『おぉー!ソファー広っ!景色もええやん!』
3泊お世話になる宿へ着いた
「本当だ...!凄い」
先方の計らいで露天風呂付リゾートホテルへ宿泊することになった
高級そうなお部屋で恐縮する
「とりあえず、荷物置いて打ち合わせに行こうか」
初日の今日は移動と打ち合わせだけなのでゆっくりできる
『プロデューサーさん!露天風呂入りましょ〜!』
夜ご飯を食べ終わり、体を休めていると声をかけられた
「うーん...」
『なんでそんな警戒しとるんですか』
「野生の勘...」
『失礼やわ〜、私そんなどこでも襲う女やないですよ』
わかりやすく頬を膨らませた奈緒ちゃんは2人分の飲み物を持って露天風呂へと向かった
しょうがない、と私も後に続いて露天風呂に入る
『プロデューサーさんっ』
奈緒ちゃんが隣に寄ってきて肩が触れ合う
「奈緒ちゃん、明日は仕事なんだからっ……」
さっきの言葉はなんだったんだ...と思いつつ
阻止しようと手を奈緒ちゃんの方へ向けたらそのまま恋人繋ぎをされた
『わかってます、せやから…』
『今日はキスだけ』
下唇を唇であむあむと挟まれる
「...っ!」
と思ったら挟まれた部分を舌でなぞられ、なんとも言えない感触に背筋がゾワッとする
同じように上唇も弄ばれたあと、やっと口内に舌が侵入してきた
「んっ」
『舌、動かして...』
動かす...どうやったらいいのかわからないんだよなぁ...
とりあえず、奈緒ちゃんの舌に触れてみるも恥ずかしくなってすぐ引っ込めてしまう
何度かそれが続いた
『...プロデューサーさんってキス下手ですよね』
「そんなハッキリと……」
いや、まぁ本当の事だけど...
『今日で上手くなりましょ、』
「えっ...」
『舌出して』
舌が重ねられる
「ぁ...」
思わず引っ込めてしまう
『逃げちゃあかん、ちゃんと動かさな』
逃げられないように指で舌を挟まれて舌を再び重ねられる
「〜っ!」
恥ずかしい...
ぎこちない動きで奈緒ちゃんの真似をする
ちゅっ、くちゅ...、
『はぁ...ッ』
「あっ」
静まり返る外の中私達の吐息と、水音だけがやけに耳に響いて恥ずかしくなる
『ん、上手...』
褒められて嬉しくなる
角度が変わり再び口を重ねられる
「はぁ...奈緒ちゃん……暑い……」
しばらくキスをしていると呼吸がしずらくなってきた
『ん...私も熱いですよ』
「...じゃなくて...のぼせそ……」
『わああ!プロデューサーさん!大変や!水飲んで』
頭がぼーっとして体が熱いのはきっと、のぼせているからだ、と思った
クーラにあたり水を飲んでいると体調が良くなってきた
『プロデューサーさん大丈夫ですか?』
「うん、大丈夫!心配かけてごめんね」
『良かったです……』
おずおずと浴衣の袖を掴まれる
『私、まだちゅーしたいです』
「...!」ドキッ
見上げるような視線に、とても可愛いと思った
そんな喉元まででかかった言葉を必死に飲み込んだ
『あ、もちろん変な事はしませんよ』
「わかった、信じる...」
ベッドに移動して向かい合って座る
『今日は、その...ちゅー以外しないんで激しなっても許してくれますか?』
また上目遣いをされる...
「キスだけなら大丈夫だよ」
キスで激しいっていってもたかが知れてるし、あんな表情を見せられたら断れない
『ッん』
「あ...んぅ」
さっきの練習通りに舌を動かす
私だいぶ出来てきたんじゃないかな?と得意げになっていると
ぢゅッ
「〜ッ!」
舌先を甘噛みされながら吸われた
「あっ…」
え?なにこれ、気持ちいい...
水分が全部吸い取られるのではないかというくらい何度も吸い付かれる
間髪入れず次に口内をゆっくりなぞられる
「はっぁ……」
あまりの緩急に体が反応してしまう
『っは』
口が開放されたかと思うと
ちゅっちゅっと唇に軽く触れるキスをされる
このキス、可愛くて好きだな...と思った
唇を指でなぞられて下唇を軽くこじ開けられる
ふにふにと触られ続け、キスしないのかな?と目を開けると
奈緒ちゃんがニヤニヤと楽しそうな顔をしていた
『プロデューサーさん、されるがままで可愛い』
『キスされるの待ってました?』
かっと顔が熱くなる
「そんな事な…っ」
言い終わる前に口を塞がれた
吐息も漏れださせないくらいにしっかりと重ねられた唇は呼吸の仕方を忘れさせるほどだった
直ぐに苦しくなり口を離そうと後ろに体を引いたが、頭と腰を掴まれ奈緒ちゃんの方へぐいっと引き寄せられ逃げられない
「〜っ!」
離して!と手で奈緒ちゃんの肩を押すも、体をがっちりホールドされて全然動かない
それどころか私の方へ体が寄ってきて、体勢がキツくなる
腹筋が限界になり後ろに倒れてしまった
「ッはぁ……はーッ」
倒れた衝撃で離れた口から酸素をこれでもか、と取り込む
『……』
呼吸が落ち着いてきたなと思ったら指で口を少し開けられながら奈緒ちゃんが近付いてくる
「んぅ……ッ!」ゴクッ
唾液が流し込まれる
驚いたが反射的に飲み込んでしまう
そのまま両手で頬を挟まれてキスをされる
『舌、動いてへん』
「あ…」
そんなのもう考えられないよ、と思いながら動きに応える
「あっ……は、あ...」
奈緒ちゃんが言ってた通り私、本当にされるがままだなと思った
でも別に嫌な気はしない
「んぅ...」
首を持ち上げられてキスをされる
ずっと我儘なキスをされているのに、気持ちいいなと思った
いつもはこのままゆっくり肌を撫でられる流れなんだけど、今日は本当にキスだけなんだ...と思うと少し物足りなく感じた
意識するとヤバいな…続きがほしくなる
「あっ……奈緒ちゃん...」
もっとしてほしい、と視線で訴えかける
『んー?今日はここまでです、明日は仕事やし』
口の端から垂れたものを親指で拭かれ、おでこに軽くキスされる
「そう、だね...」
ダメだ...冷静にならないと……
あっけなく終わってしまった行為に寂しさを感じながら
熱い体をどうにか冷まそうと深呼吸して冷蔵庫の水を飲む
『プロデューサーさん、おやすみなさい』
「おやすみ、」
『...1人でしたらあかんで?』
「そんな事しないよ!」
全く、私をなんだと思っているのか
未だ早まる鼓動を落ち着かせるように、深く息を吸い込み眠りについた