「ただいま〜」
リビングのドアを開け、ハンバーガー型のクッションを抱きながらこちらへ視線を向けた彼女へ声をかける
『おかえりなさい!プロデューサーさん!
なぁ、聞いて聞いて〜』
残業終わりで疲労困憊の私の元へパタパタと元気よく駆け寄る奈緒ちゃんを見て思わず笑みがこぼれる
「んー?どうしたの?」
そんな姿を見ているともうすっかり疲れは吹き飛んでしまった
『今日商店街ロケやったんやけど、そこで福引あってん』
「うんうん」
『でな、3等当たったんです!』
じゃーん!と効果音付きで見せられた箱の中にはたくさんの入浴剤が入っていた
『ほんまは1等狙ってたんやけど、この入浴剤セットも結構ええやん!って嬉しなって〜、』
『せやからプロデューサーさんこれから一緒にお風呂入りません?』
「うーん、私シャワー派だからなぁ…」
『いつもシャワーだけやないですか!
疲れて帰ってきた日こそしっかり浸からな』
「でも早く寝たいしなぁ…」
『え〜せっかくプロデューサーさんと一緒に入ろ思て待っとったのに…』
奈緒ちゃんの手に握られている入浴剤からうっすらと疲労回復という文字が見える
「あ、そうだったんだね、ごめんね、じゃあ一緒に入ろうか」
私の為にこの入浴剤を使おうとしてくれてたのか、と思ったら断るなんて無下なことは出来なかった
『ほんま?!やったあ!』
『お湯溜めてくるんで待っててな〜!』
言葉を言い終える前に浴槽へと消えていく奈緒ちゃん
「ふふ、ほんと元気だなぁ」
『湯加減どうです?』
「ん〜気持ちいい...」
目を閉じてほのかに香るローズの匂いを吸い込みつつ、体全体を包み込むじんわりとした温かさに身を委ねる
『こんな気持ちええのになんでお風呂好きやないん?』
「なんか、時間がもったいないっていうか…早く出て好きな事してたいな、って思っちゃって」
『お風呂でも好きな事できますよ』
ちゃぷ...
お湯の中で私の手を握り、胸の高さまで上げられる
そのまま私の方を見つめながら、ちゅっと手のひらにキスをされた
それが合図かのように手首、肘、二の腕と、順にキスを落とされる
顔が近付いてきたと思ったら話しかけられる
『プロデューサーさん今日疲れてますよね、…そういう事するん嫌です?』
珍しく私の体調を気にかけて恐る恐る伺いを立てる奈緒ちゃん
きっと断ったらめちゃくちゃ悲しい顔をするんだろうな、というのが容易に想像できた
「いいよ…」
『ほんま?』
途端に嬉しそうな顔になる奈緒ちゃん、わかりやすくて愛おしくなる
「でも、優しくしてほしい…かも」
寝不足で朝イチの会議に遅刻は困る
『私、いつも優しいやん』
「…ん〜、確かに」
『やったら、プロデューサーさんがのぼせへん程度に、いうことで』
「お願いします」
『……』
じーっと無言で身体を眺められる
「どうしたの?」
私何か変なのかな?と不安になる
『んーん、なんも』
「?」
指が首をなぞり、そのまま唇が触れたかと思うとチクリとした痛みが走った
「奈緒ちゃん...!」
『えへへ、付いた...』
恍惚とした表情で痕がついた部分をなぞる奈緒ちゃん
『大丈夫ですよ、見えへん所にしときましたんで』
「いや、そういう問題じゃなくて〜」
『プロデューサーさんは私のもんや〜って印付けとかな奪われるかもしれへんし、』
「誰も奪わないよ、私なんか」
『そんなんわからへんやん』
『……ほんまはな、ずっと前から付けたい思っててんけど、嫌われるんも嫌やし...我慢しとったんです』
「今はそう思わないの?」
『うん、なんやかんやプロデューサーさん私の事許してくれとるし、』
『...こういう強引なん好きやろ?』
「...っ」
ニヤリと笑う奈緒ちゃんにドキリとしてしまう
もうすっかり私の性癖を知られているな、と思った
『私な、ここ好き』
喉をぺろりと舐められる
「んあっ…」
なんとも言えない感触に体がゾワゾワする
『プロデューサーさんの声がな、振動して私に直接伝わってくるん好き』
そのまま唇を押し付けられる
「待っ、そこは見えちゃうからぁっ」
『見せるんやけど?』
「はっ、だめっ…バレちゃうっ」
奈緒ちゃんの腕を掴んで離そうとするが力が思うように入らない
『んっ』
ぢゅっ、と強く吸われ鈍い痛みが体を伝う
「ぁ…」
これ痕付いた…明日隠れる服着なきゃ…と冷静に考えを巡らせていた
『プロデューサーさん、そこ座って?』
「ん…」
『ここなら見えへんからええやろ?』
太ももの内側へ頭が入り込む
「っ!」
数カ所痕を付け終わると
『次は反対な〜』
同じように反対の足もキスをされる
…早く触ってほしい
『ふふ、大変や』
「んっ...」
くち...
奈緒ちゃんの指が、待ちきれないと濡れている入口を触る
『ここは痕付かへんけど、いっぱいちゅーしてあげますね』
突起に吸い付かれ、足先に浸かっていたお湯が音を立てる
「ひぅっ!...っや!」
ヤバい…気持ちよすぎる
『...嫌なん?』
そっと口を離した奈緒ちゃんが私を見上げる
「っは...」
イきそうだったのに唐突に止められて自分の言葉に後悔をする
「ごめっ、嫌じゃない、続きしてほしい...っ」
欲しくてたまらなくなり、泣きそうになる
『ん、わかりました』
にやにやと笑う奈緒ちゃんを見て絶対わざとだと思った
「...っあ、もう...だめっ!」
いつもずるいなぁ...と思いながらすぐ側まで来ていた快楽を受け入れる
「っはぁ...ん、」
『可愛い』
余韻でぼーっとしているとまた身体にキスマークを付けられる
一瞬止めようと考えたものの、もういいか...、とされるがままになる
「はぁ...」
『落ち着きました?』
「ん...」
ふと下を向くと、自分が可哀想に思うぐらいキスマークがたくさんついていた
『これでプロデューサーさんは私のもんや〜』
んふふっ、と痕が付いた部分を順になぞりながらニヤける奈緒ちゃんを尻目に私はもう奈緒ちゃんのものだけど、と思っていた、口には絶対出さないけど、
ふわりと体から香るローズの香りに、今度またこの匂いを嗅いだらきっと今日の事思い出してしまうんだろうな、と思った
「やっぱりお風呂は苦手だ…」
『えぇ〜!なんでなん!?』