※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活 第2部   作:エスカルゴ・スカーレット

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前回のあとがきにリンク付けたから見返してみて。
お願いしますです!


2日目:ノーマル女子の場合

 

「「ただいま戻りました〜♡」」

 

「「「「おかえり〜」」」」

 

 男子部屋にて霊魔と駆翔が兄弟と合流した頃に、同じくこの小悪魔の双子姉妹も、女子部屋で姉妹と合流を果たしていた。霊魔&駆翔と違うのは2人共揃ってニコニコしており、ツヤツヤな点である。

 

「わ〜お……☆」

 

「すんごいツヤツヤしてない?気の所為?」

 

「気の所為、じゃ……なさそーだねぇ。シガレットはともかく、ホントにここあも?」

 

「はいっ!駆翔くんの調教を開始しました♡」

 

「「「まさかの調教プレイ!?」」」

 

 巫月、霊愛、霊麗は、同時にツッコミを入れる。霊子は「調教って何?」といった様子。それ以外の姉妹は気にしつつも「我関せず」を貫く子もいる。さっさと朝食に向かう為に着替えを始めていく。

 

「なんだか〜、童貞なのに、おちんちんの大きさやその他諸々に自信がある様子なので、事ある毎に、お父様や霊魔くんを引き合いに出して、ちょっぴりメンタルをへし折ってあげちゃいましたっ♡」

 

「……ここあって、生意気男子が好みなんじゃ?」

 

「はいっ!『生意気男子が折れる』のが好みです!ホントに大好きですぅ!お父様で例えると、自信に溢れているお父様が、快楽に負けて腰を振る事しか考えられなくなる所を眺める……みたいな……!」

 

「それはー……あぁ……何か分かるかも……?」

 

「え、ホント?いいなぁお姉ちゃん……私まだそんな余裕ないよ」

 

「私だってそんな余裕あるわけじゃないよ〜」

 

(お父さんが腰を振るのに夢中になる姿、か。けどお父さんがセックスに夢中になってる時、当の私もヒィヒィ言わされてるしなー……。アナルセックスが気持ち良すぎるからなのかな?普通のセックスならお父さんのそういう姿、見れたりするのかな……)

 

 下ネタ大好き女子達がそんな会話をしている頃、興味すら示さない完全な「我関せず」を貫く姉妹はやはりその子達で自然と固まり、会話、行動する。

 

「ふぁ〜ぁ……おはよー……」

 

「おはよ。相変わらず樹理愛お姉ちゃんは眠そうな顔してるね」

 

「んむにゃ……いつも、もっと寝てるからぁ……」

 

「ふーん」

 

「阿弥は、よくこんなに早く起きれるねぇ……眠くはないの……?」

 

「あんまり眠くないかな。私、遅寝早起きだから。時間を無駄にしたくないしね」

 

「そっかぁ。パパがお泊まりしてた時の、諏訪子様みたい……。私には難しいや」

 

「もしお姉ちゃんがその気になればできる事だよ。と言っても全ては慣れだけどね」

 

「ほへぇ〜……すごいやぁ……ふあ〜……はふ……」

 

 周りもそんな感じの会話をしている中、1人だけモゾモゾノッソリ起きてくる者が1人。異世界への留学生、八雲茜ことマエリベリー・ハーンである。

 

「…………………………」

 

「お姉ちゃん、お顔、お顔っ!スゴイしかめっ面になってるよっ!」

 

「……………………誰?」

 

「せめて目ぇ開けてよぉ!」

 

「眠くて眠くて……ふわぁ〜〜〜〜……あぁ…………」

 

(凄い長い欠伸だ……)

 

 秘封倶楽部の活動もあって、茜は基本的に夜型になりつつある。大学の授業は基本的に1限はあまり入れておらず、そもそも遅刻という概念が無いのに等しい生活を送っているので、「朝」には必然的に弱くなる。

 

「綺愛羅……おはよぉ」

 

「おはよ、茜お姉ちゃんっ……!」

 

「……んぅ?もう大半の子が起きてるのね……」

 

「うん!ここあお姉ちゃん、シガレットお姉ちゃん帰ってきたから、そろそろ準備しよーって……!」

 

「そっか……じゃあ〜ふぁやく……ぞゅんびおぉ……」

 

(ぞゅんびお……?「準備を」って事かな?眠過ぎて呂律が回ってない?日付変わってから寝たとはいえどれだけ眠いの、茜お姉ちゃん……)

 

 その他、未だ寝ている子供が4人ほど。それぞれ小春、神愛、真宵、姫だが、他の子が着替えている中で、いち早く着替えを終えた阿弥が妹を起こす。

 

「おはよう。朝だよ、起きな」

 

「んんーっ……はぁ……おはよぉございますぅ……」

 

「ん、小春は起きたね。ほら神愛、真宵、姫!」

 

「……………………」

 

「いつから糸目キャラになったの?目ぇ開けなよ」

 

「……糸目(そう)ではない」

 

「真宵はおねむさんだよぅ〜……むにゃむにゃ……。ふわぁ……おやすみぃ……」

 

「ちょっとちょっと、乳首見えてる乳首見えてる!てかなんで普段着も寝間着もキャミソールなのさ!ルーミアみたいな服とか無いの!?」

 

「これ気に入ってるもん……はー、起きよ〜ぉ……」

 

「そういう問題なの……?ていうか姫!神愛も真宵も起きたよ、最後は姫だよ!」

 

 布団を捲るとそこには、体を丸めて、翼を器用に使い自分を包み込んでいた姫の姿があった。両翼で身体を包むその様子は、野鳥が羽や枝で巣を作ってそこで眠っているような姿にも見えた。

 

「可愛……じゃなくて!起き────」

 

「あはは!おねーちゃん、髪の毛ボッサボサー!」

 

「うわぁ急に起きるな!」

 

 姫の目覚めの良さは異常である。布団を被る事で光を遮断して眠っていた姫は、阿弥に布団を捲られ光を浴びる事で、瞬間的にパチリと目を覚ました。

 逆に言えば、光を遮断できなければしっかりした睡眠がとれないという事でもあるが……。

 

「ん〜〜〜〜っ……はぁー、よく寝た!」

 

「ああ、うん、そうね、誰より良く寝てたよ。早く着替えないと置いてかれるよ?」

 

「ふぁ〜い」

 

「阿弥は何をそんなにカリカリしてるの?」

 

 プツンッ!ときた阿弥は、その発言者たる姉を、じろりと見やり、下ネタ会議中の姉達に聞こえないように、耳元で囁くようにして怒鳴る。

 

「茜お姉ちゃんは何とも思わないワケッ!?」

 

「な、何が?」

 

「朝っぱらからエロい話をしてるお姉ちゃん達が!派閥が出来つつある現状が!茜お姉ちゃんと私は、どっちも『賢者の娘』じゃん!何か無いのかなぁ、このメチャクチャな治安というかなんというかさ、風潮というか風紀をどうにかする手は……」

 

「うぅん、気にしなくていいんじゃないかな」

 

「え……?」

 

「幻想郷は様々な勢力が乱立してるけど、それらが拮抗して、パワーバランスを担っているでしょう。それが、私達姉妹の中でも起きてるってだけだよ。エロい話が好きな子、エロに興味があるだけの子、何も知らない無知な子、聞いて聞かぬふりをする、私達のような子供。バランスは、あまり悪くないと思うけど?」

 

「……エスカルゴチルドレンは幻想郷の縮図だ、って言いたいワケ?」

 

「そう。これだけ人数が居れば、そりゃ色んな子になるよ。それにファザコンになりやすい子の傾向も最近になって分かるようになってきたしね」

 

「えっ?……ウソでしょ?」

 

「ホントだよ〜。もっと広く観察してみて♪」

 

「んぎぎっ……悔しい……もう3ヵ月も考えてるのに全く分かんないんだけど……!?」

 

「あー……やっぱり隠岐奈さんから課題出された?」

 

「っ!まさか茜お姉ちゃんも……?」

 

「うん、お母さんからの課題でね。それでつい最近やっと気付けたんだけどさ。レポート提出しても、お母さんからは『及第点ね』としか……はぁ」

 

「えぇ……。『自分の境遇と比較して推論せよ』とか意味分かんないっての……!一体何考えてんの、あの出たがりオバサンは!!」

 

「ね。キツイよね。ランダムとしか思えないのに、お母さん達は、早々にこの法則性を導き出していたみたいだよ。少なくとも、私が生まれる前からね」

 

「は!?茜お姉ちゃんは6女だよね?結構昔だけどその頃には法則性に気付いてた……ってコト!?」

 

「その頃はまだ子供の数も少なかったから、まだ、確実とは言えなかったけど────いざ自分の子で試してみたら全く予想通りだったから私達の仮説が立証されたって言ってた」

 

「お母さん達は娘を何だと思ってんの……はぁ……」

 

「ま、まぁ、この課題さえこなせば割と見える世界変わるから……。無闇矢鱈に『実験』するより少しは有効かもしれないよ」

 

「うーん。そうかぁ。じゃあ、まぁ、頑張るかあ」

 

「私は再提出するつもりだけど、阿弥も頑張って。このお泊まり会でヒント見つけちゃお」

 

「ん……そうするよ」

 

 やがて着替えを終えた子供達は、弦月姫の案内に従って揃って食堂へ。そこでレミリアに朝の挨拶を済ませ、男子達とも合流し、そのまま食事へ……。

 

「相変わらず駆翔はよく食べるね!咲夜達の料理は美味しいから、気持ちは分かるけど!見てる方が、気持ちいい!」

 

「……そーか?レイチェルの姉貴も食べるじゃん」

 

「普通だよぉ。寧ろお母様に似て少食だと思うよ。ね、お母様っ!」

 

「そ、そうね……。それより駆翔くん、いつもよりも進みが悪いように見えるんだけれど……。もしかしてお口に合わなかったかしら?」

 

「あ、いや。眠いのか、あんまり食が進まなくて」

 

「それでももう13人前は食べてるあたり流石ね」

 

「やっぱ美味しいから食欲は無くても食べれるよ。んでもそろそろお腹いっぱいかもしんないけど」

 

「そう……。あぁそこのメイド!空いたお皿を下げてもらえるかしら?」

 

「は、はいっ!」

 

 例え派閥争いが起ころうとも、それでも皆、手を取り合って生活している。というより、バランスを取る為には派閥というものがあった方がいいのかもしれないくらいだ。

 派閥など作らず、全員で仲良く手を取り合って……その方がパワーが一方に偏りすぎるかもしれない。それなら、派閥が生まれるのは当然と割り切る事でこれまで見えなかった世界が何か見えてくるのかもしれない。

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