※この作品はR-18です。

ストラトス・デザイア   作:夢現図書館

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リニューアル・オブ・オンライン

 

 

 

 

 

 

 

 駐車場からエレベーターで地下の階層へと向かう。もう何回も来た為に道則は覚えている。最初は戸惑ったがそれはもう過去の話だった。

 エントランスホールを抜けて金庫扉を潜った後、更衣室にてIS学園の制服や下着を脱ぎ、ロッカーの中に入れ代わりにロッカー内に用意されていた綺麗に洗浄され清潔な状態の簡易スーツに着替える。

 

——……やっぱりコレが安心する。

 

 この世界では誰も『更識』や代表候補生の事など知らないし興味を持たない。他人の視線など気にする必要など此処には存在しない。眼鏡や待機形態の専用機をロッカー内に入れて簡易スーツ姿で更衣室を出る。

 

「ドロシー様。お待ちしていました」

 

 其処には何時も様にラバーメイド姿のミソラが恭しく裾を摘んでお辞儀をするカーテシーをしつつ待っていた。

 

「ドロシー様の待遇に関してはご主人様より仰せつかっています。……しかし、規則により現在、ドロシー様は其方にご案内出来ませんのでご了承くださいますよう」

 

「は、はい。……その節は分かっています」

 

 既に簪が五稜監獄学院に編入する件に関しては職員(せいと)達に通達されている様である。そして、学年留学の件ですぐには編入出来ない旨も通達されている様である。

 

「ご理解、ありがとうございます。今回のドロシー様はIS学園の夏休みの期間中は『ストラトス・デザイア』に滞在予定、と」

 

 『隔離フロア』は勿論、牢獄を選択している。其方の予約も既に済ませていた。夏休みや長期休暇に合わせて連泊する利用者も少なくないと言える。

 

「はい」

 

「では、本日は何方にご案内致しましょう?」

 

「あ、か……カグヤから聞いたんですけど、『電脳空間フロア』のメンテナンスが終わってリニューアルされたって……」

 

「あ、その節は身内が大変なご迷惑をおかけしました……。はい、質問にお答えしますと『電脳空間フロア』の仮想現実空間の総合メンテナンス及び多数のパッチノートは無事に完了しました。幾つかの変更や修正等が適応されていますので、その辺りはヒナタ様にお伺いする様にお願いします。

 では、『電脳空間フロア』になさいますか?」

 

「はい」

 

——夏休みだから、其方で思いっきり楽しもう。最初の時はドタバタして散々だったし、今回はちゃんと遊べたら良いんだけど。

 

 簪はミソラの案内の下、『電脳空間フロア』へ向かい、その大型扉の前で案内係が交代し別の人に案内して貰い中央のメインホールに到着した。

 

「やほ〜、久しぶり〜‼︎」

 

「ども……」

 

——あ、あの子もいる……。

 

 メインホールの天球儀の麓。その端末席にて電脳係のヒナタが簪の来訪を歓迎した。その端末席は拡張されており、その近くの席にはウィキリピアがちょこんと座っており、此方も此方で複数の空間ウィンドウを開いて……いや、寝ていた。

 

「んにゅ〜……(-_-)zzz」

 

「ふふ、前回の一件で〜、ウィキちゃんを誰かが見ておく様にって決まったんだよ〜」

 

 前回の電脳空間フロアの仮想現実空間グローバル版のダンジョンフロア騒動はこの幼女の悪戯(・・)だったとの事。その為、今後は誰かがウィキリピアを見ておく形になったと言う。早い話が子守りである。

 そう言えば遊獄館でも、彼女は長身のお姉さんと一緒にいた。

 

「……目を離すと何か仕出かすから?」

 

「うーん、それもあるかも。ウィキちゃんって行動力は弟君並にあるから♪

 とと、此処に来たって事は仮想現実にログインするんだね?」

 

「はい。色々リニューアルされたとも聞いています」

 

「あはは……ウィキちゃんの悪戯で色々なバグやらエラーを吐き出しちゃったからね〜。デバック作業も大変だったよ……。弟君なんか4週間以上も徹夜作業に追い込んじゃった程だし」

 

——28徹って……凄い集中力……。

 

 『ストラトス・デザイア』で男性はほぼあの人しか居ない。弟君と言う呼び名からまず間違いなく和奏の事を指しているんだろう。

 

「えーと、先ずは前回のグローバルダンジョン関連はウィキちゃんの一件もあるけど前提の時点で問題があるって事でオジャンになっちゃった……。結果、各支部内サーバーでの運用になったんだ……よよよ」

 

 β版に参加したは良いものの、グローバル版の運用は困難だと判断された模様。

 そもそもウィキリピアの悪戯が無くとも途中の試験段階の時点でサーバーの処理能力が許容範囲ギリギリだったらしく、最新型のサーバーでも耐えられない負荷が掛かる事が判明したと言う。

 

 その結果、各支部で別々に運用する事に決まったとの事。

 

「……あ、あはは……オンラインゲームとは訳が違うんですね」

 

「うん。コレでもかって言うデータを注ぎ込んでいるからね。OSしかり、安全性しかり、現実性を限界まで引き出そうと思えば、もっと予算が必要かな。

 まぁ、ユリエちゃんを納得させるのは難しいかも……ユリエちゃんはその辺、厳しいから」

 

 やはり最後はお金の問題に直面するのである。どんな業界でも最終的に予算が最大の問題になるのだろう。

 

「また脱線しちゃった……。話を戻すね〜、まず大きく変わった所は先も言った通りグローバル版は企画倒れ。でも普通にダンジョンフロアはあるし、其方はバージョンアップしたから心配しなくて良いよ〜。

 それで仮想戦闘の『エクストリーム・ストラトス』は『ストラトス・チャレンジ』と名を改めてリニューアルしました〜。

 機会があれば挑戦してみてね〜、相変わらず無茶苦茶な難易度だけど。

 それから、先のグローバル版の件のお詫びとして仮想コインを1,000枚、ユーザーに配布。仮想コインはフロアでアクセや衣装の購入に使えるから気になったモノを探してみてね。

 ざっとした説明はこんな所かな? それじゃ、そろそろログインする?」

 

「はい、お願いします」

 

「じゃあ、6番部屋が空いているから其処に案内するね〜」

 

 ヒナタはそう言い、寝ているウィキリピアを背負い(寝ていても油断は出来ないらしい)、ログインする為の部屋に案内するべく歩き出した。

 

 

 





 カウサイのユーザー指定のピックアップか……誰狙おう……(確定まで引く気)。
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