子供達が紅魔館への宿泊を始めて1日目。今日、俺は永遠亭に泊まっている。
夕方頃に永遠亭に戻った俺は、合図も無しに軽くてゐと交わり、30分もしない内に行為を終え、夕飯作りを手伝い食事を終え────自室にてのんびり横になりつつ、やっと読めるようになった雷属性、月属性、無属性魔法以外の、魔導書を読んでいる。勿論この魔導書は自著などではなく、パチュリーの蔵書を借りているものだ。
しかし何とも集中できない。静かすぎるというか雑音らしい雑音が無いというか、心が騒めくような奇妙な感覚がある。胸騒ぎとも違う。
そして俺が魔導書を読む傍らで、鈴仙は医学書を読んでいる。薬学の本も積まれている。兎角同盟の活動の中で必要となるであろう知識を集めているんだろう。
「子供達が居ないと、イヤに静かだね」
「居ても夜中以外は静かだけどね」
「……それもそうか」
鈴仙と会話して、気が付いてしまった。永遠亭が静かなのは子供達が居ないからではない。子供達が居ないから、俺と子供達の会話が無く、故に、俺の発言する回数が激減しているからなのだと。
巫月が居れば、俺の傍には常に巫月が居るのだ。だから自然と会話も生まれるし────セックスに至る機会もそれだけ多くなる。
「巫月……今頃、何してんだろうな」
「さぁ。弾幕ごっこでもしてるんじゃない?」
「……弟達に犯されないよな。緋月も……神愛も」
「巫月は強いしエスカルゴ一筋でしょ。そんな事になったら流石に大問題よ。緋月も、エッチな事にはあまり興味は無いみたいだし、神愛ちゃんは……まあ大人しいけど大丈夫でしょ」
「……。霊魔がシガレットと付き合ってるのは鈴仙も知ってるよね」
「そうね。エッチもしてるんでしょ?」
「うん。……てことはだ。霊魔が性欲に目覚めたなら他の男子も性欲に目覚める可能性が高いって事だ。もし結託されたら……ッ…………もし、姉妹を犯しでもしちまったら……!」
「……前に、言ってたもんね。『自分以外の男は須く敵である、弟であろうと息子であろうと』……って」
「ああ。霊魔が性欲に目覚めた時点で、いや、その前から警戒はしてたんだ。妖舞は幽々子さんが好きだからな。『好き』という感情は時に精神を侵す。その人をどのように動かすか、まるで分からない。好き過ぎて暴走なんてのは、外の世界の人間でさえ普通に起こりうる事だ」
「普通にって大袈裟な……」
「誇張なんてしてないぜ。ストーカー殺人なんて、珍しくもない事件さ。『好きなあの子が俺のモノにならないならいっそ────』なんて考えるのは、ザラに居るからな」
「えー……」
「無論、俺の息子にそこまでの刹那的……というか、短絡的思考のバカヤロウは、居ないはずなんだよ。だが、息子とはいえ他人は他人。俺とは違う男だ。何を考えているのかなんて、分かりっこないんだ。だからこそ不安でな」
「ま……見た目は幼くとも、人間で言う『思春期』に入る頃の子供達も居るもんね」
「そう。若さは恐ろしい。『若気の至り』なんつー言葉があるように、若いと何をするか分からない。俺が一番危惧してるのは妖舞と小春だな……」
「えっ、小春ちゃん?────あっ」
「妖舞は幽々子さんが好き。その幽々子さんは俺と付き合ってる。なら溜まったフラストレーションは何処で、どうやって発散するのか?────それが妖舞より圧倒的に非力な小春に向かわないかって、いつも心配なんだ。あの子は、俺と添い遂げる為に自殺しちまっただけの人間の女の子……人間の頃からずっと、性交渉は断ってきた。今でもさ。だから、妖舞の動向にはよく気を付けてるんだ」
「妖舞くんの事、信用してないの?」
「どうかな。そもそも何年も前から妖舞とは疎遠になりつつあるからな」
「え……?」
「それも仕方ねえ事なんだよ。白玉楼に居ても俺の傍には常に小春、または幽々子さんが居る。妖舞と話す機会なんて、それこそ、料理の時くらいでさ。妖舞も俺を避けてる。そんなんじゃ……信用どころか話し掛けづらいってもんさ」
「……」
「初めての男子だからな。育て方も分かんねーし、四苦八苦したよ。……けど、間違ってたのかなって、少し後悔する日々さ。その後悔が、今の不安に直結してるんだ。俺みたいな男に育ってないかと……」
カーテン越しで顔の見えないシスターに懺悔でもするかのように、鈴仙に本心を吐露する。情けない限りだとは思うが、口をついて出てくる言葉は俺の理性とは反対に中々止まってはくれない。
しかし鈴仙は、次々と言葉を溢れ出させる俺を、優しく胸に抱き寄せてくれた。
「鈴仙────」
「……大丈夫よ。あなたの子供達は優しい子ばっかりだもん。例え『自分以外の男』だとしても、少しは信用してあげよ?自分の子なんだから……ねっ?」
「鈴仙……あったかい」
「もうっ……最近のエスカルゴってば、ずっと巫月と抱き合ってるから……。少しくらいさ、私の温もり、思い出して?」
「ん……」
久しぶりに2人きりの時間が取れたからだろう。こんなにも何もせず、ただただ鈴仙と抱き合う時間というものが取れるなんて、思ってもみなかった。
そして、数年ぶりに思い出した気がする。鈴仙の温かさを。鈴仙の想いを────鈴仙からの愛を。
「……思えば今日は、巫月も緋月も居ない、結婚後、初めての夜だな」
「あ。そういえば……」
「今夜こそが本当の『初夜』かもしんねーな」
「ん……そうかもっ♪」
「っ!?」
座ったまま抱き締め合っていたが、鈴仙は唐突にこちらに身体を預け、俺を押し倒した。そして胸を俺の胸板に擦り付けるように、ゆっくりゆっくりと顔の距離を近付けてくる……。
「ちょっと早いけど……寝よっか?」
「いつもより2時間は早ぇけど……寝るか」
「フフッ……2時間かぁ。巫月や緋月と交代もしないから、タップリ楽しめそうっ♪」
布団を2つ繋げ、消灯。まだまだ妖怪兎達の声は聞こえる。妖怪にとって夜はこれからだ。しかし、もう俺達の世界には関係ない事。この襖の向こうは別の世界────並行世界だと思っている。
今この世界は15畳にも満たない広さ。弾幕ごっこするには、あまりにも狭すぎる。でも、それだけで良かった。鈴仙が居るだけで良かった。今の2人を満たすには、布団さえ敷けたなら、それでいい。
何も言わずとも分かってる。服を脱ぎ、お互いに身も心も全て曝け出す。
鈴仙は妖艶に微笑みながら俺の肩に手をかける。今日は、鈴仙が上になりたい気分らしい。
「まだ挿れちゃダメよ……♡」
「分かってる」
「なら良し♡」
既に太もも、いや膝まで垂れる程に愛液が溢れているようだ。しかし鈴仙は、俺を焦らしたいのか、それとも己を焦らして挿入の快感を高めたいのか、反り返って腹にくっつかんばかりに勃起した陰茎に蜜の溢れる陰部のワレメを沿わせ、前後に、クチュクチュとイヤらしい水音を立てながら腰を揺らす。
「あんっ♡ すごっ……すごいよエスカルゴ、ぷっくり尿道膨れてるっ♡ イキそう?まだダメよ?♡♡」
「っ……鈴仙のスマタ、エロすぎ……」
腰の角度によって、コリコリと竿に擦れる、硬い物体の存在を感じる。鈴仙のクリトリスもすっかり勃起しているようで、こっちから皮剥きせずとも、スマタによってクリの皮剥きがされているようだ。
「あっ、んっ、んうっ……あんっ♡ コリコリしてぇ、これっ、しゅきぃ……♡ あっ……はぅ……んあっ♡」
口寂しいのか、指を咥える始末。どうせならばと思い、鈴仙の手を引き剥がし、代わりに俺の親指を彼女の口の中に突っ込む。その上で、唾液に濡れた鈴仙の指は俺の口内へ。
スマタしながら互いに互いの指をチュパチュパと舐め合うなんて、鈴仙とセックスして童貞卒業して20余年の俺も、初めてかもしれない。
「ぷぁ……ね、ちゅー、しよ……♡」
抱き寄せようと手を伸ばす。しかし俺から改めて抱き寄せられるまでもなく、鈴仙は身体を倒して、むにゅんっと胸を押し付けながら、可愛らしく口を窄ませて唇を押し付けてくる。
キスの為だけに、わざわざ許可を取るような事を言うなんて、これも随分と久しぶりだ。これまで、例え娘の前でも、師匠の前でも、輝夜やサグメや、てゐの前でさえ、平気な顔で唇を重ねてきたのに。
それなのに2人きりの時にこうして許可を求めるなんて、鈴仙、どれだけ可愛いのか。
「んっ♡ ちゅ♡ あっ……んん……♡ ちゅるっ……♡」
「はぁっ……ふぅ…………鈴仙、血ィ飲ませて?」
「ん♡ いいよぉ、好きなとこから飲んで……あっ♡」
いつも通り首筋に噛み付く。ちうちう血を吸うと例によって、鈴仙は軽い前戯でもされているように甘い声を漏らし始める。
「あ……んっ♡……んっ……んうっ……くぅ……♡」
「耳元で喘がないで……意識トぶまで犯したくなる」
「イイよ……今日は特別だもん……。加減しないで……朝までエッチしよ……♡」
「性欲で身を滅ぼすよ」
「イイよ……あなたとなら……♡」
「ッ……」
「そもそも時間差でのデキ婚だし、今更でしょう?巫月を産んで、何年経ってるのよ?20……いや22年?それくらいは経ってるわよね」
「はは……ホントごめん……。ジューン・ブライドを狙ってたら、何年も機を逃しちまって……」
「あーあ、残念だなー。ジューン・ブライドの事はいいけど、私、本当なら霊夢より文より、妖夢より咲夜より────誰より早く結ばれたかった」
「ッ……ごめ……」
「でも……こうなったのは私のせいだもの。これは、あの事件の精算の中でも
「もういいんだ、あの事は。いいんだ。もう何とも思ってないから……だから何も言わないで」
「!……ごめんね、こんな日にこんな事……」
「いや……」
ちょっぴり、空気が重たくなってしまった。何もこんな時にあの事件を思い出さなくていいだろう。トラウマというものは脳裏に蘇る時と場合を選んでくれないものだというのは知っているが……。
「もちっと血ぃ飲ませて」
「ひゃっ……」
俺は再度鈴仙の首に噛み付き血を啜る。ビクンと身体を震わせるので、だいしゅきホールドのように鈴仙を下から抱き締める。
押し倒すのもいいが押し倒されるのも悪くない。胸で押し潰される感覚が堪らない。
「……ついでにキスマークつけちった♡ ちと強め♡」
「やんっ、もう……中々消えないんだからね?」
「いいじゃん、鈴仙は俺のなんだから」
「そうだけどさっ……全く……///」
「……そろそろヤる?」
「うん……ヤるっ♡」
ニッコリと可愛らしく微笑むと、反り返る息子を掴み、身体の角度はそのままで、挿入をし始めた。確かこの体位は、騎乗位の派生────「本茶臼」だっただろうか。
ピストンのしやすさを犠牲にして身体の密着度を極限まで上げる、イチャラブの究極系の騎乗位だ。
「んぁっ♡ あん♡ あ♡ 奥、キテるよっ……ひぁっ♡ゆっくり、なのにっ……んぅあっ♡♡ ジンジンして、イッちゃうっ……イッちゃうぅんっ♡」
「俺も1回目イクよ……っ」
早漏男に敏感花嫁。かなり、身体の相性がいい。恐らく身体の相性だけで言うなら、霊夢やフラン、果てはモルモーやレミリアよりも上かもしれない。
腰をぐっと鈴仙に押し付けると、1発目特有の、特別に濃厚な、粘性の強い精液が飛び出す。
「っ……あ……。溢れてきちゃってる……」
「たはは、マジじゃんか。鈴仙の子宮に流し込んだつもりだったけど。鈴仙の子宮、2人も産んどいてもうキツキツに戻ってるの?また久しぶりに可愛いボテ腹にしてやりたいな」
「もぉっ♡ 霊夢にもそう言って4人も産ませたの?エッチなんだからっ……♡」
「別に誰にでも言ってるワケじゃねーんだよ?」
「えー?ホントかなぁ?……孕むかどうかは、私も、運に任せよっかな……♪」
「へへっ。鈴仙との子なら可愛いロリ確定だよ」
「分かんないよー?今度は男の子かもよ?」
「いやあ……生意気そうだから女の子で頼むよ」
「もうっ、何よそれ♡」
そっと抱き寄せ、ちゅっと唇を重ねる。すると、俺から攻めるまでもなく鈴仙から舌を絡ませてきて騎乗位で俺の上に居るのをいい事に、舌を伝わらせ甘い唾液を流し込んでくる。
俺は彼女の舌を吸って、足りない、もっと唾液を寄越せと言わんばかりに、彼女の口内を舌で蹂躙。鈴仙もそれに答えるように、ぷるぷるの可愛い舌を吸わせてくれる。
「ぷは……はぁ、はぁ……♡ ふふ、私の
「ん……抜かずの2発目……」
「あん♡ ふふ、精液でヌルヌルが増してるね……♡」
下から持ち上げるように鈴仙の胸を揉む。俺達が出会った頃と比べて2カップ、いや3カップ程度は大きくなっただろうか。あの頃でさえ揉みごたえのある豊かな胸だったのに、今はもう、指の隙間から零れそうだ。
「ゆっくり動くのもキモチイイんだね……好き♡」
「俺も好き。……今日は色んなセックスしよ」
「そうね、時間はたっぷりあるもんね……♡」
唇を斜めに重ね合わせ、その狭間で舌を絡める。口の隙間から2人の唾液が混ざって、零れ落ちる。鈴仙のスローなピストンが、ほんの少しずつ速度を増していく。
「んっ……あっ♡ はあっ、あんっ♡ んあぁっ……あ♡ヤバッ……あっ♡ ああん♡ イクッ……♡ ひぁあっ♡」
ぢゅる、ぢゅるるるっと舌を吸い、絡めながら、指の背で鈴仙の頬を撫でる。愛おしむような慈愛に満ちた優しい紅の瞳を覗かせる。その瞬間ギュンと何か睾丸を優しく握られたような、もしくは絶頂の快感に包まれたようなそんな快感に襲われ、空いた片方の手で鈴仙のお尻を掴むと、ゴリュッ♡と強く亀頭を子宮口に押し付け、二度目の射精に至った。
「ふふ、ほっぺ触ってイッちゃったね♡」
「……やっぱ、ほっぺって性欲暴発剤だわ」
「あはっ、何よそれ?どんだけほっぺ好きなの?」
「触るだけで勃起するくらい?」
「確かに。昔からそこは変わんないよね」
「だな」
「……じゃあ〜ぁ〜……ほっぺた同士くっつけたら、どうなっちゃうのかなっ?」
「あっそれは待っ」
「えいっ♡」
不意に柔らかい頬が当てられた、俺の右頬。少し汗でしっとりとしている鈴仙の頬が、鈴仙の頬が。鈴仙の頬が、今、俺の頬と触れ合っている。
まるで頬でキスしているかのようなその柔らかい感覚に、もし俺が女なら一瞬でアヘ顔を晒すようなあまりに強すぎる、致死量の数倍とも言える程の、強烈過ぎる快感に全身が飲み込まれ────。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♡♡♡♡♡♡♡♡」
「え、ウソ……この感覚……今のでイッたのっ!?」
間違いない。断言できる。今のだけで普段の倍は射精した。小悪魔のバキュームフェラと同程度だと何となく自分で分かった。
鈴仙の驚愕の声は耳元で、しかも普段より大きい声だと言うのに、まるでうるさいと感じる事なく、寧ろ喘ぎ声と同じくらいに甘い響きに感じられた。
「えぇ……?ほっぺ好きなのはずっと昔から知ってたけど、ピストン無しで射精するくらい好きなの?」
「う……ふぅ…………はふ……今ので5発分はイッた」
「もー、それは大袈裟っ!……じゃ、1回抜くよ?」
「ん」
「よい……しょ、と…………んっ……えへへ、足に上手く力が入んないや……ふひゃっ!?」
ほんの少し柔らかくなった陰茎がズルリと抜けたその瞬間、3回の射精とは思えない程の精液がボトボトと重い音を立てて鈴仙の陰部から零れ落ちた。ゼリーのような液体と固体の中間の存在にも思えるその精液を見て、鈴仙は口元を震わせながら、俺の顔を見る。
「……い……今の3回で、こんなに?」
「
「……みたい、だね……?アハハッ……これ、あなたが神徳無しの頃だったら確実に妊娠してたよ?」
「だろーね……妊娠した鈴仙はエロいし……近い内にまた見たいかもしんないけど」
「えー?妊娠しちゃったらエッチできないじゃん……その、お尻……アナルセックスじゃ物足りないよ……///」
「ま……今はこんな神徳もあるし、いつも通り孕むかどうかは任せるよ。俺も、鈴仙とはいっぱいエッチしたいしさ」
「うん……♡」
頬を撫でる。すると鈴仙は、猫が飼い主に頬擦りするように手に頬擦りをしてくれる。精液と愛液に濡れた肉棒が、またムクムク硬くなるのが分かる。鈴仙の腹にそれを押し当てながら彼女を抱き締め、腹でサンドする。
ふと鈴仙と目が合うとニコリと微笑んでくれる。天使にも思える目の前の彼女、いや嫁は既に二度の出産を経験しながらも昔ながらの膣の締まりは未だ衰えず、挿入したならすぐ精液を搾り取らんと強く優しく締め上げてくれる。
こんな鈴仙だから、真っ先に孕ませたんだろう。フランより、レミリアより、霊夢よりも。俺の持つ本能というものが、鈴仙を選んだのかもしれない。
「ホントにほっぺ、好きね?少しくらい、おっぱい揉んでほしいんだけど♡」
「片手ずつ味わうのもイイかもね」
「あん♡ 贅沢なんだから……♡」
「贅沢なもんか。何の為に手は2本あるんだ?胸と頬を同時に味わう為さ」
「それは絶対違うでしょ♡」
やはり異性の頬を撫でる時は、指の腹ではなく、指の背で撫でるに限る。
指の背は、指の腹より骨っぽい。指の骨に近い。だからなのかは俺にも分からないが、頬の柔らかさというものをより強く感じる事ができるのだ。
例えば、脛。脛は「弁慶の泣き所」と呼ばれる程痛みに弱い。筋肉や脂肪が無く、骨に近いからだ。
脛をぶつけると他の部位より痛いのと同じ事で、指の背で頬を撫でると、その柔らかさを、より強く感じられる。もし異性の頬を撫でる機会があれば、是非とも積極的に使っていきたい裏技である。
「────鈴仙。俺と結婚したこと、絶対に、後悔させないからね」
「うん……分かってるっ♡」
結局、今回は「普段より2時間長い」程度で済むことなどなく、いつも通り朝方まで、いや、いつもよりも更に長い、昼前頃まで交わり続けていた。
睡眠時間は完全なる0分。よくもここまで性欲が保てたものだと、鈴仙と笑い合った。
まるで発情期のような、今日の交わり。きっと、初夜だけに許された、なにものにも代え難い、長い人生の中でもとびっきり特別な夜だったのだろう。
この夜から昼前までの行為で、鈴仙が孕んだかは分からない。それでも、どんな結果になろうとも、俺は全てを受け入れ、責任を取ろうと思う。
そしてここから、俺のたった19日限りの昼夜逆転生活が始まる事になった────。