受付係の女性に促され右手から奥へと通ずる廊下を歩いて行く。既に受付から見えていたが青い両開きの扉の前に立つ。近くには端末らしきモノが設置されていた。先程の会員カードを装置の赤外線レーダーに翳してセキリュティを開く構造になっているのだ。
「……こうかな?」
会員カードを翳すと音が鳴りモニターに『ようこそ、ドロシー』と言う文面が表示された後、セキリュティの扉が開かれた。
——政府直下の施設だから、セキリュティは厳重みたい……。
その扉を潜ると同時に自動で扉は閉じられた。構造上、1人ずつ通る形式なのかも知れない。病院の様に冷たい冷房が掛かった空気、白く清潔な空間が目の前に広がっていた。丁度、この場所は広間になっていて待合広間の様に多数のソファや椅子が設置されていた。
——人は、それなりに居るみたい。でも……。
人は疎に見える。全員が10代後半から20代前半の女性だ。そして、その服装が白色のハイレグスーツと言う際どい格好をしている。
「ようこそ、『ストラトス・デザイア』へ。初めての方でしょうか?」
と、思わず挙動不審の様に周りを見渡していると声を掛けられた。長い銀髪を靡かせた長身の女性だった。気になるのはその服装。メイド服に近い白と黒のエプロンドレスに太腿半ばまである白ニーソと言うクラシックタイプのメイド服を彷彿させる衣装をその身に纏っており、耳元には無線用のインカムを付けている。
「え、えと、はい。つい、先程、登録しました」
「ああ、ドロシー様でお間違い無いでしょうか?」
インカムに手を当てて連絡を受け取った女性はそう尋ねて来る。本名ではなくこの施設限定の呼称。となると目の前の女性はこの施設の職員らしい。服装も特異的なのはもうツッコむのは野暮だろうか。
「は、はい‼︎」
「ようこそ、当施設へ。初めての方の連絡を受けてお迎えに参りました総合案内係のミソラと申します。どうぞお見知りおきを」
目の前の女性はこの施設の案内係を務めるミソラと名乗った。この施設は見た目以上に広い上に複雑な構造の為、案内する職員の先導して貰うのが普通だと言う。周りの人と比べて私服なのは目立つからか。
「は、はい。宜しく……お願いします」
「それでは、先ずは此方へどうぞ」
ミソラに案内され『健康診断室』と言う看板が下げられた部屋に通された。白い部屋であり文字通り健康診断で使う体重計や身長を計る機器、他にも心拍計測器と言ったモノが見受けられた。
「では、先ず当施設をご利用頂く前に健康診断を受けて頂きます。当施設で安全に実行して頂く為にも健康体でご本人様の体調等の条件で実行に足るかどうかの判断が必要となります。
ポニーガールや、ペットプレイ、他にも搾乳機を始めとした機械姦と言ったハードなモノは本人様の負担が大きい事からから事故の発生を防止する理由にもなります。
尚、個人情報故に、厳格な管理により保管致しますのでご安心ください」
かなり厳格な規則の下、行われるらしい。この点は流石は国家直営施設。しっかりとした体制で行われるらしい。
「また、着衣緊縛やシチュエーション拘束と言った際にご利用になられる衣装や拘束具等をご用意する際にも身長や胸やお尻のサイズも計らせて頂きます」
「む、胸も……?」
——……着衣緊縛の際の衣装のサイズ……と言う事は全部オーダーメイドって事?
「はい。受付係の人を見たと思いますが、ぴっちりスーツは密着する形状ですのでサイズ等がズレると不意の事故に繋がります。では、簡易説明は以上になりますのでドロシー様。身に付けている服を全て脱いで下さい。当然、下着も含めてです」
ミソラに言われるまま、身に付けていた服を脱いで近くの籠の中へと入れていく。初対面の人相手に裸を晒し羞恥で顔が赤くなるが此処で止まっては何も進まない。
「お尋ねしますが、眼鏡は常に着用していますか? その場合ですと危険ですのでハーネスギャグと言った部類の拘束具は使用出来ませんが」
「あ、別に視力は悪いと言う訳じゃない、です。ISでの、ディスプレイ用なので裸眼でも大丈夫です」
簪は別に視力が悪くて眼鏡を掛けて居る訳じゃない。その為、裸眼でも生活に支障は無かった。
「あ、そうなのですか。有難うございます。なら、制限等の問題はありませんね。では、次に身長と体重を測りますね。其の儘、体重計へと乗ってください」
話しながらもミソラは手慣れた様子でテキパキとサイズ計測を終わらせ体重、身長を測り紙媒体の用紙に項目を記入して行き、必要検査は概ね終了となった。
「では、次に此方へどうぞ。あ、また戻って来ますので衣類等は其の儘でどうぞ」
隣の部屋に移動。その先は浴室の様な部屋であった。
「では、最後に陰毛等の処理を行います。規則により衛生上の観点から、清潔である意味も求められます。当施設としてもバイブやローター、ディルドと言った使用器具洗浄等は徹底していますがやはり性病の観点からも必要ですのでご了承を。それでは其方に座って大きく股を開いて下さい。M字開脚で」
「う……流石に、恥ずかしい……」
「私に裸を見られて居る以上、恥ずかしがる必要はありませんよ? では、リラックスしてくださいね、全て此方で行いますので……」
除毛クリームを塗られて薄い陰毛を剃り落とされる。まるで視姦されている様な気分になる。
「はい、お疲れ様でした。当施設では基本的に此方の簡易インナースーツに着替えて行動をお願いします」
お湯で洗い流されてタオルで水分を拭き取った後、最初の部屋に戻り終了である事を告げると同時に簪のサイズに合わされた白いハイレグスーツとスリッパを手渡された。当施設の呼称では簡易インナースーツと呼ばれて居るらしい。
着替えると確かに密着しており、身体のラインが丸分かり、当然ハイレグタイプなので恥部はギリギリ見えるか見えないか、だった。
——ISスーツみたいだからコレだけならまだ、恥ずかしくない。けど、コレで出歩くのはちょっと勇気が居る……。然も、下着も無く直だし。
「えっと、私服とかは……?」
「健康診断室の隣がロッカールームとなっています。ドロシー様専用のロッカーをご用意していますのでご利用下さい。では、其方に案内しますね」