学年別クラス代表トーナメント。第1回戦が終了した。次は準決勝となり第1回戦を勝ち抜いたクラス代表が激突する事となる。
眼下に見えるのは試合が行われる第1アリーナ。其処には多数の生徒達が観客席に詰め掛けており盛況しているのがよく見える。その遥か上空にて、彼女は鎮座していた。
歪な形状をし鋭角かつ湾曲したハープ、三方に聳えるパイプオルガンの管、劈くトランペット、複数合体したコントラバス、歯牙の様に並ぶ鍵盤と言った楽器類が彼女、ウィキリピアの周囲を囲む形で浮遊している。そして、問題はその巨大さ。既存で知られるであろうISの基本シルエットの2、3倍はあろう造形。
彼女本人の小柄な体格も相まって展開されたそれらがより威圧感がある。常に頭上に浮かんでいたヘイローも変化しており、より巨大で五線譜を思わせる五重構造を核とする形状となっている。
その姿は正に『指揮者』か『舞台』を彷彿させる様な造形であった。それは彼女が所有するIS『ミラ』であった。その舞台の中央に浮遊しているウィキリピアは手元に小型の空間ウィンドウを開いて和奏からの通達を待つ。
「えーと、準決勝が行われれば始めて良いんだよね?」
『ええ、同じアリーナで続けて準決勝が行われる予定らしいわ。3組と2組の試合ね。他の面々はどうするかは聞いたけど、貴方はアリーナに直接突っ込んで来るだなんて……地獄絵図でも作る気?』
和奏(口調はリーリス)は呆れ気味な口調でウィキリピアに言う。心底、本当に呆れている様である。
「え〜、だって〜、電脳空間の時に邪魔されたも〜ん (ㆀ˘・з・˘)」
『アレは貴方が全面的に悪いわ……。電脳空間にダイブしている全ての利用者の精神、脳に重篤な被害が出かねないのだから、今後はあんなイタズラは止めなさい。半年間の間、オヤツ抜きにするわよ』
致命的な被害が予想されるイタズラに関して罰則が凄く甘い気が。
「うにっ⁉︎ それはヤッ‼︎」
効果は抜群だった様である。
『さてと、そろそろ始まる。ウィキリピア、サリア、ルヴィア、蔡歌。用意は良いかしら?』
準決勝が始まる直前の時間帯になった様である。今頃、VIP観戦席では来賓の者達が各生徒達の行動や、言動を事細かに観察する用意を整えている事だろう。
更には教師陣の対応に加えて、専用機持ちの危機管理及び対処能力の確認。他には一般生徒達の危機に関しての行動から、生存能力の有無。
凡ゆる行動がチェックされる抜き打ちの第一次の採用試験の一環でもある。それも、死傷者が出る事が予想される過酷な試験。
観客席に詰め掛けている生徒達は今、正に将来が有望なIS操縦者やIS企業に就職出来るか、或いは肉便器、性奴隷へと落魄れるかの瀬戸際に立たされる事を一切、知らない。
『此方、蔡歌。電力施設前にて待機中、いつでも大丈夫よ』
『ルヴィアですっ‼︎ ボクは今、観客席前の扉の前に居ますっ‼︎ まだ遊んじゃダメなんですか?』
『サリアさんは今、IS保管庫前にて待機中だよ〜』
『見事にバラけているわね……まぁ良いわ。IS学園からすれば迅速に対処出来なければ死傷者が大量に出るでしょうね。じゃあ……始めなさい、
そのコールと共に、IS学園は未曾有の混乱へと叩き落とされるのであった。
展開構想が2つあるなら、繋げて1つにすれば良い。