無事に辿り着けた生徒達は『遊獄館』の敷地内で夕食を楽しんでいるその頃、有刺鉄線で仕切られた外。指定された時間内に辿り着けず教師陣達により回収された生徒達は『遊獄館』の敷地の外で夕食は支給された米により飯盒炊爨する事になった
因みに教師達が時間内に辿り着けず遭難同然の状態だった生徒達を発見、回収出来た理由は学園指定のISスーツにある。学園指定のISスーツにはその生徒のバイタル確認の他にGPS機能も備わっている。今回の臨島学校では学園指定のISスーツ着用して参加する事がしおりに明記されていたからだ。
「……あ、あっちではバーベキューしてる……良いなぁ」
「ズルい……‼︎ 私達はオカズなしの飯盒なのに……‼︎」
「専用機持ち全員、合格だなんて。贔屓よ、贔屓‼︎」
「バーベキュー、食べたい。本当にズルい……‼︎」
専用機持ちはタダでさえ代表候補生の面々で固められており、尚且つ1学年の専用機持ち全員が無事に時間内に到達している。
そんな中、半数の生徒が時間内に『遊獄館』へ辿り着けずこうして敷地の外でひもじい食事を摂っている。特に4組はクラス代表だけ時間内に辿り着きそれ以外の生徒は誰1人として到達出来なかった。
「はいはーい。私は最初に言いましたよ? 時間内に辿り着けず遅刻したのは紛れもなく貴方達の責任です。嫉妬したり僻んだりするのは個人の自由ですが、自分の行動を棚上げして非難するのはお門違いと言うものです」
其処で教師達を引き連れた真耶が飯盒で米を炊いている生徒達の前に現れる。その傍にはキャンプで使うテント一式が用意されていた。
「はい。夕食が終わったらテントと寝袋を支給します。尚、コレらも自分達で組み立てて下さい」
テント自体は頑丈なタイプであり決して安物では無かった。
「あ、あの、先生‼︎ お風呂は、どうするですか⁉︎」
「はい、其方の心配もありませんよ。ドラム缶を用意して貰いましたので、貴方達、不合格組はドラム缶風呂です!」
「「「え⁉︎」」」
真耶が言うと奥から持って来られたのはキャンプでお馴染みのドラム缶風呂で用いられるドラム缶であった。勿論、入浴時の安全の為に円形の簀子も用意されていた。
「勿論、自分達で用意して貰います。水道は彼方にありますので汲んで来て水を入れて、火を付けて炊いて貰います。後、織斑君が居たら目の前で脱衣せざるを得ない状況でしたが、織斑君は合格したのでその心配はありません。
ドラム缶風呂の入浴時は安全の為に教師が付き添いますので其処は安心して下さい。尚、入浴時間は午後8時半頃に始めますので、それまではテントを組み立てて自由にして下さいね」
真耶はそう言うと自身も食事の為に、鉄門を潜り『遊獄館』の敷地内へ入って行った。他の教師達も同様にだ。
「な、何で……私達だけこんな扱いなの⁉︎ 臨島学校って言ったら、旅館で食事して露天風呂が典型的な光景だって言うのに……‼︎」
「ドラム缶風呂って、外から丸見えじゃない……‼︎」
「そもそも、どうやって用意するのよ?」
「あっちは楽しそうだし……こんな格差あって良いの⁉︎」
到達出来た組は豪勢なバーベキューを堪能し『遊獄館』と呼ばれる宿舎で泊まるのに対して、遅刻組は外で自分達でテントも風呂も用意しての野宿。……同じ学園の生徒だと言うのに格差が出来れば不満が出るのは当然だった。ルールで決まったとは言え理解は出来ても納得は出来ないのだろう。
バーベキューを堪能したIS学園の生徒達。夕食を終えた後は『遊獄館』のメインエントランスへと向かった。夕食後の片付けは合同で行われた。外見的には分校の宿舎に近い。
メインエントランスで入った後、引率代表である真耶が無事に到達出来た合格組をクラス毎に整列させる。やはり分かっていた事だが、クラス毎に人数差が激しい。
3組は全員、合格したが1組はほぼ専用機持ち達で占められ、2組と4組に至ってはクラス代表のみ、その他のクラスは半数程だった。
「……さてと、取り敢えずIS学園の生徒達諸君。『遊獄館』へようこそと一先ず言っておこうか」
其処でIS学園の生徒達の前に出て声を発するのは、溶岩プレートで豪快な肉料理を作っていた男性だった。囚人服か拘束衣を彷彿させる装いでローブを腰結びにしていると言う不良然としている。囚人服の女性達の中で唯一の男性で尚且つリーダー役なのだろうとIS学園の生徒達は考えた。
「『遊獄館』は1番上の階と1番下の階に正面玄関がある。1番上の6階がこの階層であり、1番下の1階の玄関を出ると島内部にある砂浜に出る。
そうだな……『ヒドゥン・ビーチ』と言えば分かりやすいか、そんな構造の浜辺だ。更衣室はその階層にある。
宿泊の部屋はその間の階層だ。因みにこの下の5階は俺達が使っているから、2階〜4階を適当に使ってくれ」
「質問しつもーん‼︎ その言い方だと貴方達って、此処のスタッフじゃないんですか?」
「……あー、それか。この島は言うなれば俺達の別荘地みたいなモンでな。元々、バカンスの計画を立ててたんだが……お前さんらの大将。IS学園の学園長が『臨島学校の為に貸して欲しい』と吐かしてやがったんだよ」
「その為、お互いの事情的に日程が固定化されていた事もあり折角なので案内と言った役柄をお願いしたのですよ。……もし、日程がズレていた場合……恐らく全員が『遊獄館』に辿り着けなかったでしょうね」
真耶が補足する。その言葉にゲンナリする生徒が多数居たが、気にかける理由は無い。
「そう言う訳だ。IS学園の臨島学校のスケジュールに関しては俺達は基本的にノータッチだ。
明日以降は、お互い干渉する理由は無い。そうだろう? 山田教諭」
「はい、その通りで間違いありませんよ」
「最後に大浴場は2階にあるからな。じゃあ、後は勝手にやってくれ」
その男性は話す事を終えると踵を返して『遊獄館』の奥へと去って行き、その後を追う様に他の囚人服を身に纏った女性達が去って行った。
「はい。では、この後の予定を説明します。部屋は余ると思われますので5階以外の階層の好きな部屋を使用して大丈夫です。あ、織斑君とデュノア君は2人で1つの部屋を使って下さい。
それから、大浴場に関しては男女分けされているそうなので、手頃なタイミングで向かう様にして下さい。因みに消灯時間は10時頃を予定しています」
「山田先生、明日は?」
「明日の午前中は自由時間とします。彼の説明の通り『遊獄館』1階から島内部海岸に出られます。昼食を摂った後に2日目の訓練を開始します」
午前中は完全な自由時間。『遊獄館』は島内部に海岸があると言う『ヒドゥン・ビーチ』に出られる玄関口があるそうだ。そう聞いた生徒達はやっと海で遊べると喜んだ。
「では、解散‼︎」
その言葉で解散となり生徒達は階段やエレベーターを使い、泊まる部屋へと向かうのであった。
やっと、次にR-18描写を入れられるかな……。