施設内放送で用件のあった面々を呼び出して漸く会議の内容を始めれる。相変わらず集まりの悪い問題児ばかりだが、コレばかりは仕方ない。
「はぁ、全員集まるまで1時間も掛かるとは……相変わらずマイペースだなぁ」
——この辺のズレはもはや、誤差の類だと納得する様にした。そうでも無ければやっていけない。
「えー、酷いな〜。私はちゃあんとお仕事こなしているだけなのに〜」
和奏のボヤきに反論をしたのはサラサラで長い銀髪をした女性。お嬢様な見た目だが性格がヤバい類に入る危険人物、サリアであった。
担当は調教係で普段は拘束フロアにて所謂、ドSの責める役をしている。……但しその言動は恐怖を感じるし、趣味も相俟って色々な意味で危険な香りが全開である。可愛い顔してやる事は怖い部類にはいる。
「それで、ルヴィアはせめて着替えてから来てくれ……‼︎ その姿で隔離フロア以外に行くんじゃないぞ。身内なら兎も角、利用客にその赤ずきん見たいな格好は刺激がヤバいから」
「ええー‼︎ 如何してですかぁ⁉︎ ボクはちゃんとオシゴトしていただけですよ?」
サリアの隣に座っているのは、ボクっ子口調の金髪の女性……。なのだが、全身に夥しい迄の返り血を浴びており服や髪は真っ赤に染まっている。その姿は正に赤ずきんと言って遜色無い。
彼女はルヴィア。此方も此方で性格は無邪気で好奇心旺盛、そして善悪の概念が消し飛んだ危険人物。普段は隔離フロアと呼ばれるストラトス・デザイアの利用客が立ち入れない『関係者以外立ち入り禁止』区域の方で、シゴトしている。……内容はもはや語れないレベル。
「それで、用件ってのは何かしら? お姉さんに頼みたい事?」
そして、遅れて来た3人目。姫舞と同じくらい高い長身でユリエが血涙を流しそうな程の巨乳。此方は黒髪でインナーカラーはピンク色と言う目立つ色合いで言動も年上のお姉さんと言った風体。
が、1番の問題はその服装。白を基調とした拘束衣、胸元は空いており下乳を強調させる構造(胸空きタートルネックの亜種みたいな変な構造)で、生乳が露出している。
首元にはかなりゴツく重厚な首輪を嵌め、両腕も後手で拘束され、更に両足にも分厚い枷と鎖で繋がれた、如何にも厳重拘束された囚人と言った出で立ちで、これでも拘束をかなり甘くした方である。
「今から、話すさ。蔡歌」
拘束衣の囚人の様なお姉さんは蔡歌。彼女だけ普段から此処まで厳重に拘束されている理由は彼女の物理的な力が本当の意味で洒落にならないから。女子力(物理)と言うレベルではない。
誰が(と言うか和奏)言ったか、最恐のフィウ、最凶のサリア、最狂のルヴィア、最強の蔡歌、と。
「……Zzz」
「むにー(( _ _ ))..zzzZZ」
「……其処は其処で良い加減に起きろ。本当に話が進まねぇから」
円卓の片隅でフィウと待ち疲れたのかウィキリピアが居眠りしていた。本当にマイペースな連中である。取り敢えず、寝ている2人を起こして漸く、要件を話す事が出来る。
「……と言う訳だ」
リムジン内にて四十院の大将から半ば強引に押し付けられた面倒事に関してザックリとした説明をした。
今度のIS学園のクラス対抗トーナメントにて仕組まれた襲撃の襲撃役を自分達が担う事。そして、その過程でIS学園側の教員、生徒各位の対応を抜き打ちの形で選考の項目の1つとして行うと言う事。
「ふーん、つまりサリアさん達がIS学園にお邪魔して暴れる悪役を演じれば良いの?」
「まぁ、端的に言っちまえばそうなる。何でも前回のIS学園新卒採用者の評判が悪かったらしくてな……。使いモノにならなかったんだとよ」
IS企業に就職出来れば未来安泰……と言う幻想は早々に砕け散る。
「えっと、相手を殺せなかったから?」
「ルヴィア、それを平然と言い出せるのは
「正直、学園と言う名の養殖場で育てられ現実を知らない養殖人材に何を求めているんですか? 殆ど肉便器以外使い道が無いのでは?」
フィウもまた中々、痛烈な毒舌だ。
「いや、俺もそれを言った。……まぁ、IS学園以外だとウチしかねぇし。そもそも、ウチの大将は人間嫌いだしな。他に手が無ぇんだろ。ま、そー言う訳で選考基準を増やす目的があるんだろ。後、教員達の対応も序でに視察と言うのも含まれている」
「質問ですっ‼︎」
「死人が出ても構わない」
「やった‼︎」
ルヴィアの質問に内容を聞く前に即答で答えた。と言うかルヴィアの性格上、そう聞いてくるのは予想通りで分かりやすいから。
「ねぇねぇ、私からも質問良いかな?あ、この作品はR-18だから、グサってやってゴリってやってブチブチってやっても大丈夫だよね?」
「聞いておいて自己完結するの止めてくれねぇか⁉︎」
——サリアってサラリとエグい事を言うからな⁉︎
「最近の流行りは内臓抉り出しから臓器入れ替え拷問♪ サリアさんに負けちゃう程にヨワヨワな人だと、卒業しても直ぐに公衆便所にしか就職出来ないと思うんだぁ」
「そんな流行りとっとと廃れろ」
——世界で君以外流行ってねぇよ‼︎
「うーんと、つまり私とルヴィアちゃんとサリアちゃんがクラス対抗トーナメントに乱入しちゃえば良いのね?」
「蔡歌。其処にウィキリピアも追加で。理由は先の電脳空間フロアで暴れたツケを其処で払って来なさい」
「うにっ⁉︎ ∑(゚Д゚)」
襲撃者役はサリア、ルヴィア、蔡歌、そしてウィキリピアの4人で決まりとなった。
「この襲撃は既に日本政府やら有力IS企業と言った来賓やスカウト連中、IS学園の学園長は知っている。早い話が完全に仕組まれた襲撃の茶番劇だ。
襲撃時の行動は各自のやり方に任せるが、開始のタイミングは俺から通達する。流石に唐突に始められると困るからな。要らない不測の事態は避けたいんだ」
「うん、分かった〜」
——本当に分かってんのかねぇ……まぁ、良いや。物理的な暴れ役としては適任だし、仮に病姉妹辺りに任せるとリアルバイオハザードが起きかねないし、小夜ちゃんに頼めばジュラシックパークと化すしレーキュのアホだとどっかのガンダムを持ち出しかねん。
アレ? バーサーカー連中が絵面的に1番マトモな戦闘方法ってかなりヤバく無いか?ウチの戦闘員の内訳。
身内の連中のイカれ具合を再考して改めてヤバさに気付く構図であった。
「取り敢えず面倒事の打ち合わせはコレで終了。次に定例会議の内容を聞くか。此処に居ない連中は後で空間投影の通信で報告を聞く」
「……ご主人様。此処にいる面々が詳細報告出来る様な方々ではありません」
が、出鼻を挫くかの如くウィキリピアの後ろに控えている廻空がそう嗜められる。
「…………」
暗殺者、戦闘狂、暗殺者、破壊王、うにー……忘れていた、此処に居るのは問題児ばかりである事を。
「……会議終了‼︎」
レーキュに呼び出された簪は案内係の案内を経て再びレーキュの研究室へと訪れた。扉を開けると其処で今も空間投影のウィンドウを見比べたりコンソールを弄って作業しているレーキュの姿が見えた。
「お待ちしていましたよ、更織さん」
簪の姿を認めたレーキュは空間投影ウィンドウを消し去り、床に降り立つ。要件はお互い分かっている、故に前置きは不要の如く簪の眼前に複数の空間投影ウィンドウが展開される。
「先日、申し上げた通り此方で幾つかのプリセットを用意しました。気になる内容を選びまたは必要な箇所の交換して貴方の求める機体を組み上げます」
機体構造のプリセットが用意された。その中で1番、理想に近い機体を選びそれらを実際に組み上げるとの事。
「うん……コレが良い」
その中で簪は1枚の空間投影ウィンドウを選んだ。それは——。