「……実に良い
クラス対抗トーナメントから時が過ぎて最初の土曜日。
場所は、IS学園の学園長室にて、今回の件に関して纏められた各企業や政府からの送られてきた『評価表』や教員からの被害等の報告書の数を確認した初老の男性は開口一番にそう告げた。
各国政府や有力IS企業を要望と言う名の茶番劇。……その舞台裏を噛んでいたのは何も四十院グループの会長や実行組織であるストラトス・デザイアの代表だけでは無かった。
IS学園、学園長である轡木 十蔵もまたこの件に噛んでいたのである。そうでもなければ此処まで都合良く展開が進む筈が無いのだ。
何故、ルヴィアが何の妨害もされずにアリーナの観客席に現れる事が出来たのか?
何故、IS保管庫は複数あるのに戦闘教員が向かった先が1箇所に集中し尚且つ待ち伏せされたのか?
何故、インフラに関しての警備が露骨に手薄になっていたのか?(異変に気付いた楯無は除く)
仮にも世界最高峰を謳うIS学園。警備のセキリュティレベルも有数である事を考慮すれば情報を渡した存在が居て然るべき……それが、学園の長である学園長だと辿り着ける者はそう居ないだろう。
「今回の一件、実に有意義なモノとなったでしょう。IS操縦者と言うモノは遊びでなれるモノではありません」
訓練や試合
ソレは戦う為に必要な根源的な資質。
恐怖に抗い、生死を懸けた環境へ臨む事が出来るか否か。生死を懸けた戦闘へ挑む事が出来るか否か。
その一言に尽きる。
誰かの為に戦えるか。
或いは生き残る為に何が出来るか。
専用機持ち達は自ら進んで挑んだ。
3組は生き残る為に誰に言われるまでもなく行動を起こした。
悦ばしい事である。
しかし、
「適性があるから、優越感に浸りたいから、或いは自己顕示欲……。それらの理由であの世界に飛び込むのは危険極まりない。そう思いませんか?」
篩に掛けた。そう言う意味である。
「山田先生」
学園長室の壁付近に立つ真耶にそう告げた。篩に掛けると言っても、使うモノは選ばなければならない。
茶番劇とは言え……***なモノでは無いと壊れてしまうだろう。だからこそ、そんな問題が無い、ストラトス・デザイアの者達を使ったのである。人として
「ええ、そうですね。特に今年の1年生は上の空と言うか、覚悟が足りないと言う印象が強いですしね。コレでは仮に無事に進級、卒業しても……後の祭りですからね。
まぁ、現実に気付いて身の程を知って自主退学するのならば……まぁ、命拾いと言うべき所でしょうね」
「
「各生徒にはどう伝えますか?」
「無論、己の人生は己で決めるもの……。進退の決断は各人に委ねます」
学園長である十蔵はそう告げる。
「分かりました。その様に進めます」
真耶は十蔵の言葉を聞いた後、学園長室から退室した。
「…………やれやれ、油断も隙もありませんね?」
十蔵以外、誰も居なくなった後。徐に声を発する。
『随分とまぁ、ケッタイな真似しまはんな』
声が返ってきた。然もかなり若い少女と思わしき声だった。しかし、姿は見えない。
『変な遊びするもんやと思っとれば……そう言うオチかいな』
「利用し合うのは当然でしょう? 使い、使われる側。そうとは思いませんか?」
十蔵は其処に誰かが居ると確信してそう言う。言われた側は暫しの沈黙の後に声を発した。
『ふぅん。言ってくれんな、
「ふふ、肝に銘じておきましょう」
負け惜しみに近い言葉を捨てた後、その声は聞こえなくなった。つまり、去ったのだろう。
「……ええ、思い通りに行くとは思っては居ませんよ。さて、専用機持ちの生徒諸君の評価は……ほう、概ね高評価ですね。意外な事に織斑君の評価も上々……コレは予想外」
十蔵は『評価表』の詳細な内容を確認するべく、1人、静かに目を通し始めたのだった。
クラス対抗トーナメントから数日後、土日を挟んでの月曜日。土日は残念ながら襲撃事件の件で報告書作成の為の事情聴取(専用機持ち及び、戦闘に関わった者全員が強制参加)で見事に潰れてしまったのだ。
最も、自分と神楽は要人達の避難誘導の護衛と言う形で行動しており、その行動時の様子は要人達からの聴取によりある程度、把握されており多少は短くなった。それでも、詳細な報告書を纏める作業は時間が掛かった。
『土日にも『ストラトス・デザイア』で楽しいドMライフを過ごしたかったのですが、潰れてしまい残念でしたわね。ですが、代わりにIS学園で出来るシチュエーションを試して見ましょうか。実に興味深い場所を見つけましたので』
事情聴取の後、神楽から何かやると言われた。開始日は今日の午後9時頃で場所は指定するとの事であった。
——取り敢えず、今日を切り抜けよう。……多分、酷い光景が広がっていそうだけど。
3組のネームドキャラは欲しい?
-
欲しい
-
不要