『ストラトス・チャレンジ』の挑戦報酬は1週間に1回(毎週日曜日にリセット)しか受け取れないウィークリー報酬型だった。
無報酬だが挑戦自体は可能となっている為、その気になれば気が済むか心が折れるまで何度でも挑戦は出来る仕様になっていた。
まぁ、簪としては其処までやり込む気にはなれなかった。……勝てる気がしないと言う意味で。
「ドロシーさんはこの後、如何するの?」
「ダンジョンフロアに行こうかな、と思っている」
受付前から離れた簪とオニール、ファニール一行。ファニールから聞かれた簪はそう答えつつ、その入場口へ向けて移動を始める。
この仮想現実空間のメインはやはりダンジョンフロアと言える。容量の8割以上が其方に割かれている程だ。戦闘シミュレーションはオマケに過ぎないと言える。
「良いな〜。私達も行ってみたいのにー……」
オニールは頬を膨らませていた。以前、行った事があるのだが断られてしまった事があるからだ。仮にも12歳に対して性知識フル全開の環境に晒すのは流石にダメだと言うその辺の良識はあるらしい……。
——逆にOKだったら、五稜監獄学院ってどれだけ性が乱れているんだろうか。
そんな話を続けながらエントランスホールを歩き反対側にあるダンジョンフロアの入場ゲート前へと到着する。
「あ、やほ〜。ドロシーちゃん」
入場ゲート付近の設備も様変わりしていた。以前来た時は簡素な構造だったが、リニューアル及びレイアウト変更でかなり充実したブースと化していた。
入場ゲートは遺跡の様なデザインに変更され大扉となっており、その前には受付フロアが新設されていた。其処には何時もの様な笑みを浮かべているヒナタが座っているのが見えた。
「……Zzz (´-`).。oO」
の、近くでは件の幼女ことウィキリピアが居眠りしていた。仮想空間内のアクセサリーを付けているのか頭頂部には柔らかそうな獣耳が生えているのが見えた。
「リニューアルや改善、他にも色々追加したんだよ〜‼︎」
仮想空間でもハイテンションなのは変わらない様だ……。
「って、オニールちゃんとファニールちゃんも一緒なの?」
其処でファニールとオニールの姉妹の存在に気付いたヒナタは少し困ったような顔になった。
「今日と言う今日こそは、認めて貰うからね‼︎」
「私達もダンジョンフロアに行って気持ちいい事したいもん‼︎」
「……うーん、流石にまだ君達には早いと思うんだけどなぁ〜。其処は素直に拘束フロアで我慢してくれないかな?」
何故だろうか、説得と拒否の対比が逆な気がしなくもない。ヒナタが此処に居るのは2人が理由なのかも知れない。
「単純に手錠とか軽い緊縛だけじゃ満足出来ないわよ‼︎ 壁埋め状態から搾乳やアナル調教とかやっても問題無いでしょ⁉︎」
「もう12歳なんだよ‼︎ 大人だもん‼︎ もう培養槽での快楽調教とか、土の字拘束からの所有物コード刻印とか大丈夫な筈だもん‼︎」
——いや、普通に12歳はまだ子供だと思うのだけど……。
ファニールとオニールはそう抗議するも、12歳はまだまだ子供だと言わざるを得ないのもまた事実。もしかして、何時もこんなやり取りを繰り広げているのだろうか?
「それにストラトス・チャレンジで2段階まで行けたんだよ⁉︎ もう認めても良いよね⁉︎」
「アレは元々はルヴィアとかバーサーカー達の憂さ晴らしが目的だったから、ソレとダンジョンフロアに因果的で密接な関係は無いよ⁉︎」
職員も職員で身内の対応に苦労している様である。
「むー‼︎ 其処のウィキリピアって人は普通にダンジョンフロアに入っているんだから、問題無いでしょ⁉︎」
今度は別の切り口を切り出して来るファニール。年齢制限の裏を掻いているウィキリピアを名を出して説得しに掛かった。
「うーん、アレはウィキリピアちゃんの悪戯だから……ノーカウントかなぁ」
ヒナタはウィキリピアの行動は読めないとして受け流す。当然、ファニールは納得出来ない。
「……揉めているの?」
「あ、レイカちゃん‼︎」
その時、ヒナタの後ろから声を掛けてきたのは黒髪ロングを靡かせた少女だった。その服装は白いハイレグスーツに黒タイツ、頭にはウサギの耳……俗に言うバニーガール姿であり、その上に黒のカーディガンを羽織っていた。
「そーなんだよ〜。オニールちゃんとファニールちゃん、今日は何故か諦めないんだよ〜‼︎」
「……問題無いと思う」
レイカは問題無い……と言うか何が問題無いと言うのだろうか?
「だから、前後が抜けているよぅ‼︎」
「……ウィキリピア……の件で、身体の過剰負担の誤差は2%弱。……影響はほぼ無い」
「そっちの問題じゃないよぉ‼︎」
「……もう、今更。既に、破棄された。彼女達は、
レイカはハッキリとファニールとオニールは人間と言う分類では無いと断言した。つまり、ストラトス・デザイアの規則に違反していない旨を告げる。あくまでヒナタが主張している内容は基本的人権を有する者にしか適用されないからだ。
「……無言、同意……」
ヒナタは反論出来ないのか口を噤んだ。どうやら結論は出た様である。
「じゃあ、行っても良いのね⁉︎」
その言葉にファニールとオニールは破顔した。良く分からないが許可が出た事に期待が膨らんだのだ。
「……うん。今回は議長の代わりに私が、プログラム、組む。但し、ドロシーと同じ場所にする」
個別に組むのは面倒だからと言う本音も添えられたが、2人にとってはそんな条件は些細な内容と言えた。当然、巻き込まれた簪も然程問題になる様な内容では無い為に同意した。
「各種設定はどうする……?」
ホストはドロシーと言う話になり、ダンジョンも『個別』と言う形になった。そして、後は内部構造の設定だ。
「……お任せで良いかな? 何が起こるか分からない方が楽しめると思うから」
「……分かった。じゃあ、此方で内部構造を組み上げる」
暫く待つ事、数分。ダンジョン生成が完了したとの事で入場ゲートの門が開かれた。
「……ダンジョン内の基本的なルールは既に把握している筈……だから説明しない。じゃあ、行ってらっしゃい」
ダンジョンのロケーションは?(同数の場合、1番上になります)
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ロストフォレスト(森)
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ダスティケイヴ(遺跡)
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ラースキャッスル(城)