「ふ、巫山戯るなァァァァァァァァ‼︎‼︎」
その言葉は一夏からすれば完全に舐めていると言う事と同義であった。故にその言動に一夏は咆哮し、自身の唯一の武装でもある雪片弐型を振りかぶり和奏へと肉薄した。
「うぉぉおおおぉおおおお‼︎‼︎」
夏休みの期間中、一夏は生徒会長である更識楯無指導の下、訓練に明け暮れていた(赤点を取っていた為に補習もあった)。それ故に瞬時加速を自在に操れるレベルにまで達し、今正に一気に懐に飛び込んだ。
両手で掴む雪片弐型は眩く青白い光を纏っている。『白式』が有する単一能力、『零落白夜』。それはシールドバリアは愚か絶対防御すらも打ち破る対エネルギー消失能力だ。
即ち、如何なるISも『零落白夜』を纏った一撃だけは喰らう訳にはいかない必殺の一撃だ。
「2本」
一夏の裂帛の気迫に晒される中、和奏は動じる事も無く、静かにそう呟いた。和奏は左腕を前に突き出し、振り下ろされる雪片弐型の刀身を人差し指と中指で挟み止めた。
「なっ⁉︎」
指2本。たったそれだけで最強の一撃は止められた事に一夏は思わず目を見開いた。躱す、防ぐならば理解は出来る。だが、素手の指で止められた事に信じられないと言う文字を顔に浮かべていた。
ギャラリーの学園側の生徒達も二重の意味で驚愕している。素手で曲がりなりにも刃物を受け止めた事に。
「『零落白夜』か……。それは対エネルギー消失能力。確かにシールドバリアを纏ったISがコレに直撃すれば一撃必殺。容易く残存エネルギーが破壊される」
「く、クソ……離せッ‼︎」
一夏は振り解こうと引いたり左右に振るも、指2本に挟まれた雪片弐型はビクともしない。その中でも和奏は滔々と語る。
「だが、質量に対しては全く無意味。お前さんが鉄を斬れるならば話は別だが、なッ‼︎」
「あっ……⁉︎」
和奏はそう告げるや否や、急に腕を振るい一夏の手から離れた雪片弐型を放り投げる。一夏の手から離れた雪片弐型は2人の離れた位置に落下、小さな水飛沫と音を立てて浴槽の中へと沈んで行った。
「…………」
投げ捨てられた雪片弐型の下へ向かう一夏を和奏は邪魔する事なく静かに静観する。相手に背を向けると言う行為はかなりの下策。だが、和奏は敢えてその隙を見逃した。
「あった……‼︎」
浴槽に沈んだ雪片弐型を拾い上げ一夏は再び和奏への向き直る。
「ほら……隙を見せてやる。遠慮せずに掛かって来るが良い……‼︎」
和奏は悠々と煽る。
「う、五月蝿ェェェェェェェェェェェェ‼︎‼︎ そんなに人を煽って楽しいかァァァァァァァァァァァァ‼︎‼︎」
和奏の挑発に乗って激昂した一夏はその感情に比例するが如く一際強く、眩い光を放つ零落白夜を纏った雪片弐型を構えて後背に浮かぶスラスターを爆発させ再び瞬時加速し和奏へ肉薄する。
「喰らえェェェェェェェェ‼︎‼︎」
咆哮と共に振り下ろされた零落白夜の一撃は受け止めようとした和奏の右腕を肘から先を
「おッ……とっ‼︎」
その瞬間、和奏は後方へと跳び退いて距離を取って水面を僅かに滑りながら距離を取った。衝撃で切断された右腕は切断面から白いモコモコの綿を蠢かせながら放物線を描いて飛んで行き、IS学園側の囚徒達が居る浴槽の縁近くに落下、水没した。
「な……ッ⁉︎」
「「「き、キャァァァぁアアアアアア‼︎⁉︎」」」
困惑と悲鳴が同時に発生した。人間の切断された生腕が眼前に飛んで来たのだ。解体された人間を見た事が無い生娘には少々刺激が強かった様だ。……一応、水没したタイミングで拡張領域に回収しておいたが。
「な、何で……⁉︎」
「何、腕は後でくっつけるさ。そんな事よりも君が今し方振るった零落白夜の能力に関しては君自身が最も深く強くそしてハッキリと理解している筈だ。何故、疑問を抱いているんだい?」
和奏は肘から先が失くなった右腕を動かしその切断面から溢れる白い綿を一夏に見せつつ、そう問い掛ける。
「零落白夜はエネルギー消失能力。それ以前の問題として……雪片弐型は何だ?
「……違う」
一夏は否定するも和奏はその続きを口にする。和奏が言おうとしている事は本人は理解しているのだろう。
「日本刀は斬る
「……違う……‼︎」
「踏まえ……零落白夜は」
「止めろ……‼︎」
「シールドバリアや絶対防御を貫通して中にいる人間を殺す能力だ。『白式』は他のIS、強いて言うならば第3世代機よりも最も
「止めろォォ‼︎‼︎」
和奏の言葉に一夏は否定の叫びを上げた。
詭弁も屁理屈も紙一重。
賭けるなら?【茶番】
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両腕
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両脚
-
両手両脚
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髪の毛
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全部
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損壊無し