「何をしているのですか? 当然下着もです。囚人である貴方に拒否権はありません」
簪はそう言う叱責が欲しくてわざと下着を脱ぐのを躊躇った。強い語句を浴びて簪はブラジャーと下着を取っ払い、産まれた姿のまま……裸となった。
ストラトス・デザイアに初めて訪れた時に除毛して貰っている為に秘所の陰毛は綺麗に無くなっている。その為、下の口も丸見えだ。
「……っ」
燃える様に紅潮した顔。
「今更、何を恥ずかしがるのですか? それから、全て脱ぎなさいと言いました。当然、ISの待機形態と眼鏡型ディスプレイもです。収監中は私が責任を持って管理しますので安心して下さい」
囚人がISを所持してはあってはならない。本格的なプレイをするならば徹底的にするべきだ。簪は言われるまま自身の専用機である『打鉄隷式』の待機形態である指輪と眼鏡を外して神楽に渡した。
「時間が押しているので、早いところ着替えなさい」
コレで簪は唯の少女。女囚となる。ボディスーツの囚人服を手に取り身体をその中に押し込んで行く。神楽の言う通りサイズはピッタリで寧ろ少し締め付けのある圧迫感があった。下着が無く素肌に密着しており、ある種の拘束感があった。
——身体にフィットする……。ISスーツや簡易スーツに似た質感……身体に覆われているから寒さも余り感じない。
自分の姿を見下ろす。足先から指先に至るまで白と黒の縞々模様のラバー製の被膜で覆われている。素裸が露出しているのは首から上の頭部だけだ。身体に密着している為、胸の膨らみもお尻も身体のラインが浮き彫りとなっている。
「囚人に相応しい身なりになりましたね。では、貴方を懲罰房へと連行します。逃げようとは思わない事です」
——当然、逃げるつもりは無いけど……。
簪が脱いだ服も畳まれて神楽の専用機の拡張領域に格納される。コレで神楽が解放しない限り簪はこの囚人服を着た変態でしか無くなった。
本来ならば此処で拘束して連行するのだが、時間が時間なので今回は無しの状態での連行であった。
管理人室を出て廊下を歩く。簪に当てがわれたのは1番奥の懲罰房。外からでは扉にある小さな格子付きの窓以外中を見る事が出来ない鋼鉄製の扉。
神楽が数字が書かれた鍵を取り出して懲罰房の扉を開く。
「入りなさい」
神楽に命令されて懲罰房の中に入る。IS学園の寮部屋の半分にも満たない狭い独房。硬い床に蛍光灯の照明、机と簡素なベッドのみと言う、殺風景な内装。IS学園の生徒寮とはもはや雲泥の差と言えるだろう。
「今日から此処が貴方の
「……う、うん」
——此処が、今日から私の部屋……。
何も無い部屋。簡易キッチンも無ければ夜中にアニメを見る権利すらも無い。代わりに与えられるのは恥辱の日々。常人ならば忌み嫌って耐え難い事だろう。だが、簪は甘受した。
「さて、IS学園の規定だと懲罰房で反省文を書かされますが、私達のプレイではそんなモノは無粋です。故にそれはありません」
其処で神楽が『役』の仮面を外してそう告げる。そんな気が削がれるようなプレイはお互い乗り気じゃない。そう言うとすぐに『役』に戻る。
「故に貴方に課す懲罰は即ち拘束刑です。懲罰房内では貴方に如何なる自由もありません」
神楽はそう言うと専用機の拡張領域から多数の道具を取り出して床に落としていく。革製の拘束輪、他にも鎖付きの手枷と言った自由を奪い辱めを与える代物ばかりだ。
「では、先ずは……ベットを拘束台へと変えましょう。勿論、貴方自身の手で」
神楽は鎖付きの革ベルトの枷に視線を向ける。簪自身に自分を拘束するベットを作らせる。
「……っ‼︎」
自分で自分を捕らえる装置を拵えさせると言うのは自縛のシチュエーションとして興奮した。簪は地面に落とされた道具を手に取ってベッドの四方の足に鎖を繋げて簡素ではあるが拘束ベットへと作り替える。コレで枷に繋がれれば自力で起き上がる事が出来ない四肢拘束の完成となる。
「よく出来ました。では、ご褒美にコレを」
そう言い次に簪に見せたのはボールギャグであった。つまり、コレからボールギャグを付けると言う事である。
「…………」
「ふふ、聞き分けが良い囚人ですね」
簪は言われるまでも無く目を閉じて口を開ける。そして圧迫感、口の中に広がる異物感、首の後ろで聞こえてくる施錠の音。
「ん、んむぉ……」
ボールギャグを噛まされて喋る事も制限された。
——喋れない……。この、不自由さ……良い。
「時間が時間です。ベッドに横になって両手両足を隅に置きなさい」
神楽に命令されて簪は自分が拘束台へと変えたベッドに横たわり身体を投げ出した。神楽は慣れた手付きで簪の手首と足首に革ベルトで拘束し完全に自由を奪った。
「……いきなり調教するのも味気ありませんわ。初日と言う事で今日はこの程度に留めておきましょうか。翌日の午前5時半頃に懲罰房に来ますわ」
「ん、んむぉう……‼︎」
簪はボールギャグ越しでそう答えた。神楽は既に『役』の仮面を外している。そしてその細い指を簪の胸の先、乳首へと添える。
「んんっ……‼︎」
「……ふふ、興奮して乳首が勃っていますわね。何れは貴方も胸も膣も調教されてしまう……興奮しますわね?」
神楽は簪の乳首をラバー越し暫く扱いた後、軽い足取りで懲罰房の外へと出る。
「では、簪さん。ごきげんよう」
最後にそう言い残して懲罰房の扉を閉じて施錠して、その場を立ち去って行った後、照明が落とされて真っ暗闇の懲罰房内に1人、簪が幽閉された。
——……動けない。そして懲罰房と言う牢獄に監禁……‼︎ 乳首も少しだけだけど弄られた……。まだ、軽いから物足りない。
そして、バンザイで両足も開かれている。自慰すらも許されない体勢。白黒の囚人服……正に囚われた女囚と言うシチュエーション。
「んんう……‼︎」
——……誰も助けてくれない。ヒーローも居ない……私は、ただ恥辱を受け続けてそして……‼︎
妄想していた光景が現実となっている事に簪は興奮して寝るに寝れなかった。だが、寝ないと明日に響いてくる。焦る事は無い、この囚人生活は始まったばかりなのだから……。
「んんう……♡」
「やれやれ、あの子達と来たら……懲罰房を使って被虐欲を満たす為に使うとは」
その様子を2人に気付かれない距離で見守っていたのは真耶であった。
「しかし、同じ趣味性癖思考を持つ者同士。或いは陰ながら援助しても良いかも知れませんね」
早々に姿を見せるよりも陰ながら見守ってからでも遅くは無い。鍵の持ち出しと言う点は咎める点ではあるのだが、真耶としては早々にそのカードを切るのもつまらない。
「懲罰房を有効活用……。私1人では出来ませんからね、そんなプレイ。誰かに迷惑を掛けている訳ではありませんのでそのくらい見逃してもバチは当たりませんね……それに」
真耶は思いを馳せる。次のイベントに関して、である。IS学園の授業スケジュール的に色々と詰まっている。数少ない日数で息抜きは必要だ。生徒のメンタルケアも教員の仕事の内である。
「……IS学園初となる臨島学校、ですからね」
その臨島学校では確実に何かしら起こる。真耶はそう確信していた……。去年はIS学園と懇意にしている旅館での臨海学校だった。
しかし今年は先の『評価表』を見て学園長が『臨島学校』と言う新規行事を計画しタッグマッチトーナメントの代わりに催される事となったのだ。
教員側から見て、初の試みなので何が起こるか分からないと言う事である。