分の早駕籠で到着した。こう早く到着出来たのも早駕籠だからというのもあるが、左大臣邸が分かりやすい場所且つ『天網』と高級住宅街は近い場所にあったからと言える。

 

 そして、舞を踊る練習をするわけだが誰が師として相応しいかという中で彼女に白羽の矢が立ったわけだ。さもありなん、歌舞伎の千両役者であるから当然と言えば当然と言えた。無論、他の貴族も舞えるし師事も出来るがそれは雅さんが居なかった場合。居るのならば、餅は餅屋というわけでお願いしたわけだ。

 

「しかし、頼君と波羅ちゃんが舞を踊りたいなんてねぇ」

「お手数おかけして申し訳ありません」

「そんなことないわよぉ、私の仕事は終わったことだし、可愛らしいお二人に師事出来るなんて光栄ですからねぇ♪ でも、教える以上みっちり扱くから覚悟して頂戴」

「「はい」」

「そして、私の事は師匠と呼ぶこと、雅先生でもいいわよ」

「「はい、雅先生」」

 

 それを彼女は二つ返事で受け入れて、こうして僕らに指導をしてる。

 

 今こうして練習をしているわけだが、やはり妹の波羅は原作ゲームの主人公である故に飲み込みと昇華が早い。

 

 指摘された間違いをすぐさま訂正し、早くて一度、遅くても三度目で完成にまで持っていける。雅な舞を隣で一緒に踊りながら踊ってるわけだが、兄として誇らしいと思う。

 

 しかしその反面──

 

「んもう、頼君。そこは右足を上げて溜めを作ってゆっくりと下げるって言ったでしょぉ?」

「す、すいません」

 

 ──僕は凡人である故にこうして何度も間違えて指摘を貰っている。

 

「神様に捧げる奉納舞、間違いがあるということは神様に無礼を働くということ。だからもう少し頑張りましょうねぇ?」

「は、はい!」

 

 言ってることも指摘も全てがぐぅの音も出ない程なのは流石千両役者と言ったところか、後は僕が頑張るしかないのだがこうやって襤褸を出して失敗続きである。

 

 それに、僕と波羅の同時の舞を多くの上級貴族や公家が見守っているのだから、余計に比べられてしまう。兄より優れた妹のおかげで僕は自分自身が恥ずかしく思ってしまう、穴があったら入りたい。

 

 ある程度舞の修行をしたら、太陽が真上に上ったために昼餉を取る。左大臣邸で採れた野菜はどれも美味しく調理の味も良かった。ちなみに、甘味もあり饅頭であった。

 

 一服した後は、茶道の修行だった。

 

 茶道もお互い礼を持って接する場所である。故に、所作や言葉などにも気を付ける必要がある。茶道の師は二瓶家の当主、二瓶明美殿だ。役職は内大臣であり、朝廷の内務省長官と言った感じである。

 

 僕が流れで抱いてしまった二瓶明子さんと顔立ちが似ている未亡人だ、というより大臣を輩出している一条、二瓶、三ツ矢家は夫を共有していたらしい。

 

 桃代姉さんが言ってた、貴族や公家は優秀な男を共有するというのを体現している。男が昔と比べて緩やかに減ってしまっているから取っている方法なのだろうが、僕も他人事ではないから気をつけなければならない。

 

 肝心の茶道だが、こちらも僕の可愛くて目に入れても痛くない妹は完璧にこなした。

 

「結構なお点前で」

 

 波羅がコトリと茶碗を置いて終える。所作から何まで文句のつけようがない。

 

 対して僕はというと

 

「頼君、御茶菓子はお茶を飲む前に全部食べなければいけないのよ?」

「す、すいません」

 

 茶菓子だが、僕は厨房を借りて我が領地で生まれた砂糖を使ってべっこう飴を作って振舞った。それはもうみんな喜んでくれた。嬉しいものである。だがしかし、前世でお茶とお菓子は大体一緒に食べるものという記憶が染みついているので、僕はべっこう飴を全て食べなかったのだ。そこを指摘されて真っ赤になる、恥ずかしい。

 

 恥ずかしい物の、言ってることも指導も全てが正しい。それはもう、領地での乳母や先生が教えてくれたものより正確かつ丁寧である。

 

 ここの大臣の皆さんとこうして茶会するより前に、羽林家などの中級下級貴族と繋がりのためにお茶会をした。その時は、相手方からは特に指摘を受けなかったので問題ないと思っていた。だがそれは間違いであったのを今思い知らされている。

 

 立場的には僕は上級貴族に入る、なので中級貴族以下がおいそれと指摘するわけにはいかなかったのだ。それを、立場が同等か上の存在の人達がこうして指導をしている。はっきり言って立場にモノを言わせて間違いを堂々としていたということに他ならない。

 

 社長が堂々と間違ってるマナーを社員が指摘できない構図と一緒だ。まさに裸の王様であったことを気付かされて、二重の意味で恥ずかしい。

 

 そんな恥ずかしい思いをしながらも、指導を受けて矯正して、あれこれしてるうちに夕方になってしまった。

 

「もう、こんな時間になりましたな」

 

 そう言葉を出すのは三ツ矢道江さんだ、役職は大納言であり三人の中では役職という意味では階級が一番低い。だが、右大臣、内大臣、大納言は三家がそれぞれ順番に回してるようなので、役職による身分の差は三人の中ではほぼ無いに等しい。

 

「頼君、君は夜はどうしてるのですかな?」

「夜、ですか? 一人で寝ていますが」

「なんと、それはいけない。男子(おのこ)は添い寝役をつけるものですよ」

「ええっ?! な、なんですかそれは?」

「ここ数十年程から(みやこ)で貴族を中心に流行しているものですよ」

 

 道江さん曰く、昔と比べて男子の出生率が右肩下がりで悪くなっているのは周知の事実だが、一夫多妻制が当たり前とはいえ沢山子を産ませてもまだまだ女が余っている。女は娼館に行けばいいといっても、あちらもあちらで競争が激しくあぶれる女が生まれている。そこから先に生まれるのは、男を巡っての争いや人攫いであり、治安悪化の原因にもなっているのだ。

 

 なので、朝廷の官僚や公家は、妻とは別の添い寝役という手段を取ることにした。

 

 これにより、主人が妻や側室以外の女を抱くことで子供の出産を促進するものであり、人口増加に一役買う方法だ。主人たる男は女を沢山抱くことで出産を促しそこから男子増加も狙えるという寸法である。

 

 文字通り添い寝をする以上、側近が優先されるのは自明の理。そこから順繰りに下に下がっていき、最終的には下人も抱かれるようになる。当然ながら主家に対してかなりの奉公をするのが条件だ。

 

 選ばれた女は忠誠心が上がるのは言うまでもない、これにより御恩と奉公という結びつきを強めると同時に、家老から下人までの忠誠心を手に入れ関係を強化する意味合いもある。更に言うなら、もし正室や側室の子が死亡しても血が繋がってる子が沢山生まれている筈なので家の血筋が途絶えることはない。

 

 正に、女は男から抱かれることで性欲解消によって治安悪化を抑制し、出産も狙えて人口増加をし、扶桑皇国の御役に立てるという方法である。

 

 

 

 思ったよりヤベェ流行が来たな……、どうするんだコレ……?

 

 

 

 と僕が思っていた傍らで、妹は激怒した。

 

「それではッッッ!! 男は種馬扱いではないですかッッッ!!」

 

 そりゃそうだ、先ほど挙げてるのは女性と扶桑皇国のメリットばかりである。デメリットは男が種馬として絞られることだ。それを意図的か意図せず言わずかだったかは不明だが、言わなかったことに波羅は怒った。

 

 その様子を見て、一条晴美、二瓶明子、三ツ矢道江さん達は波羅の怒りを窘めるどころか深く頷く。

 

「波羅さん、貴方の言うことはそれはもう深く理解できるでおじゃる」

「ですが、皇国の人口は年々右肩下がり」

「更に言うなれば、男子(おのこ)が減っているのですわ」

「うっ……」

 

 三人はそれぞれ朝廷の要職を務める身、故にその視点から語る事実を波羅は反論できない。そこに畳みかけるように左大臣である夜鳥殿が言う。

 

「先ほど流行と言いましたが、それは綺麗な上辺。実態は我々朝廷が決めた人口増加政策の一つなのです」

 

 下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦で、沢山女を抱かせればそれだけ男子出生も見込めるのだ。なので、文字通り男を種馬として働かせてとにかく女を孕ませる。そして、比率の減った男子の比率を上昇させる。

 

 朝廷としても、貴族のみならず平民にも増やして欲しいので男子を産んだ女性並びに産ませた男性にも奨励金制度を作って促しているのだとか。

 

「それはっ! それでは兄様はっ……!!」

「左様、男として種馬として女に胤を撒かねばならぬでおじゃる」

「頼君は、北方守護当主の正室の子。血筋としても問題なし」

「それに、守護当主つまり貴族である以上率先して民草に示せねばならないのですわ」

 

「ちなみにでおじゃるが、我等の夫も同じように添い寝役をつけているでおじゃる」

「立法府に勤めている私達が率先してやらねば、不作法であるし示しがつかぬというもの」

「無論、私事(わたくしごと)として言うならやめさせたいし、種馬のような真似もさせたくない。しかし、公事(おおやけごと)として考えるとやらざるを得ない、という状況なのですわ」

 

 言うまでもないことですが、我らは夫を種馬として働かせることに業腹ものですことよ、と締める三ツ矢さん。

 

「ううっ……そ、そんな…………」

 

 反論しようと声を出そうとするも、畳みかけるような重鎮達の言葉に言い返せない妹。何より、立法府の重鎮である彼女らが率先して夫を種馬として働かせてるというのだ。まさにぐうの音も出ぬというのに相応しい状況であった。

 

 重苦しいような空気が流れる、それを切ったのは為人殿だった。

 

「さてと、頼君。そろそろお開きになりますがここ数日の予定はありますか?」

「いえ、僕は特にはないです」

「ならば、我が家に泊っていきますか? 部屋は空いてますし、何より()()()()()君は三道において未熟な点が多々見えます。それらを直し帝に無礼がない様にしなければならぬと考えております」

「成程、ならば泊っていきます」

「あっ!?」

 

 可愛い妹である波羅が驚いたような声を出すが何故だろう? ただ()()()()()()()()()()()()

 

「泊っていかれるのであれば、夕餉を取りましょうか」

「そうじゃのう、些か早いが夕餉にしてもいい時間じゃのう」

「波羅さんも食べていかれますか?」

「…………はい、ご相伴に預かります」

 

 波羅が苦虫を嚙み潰したような顔をしてるが、何故だろうか? とりあえず夕餉が楽しみである。

 

 

 

 

 

 

 

 自業自得、策士策に溺れる。

 

 これほど相応しい言葉はないと私は思うと同時に、失敗したと思った。

 

 兄様を抱くために催眠術で引き金となる単語、「恐縮ですが」。これは年下であり妹である私達が使う事で滑らかに兄様を抱くことが出来た。

 

 だが、それをまさか左大臣殿が使うとは思わなかった。相手は朝廷の要職であるのに終始敬語であるし、立場や身分的にも兄様含めて私達より上だ。なので、遜る言葉を使うということまでは想定していなかった。

 

 狙って、というわけではないだろうが、偶然だったとしても兄様が私達の手元から離れるのは痛い。今晩もしっぽりと寝ようと思ってたし、何なら添い寝役を名乗り出て姉妹全員で子袋に胤を受け止めようと思ったほどだ。

 

 添い寝役は聞けば聞くほど男を種馬にする流行(もとい)政策だ。だが、人口増加と男子出生を狙うという意味では政治的には正しいのは理解できる。しかし、兄様がそれになるというのは納得いかない。なので、そこらの馬の骨を抱かせるよりかは自分達が抱いたほうがいいだろうと思った。

 

 しかしそれは──

 

「頼君、為人殿の所に寝泊まりするのであれば、今日から添い寝役としてだれかを任命したほうがいいでおじゃる」

「わかりました、まだ決めることは出来ませんが寝る前には決めようと思います」

 

 ──三家の親子が熱くねっとりとした視線を兄様に送っていた。どう考えても兄様を狙ってるとしか考えられない。美味な筈の贅を尽くした夕餉も味がしなかった。

 

 夕餉が終わり、私は土産を沢山もらって左大臣殿が用意した牛車に送ってもらうことになった。兄様の美貌と精力を考えると、一日ではなく数日は寝泊まりすることになるかもしれない。その間に姉妹が増えてしまうことを考えると頭が痛い。だがしかし、桃代姉様から兄様が女を抱くことに関して下手な横槍は入れるなと釘を刺された以上、止めることもできようもない。

 

 せめてもの救いは、彼女達の身分がはっきりとして家格的にも見劣りしないのが救いか。

 

「では、兄様。私はこれで失礼します。ただ、心配なので様子を見に来ますね」

「うん、わかったよ。こっちはこっちで波羅みたいに上手に出来るよう頑張るね」

「皆様方、兄様のこと宜しくお願いします」

「もちろんです、責任を持って丁重に持て成します」

 

 胸に一抹の不安を抱えながらも、私は兄様を置いて蓬莱亭へと戻っていった。

 

 同じ男である左大臣殿なら、兄様を大事にしてくれるだろう。そう思って。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~、気持ちいいなぁ~」

 

 カポーンという音とともに、僕は浴場で背筋を伸ばしていた。

 

 左大臣邸はデカイ、だから浴場もデカイ。そして男湯女湯とそれぞれあり、どちらも大浴場であった。大量の従業員もとい下人や家人を抱えているから当然とも言える。

 

 聞いた話だが、左大臣殿も下人も同じ大浴場に入るそうな。但し、暗殺などの不測の事態が起こるのを防ぐために、まずは上位者と側仕えのみ、その次に一段下の身分、その次に一段下の身分、その次に~~、といった風にはいる順番を設けているらしい。当然である。

 

 で、僕は上位者になるためにこうして一番風呂に入っている。男湯も女湯も同じ構造らしいが、蓬莱亭みたいに電気風呂やジェットバスのような機能的な風呂があって楽しい。

 

 ただ、脳裏に浮かぶのは可愛い妹のことだ。玄関で別れたが、僕の方を見て悲しいようなそんな表情をしていたのが気になる。

 

 思えば、何時も妹達がいた。そう考えると、これは僕一人でのお泊りということになる。ちょっとだけワクワク感があるものの、やや寂しい感じがあるのも事実だ。

 

 だがゆったりしている場合ではない、風呂から上がると問題が一つ発生する。それは言うまでもなく、添い寝役のことだ。

 

 僕の世界でも江戸時代の大奥では添い寝役はあった。しかしこれの場合仕事内容が違う。江戸時代の添い寝役は監視や報告などが仕事であり、まぐわうことはない。

 

 しかし、大臣たちから言われた内容はどう見ても抱かれることが前提となっている。

 

 それも、種馬として働くことが前提みたいな言い方であった。

 

 そうなると、僕は彼女達を、右大臣達を抱くことになるんだろうか? 一応彼女達にはこちらが一方的に抱いて処女を散らしてしまったという負い目がある。そのため、彼女らが添い寝役に立候補した場合僕は拒否するのが難しい。

 

 

 彼女らが立候補した場合、親子丼になってしまう…………のか?

 

 

 そう考えると、彼女達の服の上からでもわかる肉感的な体を思い出してしまう。

 

 厚手の服なのに、爆乳と爆尻の主張が激しく移動するたびにそれらが揺れ動く。娘達も大きかったが、親たちは一回り大きかった。

 

 それらを考えると、自身の愚息がムクムクと自己主張してくる。いかんいかん、まだ彼女達を抱くと決まったわけじゃない。第一、僕なんかが抱いていいんだろうか? と、何時もながらの癖として謙遜と卑下が出てくる。セックスは気持ちいいのは否定しないけど、僕なんかが子供作っていいのかなぁと。

 

 作った場合、お家騒動問題とか起きたらどうするんだろうとかうんうん唸りながら入っていると、風呂場の引き戸が開いた。

 

「頼君、失礼しますよ」

「あ、左大臣殿」

「フフフ、為人と呼んでも構いませんよ」

 

 左大臣殿の肉体は白い。白粉のような白さとも言えるし、病気のような白さとも言える。尤も、この白さは原作ゲームでもそうだったしそういうキャラだった。周りの人間も不審に思ってないことを考えるとこれが普通というかエロゲー空間故の不思議に思わないってことなのだろう。まぁ、桃代姉さんのピンク髪や、イヴさんのような緑髪、薫さんのような青髪もあるので今更である

 

 夜鳥為人殿の肉体は、本人の美貌も相俟って美丈夫というに相応しい。

 

 肩幅もがっしりしてるし、喉仏も出ており顔の一つ一つの部位が美しく整っている。筋肉もボディビル程ではないが、胸筋や腹筋などもはっきりと見えており美しい。まさにイケメン、まさに美男子といった感じだ。手ぬぐいで股間を隠しているが、ブツは僕より大きいだろう。

 

 顔の表情、もとい目にハイライトがなく真っ黒な目であることを除けば皆が振り向く美形であろう。ただ、表情というか目が黒く深淵のような深さであっても、彼自身はそのような雰囲気は出さず自然体で振舞っているし、暗い発言をしていないから気にならないが。

 

 しかし、その正体は鵺。

 

 凶妖八将の永遠の二番手として君臨しており、参謀として、鵺としての権能を利用して様々な人間を作成、憑依して扶桑皇国を外と中から浸食していく厄介なボスである。

 

 凶妖八将は入れ替わりは良く起こるが、参謀である彼だけは変わらないというほどに長い間様々な妖魔王の傍に仕えていた。

 

 なので、こうして一対一(サシ)で会話するのはちょっと怖いのである。一体何が出てくるのか、どんな言葉が出てくるのかわからない。なるべく言質を取らないように気をつけねば。

 

 それに、彼の姿を見ればわかるが男だ。つまり、妹達の貞操が危ない。だから僕は、頑張って守らなければならない。

 

 そんな僕の内心を余所に、彼は徐に傍の洗い場に座ってかかり湯を浴びる、そして体を洗い始める。

 

 そして、洗い終わった後僕の向かい側に座る様にして大風呂に入った。

 

「頼君、この度の修練はどうでしたか?」

「やはり自分自身の未熟さを思い知らされました、他の貴族と交流した時は言われませんでしたが、三家の方々から指摘を受けるとやはり井の中の蛙大海を知らずというところでしたね」

「フフフ、そのように自分自身を理解できてるのならば大丈夫ですよ」

 

 そういって、手でお湯を掬って肩に掛けるようにする。流れる長髪が揺れ動く。

 

 因みにだが、僕も彼も長髪だ。僕は肩から肩甲骨あたり位だとすれば、為人殿は腰辺りまで髪を伸ばしている。

 

 これはある種のファッションのようなものだ。平民の男は短髪がほとんどだが、貴族の男子は髪を伸ばすのが多い。僕もそれに倣っている形である。

 

 僕は聞きたかったことを聞く。

 

「為人さん、添い寝役についてですが、そんなにも出生率が、男子の比率が酷いのですか?」

 

 戸籍管理は僕の方である北方守護でもやってはいるし、そこで確認する限りちょっと男子が低いな~程度に思っていた。なので、中央たる都はどうなっているのかを知るために聞く。

 

 為人殿は渋い表情をしながらも答える。

 

「その通りです。戸籍管理で確認をしておりますが、平民も貴族も平等に男子の比率が下がっているのです」

「大昔は普通だと聞きましたが」

「ええ、天正帝が呪いを掛ける前は普通だったようです。ですが、呪いが発動して以降は徐々に下がっていきました」

 

 これは、朝廷が管理してる書物に記された情報(データ)の比較からも判明しております。と最後に付け加えた。

 

 それを聞いて、僕は腕を組んで唸る。

 

 そう考えると、やはり朝廷の出した流行もとい政策である添い寝役、これは人口増加として正しい政策なのだと。

 

 だが、それが妻だけでなく家臣や下人まで抱くとなると、どこのエロゲーだよと思ってしまう。ていうかエロゲー世界だったわここは。

 

 水面に視線を移して唸って考えると、不意に視界が暗くなる。視線を上に上げると、為人さんが傍に来ていた。

 

 視線をその体に移すとやはり二次元キャラというのに相応しい美形である。原作ゲームでも、その美貌で多くの女性キャラを寝取って「都ごと滅べと思った」と思われるほどだったから頷ける。尤もその言葉はイケメン狐連中にも言えることだが。彼らもNTR竿役だったしなあ……。ちんぽでかいし。為人さんも通常時では僕より大きい、ちょっと悔しいでござる。

 

 そう思っていると、為人さんが話しかける。

 

「時に頼君、添い寝役は誰にするか決めましたか?」

 

 いきなり難しいことを聞いてくる。

 

「まだ決めていませんね…………」

「それはいけません、貴族たるもの民草に示すためにも率先して行動せねば」

「それはそうなんですが……」

 

 誰にしようかというか、選んでいいのかとか、僕でいいのかとか、抱く人決めるなんてエロゲーかよエロゲーだったわという風に頭の中がこんがらがるのだ。

 

 エロゲーだったわという部分は当然省いてそのように言うと、為人さんはやや呆れたような表情をして

 

「頼君、君は自分を低く見過ぎです。正直言って君ほどの男を探すのは困難なんですよ?」

「そうなんですかね?」

「そうですとも。それとも…………君は女より男に興味があったりするんですか?」

「ないないないない、それは絶対にありえません」

 

 僕はホモじゃないので速攻で否定する。

 

 すると、為人殿は顎に手をやり考える。

 

「では、女がいいということですね?」

「は、はい」

「その中で、あの三家を選びにくいと」

「ええ、僕でいいのかという感じですが」

「それならば、私はどうでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………………………………………………………はい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 言ってることがわからずフリーズする。その僕の様子を見て理解したのか、為人さんはその場で両手で印を結ぶ。そして──

 

「変身ッッッ!!」

 

 すると、体から妖気が溢れ出す。お風呂のお湯が波打ち、彼の髪の毛が逆立つ。

 

 彼の身体からゴキッ! ゴキッ! と骨の軋むような折れるような音が聞こえると、彼の()()が変形し始めた。

 

 肩幅が男のように広かったのが、女性のように柔らかくなる。胸筋はどんどんと膨らみ、雄っぱいじゃなくおっぱいになり、頭のように大きな爆乳になる、

 

 お尻も男の硬そうな尻が、女性のように柔らかく大きくまん丸なお尻になる。太腿も、筋肉はのりつつも柔らかく太くムッチリとしたものになる。

 

 身長は、為人さんは百八十センチはあったのだが、それが段々と巨大化していき二メートルに達するようになる。

 

 男の象徴であるちんぽは、僕より大きかったのが段々と小さくなり子供ちんぽになったと思いきやそのまま消滅してつるつるの股になった。すると、その股がふっくらと膨らむと割れ目が出来クリトリスも顔をひょっこりと出す。

 

 顔は印を結んだあと両腕で隠していたのだが、それを外すと為人さんの真っ黒に濁ったドス黒いハイライトの無い瞳はそのままだが、目尻も顔立ちも鼻も美女のソレへと変形していた。

 

 

 そう、為人さんは、僕の目の前で、男から女へと()()したのであった

 

 

「あ、貴方は…………妖魔ッッ?!」

「フフフ、流石にこうして妖気を出して変身すれば嫌でもわかりますかね。この姿では初めまして、夜鳥為人(やとり ためひと)改め(ぬえ)と申します」

 

 クスクスと笑いながら、爆乳と爆尻を震わせながら彼、いや、彼女は嗤う。その姿に驚きながら僕は風呂から立ち上がった。

 

 正体自体は知っていた。知っていたのだが、まさかここで正体をバラすとは思わなかった。第一、原作ゲームだとラスボスに近いポジションキャラなのである。今だと時系列的に原作ゲームのチュートリアルみたいな位置である。まさか最初で、ここで正体をだすとは。

 

「さて、頼君。貴方は三家を選ぶのは難しいといいましたね? 子供を作っていいのか、自分でいいのかなどと悩んでいるといいましたね?」

「は、はい……」

「それならば、私と奉仕族のイヴが立候補しますよ♡貴方の子供を孕むために、ね♡」

 

 優雅な言い方で、彼女は両腕を広げる。僕の頭一つ分高かった背は二つ分以上大きくなり、爆乳は僕の頭より大きく太腿は僕の腰ほどもある。お風呂のお湯に混じって、女性の良い匂いとフェロモンのような香りが彼女から立ち昇り、僕のちんぽも天を衝く。

 

 そんな美女を目の前にして、僕は──────────

 

 

 




お読みいただきありがとうございます。

TSとか性転換って、原作だと男だけどこの世界は女だとか、前世は男で今生は女だとか、変身にしても魔法の光で光って変身とかありますよね。

でも、「目の前で男が生々しく変身する性転換ってあったっけ?」って思って、探したものの僕のアンテナもとい検索力が悪いせいか見つかりませんでした。

なので、「ないなら自分で作ればいいじゃない!!」ということで、夜鳥為人というキャラを生み出しました。

この小説作った理由の一つがこれであります。なので、このシーンを出すことができて少し感無量です。

夜鳥為人さんの外見は羽衣狐みたいな感じをイメージしていただければ。彼女の真っ黒な姿、目、真っ白な肌に惚れたんですよね・・・・

とオタク特有の長い口調で説明、お粗末様でした。

次はエロです。エロシーンも、ファンボックスも色々と頑張りますので応援よろしくお願いします。

あと、今後の小説のテストとしてアンケート設置しました。アンケートで頼君の運命が多少は変化します。協力よろしくお願いします

頼君はどうなると思いますか?

  • 皆のスパダリ頼君は突如アイデアがひらめく
  • 仲間がきて助けてくれる
  • 逃げられない。現実は非情である。
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