※この作品はR-18です。

ストラトス・デザイア   作:夢現図書館

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 如何してこうなった。


裏側の欲望

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……。俺が離れていた際に溜まっていた事務処理はひと段落したかね」

 

 『ストラトス・デザイア』の某区画にある和奏の執務室。……即ち社長が決済や重要な決断を下す部屋。先程の会議で聞きそびれた各区画での報告はオンラインで受け取った。

 

「お疲れ様、和奏君」

 

 会議が終わった後、リデアは白いハイレグのボディスーツに白いニーソとウサ耳、アナルにパール付きの尻尾に、純白のヴェール。他にも首輪の代わりに白いチョーカー、連結すると枷になる白い革製の腕輪と言う装備のバニーガール姿となっていた。仮想現実でもバニーガールだったが現実でも用意していた様である。……勿論、和奏にしか見せない衣装である。

 

「社内の関係者以外立ち入り禁止区画が1番、気楽に過ごせるよ。本当に女尊男卑はクソ見たいな風潮だよ……」

 

——女性権利団体とかどれだけ自滅したいんだ? とんだ自虐趣味な連中だよ……。少し考えれば分かる事なのに全く理解が及ばない。『力』とは正に麻薬に等しい……。権力と言うのは渇望であり使わずにはいられない劇薬……かと言って無ければ『秩序』を乱す……付き合いの難しい相手だな。

 

「はい、まだまだ仕事が残っているから頑張って。コレは今日中に決済しないとダメだから」

 

 リデアはそう言いつつ大量の書類の山を執務机に置いた。終わったと思ったら追加が来る……仕事は終わっても終わりが無いと言う事か。

 

「……おいおい追加注文なんて頼んだ覚えは無いんだけどな」

 

 文句を言いつつも1枚の書類を手に取って内容を確認する。文句を言っても仕事が終わる訳では無いのだ。

 

「……あぁ? 倉持技研? 陸(ろく)に仕事1つもこなせない連中が何の要件で技術提携を打診して来てんだ?」

 

 姫舞からの報告で倉持技研から企業間の技術提携云々の話は聞いている。

 『ストラトス・デザイア』も表向きはIS企業である(まぁ、実態は見ての通りの特殊性癖の方面に逝ってしまっているのだが)。中でもIS関連の技術に於いては他の追随を許さない程の技術力を誇っており、その分野も広い(仮想現実空間や医療技術、他にも製造技術等)。

 それ故にその技術力に肖(あやか)ろうと様々なIS企業や政府が接触を図って来た(中には産業スパイと言う過激な手段を講じてきた事もあった)し、新卒や転職で就職を望む求職者も多かった。

 

 だが、『ストラトス・デザイア』は色々な意味で特殊過ぎた。そもそも企業として公開、非公開問わず求人を一切出さない事でも有名なのだ。つまり人気があっても求人が無い以上、就職(産業スパイからすれば付け入る隙が無い)のチャンスすら無い。ならどうやって人材確保するのかと言うとズバリ、代表自らのスカウト……これ一択とされている(表向きは)。

 つまる所、和奏の判断で採用されるか決まるのである。その上にIS学園で採用面接となり得る各種イベントに顔を見せる事は殆ど無い。面識や覚えて貰えないので仮に求職者が例えIS学園を首席で卒業しようが何だろうが和奏が興味無ければ普通に流される。

 コレがある意味、他のIS企業との大きな違いとも言える。

 

「……未だに技術提携の打診を嘆願して来ているみたい」

 

「シツコイ奴は嫌われると理解出来ないのかね」

 

 倉持技研はIS企業、日本の中では最大手と言える。何故なら各地で広く登用されている量産型第二世代機『打鉄』の開発元であり日本自衛隊やIS学園でも使用されている。その点で言えば誇れる成果と言える。……成果は成果、それとこの話は別件であり和奏からすれば如何でも良い話でもある。

 和奏や姫舞、更にレーキュからすれば『自分で受けた仕事を自社都合で放棄しいけしゃあしゃあとしている。自分の仕事に誇りがない連中』と言う判断であり、その時点で評価は最低にまで落とされているのだ。

 

「考えるまでもなく却下だ。寧ろ考える時間が無駄だ」

 

「じゃあ、そのようにするね」

 

 姫舞もレーキュもこの技術提携案件には拒否しており代表である和奏も却下された以上、この案件は全て白紙に消される。

 

「……良い加減にしろと言いたいな。コレで何回目だ?」

 

「正確には数えて居ないけど、少なくとも10回くらいはこの打診が来ているよ。見送りの連絡を入れても普通に食い下がって来るし……」

 

「今度のIS学園のクラス代表対抗トーナメントに絶対に顔を出して来るよな……。もう一層の事、其処でハッキリと通告してやるか」

 

——丁度、更織 簪代表候補生の所持コアを使ってレーキュのアホが機体製作を進めていると言う話だしな……自分で手放したんだ、文句を言う筋合いは無かろう。

 

 そんな話をしつつも和奏は決済待ちの書類を片付けて行く。そんなこんなで1時間程の時間が経過した時、執務室の扉をノックする音が聞こえる。

 

「開いている、誰だ?」

 

 扉を開けて入って来たのは眩しい限りの金髪、前髪を短く切り揃え後方は長い髪の人物であった。

 

「やっほーな‼︎ 大将が帰ってきてるーちゅーて、顔を出しに来たで〜」

 

 開口一番、関西弁でハキハキした物言いで駆け寄ってくる。人懐っこい犬みたいな印象を受ける。

 

「おお、乙音か。相変わらず元気だな」

 

「ウチは何時でも元気やッ‼︎ リデアはんも久しゅうな‼︎ あ、コレお土(みや)やで〜」

 

 そう言い乙音は拡張領域を手提げ鞄感覚で使い、実務机の上に段ボール箱を顕現させる。拡張領域と言う技術は手荷物や手提げ鞄と言う概念を過去の物にした。少なくとも『ストラトス・デザイア』と言う企業ではそんな認識である。

 

「……えっと、コレって?」

 

「おい……」

 

 段ボール箱のガムテープを剥がして中を見てみると中には黒光りする革製のボディーハーネス、フェイスハーネスに棒状の轡、他にも黒いボディースーツに馬のアナルプラグと言うどう考えてもポニーガール用の道具が揃えられていた。他にも手枷や足枷に鎖も入って居た。

 

「せやで‼︎ リデアはん用のポニーガール装備やで‼︎ 拘束フロアの奴以外にも専用の奴欲しいやろうと思うて本格派のトコから仕入れて来たで‼︎」

 

 どうやらリデア用のSM道具らしい。リデアは兎のイメージがあるのだが、ポニーガールと来たか……。

 

「リデアはんも同じプレイやとマンネリやろ? 白いペットばかりやのうて、時には別のプレイも試さんとあかん‼︎ あ、別に偶々コレがあったから買うただけで別にポニーガールに拘らなくてもええんやで? 普通に黒ラバーのボディハーネスで胸絞って扇状的に襲ってもええし、普段とは違うギャップが野郎にとってグッと来るシチュエーションや‼︎」

 

「う、うん……‼︎ ありがとう、乙音」

 

——何が悲しくてこんな高説を側で聞かなきゃならないんだろうか?

 

「大将も大将やで‼︎」

 

「え、俺⁉︎」

 

 今度は自分に飛び火した。

 

「マゾヒズムっちゅーもんは、自分を満足させてくれる奴やないとあかんねんて‼︎ ただの一方的な関係やない。マゾヒズムも相手を選ぶんや。自分の望む快楽を与えてくれる相手か選ぶんや‼︎ リデアはんが欲しがっているモノは分かるやろ⁉︎ 見て見ぬフリすんのもええ加減にせいや‼︎」

 

——何で俺はこんな説教を喰らっているんだろうか?

 

「つー訳で、リデアはん。今、大将に如何して貰いたいんや? 何でもええで、今迄はのらりくらりと逃げて居たけど、今回は逃さへんから言ってみい?」

 

 完全にペースを乙音に握られている。此の儘押し切られるのもヤバい気がするが、妙な力説をされて反論し辛い上に、今回ばかりは退路が無さそうだ。

 

「……和奏君に……拘束して欲しい。本当の意味で和奏君の所有物になりたい……今迄は、誰かに手伝って拘束して貰っていたから……。縛って拘束して……逃げられない様に閉じ込めて、それから……所有物の証が欲しい」

 

 リデアは顔を赤らめながらそう告げた。完全に仕事モードから欲望ダダ漏れのオフのモードだ。何時もならば何かしらのコスプレで寝室に突撃して攻防が続くのだが……乙音がいるとなると……。

 

「なら決まりやな‼︎ 折角やから、そう言うシチュエーションもウチがプロデュースしたるわ‼︎」

 

「おい、まだ書類とか仕事が」

 

「そんなもんさっさと終わらせぇや‼︎ 大将なんやからぱぱっと終わらせるのが甲斐性ってもんやろ‼︎」

 

「どーして、こう言う事に乗り気なんだよ……」

 

「そんなもん、面白いからに決まってんやろ‼︎」

 

「そーかい……」

 

——脱力感と虚無感が半端ねぇ……。

 

 

 

 

 

 

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