「やってしまった...」
『帰宅早々どないしたん?』
買い物袋の目の前で頭を抱える私を見てそう訪ねる奈緒ちゃん
「間違えて辛いラーメンを買ってしまった...」
パッケージにデカデカと激辛の文字があるにもかかわらず全く目に入らなかった...
『プロデューサーさん辛いもの苦手でしたっけ?』
「うん、無理」
『なら今日別のもん食べます?』
「いや、今から別のもの作るの面倒臭いし今日はこれ食べよう!」
『平気なん?』
「まぁ大丈夫でしょ!」
とは言ったものの……
「あ〜もうこれ見た目が辛い!匂いも辛い!」
完成したラーメンを目の前に怯む
『いや、むっちゃ苦手やん!そんなんで食べられるん?』
「逆に奈緒ちゃん食べられる?」
『私辛い物は人並み程度にはイケますよ』
「すごいな〜」
「あ〜口が...痛いッ」
挑戦してみたもののわずか一口で半泣きになりながら水を飲み込む
一瞬楽になるも直ぐに辛さが沸き立つ
『やっぱあかんやん』
呆れたような、愛おしそうな目で私を見て微笑む奈緒ちゃん
「ゔ〜〜」
『ほら、お水飲ませてあげますよ』
口移しで飲まされた水は少し甘く感じた
「〜ッ!!」
バッと奈緒ちゃんから離れる
『プロデューサーさん?』
「唇...いたい...」
「ちゅーすると唇ヒリヒリする.....」
辛さのせいでいつもより感度が上がった唇は触れるもの全ての刺激を細かく感じとっていた
『痛かったんや...』
「うん」
『可哀想に』
「本当に思ってる?」
今までのことを思い出し疑心暗鬼になる
頬に奈緒ちゃんの手が触れ、そっと親指が唇をなぞる
『思っとるよ』
「んっ」
『痛い?』
「うん...」
ほんのり汗ばんだ身体に冷たい奈緒ちゃんの手がやけに気持ちいいなと思った
ちゅっ
「〜!」
なんて思っていたのも束の間、強めに押し当てられた口が現実へ突戻す
「いった!」
『ふふ〜』ちゅっちゅ
ひどい!唇痛いって言ってるのに何回も触れるだけのキスをするなんて!
「っん、痛いっやだ...」
『可愛い...』
隙を見て顔を背けるも直ぐに正面へと戻されキスをされる
『唇に触るとビクってなるプロデューサーさん可愛いいわ〜』
「いじわるだっ」
『え〜ちゃうよ、痛い所は唾つけとけば治る言うやん』
「それ違...んっ」
ぐちゅっと舌が入ってくる
「あ...」
口の中、あつい……奈緒ちゃんに触れられる度に刺激がやってくる
「ふ、…はぁ、水…欲し」
『ラーメンは?』
「奈緒ちゃん食べて…んっ」ゴクッ
奈緒ちゃんから運ばれた水が喉を伝う
『結局食べれへんかったやん』
「ん〜」
『とりあえずプロデューサーさんからいただくわ』
「麺伸びちゃうよ」
『構わへんよ、そんなん』
再び塞がれた唇から漏れ出る吐息がいつもより熱く感じた