※この作品はR-18です。

ストラトス・デザイア   作:夢現図書館

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血塗れの虐殺者達 Ⅷ

 

 

「やれるだけ、やってみましょう……。悔しいけど、私達だけじゃ手詰まりよ……‼︎」

 

「ちょっ⁉︎ 皆、伏せてッ‼︎」

 

 そのタイミングで生徒の1人が、そう叫んで3組一同、床に伏せた。その直後に、すぐ近くで轟音と共に粉塵が舞い壁が倒壊した。

 

「……皆、無事⁉︎」

 

 何が起こったのか頭を上げれば見えた光景は、3組が使って居た観客席室の壁と天井の一部が大きく崩れて穴が開いている。何かが此方に飛んで来て壁や天井を破壊したのだろう。

 

「此方は大丈夫ー‼︎」

 

「下着代わりにISスーツを着てなかったら即死だった……‼︎」

 

「問題は無いわ‼︎」

 

 軽口を叩いている者も居たが、そんな事を言えるのならば大丈夫だろう。一先ず、先の破壊行為で犠牲になった者は居ない事は何よりと言える。

 

「クソッ‼︎ やられっぱなしで居られるかよ‼︎」

 

 その時、崩れて積み重なっていた瓦礫を離陸時の加速で吹き飛ばす機影。それは一夏だった。瓦礫を弾き飛ばしてアリーナ上空へと舞い戻って行く。

 どうやら、落ちて来たのは件の男性操縦者だったらしい。

 

「皆、崩れた壁から脱出出来るわ‼︎」

 

 一夏が吹っ飛んで来て崩れた壁には大穴が開いている。崩れた箇所から一斉に観客席室から脱出する3組一同、廊下へと出れば後はアリーナの外へ出れば避難出来る。

 

「衣笠さんはどうするの⁉︎ あのままじゃ持たない‼︎」

 

「2組のクラス代表は何故か衣笠さんを攻撃している……‼︎ 理由は分からないけど、この流れで織斑さんも加わったら……‼︎」

 

 量産機で専用機持ち2人を相手にするには分が悪い。一夏相手は準備して来て嵌める事前提で勝てた。しかし、2組代表の鈴音に関しては情報が殆ど無い。

 

「……既に試合も云々も無いわ。それに代表である衣笠さんを見捨てて行けない。そうでしょう?」

 

「コレで死んじゃったら、後味が悪いわ」

 

「ええ、3組、皆で来たんだから、さ」

 

 3組は一般生徒ばかり、他のクラスと違い団結力が違った。3組は同級生と言う関係の他に明確に『仲間』と言う関係性を持っている事は稀有なケースと言える。

 

「でも、如何するの? 生身でアリーナに殴り込んでも一掃されるのがオチだと思うよ?」

 

「あの侵入して来た子のIS……多分、専用機だと思うから特殊な機能がある筈。その機能で2組代表が可笑しくなったと考えるのが妥当だけど……」

 

「オーケストラの様な舞台装置の他にも武装を搭載していても不思議じゃないよね」

 

 廊下を移動しながら3組の面々は考察を繋げて行く。『見る』事も勉学の内である事を理解している。

 

「閃光弾を誰か持ってる⁉︎」

 

「私、持っている‼︎ 余った奴、作った時に先輩が効果が強過ぎるから試合では使わないでって言われた奴‼︎」

 

「……先生達は何をしているのか知らないけど、こうなったら後は如何にでもなれってのよ。閃光弾を放り投げて衣笠さんを離脱させる?」

 

 此処までの状況になった以上、名刀に背負わせ続ける必要は無いだろう。他のクラスも何らかの形で避難している……筈だ。

 

「いや、それだけじゃ……振り切れないと思う。衣笠さんの機体のシールドエネルギーも残り少ない筈……‼︎」

 

「陽動が必要? じゃあ放送室で煽ればいけなくない? 適当に暴言をぶつければ少なくとも気を惹く事が出来るかもよ」

 

「危険よ?」

 

「危険も承知よ‼︎ どうせ、既に此処は危険地帯じゃん。一個、危険が増えた所で大して変わらないでしょ」

 

「誰が行くの?」

 

「言い出したのは私だから私が行くわ。コレでも中学は陸上部だったし、脚には自信があるわ」

 

「でも、放送室の扉も電動ドアじゃないのかしら?」

 

「ふっふーん。なら屋内ガラスをぶっ壊してやるわ。実は放送室は廊下側にもガラスがあるのを見た事があるから。近くにある観葉植物の植木をぶつけりゃ壊せるでしょ」

 

「人手が居るね。私も行くよ」

 

 学園内の構造を事前に把握するのも情報収集の一環である。

 

「決まりね。衣笠さん救援部隊と陽動部隊、今はこの辺ね……。一先ず、まずは衣笠さんを救援してから考えましょう‼︎」

 

「「「了解ッ‼︎」」」

 

 アリーナのメインエントランスで分かれ救援部隊は其の儘、ピットの方向へと急いで向かう。本来ならばISで飛び出す為のカタパルトで飛び出すが生身では使えない為に救援部隊も脚に自信がある面々で編成し全速力で駆け抜ける。通路を抜けて外の光が見え彼女達の見える光景には、名刀が撃墜され打鉄の外へと放り出されて地面に転がっていた。

 

「まずいわ、あの儘だと殺されるッ‼︎ 閃光弾を‼︎」

 

 用意出来るだけの閃光弾を取り出して思いっきり前へと投げた。その数、6個。

 

「衣笠さんッ‼︎ 目と耳を思いっきり閉じて‼︎」

 

 そう叫んだ直後、眩い閃光と甲高い高音がアリーナ内に響き渡る。

 閃光が発せられた瞬間、彼女達は目と耳を閉じて走り出して名刀の元に向かう。閃光は一瞬、ISに搭乗しても視覚に強く作用する強烈な閃光は防げない。大音量の高周波も音を広く拾う為に搭載されているハイパーセンサーが裏目となり、より強力な音量となって聴覚に刺激する。

 

「ぐわぁぁぁぁぁ‼︎⁉︎ め、目が、耳がッ⁉︎」

 

「ぐっ⁉︎ 一体何が起こったって言うのよ……⁉︎」

 

 専用機持ちの2人は当然の閃光弾が投げ込まれて無抵抗に浴びた為に怯んでいる。更に先程まで響き渡っていたオーケストラの様な演奏も止まっていた。

 

「あ、貴方達……‼︎」

 

「衣笠さん、逃げるよ‼︎ これ以上は危険だよ」

 

「背負うわ、一気に行くよ‼︎」

 

 倒れた名刀を3組の生徒達が近付いて、速やかに背負ってピットへと走る。

 

「織斑 一夏はドーテー‼︎ それから、量産型に負ける弱小男子ッ‼︎」《xbig》

 

「ん、んなッ⁉︎」

 

 そのタイミングで陽動組が放送室で音量を最大にして一夏を罵倒した。その罵倒に一夏は思わず其方へと視線を向けた。

 

《xbig》「貧乳ちっこいオッパイの幼児体型の中国代表候補生‼︎ ついでに言うなら、尻軽女ッ‼︎」《xbig》

 

《xbig》「ぬわんですってェェェェェェェェ‼︎⁉︎ 何処のどいつよ、その喧嘩、勝ってやるわァァァァァァァ‼︎‼︎」

 

 続けて次は鈴音に罵倒が飛び火した。その内容に頭が来たのか鈴音は反射的に放送室へ衝撃砲を放った。放たれた砲弾は放送室へ飛び、轟音と共に爆ぜ、放送室だった場所は大きく抉れ、その内装が外部からでも見える状態になった。

 

 

 

 

「…………やられた。閃光弾を放り込まれるなんて」

 

 その上空でウィキリピアは閃光と高周波により演奏が中断された事に対して驚きを見せていた。『ミラ』の演奏をするにあたって余計な雑音や大音量の音と言ったモノは天敵なのだ。

 よもや、IS学園の(・)一般生徒が閃光弾を持ち歩いているとは予想外だった。

 

「もう、飽きたし……そろそろ充分かな。後で、うにーちゃんにお菓子を強請ろう (・ω・)」

 

 ウィキリピアはこの茶番に飽きた様子で、空間に沈む様に消え去って行った。鈴音と一夏が侵入者の姿が何処にも居ない事に気付くのはこの後、8秒後の事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3組のネームドキャラは欲しい?

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