※この作品はR-18です。

ストラトス・デザイア   作:夢現図書館

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夜中の思惑

 

 

 簪が膨大な量を誇るデータを脳内で試行錯誤しながら見比べていた。

 時間が流れ研究室に掛けられた時計の針が深夜11時半を差そうとした時、レーキュの近くに通信用の小型空間投影ウィンドウが表示される。

 

『Dr. 其方にまだドロシーさんが居られますか?』

 

「おや、コレはコレは四十院家のご令嬢殿。ええ、更識さんとの専用機の件は纏まりました」

 

 相手は神楽であった。専用機開発の件は稼働データを報酬代わりに貰う事で手を打つ事となった。

 

『……『隔離フロア』の職員の方が『早く上がりたい』と言われてしまいましたわ。ですのでチェックインしたい為にご本人が居ないとダメですの』

 

「ほぼ暇なのにこう言う時は文句が多いのですね……仕方ありません。徹夜予定でしたが、研究室で寝させるとウィキリピアに誘拐されて其の儘、肉体改造コース一直線ですからね」

 

 レーキュは事の要件を確認した後、簪にその内容を伝える。最終チェックインまでの時間が迫っている事を伝えた。

 

「……あ、ごめんなさい。其方の件を忘れて、た」

 

「……取り敢えず、現時点で気になったパーツはありましたか?」

 

「う、うん」

 

 簪に見せた空間投影ウィンドウの項目にチェックする箇所がある。それを見て組み合わせる事となる。

 

「なら、プリセットを作り後日、確認した後に改めて組み立てましょう。ソフトウェア関連の調整はご自身で出来ますね?」

 

「は、はい‼︎」

 

 簪はそう答える。簪は其方方面には強いので多少のサポートは欲しくはあるが大部分は出来るだろう。

 

「なら、決まりです。ご友人を待たせて居るのでしょう? チェックインまでの時間はもう無いので急いで行ってあげてください」

 

「は、はい‼︎ こ、今回はありがとうございましたッ‼︎」

 

「自分以外(・・)の開発機体を見るのも良い刺激ですので……では、早く行ってあげなさい。外で、総合案内係の人が待っていますので」

 

 

 

 簪が研究室から立ち去った後……。レーキュの前に別の小型の通信用空間投影ウィンドウが開かれた。だが、真っ暗であり相手の顔は窺い知れない。

 

「……おや、貴方の方から連絡を入れてくるとは珍しいですね。リデアさん」

 

『……ん、一言余計』

 

 聞こえてくる声は女性のモノであった。透き通るかの様な声音ではあるが少々棘があった。そして、レーキュの脳裏には相手が薄目で此方を見て居る様な表情を浮かべて居る様子がありありと浮かんだ。

 

——大したイベントは……ああ、そう言えば悪名高いアレ(・・)の話がありましたね。全く……今の与党……『女尊男卑推進党』の脳髄には蛆虫が湧いているのでしょうか?

 

『定例会議の通達。丁度、皆の日程が合いそうだから』

 

 『ストラトス・デザイア』の幹部級が一同に介しての会議。ユリエやヒナタと言った面々も出席する義務がある。開催は不定期ではあるが、開催する際には参加権がある全員に秘書でもあるリデアから通達される。

 

「……あー、恐らくリーリスさんで?」

 

『ん。最近女装(・・)しないと外を出歩けない状態だから……今後は必須になると思う。不便』

 

 今の世の中は『女尊男卑』。故に、男性と言うだけで生きるだけでも織豊時代よりも過酷と言わざるを得ないのが実情、そして……更に追い討ちを掛ける様な法令が施行されようとしている。

 

「成程。今後、陸に外でデートも出来ませんね。寝室でのペットプレイだけでは変わり映えしませんしね。まぁ、貴方は今も兎のアナル尻尾を着用して居そうですが」

 

——まぁ、彼女を始めとしたドM連中は万年発情していますから大した問題では無さそうですが。

 

『死にたいの? 銃殺か斬殺、或いは消滅させられるか……1番嫌な奴で殺してあげる』

 

 底冷えするかの様な声音が聞こえた。如何やら琴線に触れてしまったらしい。相変わらず彼女は聡い。

 

「おっと失礼。貴方とフィウさんは怒らせない様に立ち回ると決めて居ましたからね」

 

——生身の戦闘能力は元より専用機の能力もイカれですからね……更に酷いのがリーリス(和奏)さんですが……。開発した手前、調整は各自でしますが貴方方は極振りが最近のトレンドなのですかね?

 

「して、日付は?」

 

 

 

 

 

 

 

◯

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ごめん、待たせた?」

 

「そうですわね……結構待ちましたわ。予想以上に話が立て込んだみたいですわね。こうなる事ならばもう少し早めに出発すれば良かったですわね」

 

 レーキュの発見通り総合案内係のメイド服を着用した女性の案内で宿泊施設がある『隔離フロア』に案内され待って居た神楽と合流した。

 基本的に拘束や機械姦、電脳空間フロアがある階層よりも更に下に位置する階層。地下に宿泊施設があると言うのは中々、珍しいと思えた。

 して、その隔離フロアは名称とは裏腹に一見すれば床はフローリングで暖色系統の配色でエントランスもホテルを彷彿させる空間が広がって居る。初見では調教施設が併設されて居るとは思えないだろう。

 

「さて、立ち話はこの程度にしてチェックインしましょう」

 

 神楽に立ち話は止められて宿泊施設にチェックインする為に受付へと一緒に向かう事となった。こう言うのは代理人では無く本人が居ないと出来ない。その理由は此処は普通の宿泊施設では無いからである。

 

「……やぁーと来たわね。アンタ達……いい加減、私も眠いんだけど?」

 

 受付の場所では何時も通り、例のラバーメイド服を身に纏ったユリエが待ち疲れたみたいな態度で神楽と簪を出迎えた。

 

 

 

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