和風凌辱エロゲーの主人公兼ヒロインの兄に転生したんですが何か違う 作:ビシオ
すいません、都合上エロを作るのが難しくなったのでエロと言いながらエロ出来ませんでした。伏してお詫び申し上げます
頼と波羅の二人が左大臣邸に挨拶に向かい帰ってから三日程経過した時、式神からの文が飛んできた。
「姉上、左大臣殿からの文です」
「間違いないのか?」
「はい、この鴉を見ればわかります」
式神からの文を受け取った沙羅と由羅はそのように述べ、異母姉である波羅に式神を見せる。
「ふむ、家紋があるからそのようだな」
見た目は只の鴉だが、胸辺りに白い紋様が描かれていている。紋様は夜鳥為人殿の家紋であるため、彼からのというのが一目でわかる。鴉も非常に精巧な出来だ、ぱっと見では本物と変わらないだろう。式神とは霊力を込め粘土のように形を変化させる事が出来るが、霊力の込め方次第で形や大きさを術者の自由に変えることができる。端的に言えば、術師の力量によって左右されるのだ。
つまりこの精巧な出来具合からすれば、左大臣殿お抱えの退魔師ではなく本人が作ったと考えるのが妥当だろう。一羽の鴉を本物そっくりに作ることが出来ると言うだけでも左大臣殿の術師としての腕前が理解できるし、本人からの文となれば重要度も上がるのだ。
退魔師は式神で腕を量ることが出来る、と頼に桃代そして波羅達の教師は良く言っていたがそれをこうして目の当たりにすれば否応なしに理解できるというものだ。単なる手紙のやり取りだけでも、こうして力量を見せ合い測りあうことが重要だと教わったがその通りだと彼女らは思った。
鴉の式神の咥えた文を受け取って開くと、文だけでなく四枚の札が入っていた。その札を片手で持ちながら、開いた文を流し読みする。
「姉上、文にはなんと?」
「うむ、どうやら兄様が歌舞伎を演じるようだ」
「なんと」
「どうして頼兄さまが演じるのでござるか?」
「何でも、この三日の間に仕込んだ作法を歌舞伎によって全て表現してみせる、と書かれてある。この札は招待状だそうだ」
一緒に入っていた四枚の札は、波羅達が天網で見物した歌舞伎と同じ
つまり、我々の世界であるコンサートやライブのチケットの本人確認を術式で判別するということだ。我々の世界だと運転免許証やらマイナンバーカードやらでかな~~り手間がかかる。それらを本人の生体反応による判別でやってるのだから、ある意味我々の世界より発展しているとも言える。
「この四枚の札で認識するようだから、それぞれ認証しておこう」
「ええそうですね」
「早速認証しましょう」
「しかし、頼兄さまの礼儀作法が歌舞伎とはどういうことでござる? よくわからないでござる!」
各々が札を持って自分の生体情報である霊力を流し込みつつも、焔の言葉に確かにそうだと首をかしげる。礼儀作法や茶道や華道などの全てが歌舞伎に何故繋がるのかは理解できない、だがそう書かれてある以上参加しない理由はない。何より、兄に会いたいという思いが強かった。
この三日間、彼女達は非常にヤキモキしていた。
然もありなん、愛する兄が自分達の傍から離れたのである。自分達が利用していた暗示単語を、
それだけなら良かった、と言いたいところだったがそうも行かなかった。
泊るだけならまだしも、その前に添い寝役に付いての話が合ったのである。間違いであって欲しいが、朝廷の政策として人口増加のために添い寝役を必須にさせる云々について話し合ったのだ。つまり、確実にこの三日間頼は右大臣らに抱かれている。
その話を、沙羅と由羅そして焔は波羅から聞かされた時蒼褪めた。
それはそうだ、愛する兄が百歩譲って外泊するのは良しとしても、添い寝役として誰かに抱かれていると聞かされて喜ぶ女はいないだろう。
双子は姉に思わず三度も尋ねたほどだ、左大臣の言葉に
だが現実は非情であった。左大臣の言葉に暗示ワードが混じっている以上、兄の行動を止めることは出来なかった。自分達が頻繁に利用して彼を犯しているからこそ、その催眠の強力さを理解していたからだ。
双子も焔も、波羅の茫然自失とした報告に愕然とした。
焔なんかは、思わず波羅に掴みかかった程だ。身長差があるため、彼女の袴を掴む形になったが必死の形相で──
「な、何故でござるか?! 波羅姉さまがすぐ傍に居ながらっ! 何故止められなかったでござるかッ?!」
「そ、それは……」
可愛い従妹の問い詰めに対し、波羅は苦虫をダース単位で嚙み潰したような表情で耐えるしかなかった。その従妹の問い詰めを双子は止めた、彼女の両肩にそれぞれが手を置いて
「焔、やめなさい」
「姉上は何も悪くないです」
「でっ、ですがっ! 双子の姉さま方は何も思わないんでござるか?!」
従妹の矛先が双子の自分達に向く、だがそれを二人は双子さながらのシンクロした首振りで否定する。
「勿論思いましたよ? ですが、姉上の話とその場の状況を考えると」
「止めること自体が、私達にとって最悪の状況を引き出していたことでしょう」
「ど、どういうことでござるか??」
疑問符を浮かべる焔に、双子は諭すように説明する。
まず添い寝役だが、朝廷の政策として出してる以上貴族である自分達が拒否することは不可能だ。昔からお家存続のために一夫多妻なのは当然だし、忠誠心の高い家臣に褒美として子種をやるというのもこの時世を考えれば道理にかなっている。
通常ならば、名誉と実利は天秤であるため両立は難しい。だがこの場合、主君に抱かれるという名誉と子を孕むことが出来る実利の両方を兼ね備えている。大昔から男女の貞操が逆転し、教育典範によって女は子を孕み育てることこそ至上と教え込まれて常識となっているこの時世の事を考えた施策であるため、猶更に効果的な政策である。
次に、頼の外泊を止められなかった事だが、これはもうしょうがないとしか思う他ない。左大臣殿の言葉に暗示ワードが
「あの場で外泊を止めていれば」
「私達の立場がとても危うくなってたことでしょう」
「く、詳しく教えて欲しいでござる」
これが都に上洛して頼が最初辺りに交流してたような、下級貴族であるならば問題なかった。波羅が無礼だと言って、止めることが出来ただろう。だが、今回の会合は朝廷の重鎮達が集まる場所である。今までの下級貴族とは、文字通り家格も何もかも違うのだ。
それに、政治的に考えても中央と繋がりを持つことが出来ると考えると悪くないのだ。子を成すということで強固な繋がりとなり、横槍を防いだり政治的に援護してもらうことを考えると意義のある外泊だ。桃代からも、「信用できる人に頼君を抱かせるのはいい」と言われたことも関係している。右大臣らのような重鎮達は家柄も家格も最上級に値する、故に頼を抱かせて子供を作って縁戚関係になるのは悪くないどころかとても良い。
止められなかった事については、寧ろ止めたらそこから疑問を抱かれることになるだろう。左大臣の頼に対する指摘は正しい物であるし、礼儀作法を泊まり込みで学ぶのも頼の為になる。仮にその場で止めた場合、礼儀作法は彼女たち以上の存在を引っ張ってこなければならなくなってしまうからだ。
そうなった場合非常に無礼であるし、止めた理由も話さなければならないが、その理由すらも苦しい物となってしまう。
添い寝役は彼女達の子女か彼女達自身かはわからないが、頼が彼女達と添い寝することを、つまるところ子を成すことを波羅が止めた場合、当然理由を話せと詰められるのは想像に難くない。
「もしそうなった場合、姉上は彼女達からこう言われるでしょう」
「『礼儀作法の指導並びに添い寝役として、自分達以上の存在がいるのか?』と」
「そ、それは……」
まだまだ未熟ではあるが、焔も頼や家臣から当主としての立ち回りを教わっている。故に、双子の説明に対して反論が出来なかった。
それはそうだ、右大臣や内大臣に大納言以上の存在を引っ張ってこいと言われたら無理という他ないだろう。それに、拒絶するということは彼女達と繋がりを持ちたくないという意思表示になる上に、重鎮の子女と婚姻関係になるのも拒否することになり、政治的な摩擦となってしまうことは言うまでもない。否、摩擦で済まず一発で大炎上することになるだろう。
そうなった場合、綾絶家という北方守護総代が危機に陥るだけでなく焔の家である赤土家を含めた傘下の大名達に迷惑が掛かるのは言うまでもない。頼が必死になって開発して順調になっているのが、添い寝を拒否しただけで止まってしまうことになったら一族から吊し上げを喰らうのは目に見えている。
「そこから深堀されて、兄上に催眠掛けていることが発覚したら」
「私達は一気に窮地に陥ります」
「うぅ……た、確かに」
腹違いとはいえ実の兄を好きすぎる余りに催眠掛けて逆レイプした、十分すぎる
もしそうなったら、正妻である桃代を怒らせることになる。つまり、自分達は明日の朝日を拝めないのは確実だ。
朝廷の政策としての添い寝役、暗示ワードが混じったこと、その場の状況は朝廷の重鎮達が集っていた、指導役には彼女達以上の存在はなかった。もはやこれらは、
そこまで説明して理解したのか、焔は波羅の袴に掴みかかっていた手を解いて
「波羅姉さま、申し訳ないでござる……」
と素直に謝罪した。波羅は首を振り
「気にしないでいい、お前の気持ちは良くわかる。何より、あの時私は何も出来なかったのは事実だからな。私自身が非常に悔しい思いをしたし、立場が逆ならお前のように詰め寄っただろう」
と、従妹の謝罪を受け入れ自身の心情を吐露した。
「とりあえず、年長者である」
「叔父上にもきちんと報告しましょう」
「うん、それがいいな。早速行こう」
「報連相でござるな!」
双子が叔父上に報告するべきとの進言に波羅は頷き、焔も同調した。彼女達の兄が「報連相は大事だよ」と言っていたことだし、何より年長者且つまとめ役でもあるのだ。叔父である左門に報告しないという選択肢はなかった。
報告しに与えられた個室へと向かい、
その結果──
「今日の分は、これで勘弁してあげよう」
──四人は、頭に漫画のようなたん瘤を作って白い煙を上げて倒れていた。
やらかした事が事なのだ。左門は彼女達が甥に対して催眠を掛けて肉欲を発散してるのは知ってるし、止めたくてもこの世界の女性の性欲は強いから泣く泣く黙認するだけに留めている。娘である桃代に告解した時も許された事から、彼の体をよく労わるように。と、忠告するくらいしかできない。
だが、今回の事は流石に怒らなければならない。
自分達が掛けていた催眠を
勿論、双子が焔に説明したような政治的利益と断った場合の損失なども理解している。中央との繋がりが出来るのは悪い事ではないし、子女と婚姻するならば家格が上の方がいいのは当然だ。泊まり込みで修練するというのも、頼にとって悪い話ではないし添い寝役についても断る理由が一切存在しない。
それらの事を鑑みても、やはり彼に掛けた催眠を利用されたという点だけは頂けない。
「君達、今回は
「「「「はい、御叱りと罰は御尤もです」」」」
今回は上手い方向に流れたから良かったものの、これを悪用されたりしたらどうなっていたか、そもそもの元凶として妹達が兄に催眠掛けなければ起きなかった事なのだ。それらを懇々と説教した。彼女達も、それを理解したので左門の拳骨を甘んじて受け入れたのである。
ちなみに拳骨は霊力を込めた。本来ならば只の拳骨なのだが、頼は彼女達に対して甘いので催眠を掛けたことを告白しても叩いたりしないだろう。だから代わりとして叔父である自分が叱らなければならぬ、という意味を込めて力強く頭に拳骨を落とした。
余りの痛さに失神しそうになりつつも倒れてる状態からノロノロと立ち上がり座りなおす姪達を、見下ろしながら。
「今まで彼に催眠を掛けて色事にかまけて色々と疎かにしてるだろうから、頼君の指導が終わるまで師匠と共に君たちを扱く。覚悟しなさい」
「「「「……はい、わかりました」」」」
そう言って、左大臣からの文が届く間彼女らは門下生と共にみっちりと扱かれた。文字通りの血反吐を吐き青あざを作りながら、彼女らは指導を受けた。実際問題頼との交尾にかまけて疎かになってたので、ある意味丁度良かったとも言えた。
そして、三日が経ちこうして文が届いたので四人は文と札を持って、左門のいる部屋へと向かい挨拶する。
「叔父上、左大臣殿から文が届きました」
「拝見しよう」
渡された文に目を通しながら尋ねる。
「ところで、入場券は四枚だけだったのかい?」
「はい、文にも書いてあるように『男禁制の裏歌舞伎』と書かれてあるので」
「ふむ……、なら仕方が無いか」
『男禁制の裏歌舞伎』とは、我々の世界でいう「成人映画」「ポルノ映画」「ピンク映画」などに該当する物と思ってよい。
この世界の歌舞伎役者は全てが女性である、頼の前世日本では様々な諸事情で男が演じる「野郎歌舞伎」となった。それと同じ且つ男女比率が徐々に崩れてしまった事、男を巡って血生臭い争いが多発したこと等により一旦禁止令が出された。が、役者全てを女性にすることで禁止令を解除された。大体が、前世日本で起きた事を男女逆転したものと思えばよい。結果、「野郎歌舞伎」ならぬ「女郎歌舞伎」となったのだ。
その上で、遊郭で男娼を買う事よりも上級な娯楽として物語を楽しみながらも性的興奮を覚えるものとして生まれたのが「裏歌舞伎」である。ポルノ映画を歌舞伎にしたと言えばご理解頂けるだろう。
そして、男禁制なのは女性向けのポルノ演技で男が居たら襲われるからだ。飢えた猛獣達の中に肉を放り込むようなものなので当然っちゃ当然である。なので、四人の妹達に与えられたのだ。
「私が参加出来ないのはしょうがない、だが裏歌舞伎に頼君が出ると言う事は性的な事をする可能性が高いだろう。もし酷い事が起きそうなら止めなさい」
「「「「はい、わかりました」」」」
男である左門は参加出来ないので、彼が酷い事があった場合その場にいないので止めることは不可能、なので演目を見物できる彼女達に委ねるしかない。
そして、彼女達が部屋を出ていった後、左門は一人思想に耽る。
思うのは可愛い甥が言ってたことだ。
──叔父上、僕の好きな言葉に「偶然は二つまでは許す。しかし、三つも重なったら偶然とは思えない。何らかの必然がある」って言葉があります。
甥は見た目と年齢に反して大人びている、まるで前世があるのかと思えるほどだ。この言葉を言ったのは、波羅が数年前に中妖退治に初陣に向かった時だ。その時、彼は妖魔退治を依頼する親族に対して規模や種類種別、大妖か中妖かを尋ねたが要領を得ない返答をされた。
その後、すぐさま身支度と装備を整えて彼女を救出に単身向かったのだ。
余りにも危険な行為だった、敬愛する兄の嫡子でありながら単身突撃するなど! そのことを問い詰めた時に上記の言葉を言ったのだ。
被害で妖魔の規模が分かるはずなのに答えない、種類や種別もわからない、大妖か中妖かすらも曖昧。二つまではいいが三つも重なると危険だと、特に最後は重要だったのにそれすらわからずに退治に向かうなど自殺行為だと。
その結果、彼の妹である波羅が危うく大妖に殺されかけるという事態になった。彼の疑惑とそれに対する解決としての行動は、正しかったのだと示された。
そして、彼自身が独自に調査し報告を上げた親族は双子を当主に擁立しようとする派閥に所属していた事が判明し。波羅を始末した後、双子の後見人として収まり傀儡として操るという策謀を見破った。
其れだけで済まず、今度は逆に波羅を当主に擁立する派閥がほぼ逆のことをして、妖魔退治に向かわせた双子を大妖に始末させようとする策謀が起き、今度は妹の波羅と共に救援に向かって無事に退治と双子の守護を両立できた。
それぞれの派閥の親族を処罰し、一族が分裂しかかったのを兄である右門が嫡子であり男子である頼に代行として置き、そして頼の言葉から当主を波羅に正式に譲ると公言し、双子も姉を支えると言うことも公言させた。
綱渡りではあったが、甥の活躍でそれらを阻止できたし一族の関係も険悪にならずに収まった。
甥の言った、偶然が重なり続けると必然になるという。それによって疑問を持ち行動し、結果陰謀を暴けた。
其れは奇しくも今の状況に当てはまっていたのだ。
「左大臣殿に挨拶に向かう事、添い寝役としての人口増加政策、朝廷の重鎮達が集っていた、指導役には彼女達以上の存在はなかった、そして指導するための泊まり込み、見事に重なっているな……」
余りにも重なり過ぎている、そして言葉には出さなかったが極めつけは
色々と活躍して北土の開発を推し進めていたから、間諜で頼の事を調べておくのは不思議ではない。だがもしも、暗示単語が偶然混じったのではなく
疑惑が絶えないが、これ以上出来ることがない。強いて言えば──
「娘に手紙を送るか」
──親戚が中央に出来るかもしれない、という事を認めて愛する娘に送るくらいであった。ついでに、彼女達をみっちり扱いてくれとも付け足して。
エロに行けなくて大変申し訳ございません。
次話で歌舞伎エロって感じにします、あと有難いことに読者の方からskebで「紅月描いてください」と依頼受けたのでそれと一緒に投稿したいなと思ってます。
偶然が2つ迄云々の元ネタわかった人は僕と握手!
いつも応援ありがとうございます、欝が思った以上に酷くてギリギリでしたが間に合いました。本当にありがとうございます。皆さんのおかげです