冷たい世界の中で簪は目覚めた。
「…………」
身動ぐと鎖の音が静かに鳴る。
其処は独房では無かった。雰囲気は似ているが根本的なモノとは全く異なっている。
壁に架けられた燭台の炎は仮想空間とは思えず本物だと思ってしまう程に揺らめいているのが見える。その頼りない灯りだけがこの場所を照らしていた。
——……ん、んん……♡
其処は地下牢と呼ばれる牢獄だった。
この一角に多数存在する牢屋の一室の中に鎖に繋がれた簪が幽閉されている。鎖は天井にまで伸びておりその鎖は腕の枷と繋げられている。冷たい石の床に座らされ両足は鎖で繋がれたこれもまた床で固定され、立ち上がる事は愚か牢屋の中で動く事も許されない。
口には開口器を嵌められ言葉も奪われ、首には黒光りする首輪が付けられていた。そして、その身には何も纏っておらず、裸のまま囚われていた。双丘の胸も、蜜液を垂らす秘所も全て丸見えの状態だ。
「んぁう……あぅ……」
鉄と枷と肌にはハートを模した淫紋が浮かび上がり、胴体には『奴隷3号』と言う文字が書かれていた。それだけが彼女の存在を示す描写。
即ち、この場では彼女はただの奴隷でしか無い事を意味している。
——……な、何日経ったのかな……♡ ま、まさか……人権放棄したら時間超過での解放が延長されているなんて、知らなかった……♡
恍惚な笑みを浮かべながら簪は思い返す。
吹き抜けの広間でメイド服を脱ぎ捨てた簪は、周囲に居たメイド服達にあっという間に捕縛された。その後、裸のまま地下牢へと連れて行かれて足や手、口、そして首に枷を嵌められて拘束され身動き取れない形で幽閉された。
その後、どうなるのかと期待しているときにシステムメッセージが唐突に表示された。
内容は簪を始めとした人権放棄者は自動解放までの時間はかなり延長される事及び、内容がハードになると言う説明の簡素なメッセージ。そのメッセージが自動的に消滅した時、改めてメイド服が現れ、監禁者の懲罰が始まった。
最初に身体に『奴隷3号』と言う文字を書かれた。身体に落書きされるのも仮想空間ではあるが初めてであった。
その後に簪を待っていたのは拘束されての強制労働と言う凌辱であった。複数の労働を課された後にまた地下牢に戻される事を何回も繰り返している。監禁状態故に時間の概念も分からず、今が何日で何時かすらも分からない。
誰かが解放しない限り簪はこの地下牢で飼われる事になるのだが、既にファニールとオニールも捕縛された後、地下牢に囚われ、強制労働を課されている。
——……んんう♡ ま、まだかな……は、早く……♡
既に強制労働と言う被虐にも興奮するようになっていた簪は今か今かと待ち遠しくなっていた。目覚めた時、時間の誤差はあるが地下牢から出されて労働させられる。つまり、もうそろそろ『ご主人様』役の者が現れる。
「……あぉうあ……‼︎」
鉄格子の向こう側、音も無く浮遊するメイド服が現れた。メイド服は鉄格子の扉を開けて簪の地下牢へと入って来た。アレが簪を支配する『ご主人様』であった。
——き、来たぁ……♡
「んむぅ……♡」
地下牢に繋いでいる鎖が外される代わりに首輪にペットの如く鎖を繋げられ、勢いよく引っ張られる。『立て』と命令されるがまま立ち上がる。
「んんっ♡」
引っ張られながら冷たさが足裏から伝わって来る石畳の床を歩く。腕は後手に拘束されて足も鎖で繋げられた枷で連結され歩幅も広く取れない中、歩かされる。転ぼうものならば首輪の鎖を引かれる事になる為、転ばない様に歩くしかない。
地下区画から出る。相変わらず豪奢な城内が視界に映る。メイド服を身に纏って探索していたのはほんの数週間前。今ではメイド服達に飼われる哀れな奴隷へと身を堕としていた。
城内を抜けて扉を抜けた先には城壁で隔たれた城内耕作地が広がっている。
此処は仮想現実空間でありダンジョンフロアでは食料関連は不要だと言うのにこう言う所も拘っている。必要ない所も拘る姿勢は見事。
「んんぅ……♡ んむぅ……♡」
「……んむぅ♡ はぅあぅ」
耕作地では2台の車が引かれていた。自動車では無い、牛や馬に動物に繋げて後ろの車輪付きの乗り場を引かせるアレである。
だが、引いているのは牛でも無ければ馬でも無く少女。『奴隷1号』と言う文字を書かれたファニールと『奴隷2号』と書かれたオニールの2人が牛耕の牛やポニーガールの様に裸の上に黒革で拘束され耕作車を引く労働に従事していた。……仮想現実空間なので実に無意味な作業と言える。いや、彼女達は今や奴隷の身、無意味な行動で被虐感を満たす意味では有意義か。
「んんっ♡」
動きが遅くなれば引き綱を持つメイド服の鞭が背中を打たれてしまう。それが12歳の娘であろうとも容赦は無い。幸いと言えば良いのか、仮想現実空間なので幾ら打たれようと生傷は付かない事だろうか。
そんな様子を尻目に簪も同じ様に耕作車に繋げられた。首輪と胴体から伸びる鎖で耕作車と繋がれて引く事になる。
「んんうッ♡」
セッティングが終わり背中に鞭が振るわれ小気味良い音が響く。『歩け』と言う命令だ。土の感触もリアルに伝わって来る足を一歩ずつ踏み出して行く。
一言で言えば重い。インドア派の高校生と雖も重く感じ、足取りは重たい。自分でさえコレなのだからファニールとオニールは更に過酷だろう。
「んんっ♡」
動きが鈍い為、背中にまた鞭が振るわれた。身体に痺れる様な感覚が走る。拘束された箇所が軋む様な痛みを訴えて来るが、逃れる術は無い。ただただ、命令通りに動く事しか許されない。
——……んんぅ♡ 耕作以外の懲罰もそろそろ欲しい……。毎回強制労働ばかりじゃ、つまらないよぉ♡
だが、意見する口も枷で封印され甘んじて罰を受けるしか無い。
仮想現実空間内の簪の時間感覚でたっぷり6時間掛けて耕作作業が続けられた。
仮想現実空間の設定、実際は?
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現実での拘束描写の方が良い
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仮想現実の方が妄想しやすい