※この作品はR-18です。

ストラトス・デザイア   作:夢現図書館

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猟理大会 Ⅱ

 

 

 

 遂に始まってしまった料理大会。

 

「さぁ、各自一斉に食材に手をつけ始めたで‼︎ あ、因みに今回はISの使用は許可されるで‼︎」

 

「料理する時にISは必要無いだろ⁉︎」

 

 もはや物騒極まりない展開が予想出来たのか一夏は叫んだ。

 

「何言っとんねん。拡張領域使えば歩き回る必要無ぇやろ。アンタ、馬鹿なん?」

 

「普通、料理にISは使わねぇよ⁉︎」

 

 一夏は当然の正論を言い放つも乙音は華麗にスルー。この学院では常識は非常識なのだ。

 その時、最初に動いたのは沙夜であった。何故なら彼女が取り出したのは紛れもないチェンソーであり見るからに凶暴な駆動音を鳴り響かせて行く。

 

「おおっと、沙夜ちゃん。此処でチェンソーを取り出したァァァァァァァァ‼︎‼︎」

 

「ちょっと待てェェェェ‼︎⁉︎ 料理にそんな物騒な器具は使わないだろォォォォぉォォォォ‼︎⁉︎」

 

 叫ぶ一夏。何処の世界に料理でチェンソーを使う奴が居るのだろうか、いいや此処に居たわ。其の儘、豪快に野菜や肉をぶった斬ると言うか木っ端微塵に吹っ飛ばして行く。序でに俎板もボロボロになってしまった。

 

「あぅぅ……お肉が粉々になっちゃいましたぁ……」

 

「そりゃそうだろ⁉︎ チェンソーなんか使ったら砕け散るって‼︎」

 

「……仕方ないので、他の人から貰いますですっ‼︎」

 

 沙夜はそう言い日本刀の刃を抜き、斜め後ろのキッチンセットで先ずは下拵えから始めている学園側の生徒に向かって斬り掛かった。

 

「えっ、ちょ⁉︎ い゛ぃ゛だァァァァ゛ぁぁ゛ぁぁぁ⁉︎ 痛い痛い痛い痛いぃぃ、ガァァァァ‼︎⁉︎」

 

 視認出来ない速度で振るい、その生徒の左腕が一息に斬り飛ばされ、その生徒は腕を切断された際に生じた激痛により劈くような悲鳴をあげた。『防腐処理』により白い綿が溢れている為に、グロテスクな描写は軽減されているが、悲鳴は据え置きだ。

 

「あ、肺もちょっと下さいですっ‼︎」

 

「ちょ、ちょっと待って⁉︎ 何で、料理に、イ゛あ゛ぁ゛ぁああッ⁉︎ あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛い゛痛い痛い痛いぃぃ゛ぃぃいいいぃ゛あ゛ぁぁあ‼︎⁉︎」

 

 沙夜はその生徒に飛び掛かって押し倒し、其の儘、服越しに胸部に日本刀の刃を突き付けてて器用に切開し始め、同時に身体を開かれる際に生じる強烈な痛みと大気による感覚で想像だにしない痛みが混ざり合い大声で泣き叫ぶ。

 

「おおっと⁉︎ 沙夜ちゃん、他の参加者を襲い始めたァァァァ‼︎ あと、痛みに泣き叫んでいる余裕は無いで⁉︎」

 

 そんな残虐な行為に対して乙音は止める筈も無いし他の参加者、観客の面々も止めようとしない。

 

「ちょちょっと、待てェェェェ‼︎⁉︎ い、いくら何でもやり過ぎだろ⁉︎」

 

 余りにも衝撃的な展開で一夏も思わずそう叫ぶ。両脚が斬り落とされている為に止めに入る事が出来ない為、口で静止させるしか手立てが無い。

 

「大丈夫、大丈夫やって。後で腕とか脚とか折れようが直せるって知っとるやろ?」

 

 乙音が何を言っていると言った体で諭しに掛かる。確かにそうではあるのだが……見ていて気分の良いモノでは無いし、そもそも料理大会で他の参加者に直接攻撃を仕掛けるのも可笑しいと言える。

 

「だからと言って他の人に攻撃を仕掛けるとか間違っているだろ⁉︎」

 

「☆♪♪♪♪8♪♪♪♪8 @6♪♪♪¥¥¥¥☆☆☆☆☆〒」→+¥=々+%#&+$々*=%#$」

 

 抗議する最中でも骨を削る様な音や引き千切る様な音に混ざって言葉にならない悲鳴が響き渡る。

 幸い、各所にあるキッチンセットに阻まれて残虐な光景は殆ど視界に入らない……。視界に入らないがその悲鳴の声で今、どんな目にあっているのか分からないからこそ、エゲツなさが引き立てられて行く。想像と言うのは時として精神を溶かす毒となるからだ。

 

「い、たい……痛い……ぁ……あ……助け……て……‼︎ おり、むら……く……い゛ぃ、あ゛ッ……あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ッ……‼︎」

 

 ナニカがミチミチと引き千切られる様な音が悲鳴に混ざって聞こえて来る。音だけでも酷い有様だと脳内で再生される残酷さ。

 

「や、止めろォォォォ‼︎⁉︎」

 

 一夏の絶叫も他所に沙夜は千切られたソレを取り出す。それは白い綿に覆われた右側の肺臓であった。沙夜はソレと最初に切り落とした左腕をもって自分のキッチンセットへと戻った。

 

「あ、あが……ぁ……や、あ………‼︎」

 

 沙夜の餌食になった生徒は立ち上がる気力は無く、天井を見上げながら譫言の様な声をあげる事しか出来ない。

 

「あ、お一人さんが倒れたわ〜‼︎ そう言う訳で医療棟のナース達、頼んだで〜」

 

 控えていた白衣の天使達が倒れた生徒達を担いで待機場所へと担ぎ込んで『修復』を始めた。どうやら参加者も調理中に倒れてもその場で直して貰える様であった。それでも一夏は納得は到底出来かねた。

 

「……無茶苦茶だ……‼︎ おい、和奏⁉︎ お前は何とも思わないのかッ⁉︎」

 

 1人ではどうしようも無い。個人的には癪には障るのだが、一応はこの学院の中心人物であろう和奏に助勢を求めた。

 

「残念ながら俺が言った所で止まる連中じゃねぇよ……」

 

 かく言う和奏はほぼ諦めている。基本的に話は余り聞こうとしない連中ばかりだ。と言うか止める前に手遅れになっている事が多いし。

 

「と言うかコレは料理大会だろ⁉︎ もう、料理じゃなくて猟奇大会じゃねぇか⁉︎ と言うか腕とか内臓とかぶち込もうとしてないか⁉︎」

 

 もうコレは完全にマトモな料理が出て来る気がしない。文字通りの殺人兵器を出されそうな気がしてきた。

 

「上手いな、座布団やろか? 別に他の参加者を襲ってリタイアさせるのも戦略の1つやから、ルール違反やないで。前回の料理大会の時は途中で観客巻き込んでのバトロワになって最後まで生き残った奴が優勝したんや。いやー、おもろかったな」

 

「普通に料理しろよ⁉︎ なんで料理する時に潰し合いが発生するんだよ‼︎」

 

 キッチンや厨房は戦場と例えられる事はままあるがソレは例えの話でリアルで戦場と化す光景は余りにも物騒であった。

 

「あれ〜?それ何処で手に入れたの?」

 

「ちょろかしたんだ〜。こうすれば美味しくなると思ってね〜」

 

「ふーん、じゃあちょっと寄越して貰おうかしら?」

 

「出来るならね〜。サリアさん、最近鈍ってるからリハビリがてらに君の肝臓をちょっと貰うよ‼︎」

 

「ああぁっと‼︎ 向こうではサリアはんと灯火はんが乱闘し始めたで‼︎ 銃撃斬撃の乱舞やァァァァ‼︎‼︎」

 

「えぇぇぇ‼︎⁉︎ そんな突発的に発生するモンなのか⁉︎」

 

 サリアと灯火が日本刀や槍、更には銃火器まで持ち出して遠近両方の攻防が始まった。突然、近くで殺し合い同然の殴り合いが始まった為に近くのキッチンセットで調理していた生徒は身の危険を感じ逃げ出した。

 

「あ、言っとくけど参加したからには負傷に関しての退場以外でリタイアする事は認められへんよ?」

 

「いぎぃやあああ゛ぁ゛あ゛‼︎⁉︎」

 

「あ熱ッばぁ、らがッ‼︎⁉︎」

 

 逃げ出そうとした生徒達は床に仕込まれていた火炎放射器により噴き上げられた炎に巻かれて全身が燃え上がり火だるまと化し床に倒れて熱さに苦しみ沼田打ち回った。

 

「あ、アツ……あ゛ぁ、焼けェェェェ……‼︎⁉︎」

 

「な。な……ん、ぇで……ェェ……あ゛っ、いィィィィィィィィィィィィい⁉︎‼︎」

 

 皮膚が服が髪の毛が燃えて絶叫しながら苦しみ悶える。火炙りとはかくも残酷だと言う事をまざまざと見せつけられる。

 

「あ゛づ……いッ‼︎ ダス……げ、テ……‼︎」

 

「い゛ゃ゛あ……じに、だぐ。……なン゛あ、ぁ……だ、が。……あ゛ぁ……いぃ」

 

 炎により酸素が急速に消費され息苦しさを感じる中、苦悶、苦痛を訴え続ける。誰も助けない、誰も助けられない。

 

「はい、お二人さんはもうリタイアやろ〜。ナースはん達、頼んだで〜‼︎」

 

 火だるまとなり、髪の毛も殆ど焼け縮んだのを見計らってから乙音はナース達に運ぶ様に通達。殆ど黒焦げに近い有様の中、2人は運ばれていく。

 

「惨い……‼︎」

 

 一夏はただそう告げた。乙音の対応は、わざと火だるまになった悶え苦しみ2人が死ぬギリギリまで放置していた。

 和奏も残虐だと断じていたがまさか他の囚徒も此処まで残虐な思考回路をしていたとは思わなかった。

 

「さぁさぁ、早い人は半分は出来上がってんのちゃうか⁉︎」

 

 乱闘や罰によるリタイアがある中でも乙音は気にする事なく状況を進める。サリア達以外でも、何組か潰しあっているらしく其処彼処から銃撃や斬撃の応酬、果ては流れ弾が飛来して来る始末であった。

 

 

 

 

 

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