※この作品はR-18です。

今宵の月は   作:Fulikake

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第12話

いい匂いがする……

「……」

目を開け、ぼんやりした頭で記憶を遡る

 

「...はぁ〜やらかした」

お酒を飲んでもしっかり記憶が残る私は、脳裏に年甲斐もなく泣いた事や、好き好き言いながら奈緒ちゃんに甘え抱きつく自分が浮かび上がってきて頭を抱えた

 

 

『あ!プロデューサーさん起きましたか?』

ぴょこっと扉から姿を見せる奈緒ちゃん

『ご飯できましたよ、食べましょう』

「おはよう...ありがとう...」

 

「あのさ、奈緒ちゃんさっきはごめんね」

「私酔っ払って羽目を外しすぎたというか...痴態を晒してしまったというか...」

気まずくなって目線を下げる

 

『私、全然気にしてませんよ?逆に甘えてくれたんむっちゃ嬉しかったんで』

クセになりそうやわ〜とニコニコしながらお皿に焼きそばを盛り付ける奈緒ちゃん

 

これじゃ、どっちが年上かわからないな...とため息をつく

 

 

 

 

夜、ベットに横になりながら奈緒ちゃんと会話する

『明日からまたお仕事ですね、』

「そうだね、頑張ろうね」

『お仕事終わってもプロデューサーさんと一緒に居れる思うたら俄然やる気出てきます』

「本当?嬉しいな」

『家帰ったら色んな事できますし』

「うっ...」

自分の体力が心配になる

 

『なぁなぁ、手ぇ繋いで寝てもええ?』

「もちろん」

『おやすみなさい』

「うん、おやすみなさい」

 

 

 

『おっはようございますー!!』

開口一番大きな声で挨拶をする奈緒ちゃん

「おはようございます〜」

私もみんなに声をかける

 

『あ、プロデューサーさんおはようございます』

「おはようございます、小鳥さん

2日間もお休みありがとうございました」

深々と頭を下げる

 

『いいんですよ〜、奈緒ちゃんも元気になったみたいですし』

視線の先には忙しなく動く奈緒ちゃんがいた

 

『早速で申し訳ないんですけど、奈緒ちゃんにお仕事のオファーがあったんですよね』

体調優先で断っても大丈夫です、と続ける

 

「どんなお仕事ですか?」

いつの間にやら戻ってきた奈緒ちゃんが私の横に立つ

 

『小鳥さんおはようございます!』

『奈緒ちゃん、おはようございます、もうすっかり元気ね』

『はい!プロデューサーさんのおかげで!』

な!と顔を見られるが

「あはは……」

と未だに痛む腰を支えながら苦笑いしかできなかった

 

「それで、お仕事のオファーとは...」

『そうそう、温泉街でのロケなんだけどね、温泉レポと周辺の観光地ロケもあるみたいで3泊4日のお泊まりで撮影するみたい』

「なるほど、」

『奈緒ちゃん、出来そう?』

小鳥さんが心配そうな目で伺う

 

『はい!全然大丈夫ですよ!』

 

『...そのロケの同行人ってプロデューサーさんにしてもらえたりします?』

私の腕を組む奈緒ちゃん

 

「スケジュール確認してみないと……」

『私プロデューサーさんと一緒じゃないと嫌です〜』

『あらあら、すっかり仲良しね

何とかプロデューサーさんと行けるように調整してみましょうか』

 

あれ?これやばい流れでは...

 

『やったー!プロデューサーさん、温泉楽しみやな』

 

私に向けられる笑顔を純粋な気持ちで受け取ることが出来なかった

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