「────で?どーして紅魔館の地下牢に、しかも私の牢屋の真ん前に異世界の
「手っ取り早いからイイじゃん。世界が完成したら消せばいいし」
「消すの!?せっかく創った世界、消すの!?」
「世界じゃないよ、消すのは入口だけだよ」
モルモーとの本気の子作りセックスを終え、俺はベッドで休むモルモーの前で世界創造を開始する。スキマ空間とまるで違う。ほぼ無限の魔力でないとこんな芸当は出来ないだろう。
「入口を消したら世界はどうなんの?消えない?」
「……?入口を消したところで世界は消えないだろ。地下牢へ続く入口を塞いでも、ココは残るだろう?何故なら『地下牢』という『枠組み』は残ってる。紅魔館が崩壊したとしても、地下牢を支える部分が無事だったなら、地下牢は無くなりやしないだろ」
「それってつまり『世界の枠組み』さえ完成すれば
『入口を消しても問題ない』……ってワケ?」
「そーそー。でも、まだ完成してないから────ちゃっちゃと天地創造しちゃおっ♡」
「きゃっ、待ってまだ心の準備がっ……」
モルモーの手を取って、ネザーポータルを模した入口に飛び込んだ。ポータルの向こうは、完全なる漆黒の世界。吸血鬼の、極めて夜目が効く眼でさえ何も視認する事が叶わない、完全な「無」の世界。
「何も見えない……っ」
「離すなよ。俺から離れたら最後、存在が消える。今のこの場において『不老不死』、『魂が主体』は何の意味も持たない。魂すら消える。完全消滅さ」
「ッ!?」
「今のこの世界は『空間』すらも無い。まだ時間の概念も存在しない。ビッグバン以前の宇宙みたいな状態なんだろうな。正確さを無視して分かりやすく言うなら、今の俺達は『虚数空間』に
「???」
「俺はこの空間の創造主だから、まだ未完成なこの空間で俺以外が存在を保つには、どういう形でも、俺に触れるしかないんだ。モルモーでさえもな」
「ちょちょ、そんな怖いコト言わないでくれる!?手ぇ繋いでるだけじゃ不安よ!!」
「んじゃ動かないで、お姫様抱っこにするから」
「ヤダ!おんぶしなさい!よじ登るから動くな!」
「おっぱいにびっくりして落としちゃうかもな」
「今更おっぱい如きで驚くあなたじゃないでしょ!何回吸って、何回揉んでるのよ、私のおっぱい!」
「ハハッ、ご尤もです」
彼女の手を引いて、背中に乗るように誘導する。むにゅんっ♡……という確かな柔らかさを感じながらポータルを離れないようにしつつも、今後の予定を話していく。
世界創造には、幻月と夢月すら10日は掛かったと聞いている。今の俺とモルモーなら、5日もあれば終わるだろうとは思うが、膨大な消費魔力といった高すぎる壁があるので、念には念を入れて幾つかの段階に分けて世界を創造しようと思う。
とりあえず急げば5日以内に終わるはずなので、余裕をもって7日で終わらせるという計画を立て、今日は0日目とし────。
◆
「はぁあ〜…………し、死ぬかと思ったわ……っ!!」
「わーお。『空間』が出来ちゃった」
モルモーの、神より極め過ぎた時間魔法を全力で使ってもらい、俺の創造った「無」に、モルモーの時間魔法で「空間」と「時間」の概念を付与した。
俺は時間魔法を極められていない。それどころか
「時間のスキップ」だけが得意という有様だった。
だからモルモーの時間魔法は必須だった。恐らく咲夜さんや弦月姫の能力でもここまでの芸当はまだ出来ない……はず。いや、咲夜さんなら或いは……?
「あはははっ、見てよモルモー、手放した石コロも消えない!光が無いからまるで見えやしないけど……投げてもキャッチできるって事は、ちゃんと『空間が存在してる』って事だからな……!」
「ふぅ……はぁ……『見てよ』って言われても私にも見えないけど……とりあえず『空間』は完成ね!」
「ああ、これが世界創造の第一歩だ」
ポータルから紅魔館の地下牢に戻る。これから、休みつつ世界についての設定をモルモーと相談するワケだが、やはり魔力の消耗が激しいらしい。
「ちょっと、頭、働かなぁい……」
「大丈夫?魔力分ける?」
「おねがぁい……」
「魔術『
今の俺は、有する魔力を全て与えてもすぐに再度満たされるのがイイ。尤も、へカーティアの信仰のおこぼれでしかないので、ハッキリ言えば今の俺はへカーティアの下位互換でしかないのだが。
しかし逆に言うなら「ヘカーティアの下位互換になれた」のだ。それは確実に俺の成長だ。
「……でもって、あの空間と俺の魂を紐付けとく事で俺の魂が消滅するまであの世界も消滅しませんと。そして俺は魂が本体の不老不死の吸血鬼というね。計算通り。カンペキ〜♪」
「どんな世界にしようかしら?とりあえず吸血鬼の世界にするのは確定だけど」
「うーん、吸血鬼だけじゃなぁ。もっと広くさぁ、なんなら『悪魔の世界』で良くない?」
「えー?エンプーサみたいなのも
「少しは欲しくない?」
「うーん……要らないと思うけどねぇ」
「じゃあ、半数以上は吸血鬼にするとして、普通の悪魔と、夢魔も
「……まぁ、半数以上が吸血鬼なら、まぁいいかな。でも普通の悪魔と夢魔の種族的区別とかは?」
「『性質』で区別しようぜ」
「ん、それ採用しましょ。任意の相手に、エッチな夢とか見せられるのが夢魔ね」
「ついでに『性欲が強い』も追加して」
「あ、イイわね。エンプーサみたいな夢魔らしいしそれ採用しようかしら」
種族
・夢魔*1────10%
・悪魔*2────30%
・
話し合った結果を一先ず紙に書き留めて、世界の概念を創造する時に見返すように、用意しておく。数字は適当だ。どうせ確率なんて、見た目通りにはいかないのが常である。レイチェルのように確率を操作できない俺達には、確率なんてそんなモンだ。
「こんな感じでどーよ?」
「『悪魔』の割合、多くない?」
「えー?そうか?」
「10、20、70くらいで良くない?」
「そんなに戦闘民族を増やしてどうする。軍事国家作るワケじゃないんだぜ?なんなら20、20、60でも構わないと思うけど。30、20、50とかさ」
「モルモーちゃんは吸血鬼至上主義なのでぇ〜」
「知ってるよ。吸血鬼が多めなんだから、種族とかこれくらいで構わないでしょ。『悪魔』の中には、堕天使っぽい容姿の個体も含んでるんだし」
「あ、それは盲点だったわ。イイわねそれっ!」
「つい最近、天使を2人、堕天させたばかりでな。それが無かったら思い付かなかったよ」
「堕天させた!?何があったのよ……」
「それについては後で話すよ」
次に定めるは「本能」。普通の生物は増える事、そして生きる事が本能とされている。だから殆どの生物は「生きる」と対極にある「死ぬ」事を恐れ、それを避ける為に生きるのが普通なのだ。
そして俺達の創造る世界に「死」は存在しない。不老不死の男女の吸血鬼が始祖なのだ、子孫達にもそうであって欲しいと願うのが普通だろう。
本能
・一つ、素直であれ
・一つ、性に奔放であれ
・一つ、美貌は永遠に保つべし
・一つ、魔法の訓練に励むべし
・一つ、神を神と呼ぶこと勿れ
「美貌、ねぇ。俺ら悪魔の外見なんて設定せずともそう簡単には変わらんと思うけどな」
「女の子には大事なコトなのっ!それより最後の、それは何なのよ?」
「見ての通りだ。俺は別に『神様』と呼ばれたくて世界を創造するワケじゃない。ただただ俺にとって都合のいい世界が欲しい、それだけだから」
「あー。近親相姦がタブーでもなんでもない世界で合法的に暴れたい、と」
「Exactly。モルモーは『神様』と呼ばれてチヤホヤされたいのか?」
「そんな願望があったら、レミリアやフラン、あとエスカルゴくんやエスカルゴくんの子供達全員に、そう命令してるわね」
「だろうね。じゃ、これでいいか?」
「いいんじゃない?」
「んじゃ可決。次、性格」
「エロいのが好き────で、良くない?元から、それだけを目的とした世界なんだし」
「それは勿論。でもそれだけじゃ足りない。こう、エロにも色々あってな。チンチンイライラする〜、みたいな要素が欲しいのよ、分かる?」
「ちんちん私に無いから知らないわよ」
「でしょうね。じゃあ俺が設定していい?」
「お〜け〜」
性格
・淫乱────100%
──────────
・メスガキ──10%
・ツンデレ──5%
・ヤンデレ──5%
・メンヘラ──5%
・その他───75%
「いや『その他75%』って!この『メスガキ』って何なのよ?これがその『チンチンイライラする』の要素なワケ?」
「そう。『メスガキ』はね、立派なジャンルの1つなんだ。割合だけで見たら10人に1人だし、決して多くはないだろう。飽きはしないし」
「……どーかしら。100万年後には飽きてるかもね」
「ねーな。この後に決める要素が『飽き』を消す。俺達の世界に『飽き』の概念は無い」
「概念設定、チートね」
「だからこそ阿弥みてーな概念を司る能力者は制限されがちなんだ。色んな要素を持つ神の隠岐奈さえ娘の阿弥の制御には骨を折ってる」
「納得」
恋夜と綺愛羅の恋愛コンビでさえ、母さんから、能力をかなり制限されている。あの2人の真の力は概念にさえ抵触するというチートで、しかもそれが阿弥クラスどころか創造神クラスだからいけない。流石は創造神である神綺の血を引く子供だ。
そんな「概念操作」を、俺とモルモーはしようとしている。尤も、俺とモルモーの概念操作が通じる対象はあくまでも「自分達の世界」だけである。
「髪の色はどーするよ」
「ランダムで良くない?」
「ん、じゃあこれでどうだ」
頭髪
・ピンク髪──40%
・金髪────20%
・紫髪────10%
・銀髪────10%
・黒髪────10%
・赤髪────5%
・その他───5%
「いや待て一番上ェ!」
「いーじゃん!いーじゃん!ピンク髪は良いの!!エロいからいいの!デビルーク三姉妹を見やがれ!母親もピンクだしデビルーク三姉妹もピンクだぞ!ToLOVEるシリーズ履修しろ!俺が買ってやる!」
「何言ってんのか分かんないけどとりあえず40%は幾ら何でも多過ぎでしょ!?」
「あぁん!?日本人の大半は黒髪だぜ!40%なんざ少ないと言えるだろうよ!」
「やーだー!モルモーちゃんがピンク髪なんだからそれでイイでしょぉ!?」
「モルモーは1人しか居ないからいいんだよッ!!オンリーワンなんだよ、既に!これからピンク髪が増えてもモルモーへの想いは変わらん!」
「じゃあ私だけ見てよ!」
「モルモーと居る時はモルモーだけを見てる、だがあの世界では他の女子も見る!それだけだ!」
「やーだーもー!この浮気男ぉ!」
「ならせめて俺達の次の世代には黒髪も混ぜよう、それでいいだろ!?」
「なら許す!」
「……ちょれ〜……」
「あ゙ァ!?」
「……。髪色の他にも、髪型とか翼とか目の色とかで差別化できるだろ?髪色とか要素の1つでしかない事柄なんだ、深く気にしちゃダメだぜ」
「むぅ……」
瞳の色
・紅色────50%
・ピンク───30%
・金色────15%
・その他───5%
「だから一番上ェ!!」
「紅色の眼はイイだろ!?俺ら悪魔のデフォが紅色なんだぜ!?妖怪だって多くが紅か金だぞ!」
「もっと個性を出しましょーよ!?」
「目の色で個性なんか要らねーよ!モルモーも軽く厨二病的なとこあるし、どうせオッドアイ量産するつもりなんだろ!?」
「うっ!?」
「オッドアイの希少性が薄れるから無し!よって、デフォの色を増やす必要性は薄い!」
「『希少性』を演出したいのね……!?」
「そう!さぁ次の項目だ!」
翼
・翼無し───20%
・2枚翼───40%
・4枚翼───20%
・6枚翼───10%
・謎の翼───10%(悪魔以外の翼)
・箇所────頭、背中、腰(ランダム)
「……」
「……」
「……いやツッコミは!?」
「今回は特に無いかなぁ」
「無いのかよ!有れよ!」
「んー、じゃあ『頭の翼』ってのは?」
「小悪魔とかそうじゃん」
「あぁ……ああいうヤツね。枚数に意味はあんの?」
「特に無し。意味なんか付与したら争いの種になるかもしれないしさ。翼が多いのが偉いとかそういう下らねぇ価値観は、俺らの世界には要らないぜ」
「それもそうね」
俺が知る中で、翼無しの悪魔はエリーや夢月などそれくらいか。阿弥はフィジカルこそ悪魔的だが、一応は半神半妖なので、悪魔とカウントはできないだろう。
そして最も重要とも言えるような項目が次だ。
ケモ耳
・無し────50%
・猫─────25%
・兎─────10%
・狐─────10%
・その他───5%
「犬耳は?」
「その他」
「えー。犬、嫌いじゃないんだけどなぁ」
「好きなのは?」
「猫かしら。気ままな所がモルモーちゃんと重なるトコロがあって好きなのよねー♡」
「じゃあいいじゃん?」
「んー……ま、それもそうね!」
生態
・子供────女児100%、男児0%
・食事────血液(必要としない)
・寿命────無し
・本体────魂(肉体は器でしかない)
・成長速度──∞(生まれた時から成体)
・外見年齢──全て本人の意思によるもの
・発情期───無し(年中発情期)
・生殖────異性・同性可、単為生殖不可
・バグ────遺伝情報による不具合の削除
・突然変異──創造主は之を是とする
・魔法────日常生活も戦いも全て魔法で処理
・衣服────露出多め(個人の趣味に任せる)
「あんまり露出が多くても、飽きるわよ?」
「俺、霊夢の腋に飽きたことないぜ」
「説得力しかないわね。てかこれ男の子は?」
「男なんざ要らねーよ。モルモーが俺以外の男ともセックスしたいってんなら別だけど」
「んー。まぁ確かに相手も悪魔だと考えれば私でも力負けする可能性がある、か。相変わらず嫉妬深いエスカルゴくん、悪魔的な独占欲ねぇ」
「褒め言葉として受け取っておくよ」
「構わないわよ」
「女の子同士で子作り出来る世界……最高じゃぁん」
「えぇ……」
「いや安心してくれ、俺も種付けに参加するから。元よりそれを目的とした世界だ」
「そうする事で、幻想郷ではこれまで通りの平穏な日常を過ごせる、と。うーん、まぁ、世界を
「だろ?」
ちなみに「突然変異」の中には先にモルモーとの会話で挙げた「オッドアイ」も含んでいる他には、
「ふたなり」も当然のように含まれている。
男は要らないが、チンコは要る。そういう事だ。そして、可愛い女の子にチンコがあるのはお得だ。
その他には白蓮のように髪の毛が2色だったり、片翼だったりなどの、先に挙げた様々な要素が
「本人の意思による外見年齢ってのは?」
「生まれた直後は赤子だけど、知能を与えることで自分の理想の年齢頃に自己成長を促すっつーこと。まぁ、ここあ&シガレットみたいなもんだよ」
「あぁ、あの2人みたいなね。それなら納得だわ。あの2人は、望んで少女────小悪魔よりも少し幼い姿なのよね?」
「そうそう」
「バグってのは?」
「人間に限らず染色体を介する生物なら起こり得る遺伝子的な問題のことだよ。それを削除、つまり、遺伝子的欠陥という概念そのものをそもそも世界に付与しない。子作りに遺伝子のやり取りを必要とは設定しないでおく」
「あー。近親相姦が本能的に避けられがちなのってこういうのもあるんだったかしら」
「うん。ある程度成長した娘が父親の匂いを嫌って父親そのものをも嫌うとかいうアレだね……はぁ」
「……エスカルゴくんは大丈夫?」
「今のところはね……」
「な、なら良かったわ……」
霊愛のアレは思春期特有のアレだったし、今では嘘のようにデレてくれているし、ノーカウントでも構わないだろう。
そして、世界の設定もいよいよ大詰め。そろそろクライマックスだ。
知能、魔法
・初期────知能高め
・知能────始祖2人の知識を分類毎に書籍化
・魔法────始祖2人の技能を分類毎に書籍化
属性
・ランダム──100%
「異論は?」
「無いわね。けど、私達の知識や技能をそれぞれに分けるだけじゃなくて書籍化するのか。随分とまぁ偏った内容になりそうね」
「時間魔法だけは除外してもいいかもな」
「そうね、私とエスカルゴくんの子供だし時間魔法覚えさせた所で通じないのはほぼ確定だし。きっと無駄よね」
「俺らの知らん所で勝手に加速とかされても困る。時間魔法だけは、そもそも概念すら与えないように注意しようかな」
「漫画みたいに『禁術』って形で、世界のどこかに保管するってのは?」
「……それ、いいかも」
「あら♡」
俺らが扱えるものを禁術扱いしておけば、まさに
「神にしか許されない」を演出できる。
世界
・地理────日本をベースに海や山、市街地など
・昼夜────
・気候────全て幻想郷と連鎖状態
・天国────死が無いので天国も無い
・地獄────死が無いので地獄も無い
・宗教────二神教(聖典:創性記)
・宇宙────
・地下────天然温泉、地下水が湧く以外普通
・果て────上下以外は博麗大結界と殆ど同質
・物理────幻想郷と殆ど同一
・願い────神殿(玉座の間)に設置されている意見箱に投書すると神が気まぐれで叶える事がある
「最後にしてヤケに投げやりになってない?」
「んなこたぁないよ。こうしないと、昼夜の演出の為には、宇宙そのものを創造する必要があるぞ?」
「地理が日本ベースなのもなぁ……」
「そっか。ごめん、ギリシャ要素も入れるか」
「そーよそーよ、私はギリシャの吸血鬼よ〜?」
「じゃあ『神殿』はまず最初に建てるか」
「そこを、あの世界での私達の拠点にしましょ♡」
「OK、とびっきり住みやすい神殿にしようか」
「世界の創造主の、愛の巣って感じにね♡」
その「愛の巣」に子孫を連れ込んで子作りすると考えると、背徳感しかない。果たして、俺のように考える者が世界にどれだけいるか。……割といるか。
「知り合いっつーか友達っつーか、セフレっつーかなんつーか……華扇って仙人がいるんだけどさ。その華扇の仙界は昼夜とかは幻想郷依存にしてるんだ。おおよそは。だからそれを参考にさせてもらった」
「天気まで幻想郷依存にする必要ある?」
「俺は晴れが好きだ。ぶっちゃけ晴れだけでいい。モルモーもそう思うだろ?」
「そりゃそうよ、雨なんか嫌いよ」
「だがそれはまだ甘いな、天気が崩れるからこそのシチュもある。────デート中に突然の大雨が。慌ててバス停に駆け込むが、バスが来るまで時間がある。ふと隣を見るとパートナーの服が濡れて肌にくっ付いて、ブラジャーが丸見えに────」
「妄想乙」
「……そんな妄想が実現するんだ、最高だろ?」
「うーん……。あっ、そうか、現代日本をモチーフにするんだっけ」
「基本的にはね。それプラスでギリシャな」
「そっかー。急にバスとか言うから混乱したけど、現代ならそうよね。……てことは電車とかも?」
「そりゃもう。『地理』の項目に書いてあるだろ?
『市街地』、これも現代日本をベースに考えてる」
「ギリシャも含めてよ?」
「ギリシャ神の襲来のせいで、今のギリシャはボロボロだ。モルモーの記憶の中のギリシャの街並みを再現してくれ。勿論、隣町みたいな扱いで隣同士にしてくれると助かる」
「インフラは繋げないとね」
「そうだな。水道関連の知識は、ヤリ小屋の建設の時に魔理沙から得てる。河童達からもね。だから、後は電気系統がしっかりしてりゃいいか。その辺も俺の知識でどうにでもなるかな」
「下水道は?」
「勿論、排泄機能は必要だよ、プレイに不可欠だ。本体が魂とはいえ肉体もあるんだから、排泄機能はデフォで備えてるぞ?生物としても必要だろうし」
「日本語OK?『下水道』って言ってるんだけど。誰がスカトロプレイについて聞いてんのよ」
「ふふ。ちゃんと聞こえてますよモルモーちゃん。勿論、そちらも整備するさ。あと、地下と言えば、天然温泉は必要だ。博麗神社の近くの温泉みたいな噴き出すタイプも悪くない」
「地下だけで1日終わりそうね」
「実際そうする予定だよ。試行錯誤しないとね」
温泉だけでなく、地下水も設置しよう。それは、雨を溜めるような地形にしておけば自然とできると思うが、まぁ、念の為だ。
そして川と海と海の生物も多少は用意するとして貝は必須だ。何故なら、貝がなくては貝ブラという文化が生まれないからだ。
「世界創造の始祖は私とエスカルゴくんの2人で、
『世界の住人』としての始祖は何人にするの?」
「3人。モルモーのお腹に居る子も含めてね」
「いや……さっきエッチしたばっかりだし、孕んだか分からないんだけど……」
「孕んでるさ。そんな気がする」
「ふーん……でも痛いのは嫌ね……」
「モルモーもあの世界と魂を紐付けて、あの世界の住人になればいい。そうすれば陣痛も何も無いよ」
「はぁ?どういう事よ?意味わかんないわ」
どうやらモルモーは、自分が体験しただけあってギリシャ神話の知識には明るいが、聖書の知識には疎いらしい。意外だと思ったが解説はしなくては。
「陣痛の由来はね、アダムとイブにまで遡るんだ。アダムとイブは禁断の果実を食って、神様によって楽園を追放された。────ここまでは分かる?」
「ええ」
「神様は、楽園から追放しただけじゃなく、2人に罰を与えたんだよ。アダムには『ご飯を食べるには汗水垂らして働かなくてはならない』と。イブには
『子供を産むには苦しまなくてはならない』という罰を与えましたとさ」
「ハァ!?私達がこんな苦しい思いをしてんのってアダムとイブのせいなの!?人間じゃない私も!?それに巻き込まれてるの!?」
「これが『原罪』ってヤツだ。恐らく『原罪』は、人間だけじゃなくて、地球上に住まう全生物に適用されるんだと思うぜ」
「うっわ最悪……」
「俺達の世界にはまだ『原罪』なんてモノは無い。そして、あの世界の創造神は俺とモルモーなんだ。あの世界の住人は産みの苦しみを知らないで育つ。だから、産めよ増やせよが気楽に行えるってワケ」
「……魂を世界に紐付けってどうやんのよ」
「知らん。感覚だね。魂が主体なんだからできる、そう思い込んで適当にフィーリングでちょちょいとどうにかするしかないだろう」
「て、テキトー過ぎる……」
「まだあの世界は『枠組み』しか出来てないんだ。そして紐付けは『枠組み』のみの今しか出来ない。今のうちに、産みの苦しみを捨て去ろうぜ」
「……それしかないわね」
そして、始祖とする俺とモルモーの子供の人数も決まった。名前も決めてしまった。
人数と名前に関しては聖書のもじりなのであまり捻りが無いと言ってしまえばそれまでだが、割と、いや、結構気に入っていたりする。
それからも更にモルモーと話し合い、俺達の子に関しては「あっちの世界の子」との扱いにするのでエスカルゴチルドレンとは完全に別枠にすることに決定した。
モルモーも、家族間の付き合いなんかはダルいと考えているので、その方が都合がいいそうだ。
◆
「ホントだ……苦しくなかったわ……っ!」
更に、モルモーはその場で自身の時を加速させ、お腹の子を成長させて────その場で出産した。戸籍というか、今のモルモーは「あちらの世界」の住人なので、こちらの世界の「原罪」が適用されず妊娠の痛みも出産の痛みも無かったそうだ。
「『原初の三女神』の1人目────マリン」
この子は当然「カイン」のもじりだ。なんとなく字を見ればわかるだろうが、「カイン→カイ→海→マリン」という流れが含まれている。
そしてこの子の種族は吸血鬼ではなく「夢魔」。夢魔の始祖となる女児である。
「次女が『ベル』、三女は『セツ』、これで始祖の3種族はコンプリート予定なのよね……!」
「痛くなくても体力は使うんだろ?」
「そーね。これはまるでヘカテー様に弾幕ごっこで5回連続でボコられるくらい疲れる」
「絶妙に分かりにくい例えをありがとう」
次女となる「ベル」は「アベル」が、「セツ」は
「セト」が元ネタだ。そもそも「セト」の別名が、その「セツ」ともされているが。
因みに、アダムとイブの子供はカインとアベルが有名だが、他にはセトという男児の他に、アズラ、ルルワ、アワンという女児の存在もある。
名有りだけでもこれだけ居るのに、名前が出ない子供も含めると、アダムとイブの子供達は、合計で何人になる事やら……。
「2人目も産むわよ」
「あいよ」
「痛くないと変な感じするわね……。この前、初めてエスカルゴくんに教えてもらった『産卵プレイ』?みたいな、あんな感じがするわ……」
「臍の緒、切るよ」
「はいはい。あ、この子は黒髪なのね」
「マリンに続いてベルも2枚翼だな」
「40%を2回連続で引く確率はそう高くは無いはずだけどね。まぁ、確率なんてこんなもんよね」
「そうかもな」
ベルの種族は「悪魔」だ。そして最後のセツは、
「吸血鬼」だという未来が確定している。これで、原初の三女神が揃うのだ。もう少し休憩したらまたモルモーと子作りセックスして、孕ませて……。
◆
そして数日後、とうとう待ち望んだ欲望まみれの世界が完成した。その日を以て、俺とモルモーは、俺達の世界に「霊幻世界」と名付けたのだった。
「────あれっ?ひょっとして尻尾もあった方がエロいのでは?いや角も必要かな!?」
「……もう、勝手にしなさいよ……」
「うーむ。もう少しでセツも生まれる予定だから、この尻尾アプデを霊幻世界に適用するのは三女神が揃って以降、かなぁ」
数日後、夢魔と悪魔にはランダムで尻尾やツノが生えるよう、世界の仕様が変更された。尚、当然のように尻尾は性感帯である。
霊幻世界の種族
種族:夢魔
性欲に優れる
戦闘力は悪魔の中では下位
デフォで《淫夢を見せる程度の能力》を有する
悪魔
性欲は普通
戦闘力も悪魔の中では普通
稀に小悪魔(最下位レベルの個体)が生まれる
稀に大悪魔(最上位レベルの個体)が生まれる
吸血鬼
性欲は多めだが夢魔以下
戦闘力や体力なども悪魔の中では上位
性欲
夢魔>吸血鬼>大悪魔=悪魔=小悪魔
戦闘力
大悪魔=吸血鬼>悪魔>夢魔>小悪魔