※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活 第2部   作:エスカルゴ・スカーレット

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Q.巫月や茜みたいな空間移動能力持ちは霊幻世界に直接アクセスできるの?
A.巫月や茜、阿弥などなどが仮に霊幻世界の存在を知ったとしても不可能です。「神としての能力」を使用して世界創世したからです。
つまり神綺、隠岐奈など「神であり空間移動能力を持つ者」ならば可能です。紫は「神の如き力」ではあるものの神ではないのでギリギリ足切りライン。



5日目:「全くもう」

 

 これは、モルモーが長女・マリンと次女・ベルの出産を終え、休憩している時のこと────。

 自分自身の肉体そのものの時間を加速させる事で同日に2人の女児を産んだモルモーは、赤ん坊達の面倒を見つつ疲れた身体を癒す為に眠りについた。そして、泣き声で起きるのは嫌だからという理由で2人にも睡眠魔法(ラリホー)を掛けて、数時間の休養とした。

 その間、俺は、霊幻世界の設計図を考える予定のハズだったのだが、とある約束を思い出して、少し紅魔館を離れる事にした。

 

 

 ◆

 

 

「遅いわよ」

 

「ん、悪い。ちょっと予定があってな」

 

「私との約束よりソッチ優先してたんだ?ふーん、そいつは結構なことね」

 

「悪かったって……」

 

「フンッ」

 

 魔法の森のヤリ部屋の中で、ベッドに座りながらそっぽを向く目の前のロリ巨乳鬼娘は、古の妖怪、賽の河原の鬼────賽鬼(さいき)愉于奈(ゆうな)である。

 スペルカードルールも無かった遥か昔の幻想郷で大暴れし、紫さんと当時の博麗の巫女に退治され、それでも殺せはせずに封印されたものの、ある者の手によってその封印が解かれ、長い時を経て、遂に現代の幻想郷に解き放たれたのだ。

 紫さんは、俺を使って愉于奈や他の2人を完全に消すつもりだったので、俺はモルモーと組み、その紫さんに与えられた任務を完遂。

 しかし、俺が愉于奈の顔を見る前にモルモーから殺されていた事もあり、その後、地獄に落とされた亡者を多数、一度に甦らせられる機会があったので愉于奈の事も地獄から俺の手で甦らせたのだった。

 俺はそんな愉于奈をレイプしてチン堕ちさせて、とりあえずの仮の住まいとして、魔法の森に建てたヤリ部屋を与えていたが、ようやく彼女の居候先が見つかったので、つい昨日、内見に行かせた。

 そう、それが昨日の事なのだ。今日は、愉于奈の答えを聞く日である。

 

「────それで?地霊殿はどうだった?」

 

「ん……ケモノ臭い、硫黄臭い以外は、あんまり文句無いかな。このヤリ部屋よりもずっと広いし♡」

 

「ケッ。狭くて悪かったな。この部屋は見た目より機能性を重視してんだわ」

 

「……嫌いじゃないよ。この狭さも」

 

「っ!?」

 

「で。結果だけど。私、今日から地霊殿に住むわ」

 

「!!」

 

 意外だった。愉于奈に選ばせるからには愉于奈は魔法の森のヤリ部屋を、ここを選ぶと────いや選んでくれる(・・・)と思っていたからだ。

 

「なに驚いた顔してんのよ」

 

「……いや」

 

「あ。分かった。あんた、なんだかんだ言って私にこの部屋、出てってほしくなかったんだ♡」

 

「っ」

 

「でも、ざぁんねぇん♡……私、地霊殿に住むから♡もう気楽に私に会えなくなっちゃうわねぇ♡」

 

 ヤバい。まるで寝盗られたかのような、他の男の味を覚えた女のように見えてしまう。分かってる、そんなのは俺の気の所為だと。だが、俺のそばから離れる女なんて存在は、あの件を除くならコイツが初めてで────。

 

「……フンッ。俺の好きな時にこのヤリ部屋を使えて結構なこった。愉于奈も、これまで色んな女の子と3Pしてきたけど、内心、嫌だったろ?」

 

「まぁ、あんたの娘との3Pはキツかったわよね。どんな心境であんたのチンコ受け入れればいいのかイマイチ分かんなくって、ろくにイケなかったし。あと、モルモーとの3Pは心臓に悪かったわねー。私を殺したヤツと私を同時に犯そうと思った理由を聞かせろって、キレそうになったわ」

 

「だからあの時、ヤケにモルモーへの乳首責めとかエグかったのか……」

 

「今更?バッカじゃないの?せめてもの仕返しよ。あんたに散々おっぱいイジられたせいで、どういう触り方をすればどんな感じ方で感じるか覚えたし」

 

「そら愉于奈ほどのロリ巨乳なんて居ねえもんな……触らないと損だ」

 

「キッモォ〜。私、こんな奴に惚れてんだ。そんな自分に引くわ」

 

「……」

 

「ま、そんなワケだからさ。私はあっちに行くわ。どうせまた会えるんだし寂しがる必要は無いわよ。お互いにさ」

 

「……ん。会いに行くよ」

 

「その時は自室に来なさいね。私、あんたの部屋に居るから」

 

「マジで?『別に俺の部屋ぁ使ってくれてもいいんだぜ』って……アレ、普通に冗談だったんだが……」

 

「は?」

 

 社交辞令的な、アレだ。流石に古の妖怪さんには社交辞令なんてモノ通じないか。愉于奈は俺の事が好きなのか嫌いなのかすら分からないから、適当に流していたのだが。

 

「いや、でも……うん、地霊殿の俺の部屋の隣、確かまだ空室だったはずだぞ。喘ぎ声がうるさいから、ゾンビフェアリーとかも誰も入居してくんねーの」

 

「っ!ち、違うから!あんたの匂いに慣れてるとかそんなんじゃなくて!あんたの部屋は地霊殿で唯一ケモノ臭くないし、慣れてる匂いだから!」

 

「でも、その代わりにイカくせェだろ?」

 

「いか……?って、何よ?」

 

「精液臭いだろ。シーツとかは毎度洗ってるがよ、壁とかに染み付いた臭いは、決して取れやしねえ。俺の部屋に拘る必要はねェだろ」

 

「……別にいいでしょ」

 

「今からでも別な部屋にしろ。さとりには、俺から口利きしといてやるからさ」

 

「いいってば……っ」

 

「愉于奈までイカ臭くなっちまうだろが」

 

「だから別にいいっての!!あんたの勝手な考え、これ以上この私に押し付けんなッ!この私を誰だと思ってんのよ!?泣く子も黙る賽鬼愉于奈様よ!?幻想郷を破壊する手前まで追い込んだ愉于奈様ッ!あんたに大人しく従ってたのだって、従ってりゃあ気持ち良くしてくれるからに過ぎないんだから!」

 

「!」

 

「私はあんたが……いや、あんたじゃなくてあんたの匂いが好きなの!だから地霊殿でもあんたの匂いが詰まってるあの部屋にした!それだけの話だから!文句あるっての!?」

 

「文句は無いぜ。俺じゃなくて匂いが好きならァ、そうだな、香水でも作ってやっか?ケモノ臭なんて秒で撃退できんぜ?」

 

「〜〜〜〜〜〜〜ッッ……このバカぁっ!!」

 

「────ッ!!」

 

 まさかのビンタ。予想なんて出来なかった。頬にモロに食らってしまい、真横に吹っ飛ばされ、壁に頭をぶつけてしまった。

 

「い……ってぇな……っ」

 

「どーして私が、あんたの無茶振りに付き合ったと思ってんの!?巫月ちゃんとの3P、モルモーとの3P、典との3P!あぁ、この前は堕天使2人との4Pだって付き合ってあげたっけねぇ!?どうしてこの私がッ!この愉于奈様がッ!好き勝手に暴れたこの私がここまであんたのワガママに振り回されてあげたと!付き合ってあげたと思ってんのよッ!?あんたの匂いなんかじゃない!あんたが!あんたのことが好きになっちゃったからでしょうっ……!?」

 

「!」

 

「なのにどうして?……どうしてあんたって男は……そーやって、いつも、私を否定するの……?」

 

「や、まさか本当に好きになってくれてるとは……」

 

「好きでもないヤツに自分から股ぁ開くような軽い女だと思ってたのかよッ!!舐められたものね!!ふざけんな!!このバカ!!あんたなんか嫌い!!死ね!二度と顔も見たくないわ!今までありがと、サヨナラ!これからは地底の鬼共とセックス三昧の逆ハーレム生活の始まりだわ!!あー、清々した!鬼のチンコってどんな感じなのかしらねー!きっと吸血鬼なんかと大違いで絶倫なんでしょーねー!!楽しみ過ぎて、今からおまんこ濡れちゃうわ!!」

 

 そう言うと、ドスドスと足を踏み鳴らして部屋を出て行こうと入口の方へ向かう愉于奈。反射的に、このままじゃダメ、喧嘩別れなんてそんなの嫌だと考えるより先に身体が動いた。

 立ち上がり、弾かれるように飛び出した俺は扉のノブに手を掛けた愉于奈を、後ろから抱き締めた。人間だったら、潰れて死んでしまうくらいの力で。愉于奈が鬼だから、何ともないだけで────。

 

「離せ!この卑屈野郎!根暗!キモイのよ!」

 

「イヤだ離さない!離したくないっ!行かないで!俺から離れないでっ!悪かった、疑ってごめん!!俺ってばてっきり、俺じゃなくて、セックスだけが好きだからここに残ってくれてたのかと思ってた!ここに居れば定期的に性欲を満たせるからって……」

 

「ええそう、あんたを利用して性欲を満たしてた、これで満足!?さっさと離しなさいよ!さもないとあんたの大事な大事なこの部屋、粉微塵になるまでブチ壊すよ!!それでもいいの!?」

 

「壊せばいい!気が済むまでブチ壊せばいい!でも離れないでくれ!ごめんなさい!それだけはっ!!それだけはやめて!俺から離れるのだけはやめて!愉于奈が俺以外の男と寝るなんて、考えただけでも吐き気がする!嫌だ、そんなの!愉于奈が好きだ!でもっ愉于奈がホントに俺の事が好きなのかもよく分からなくて、いっつも、適当にあしらうみたいな態度とってたけど!」

 

「……」

 

「俺は……俺は嬉しかったんだ!愉于奈がこの部屋を離れたくないって反応してくれたのが嬉しかった!ホントは迷惑なんかじゃなかった────確かに、たまには部屋を空けてほしいとか思っていたけど!そんなのどうでも良かった!出合茶屋に行くとか、魔界のラブホに行くとか、紅魔館とかの空き部屋、対策は幾らでもあった!この部屋じゃなくてもいいハズだったのに!俺は、どうでもいいことに無駄に拘って!愉于奈の事かなり振り回してたし、蔑ろにしてたんだっ……!」

 

「……今更、懺悔したって遅いっての。さとりと話はつけてる。今日だって、お燐やこいしと女子トークするって約束もつけてんのよ」

 

「でもっ!地底に行ったら愉于奈はっ……」

 

 ダメだ。酔った時みたいに頭が回らない。言葉に詰まりすぎて、言葉が、壊れたダムみたいに今にも溢れそうになる。何を言えばいいのか分からない。何を言ってもダメなのかもしれない。何を言うのが正解なんだ。どうして俺は失敗なんかしたんだ。

 

「……はぁ。ホンット、バカね。……もういいよ」

 

「も……い、ぃ……?」

 

「ええ。あんたの口から直接『愉于奈が好き』って聞けた。これでもう、私は満足────」

 

「おぶっ…………ッ……オ゙エ゙ッ……ゲェェッ……」

 

「……えっ!?なんで吐く……ちょっ、拭くもの!」

 

「イヤッ、だぁッ!地底に゙っ、行かないでよォっ!他のっ、男の所にッ……オ゙ッ……い、行かないでっ!頼むからっ……頼む゙っ……ゲェエエ゙ッ……」

 

「い、いや、流石に約束は守らなくちゃだしさ……。私だって鬼なんだし約束は……っていうか、地霊殿に住むってだけで、他の男とは寝ないから!!絶対!あんたじゃないし、他の異性とか興味無いから!」

 

「ほん……とっ……?」

 

「ええ本当。約束よ。私、鬼だもん。悪魔と同じく約束は守るよ。萃香は『少しくらい嘘つくかも?』なんて言ってたけどさ。私は、それはしないよ?」

 

「ゆ……ゆーな……」

 

「あーもー、涙と鼻水とゲロでメチャクチャね……。待ってなさい、タオル持ってくるから……」

 

「ぁ……タオルくらい……俺が出……」

 

「どんだけ、この部屋に住んでたと思ってんのよ。タオルくらい秒で用意できるわよ。ほら、さっさと拭きなさいよね……私もやるから」

 

「……いいよ、俺やる……愉于奈、が、汚れる……」

 

「別にいいよこれくらい。着物なんかどうせすぐに乾くのよ。鬼(わたし)が振り回してりゃあね」

 

 吐瀉物を吐き終わり、掃除も終え、俺は愉于奈に促され正座する。すると彼女は俺の前に膝をつき、幼い体躯に不似合いな程の豊満な胸で俺の顔を包み俺の背中に手を回し、抱き締めてくれた────。

 

「ほんっと、あなたはバカね……。周りからこんなに好意を向けられてるから、麻痺しちゃったんだ……。あなたの事が好きだからこそ、あなたのワガママにノッてあげてる女の子も居るのよ。完全に、心からあなたを全肯定してる子の方が少ないの。これは、憶測なんかじゃない……事実よ。ハーレム作るんならそれを忘れないで。あなたが相手からの『好意』を疑ったら、あなたの『楽園』は終焉を迎えるのよ」

 

「……ッ!」

 

「嫌味なくらい強気で居なさい。あなたにはきっとそれくらいの方が似合ってる気がする。私なんか、あなたとは3年にすら満たない付き合いだけどさ。それでも、それくらいの事は分かるよ」

 

「ゆうな……」

 

「……って、コラ。なんでチューしようとしてんのに逃げんのよ。ここでチューしたら、仲直りとしては最高に良い場面でしょ。泣ける場面でしょ?」

 

「や……今の俺、ゲロ臭いから……せめてうがいと……あと歯磨きとブレスケアとモンダミ……」

 

「ンなモンどうでもいいわよ。それすらも含めて、

『愛しいあなたの匂い』ってヤツなんだから」

 

「ゆ────」

 

 ふんわりと優しく唇が重なった。ぷにっと、唇と唇をタッチさせるかのような。風船とキスしているように感じられるくらい、全く力が篭っていない、優しいキスだった。

 

「ん……まだちょっと酸っぱい。けど、私のヨダレで上書きしてあげる♡」

 

「わっちょっ……」

 

 チュッと吸い付くような音をわざとらしく立てて頬にキスすると、そのまま俺を床の上に押し倒した愉于奈。彼女は鬼で、俺はその下位互換の吸血鬼。力では到底、勝てない。たとえ俺が吸血鬼の男で、愉于奈が女でも。そう、女でも鬼は鬼だ。力では、どう足掻いても勝てない。

 

「〜♪」

 

 愉于奈は、口の中をぐちゅぐちゅとさせている。

 両腕を押さえ付けられて、抵抗できないようにと力で封じられる。すると、今度は強く押し付ける、強烈なキス。そして、舌を強引に捩じ込んでくる。唇の門を強行突破されると、もはや抵抗する気さえ失せてしまい、歯でガードする事も忘れ、愉于奈と舌を絡ませていた。

 すると舌を伝って彼女の唾液が流れ込んでくる。胃液で酸っぱかった口内は、ドンドン彼女の唾液に染まっていく────。

 

「ぷはぁ……♡」

 

「ッ……」

 

「美味しかった?私のヨダレ♡」

 

「……美味しかった……です」

 

「ちょ、なんで敬語なのよ……」

 

「……愉于奈」

 

「うん?」

 

「好き」

 

「……でしょうね。私も好きよ。ごめん。ちょっと、素直じゃなかったかもね」

 

「そんな事……ない。寧ろ好きかも……」

 

「でも、これからはお互い腹を割って話しましょ!好きって思ったら好きって言う!分かった?」

 

「わかった、好き」

 

「ならよし、好きっ♡」

 

 並の妖怪なら圧縮されそうな程の力で抱き合い、再び唇を重ねる。舌を絡めるのは言うまでもない。

 

「あー……やっば。慣れないあなたの匂い嗅いだら、本気で濡れてきちゃった。ほら見てよ……トロトロになっちゃった♡」

 

「っ……」

 

「舐めて♡……そのままで良いから……って言う前に舐めてるしぃ……♡」

 

「ん……はぁ……んちゅっ……れる……」

 

「んっ♡ きもちぃ……♡ あっ♡ クリばっか、そんな舐めないでよぉ……♡ あん♡」

 

 その後、結局夕方まで交わり合った俺達。そして本当なら1人で地霊殿に行かせる予定だったのを、折角だからと2人で手を繋いで地霊殿へ向かった。

 そしてこの時のセックスで、愉于奈が俺の子供を孕んだかは────暫くは謎に包まれていた。

 

 

 ◆

 

 

 そしてその半日前。紅魔館の地下牢では……。

 

「おはようございまーす……朝ご飯ですよー……あれモルモーさん?珍しくまだ寝てま……あれぇっ!?も……モルモーさんが、赤ちゃんを抱えてるぅっ!?ここっこれは一体……ご、ご主人様は!?ご主人様はどこですかぁっ!?」

 

 シャロンがガチ大慌てしていた……。

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