「────何ですって?奴らの正体が分かった?」
「ええ、俺の推理は今日も冴え渡ってるようで」
「昨日の今日で、もう?」
「何だと?私が動く前に終わりそうなのか?」
「隠岐奈は別に動かなくてもいいよ……。何をするか分かんないんだし。いや、何を
「なっ!?」
リエ達と別れた後は、その足で後戸の国へ行き、隠岐奈と紫さんと合流。華扇はともかく、賢者達と相談する為だ。この2人も俺とは別の方法で色々と探っているようだが、やはり実地調査……直接3人と接する以上に得られる情報などないのだ。
「99%、奴らの正体が分かりました。だけど、もしこの推理が当たってるとしたら、奴らの目的は
「『悪魔だから』ではなく、普通に、『知り合って間が無いから』ではないのか?」
「それなら『偽名であること』を明かすのかしら。もし私が偽名で活動していたとして、他種族の者、しかも初対面で、それすらも承知した上で自分達の協力者にすると仮定するなら、そもそも『偽名』と明かす方が危険に思えるわ」
「むぅ……それもそうか。『協力者』に名乗る名前が偽名だと知らせておく事に、メリットは無いしな。というより、不信感が募るだけとも言える。結局、敢えて偽名と明かしたのに、本名は言わなかったのだろう?」
「怪しさが増しただけね」
「全くだ。偽名だなんて言えば、疑われる事は必至だろうに。それすら分からないバカが相手なのか?それとも、協力者に疑われるというデメリットすら度外視できる『何か』があるのか────?」
「そう、俺もそう思う。『相手を信じ込ませるには嘘の中に真実も混ぜること』────これが相手を騙す鉄則だから、俺の偽名も下の名前を明かした。まぁ、人間としての偽名なんて所詮は使い捨てさ。だから明かしても悪用されても特に面倒は無いから構わないんだけど……奴らの目的がもう1つ……」
「そこはほらエスカルゴ。お前、アレだよ。お前の女誑し力でどうにかしなさい」
「そうよそうよ」
「2人共、何言ってんの!?
「あなたが『何言ってんの!?』よ。3人も居るのだから1人くらいさっさと
「紫さんてハニトラ仕掛けるのノリノリなんすね」
「お前は男だから
「「隠岐奈は黙って」」
「なぬっ!?」
シエルの名刺からも、ミカの名刺からも、やはり残存した気配は特に感じられない。そればかりか、彼女らと接触した俺も「もしかしたら3人は本当に人間なのでは」と0.001%くらいは思ってしまう。
勿論、そんな事は絶対に有り得ないと、誰よりもよく知っているのだが……。
「で、正体は何なんだ?」
「隠岐奈、問題はそこじゃないわ。奴らの目的よ」
「まぁそうかもしれんが、気になるじゃないか〜」
「奴らの目的は『捜し物を見付け、回収する事』。でも、それが何なのかは教えてくれない。だから、現状、察するしかないのがキツイかなーと」
「『1つは判明した』と言ったな?それは何だ?」
「────勅使河原ミカは、俺を殺そうとしてる。恨みがあるんだ。そしてこれこそが、奴らの正体を掴む明確な鍵の1つになってくれた」
「……成程。ならエスカルゴ。そいつ、さっさと利用して、全ての謎を解き明かしなさい」
「ええ、そのつもりです。女心を利用するのは心が痛みますが……『恨み』だったら、幾らでも、無限に利用してやりますよ。感情で動くタイプのヤツほど
「おー怖、エスカルゴと紫の策には寒気がするな」
「寒気がするだァ?風邪引いたんだろう。……バカは風邪引かないか」
「お前より頭イイが?」
「そっちの面での『バカ』じゃあねーよ」
「知ってるが?」
ムキになる隠岐奈は、可愛いというより面白い。イジリ甲斐があるというか、何というか。時には、紫さんまでもがノッてくれるのが面白い所だ。
「……エスカルゴ、隠岐奈の事は放っておいて、次に進めなさい。報告は頼んだわよ。最も幻想郷に害の無いルートに入れる事を……祈っているわ」
「それは俺も同じですよ、紫さん」
「しかし、少々解せん所もある。話を聞く限りではシエルとやらの方が扱い易いようにも思えるがな。ロリコンなエスカルゴだし、幼女の扱いはお手の物なんだろう?」
「俺の娘みたいな純粋無垢なロリだったら兎も角、シエルはどうもそういうタイプじゃない。恐らく、シエルを糸口にするよりかは、恨みを原動力に動くミカを利用した方が効率は良いな。『俺を殺しても無駄だ』って、実際に殺させて、分からせるだけでいいんだからね。俺が不老不死なのは、自己紹介の中では言ってねえしな」
「自己犠牲も、程々に。不老不死とはいえ、お前が死ねば心を痛める者は多かれ少なかれ居るのだぞ」
「……!」
紫さんは肯定も否定もしない。隠岐奈がこうして優しい言葉を掛けてくれるのは、珍しい気がする。けれど、それだけ心に染みるものがある。
だが隠岐奈だ、素直に礼など言ってやるものか。
「隠岐奈は俺が死んで心を痛めてくれるのかな?」
「いや、全く?」
◆
紫さんが見ている目の前で、隠岐奈を心ゆくまでブチ犯し、一戦を終えた俺は今、妖怪の山である。トランシーバーの改良を依頼しに、にとりを訊ねる為に来たのだ。
「……そういうワケで、マイナスかハイフン、これを追加してほしい。何なら両方追加しても構わない。料金はいつも通り言い値で払う」
「話を聞く限りではハイフンだと思う。1台だけの改造なら依頼料は1万円も掛からないよ。メンテのついでにやってあげる」
「いいのか?」
「これまでエスカルゴに融通したトランシーバーを全て改造……ってんなら無理だったけどね。ま、1台だけだったらサービスって事で5,000円でいいよ」
「助かる。いつまでに終わる?」
「1時間以内には余裕で終わるよ。だってこの1台だけの改造でしょ?他のトランシーバー全てと通話テストすらしなくていいんだもの、楽なもんだよ。せいぜい、普通に使えるかどうかの確認だけだし」
「OK、ありがとう。1時間後にまた来るよ」
「はいはーい」
その1時間は、あの黒髪おかっぱの河童ちゃんと素敵な時を過ごし、そして定刻通りににとりの元へ再度訪問する。50分程度で完成させたとのことで、作業着を半端に脱いでまったりと過ごしていた。
「……ん?この匂い……エスカルゴ、誰か襲った?」
「え、匂いで分かんの?」
「河童特有の、『忙しくて風呂に入らないで水浴びだけで済ませた時の体臭』がエスカルゴからする」
「凄いな……バッチリ合ってるよ。『洗ってないからどうしても脱ぎたくない』って言うからさ、着衣で済ませてきた」
「うぇ、洗濯していきなよ、かなり臭うから……」
「1時間以内には終わるか?」
「うん、乾燥含めてね。私はここ最近時間にも余裕あったから、ちゃんと風呂入ってるし、好きなだけ抱いても密着しても、匂い移りしないぞっ♡」
「そりゃー良かった、じゃあ洗濯させてもらうわ。待ってる間、ちょっと久しぶりにヤろ」
「待ってましたぁっ♪」
どうやら息子の方にも匂い移りしていたようで、にとり曰く「すんごい生臭い」らしかった。それを彼女の口や瑞々しい膣で綺麗に掃除してもらって、トランシーバー改造依頼料を渡す。どうして彼女に依頼料を払う前に始めてしまったのだろう。事後に渡すだなんて、援助交際してるみたいではないか。
「……はぁ」
「どしたー?いつもより時間短いから物足りない?私はいいよぉ、追加でエッチしても♡」
「……にとりのそういうとこ好きだよ」
「うぇっ!?ど、どうしたのさ急にッ!?」
そういえば、雛とは普通の恋人関係になってたがにとりとはセフレだったか。にとりの方が繋がりも深いだろうし、時間も長いのに、おかしなもんだ。
「にとりは俺んこと好きだっけ?」
「 ッ!?」
「あいや、自意識過剰ならゴメン。盟友としてしか見れないならそれはそれでイイしさ。俺、『男女の友情は成立しない』と思ってるんだけど。にとりはどう思う?────証明してくれるか?それとも、成立する派だったりする?」
「……成立しないっ♪」
「やっぱそうだよなー」
ある意味で、幼馴染のような距離感だった妖夢、そして友人と思っていた魔理沙さえ、ああだった。それが、20年以上の付き合いがあり、且つ、何度も交わっているのだから、男女の仲という意味で情が湧いても仕方ない。
そしてこの日はこの後にとりと初の恋人エッチを楽しんだ後、夕方から赤蛮奇とのデートに臨んだ。
第2部初カノは、にとりです。
1部の頃に書きましたが、うちの幻想郷の通貨は、現代日本の円です。原作のように「1円すら高い」ような昔の感じではありません。
追記
進捗報告用のアカと、ボツ挿絵置き場のPixivアカを作ってみました。気まぐれに更新していきます。
https://twitter.com/Escargot_Mormo?t=Z0pGUROG1PrGzIaE5umrCg&s=09