章のナンバーが整数の時はエスカルゴ、少数の時はエスカルゴ以外が主人公です。
バックストーリー
「おはよー。あれ?鈴仙、頭の上の……数字?なんだそりゃ?」
「あ、おはようエスカルゴ……それが、朝起きたら、皆の頭の上に変な数字が出てて……」
ある朝、永遠亭にて朝を迎えた俺は奇妙な現象に襲われていた。身の回りの誰も彼もが、頭の上に、謎の数字が出ていた。何らかの要素を表した数字が可視化するとは、これまたよく分からん……。
「鈴仙は1か。俺のは……993か?……何だこりゃ」
数字は見ようと思えば自分でも見られるようだ。天使の輪のように頭上にフワフワと浮かんでいて、物理的な存在ではないようで、手で触れなかった。
ホログラムのような存在と言えば、分かる人には分かるだろうか。まるで
「おはよー。あれ、れーせん、エスカルゴ、頭上のソレ、何なの?」
「おはよ。巫月も1か」
「ホントね……何かしら、コレ」
「1?……あ、ホントだ。えーりん先生〜」
数字を確認した巫月は、特に慌てる様子もなく、近くに居るであろう永琳の方へ。相談に行くのか、何かしらの策を講じてもらうのか……。
「エスカルゴ起きてくる前にチラッとは見たけど、姫様、サグメ様と、緋月も1だったよ。お師匠様とてゐだけは2とか3だったかな?4だったかもね。神愛は0だよ」
何だかもうそれだけで答えが分かった気がした。少し疑問はあるが、ある程度は納得ができる答えが瞬時に俺の脳内で弾き出された。
「……コレ、経験人数とかじゃねぇのか?永琳先生も長生きしてりゃあ2人や3人とヤるだろ。この前は俺ともセックスしたしさ」
「うーん、私もエスカルゴで処女卒業したしなぁ。巫月と緋月は勿論、サグメ様も……」
そんなとき、ふらりと巫月が戻ってきた。永琳に確認を取っただけでなく、てゐ以外の妖怪兎も含め全員の数字を確認してきたそうだ。
「兎は、てゐ以外の全員が1だったよ」
「1か。やっぱり『経験人数説』が濃厚じゃね?」
「巫月。確認だけど、数字は1なのよね?」
「そーだよ、見た限りはね」
「うん、妖怪兎も全員俺が喰ったから、俺の説通りだとすれば少なくとも全員が1以上なはずだな」
「でも、もし経験人数ならエスカルゴのその数字はおかしいと思うわよ」
「「何で?」」
「だってエスカルゴ、その辺の妖精ともヤッてるんじゃなかった?」
「うん。あと月の玉兎も何人かは犯したね。山では天狗や河童、山童とかも何人か犯してる」
「それなら少なすぎるんじゃ……?妖精なんてその辺飛んでいれば目に入らない事が無いくらいに無数と言えるくらい存在してるでしょ」
「知らないだけで、同じ妖精を犯してたとかだろ?あれ、でも大妖精達以外の妖精は見た目は似てても皆揃って毎回処女ばっかで……」
「その辺の妖精まで犯すようになってからは、もう1、2年じゃ効かないでしょ。もっと前からよね」
「そうだな」
「……鈴仙の言う通り、やっぱ、経験人数だとしたらエスカルゴの数字はおかしいね。少なすぎるかも。妖精は死んで『一回休み』から復活したら、肉体が再生されるから二度目の処女なのかもしれないけどそれにしたって993は少なすぎる」
「そもそも妖精はそんなに死ぬ機会もないでしょ。妖精同士の小競り合いはあっても、死ぬまでやる程バカじゃないわ」
「だね。チルノもそこまでしないよ。だからホント考察する上でエスカルゴの数字がノイズ過ぎるね」
「ノイズとか言うな」
「でもホントの事だし〜。エスカルゴの数字にさえ目を瞑れば、エスカルゴの言う通り『経験人数』で合ってると思うんだけどさー」
「……ふむ。俺の仮説通りなら紅魔館ではモルモー、シガレットは2、弦月姫、レイチェル、虔魔は0。そしてそれ以外の全員が1のハズだ。メイド妖精や天子も含めて俺が犯したワケだし」
フランは夢の世界の俺に犯された事もあるので、アレを同一人物と仮定するかどうか。それによってフランの数字は1か2で変わる事になるだろう。
「とりあえず、この数字は『経験人数』で仮定して捜査した方がいいのか?」
「あっ!分かった!『1日のオナニー回数』だ!」
「それだったら、私はそうかもしれないけど巫月は圧倒的に足りてないでしょ」
「それな。つーか俺、オナニーなんて年に数回しかシねーよ。せいぜいが数十回だな」
「私は1日1回じゃ足りないし、永琳先生がそんなオナニーしてるとも思えないしねー。それに姫様もたった1だもん、そりゃないよね〜」
「ガバ考察じゃねーか!」
◆
「────モルモーは2、シガレットちゃんは4、ここあちゃんは3……何だかさっぱり分からないわ。フランも1だし、他の子供達3人は0なんだっけ?うーん……」
「メイド妖精も見た限り全員が1だったし、外にはチルノ、大妖精が居たから話聞いたけど、やっぱり数字は1だったよ。わかさぎ姫は0ね」
「ますます分からなくなったわね」
「私が0なのは何でっ!?」
「それを今考えているのよ、レーテ」
紅魔館では、スカーレット姉妹とレイチェルが、レミリアの部屋にて会議をしていた。しかしながら考えても考えても答えは出ないようだ。
するとそこに、レミリアの指示にてパチュリーの意見を聞いてきた咲夜さんが仕事を終えてその場に戻ってきた。
「失礼致します。……パチュリー様は、『経験人数』ではないかと考察されていました」
「『経験人数』?……えぇ……ンなモン可視化して、黒幕は何がしたいのよ……」
「さあ……それは黒幕に聞かないと分かりませんが。虔魔と弦月姫に共通するのは『性行為』、いいえ、
『セックス』の経験が無い事ですから、恐らく既に答えは出ているかと……」
「うーん……それだと少し腑に落ちないわね……」
「どうしてです?」
「さっき霊夢から連絡が来たんだけれど、どうやら博麗神社でもこの異変が起きているようでね」
「そりゃあまぁ……そうでしょうね」
「霊夢、霊愛ちゃん、霊麗ちゃん、霊子ちゃんは、それぞれ1なのに……霊魔くんは2だって言うの」
「え?」
「もし『経験人数』だったらおかしいと思わない?彼、エスカルゴと違ってシガレットちゃん一筋なんでしょう?もしもその仮説通りだとするなら、彼、2人とセックスしてる事になるわよ」
「……シガレットちゃんと間違えて、ここあちゃんと交わった事でもあるのでしょうかね……?もしくは、ここあちゃんから逆レイプ……を受けた事が?」
「あの双子、見間違えないよう髪型が違うんだから流石に彼氏の霊魔くんは見間違えないでしょうよ。逆……も無いと思うわ、確かに彼女も子供が好きだと聞いてるけど、霊魔くんは好みに当てはまらない。というかもうエスカルゴとばっかヤッてるでしょ、あの子は……」
「確かに、それもそうですわね。……一先ずその話、パチュリー様にお伝えしてきます」
「お願いするわ」
「『例外』と言える数字は、考察する上でのノイズですわね。パチュリー様、落ち込みそうですね」
「こらこら、ノイズとか言わないの……」
再度咲夜さんはパチュリーの元へ向かう。しかしこの場の3人は、もっと重大な事実にまだ気付いていないらしかった。あまりに「当たり前」になっていたからなのか、それとも彼に染まっていたのか。
かろうじてその事実に気が付けたのは、まだ幼いレイチェルだけだった。
「……というか、どちらにせよ、パチェの仮説は外れだったと思うわ。私、実際の経験人数2人じゃん」
「………………敢えて口にしなかったのに。あの事は、もうあなたの中で吹っ切れたの?」
「ん……まぁね。夢のエスカルゴにレイプされた後、エスカルゴにちゃんと上書きしてもらったもん」
「……」
「それに、夢のエスカルゴと現のエスカルゴは夢の世界を隔てただけの同一人物────少なくとも、私はそう解釈してるから、1でもそんなに違和感は無いんだけどね」
「……ハッキリ言うけど、私も、パチェの説を聞いて変だと思ってたの。あなたが居たから……。だけど、確かに夢の世界を隔てた同一人物なら『1』判定になるかもしれない……わね。うん、確かにそうね」
「でも、そうだとしたらガバだよねぇ。夢の世界と同一人物で数字も統一するなら、弦月姫ちゃんも、同じく1になるはずよ。夢の世界の弦月姫ちゃんはエスカルゴとエッチ済みだもの」
「ガバね。シガレットちゃんが4、ここあちゃんが3だなんて数字、『同性含む経験人数』しかないと思うんだけれど。なお且つ、夢の世界の住人はノーカウントね」
「小悪魔母娘、当たり前のように母娘、姉妹で百合えっちしてるもんねぇ。ガバなのも仕方ないかも」
「だよねぇ。霊愛お姉様達も1だなんて変だもん。霊愛お姉様、霊麗お姉様、霊子が、一体どこの誰とエッチしたっていうの?」
「「────ッ!!」」
サラッとそんな事を言うレイチェル。紅魔館で、ここあと俺、シガレットと霊魔の近親相姦がとっくに当たり前になっていた事から、スカーレット姉妹は気付けなかった。
もし「経験人数」だとするなら、霊魔よりずっと博麗3姉妹の数字の方がノイズなのだと────。
◆
「これどう考えても『エッチした人数』でしょ」
「「「異議無し」」」
「はい解決、今日の仕事に取り掛かりなさい」
「うい」
「はーい」
「はぁい……」
「違うッ!!」
博麗神社でもやはり永遠亭、紅魔館と同じ結論が出ていた。トランシーバーにてレミリアとやりとりしていたからというのもあるが、そもそも紅魔館の性事情など博麗神社の面々が知る由もなく。
そして霊夢の提唱した説に3姉妹は賛成するが、霊魔だけが顔を真っ赤にして反論する。実際、彼の経験人数は2人であるが、もし仮にそれを認めたらどうなるか────それを察せない霊魔ではない。
「霊魔ぁ、あんた覚えてないだけで誰かを襲ったりしたんじゃないの?」
「違う!」
「ここあに襲われたんじゃないの?」
「違う!!」
「性の喜びを知ったばかりの霊子が襲ったとか?」
「いや、私、お父さんのちんぽしか興味無いし〜。ね、お兄ちゃん?」
「ッ……」
「うーん、霊魔の数字さえ1ならねぇ……。あんた、本当にシガレットちゃん以外の誰も襲ってないの?別に他の誰かを襲っててもいいのよ?エスカルゴの息子だしそりゃヤリチ……ハーレム作る野望くらいは抱いててもおかしくないわ」
「違うからっ!」
「あはっ、お母さんその言い方!」
「ちょっとサイテーかも……?」
「でもしょうがないっしょ、霊魔お兄ちゃんだってお父さんの子だし?エッチしたくなるのなんてさ、まさに、その血の
「「「あははははははっ!!」」」
(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい……どうにかして
「経験人数」以外のこの数字に当てはまるナニカを出さないと、お父さんとエッチしたのバレる……!!考えろ、考えるんだ博麗霊魔ッ……外で得た知識も、漫画で得た知識も全て!総動員して……!!)
霊夢は、経験人数がバレる事以外は実害も無いと判断し、異変?の解決に向かうのは保留していた。そもそも異変だとも思えなかったからだ。
寧ろこの「1」は純愛の証と、密かに誇りにさえ思い始めていた辺り、霊夢もまた毒されているとも言えるだろう。しかし霊魔はそうもいかない。
「僕が……解決してやるッ!!」
「お、霊魔いく?イッちゃう〜?」
「頑張れ〜」
「ザーコザコザコ、ザコお兄ちゃん♡ 異変の解決、頑張れっ♡ 頑張れっ♡」
「行くんなら御札と針も持っていきなさい。きっと役に立つから。私は少し様子見するわ」
「っ!……分かったっ!」
こうして、霊魔をはじめとする異変の解決組は、密かに動き出した。
ある者は、真実を揉み消す為に。
ある者は、真実を追い求める為に。
そしてまたある者は、単に目障りだから……。
エスカルゴは経験人数説を提唱していますがまさか同性も含んでると思っていないので、小悪魔姉妹の数字は1と2と発言しています。
なので霊魔の数字も1と勝手に思い込んでいます。
さて、この数字の正体は……?