※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活 第2部   作:エスカルゴ・スカーレット

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ヤることヤッちゃおう!〜招集〜

 

 例によって会場は紅魔館である。

 時は、互いが心置き無く本気を出せる満月の夜。通達を受けたそれぞれの家庭の子供達は決戦である満月の夜に備え日々を過ごしていた。

 そして迎えた、決戦のとき────。

 

「新しい妹達、ねぇ。クセが強そうだなぁ〜……」

 

「お姉ちゃんよかマシじゃない?お姉ちゃんなんて殆ど兎型吸血鬼でしょ、属性盛り過ぎ」

 

「それは自分でも思う。……穹、参加で良かったの?外から観察やら撮影する方が似合ってるけど」

 

「先日の一件*1でカメラ没収されていまして。私も自戒の意味を込めて、没収されてなくとも参加するつもりでしたし、今回も奮起しますとも」

 

「同じくです。私、黒星ばかりが目立ちますので」

 

 上の4姉妹こと巫月、霊愛、穹、弦月姫、参戦。

 チルドレン最強、完全無欠で、完璧な姉。極度のファザコンだけが玉に瑕だと言われているロリ兎の姿をした吸血鬼、巫月・優曇華院・スカーレット。

 その彼女を含めた多くのファザコンの姉妹に声を掛けて回った次女、博麗霊愛。最強の巫女こと博麗霊夢の娘であり半妖──人間と妖怪の架け橋となる最強の娘だ。

 本来なら、満月の夜に外に居れば月光を浴びて、吸血鬼に変貌を遂げるのだが、妹の天候操作により未だ半妖としての姿を保っている。

 3女、穹────並外れた力を持ちながら戦闘にあまり興味が無いせいで鍛える事をせず、戦闘では黒星が目立つ彼女。今回はかなり奮起している。

 4女、弦月姫──極めて強力な、時間操作という能力を持ちながらもそれを十全に活かせておらず、最強には程遠いものの、かなり強くはある。彼女の刃は、果たして霊幻チルドレンに届くのか……。

 

「デッケェ〜……おっぱい……やっばぁ……♡ あれ、ホントに妹なのか?フツーに姉ちゃんじゃね?♡」

 

「樹理愛にキンタマ踏まれるよ?」

 

「フンッ……それもまた風流だな」

 

「……私が留学してる間にいつの間にかお兄ちゃんが性に目覚めてる……?何があったの……」

 

「目覚めてはいないけど、ナニかがあったんだよ。えーと……樹理愛も、茜と同じく不参加ね?」

 

「ママがダメって……。でも裏方で頑張るねっ!」

 

「……そっか。天候操作(サポート)、頼んだよ」

 

「うんっ!」

 

 かつては「下の4兄妹」と称されていた4人だが今はあまりまとまりは無く、バラバラだ。

 長男こと魂魄妖舞は結界で隔てられた異界である冥界にて、庭師見習いとして日々を過ごしている。思春期にありがちな事だが、最近は専ら、歳の近い姉妹より兄弟と過ごす時間が増えている。

 5女の霊麗は言わずもがな。博麗神社にて日々を過ごしている。

 6女の八雲茜は、母・八雲紫の計らいにより外の世界の京都の大学に留学中だ。そこで学友の宇佐見蓮子と「秘封倶楽部」としてオカルト活動をして、楽しく過ごしている。今回のバトルには参加しても良かったものの────万全を期す為に、敢えて、参加はしていない。

 7女の東風谷樹理愛──守矢神社の跡継ぎとして半神半妖として生を受けた。とはいえ並外れた視力だとか、ほんの少ししか半妖要素は無く、殆ど神に等しい存在である。

 母の早苗は誰もが認める過保護であり、樹理愛はその庇護下に置かれている為、渋々ながらも今回も不参加らしい。とは言っても、今回に限っては尤もらしい「理由」があるのだ。普段と違い、家族間の交流にさえ、娘を送り出せない「理由」が……。

 

「時は来たれり!!今夜こそ我が子が日の目を見る日よッ!」

 

「正確には『月の目』ですわ、お嬢様。夜ですし」

 

「……ものの例えよ……」

 

「そうよ咲夜っ、ただの例えだわっ!!今夜こそ、我が魔眼が月の光を浴びッ!我が力を十二分に発揮してくれる事でしょう!見届けなさい、咲夜ッ!!お母様もねっ!!」

 

「フフッ……レーテ様の厨二病も十二分に発揮されていますわね」

 

「れっ、レーテって呼ばないで!誇り高き我が名はレイチェル・スカーレット!母を超え、父を超え!最強の吸血鬼に成る者の名よッ!!」

 

「ノリノリなお嬢様もカワイイです♡」

 

「魔力の使いすぎには注意ですよ♡」

 

「わ、分かってるってばぁっ!」

 

 紅魔館に住まう、歳の近い三姉妹。それこそが、レミリアの娘であるレイチェル・スカーレットと、小悪魔の娘である、ここあ&シガレットの双子だ。

 魔法のノウハウはパチュリーや小悪魔をはじめ、紅魔館の万全なバックアップにて鍛えられており、今のレイチェルは恐らく、ここあ&シガレットすら上回り……幻想チルドレン最強の魔法の使い手とすら言える領域に達しつつある。最も、彼女の対抗馬は双子の他には霊魔と霊子、恋夜くらいしか居ない、というのが現状なのだが……。

 

「お姉様達は相変わらずだね……。阿弥は参加するんだっけ?」

 

「あったりまえじゃぁ〜ん。私、ローテなんてのは関係も興味も無いけどさ。異世界の妹達ってだけでワクワクしちゃうからねぇ……♪」

 

「そ、そう……なんだ……」

 

「アイツらの汚い本音、ぜぇぇ〜〜〜んぶ、公衆の面前に吐き出させてあげなきゃ……♡」

 

「…………」

 

「チルドレンや人里の人間、色んなヤツらの本音を見て、聞いて、やっと悟ったんだ。女の本音って、ドギツくて、汚くって……最高に、タノシイ……♡」

 

「……緋月は参加しなくて正解かもね」

 

「うんっ!ルールも怖いし!魅玖お姉ちゃんも参加やめよう?大丈夫でも怖いもん(・・・・・・・・・)!」

 

「……巫月お姉ちゃんにも言ったら?」

 

「巫月お姉ちゃんは大丈夫っ!最強、無敵、完璧、最強、完全無欠、最強だもんっ♪」

 

「……。『最強』、3回も言ってるよ」

 

「あれ、そーだっけ!でもそれくらい最強だし!」

 

「…………そだね。ほんとに凄いや、お姉ちゃん……」

 

「おやおやぁ〜ん?おかしいねぇ〜?魅玖から黒い本音が見えそうだゾ〜♡」

 

「………………」

 

 摩多羅阿弥。表を司る権能を有する、半神半妖。賢者の1人、摩多羅隠岐奈の娘であり、ちょっぴりサイコな一面があるらしいお茶目でお転婆な娘だ。

 そんな阿弥は、異世界に住まう妹達の「本音」を観察する為に参戦する──とのこと。

 それを聞いて引いているのは、永江衣玖の娘こと永江魅玖。隠し子として生を受け、後になって父、世に紹介された「秘匿された」娘である。

 緋月・優曇華院・スカーレット、鈴仙の娘であり巫月の妹。今回は「ルール」の1つが原因で参加を見送りである。樹理愛と同じ理由だ。

 

「────腕試しにはもってこいの機会だね」

 

「ええ、本当に。こんなまたと無い機会を逃す手はありませんね。──それにしても、お兄様?本当に参加するおつもりですか?」

 

「何が言いたいワケ?」

 

「リリスの件で、僕は死にかけたワケですけども。お兄様は死の危険を感じたことが無さそうだなーと思いましてねぇ♪」

 

「──ワカッてないね虔魔。ワカッてなさすぎる。博麗霊夢という巫女を、エスカルゴ・スカーレットという悪魔を、ワカッてない」

 

「何が分からないと言うのです?知っていますよ、お2人の強さは」

 

「その気になれば、実の息子すらも殺しかけるよ。ただの修行の一環でね」

 

「────ッッ!?!?」

 

「だははははっ!霊夢さん、フツーに鬼だよなぁ!逆らったら殺られそー!」

 

「お父さんが居なきゃ死んでたって場面、これまで何回かあるからね。死にかけ回数で僕にマウントを取りたいなら、博麗神社で稽古つけてもらってから出直してね」

 

「……」

 

「……俺は参加するけど、綺愛羅は参加するなよ」

 

「言われなくてもしないよ、痛いのヤダもん」

 

「恋夜も、参加しなくてもいいのですよ?綺愛羅を守るのも兄としての務めでしょう。それに────わざわざ神綺さんを(・・・・・)危険に晒す事にもなる(・・・・・・・・・・)」

 

「そーだぜー?恋夜と綺愛羅が抜けるくれー、別に俺らにゃ関係無いね。やめとけ恋夜。未来の組長、この驪駒駆翔様に任せとけって。あと兄貴達にも」

 

「……エスカルゴチルドレンの男子はたった5人だ。5人が居て、僕だけ、逃げるワケにはいかない」

 

「戦略的撤退──という見方もありますけれど?」

 

「それは逃げだ。僕はそう思う。綺愛羅は逃げても構わない、でも僕は男として逃げられない」

 

「……や〜めとけって。……なぁ、兄貴達ィ?」

 

「ですね。────」

 

「……ガフッ……!?」

 

 時を止めた虔魔は恋夜に腹パン一発。一撃で彼を気絶させてしまった。

 今回はルールが悪い(・・・・・・)。だからこそ、こうも2人も恋夜の参加を拒絶しているのだ。有事の際を思えば恋夜は参加させられない──と。

 博麗霊魔──次男にして、トップクラスに父親に見込まれ手塩にかけて育てられている男子だ。多少なりとも雷を操る技術を持ち、防御力は無類だ。

 十六夜虔魔、兄の霊魔とは犬猿の仲だが、考えが合致した時に発揮する力は凄まじい。ムカつく程の正論マンであり、彼の発言は神経を逆撫でしがち。煽り口調が抜けないのもまた欠点である。

 そして、未来の組長こと驪駒駆翔。今は若頭だが既に組長を狙えるだけのポテンシャルはある。母が組長なだけに、超えるのが困難なのだが……。

 

「……男子って暴力的ィ〜。や〜だねぇ。ちょっとはお父さん見習えよ。……姫も参加しないでしょ?」

 

「えっ!?ひめ、さんかするよぉっ!」

 

「は?……お空さん酷い目に遭うんじゃ……」

 

「だいじょーぶっ!おねーちゃんたち、ひめのことまもってくれるもんねっ!♪」

 

「名前の通り姫プすんなし。……真宵ィ〜、あんた、姫ンこと守れるゥ?」

 

「ベストを尽くすよ〜」

 

 博麗神社での末っ子、霊子は、先日の自己紹介の通り、魔法の訓練中である。それでいて兄の霊魔と違い霊力と魔力を同時に使用できる稀有な能力者。霊魔は霊力を枯渇させてからでないと使えないのに霊子は素でどちらも扱えてしまうのだ。

 姫こと霊烏路姫は参加しないものと思われていたものの、本人の強い意志によって、参加する事に。ルーミアの娘である真宵は、主に、姫の護衛をする展開になりそうである。

 

「神愛はどうするの?私は参加するけど」

 

「────私は参加を表明した(・・・・)」

 

「そっか、バンバン神らしさ発揮しちゃいなね☆」

 

「……私も、参加したかったのですが……。兄上に、強く止められてしまいました……」

 

「えー!?妖舞お兄ちゃん、そんな事してんの!?流されちゃダメだよ小春、参加したいと思うのならしたいって言わなきゃ!」

 

「母上も、参加していいって言ってます。だけど、兄上が、どうしても嫌だと……」

 

「ひっどー!ちょっと妖舞お兄ちゃぁん!?小春も参加させたげなさいよ!!」

 

「あぁ……?幽々子さんを危険に晒す事になるから、まだダメだ。別なルールなら良かったのにな」

 

 デビリサエル・スカーレット──幻月の娘であり叔母に当たる夢月と同様、メイド服を纏っている。契約に関する恐ろしい能力を有しており、今も尚、その初見殺しは健在だ。

 稀神神愛──発言した事が大体本当の事になる。言霊を司ると言ってもいいが、制御が極めて難しいようで、最近は、過去形の文末で会話を終わらせるように心掛けているそうだ。変わるのは未来だけ。過去は変えられない。過去の事なら好きに話せる。

 西行寺小春、自殺した人間の少女の亡霊であり、エスカルゴチルドレンでは唯一の「養子」である。西行寺幽々子の養子として、白玉楼にて、魂魄家の者達と共に過ごしている。ただの人間の少女の亡霊であるが故に、強い力は持たない等身大の少女だ。兄の配慮により今回は参加は見送りとなっている。

 これも全て「ルール」のせいである。

 

「────初めまして。私はベル・スカーレット。吸血鬼エスカルゴ・スカーレット、そして、始祖の吸血鬼モルモーの間に生まれた次女です。今大会の主宰者とでも、言っておきましょう。──懐かしき紅魔館での開催、とても嬉しく思います」

 

 雲に隠れた満月をバックにして、堂々たる態度でベルが話を始める。この場にいる者は一斉に彼女を見上げる。

 

「……それでは今一度、我々霊幻チルドレンと、幻想チルドレンによる『大戦争』における制約(ルール)を、説明させて頂きましょう」

 

 

 ルール

 ・スペルカードルールは適用するもしないも自由

 ・戦意を喪失するまでの戦い

 ・幻想チルドレンAが負けたら(戦意喪失した場合)、負かした者は、幻想チルドレンAやAの母を好きに犯す事ができる

 ・同じ母での兄弟姉妹が複数人居る場合は全員を倒さなくては母親までは犯せない

 ・どちらかのチルドレンが全滅するまでの戦い

 ・殺し合いも可

 ・絶対に死なない《領域》内のみ戦闘を許可する

 ・ただし場外アウトは無しとし戦闘は続行される

 

 報酬

 ・幻想チルドレンが勝利した場合は、好きに往来している霊幻チルドレンの出入りを制限でき、宿泊ローテも現状維持

 ・霊幻チルドレン勝利した場合は、宿泊ローテは霊幻世界分が20日分追加され、往来も自由、しかも負かした子供や親を犯せる

 

 

「────改めて聞いても吐き気を催すルールね。どこまでも性欲と殺戮本能に塗(まみ)れているわ。子供に自分の、いえ、自分達の命運を任せるなんて不思議だけれど……。頑張るのよ、レーテ」

 

「うん。お母様の事も、きっちり守るからね」

 

「旦那様はNTRを嫌悪する。虔魔……はともかく、弦月姫は、私と自分の身を守る為に頑張りなさい。負けたら針串刺しの刑よ」

 

「は、はいっ……!」

 

「エスカルゴさんなら百合は許容範囲でしょうが、だからと言って、負けてやる理由はありません!」

 

「「はいっ!お母様っ!!」」

 

「────勝て。幻想郷で──私達の庭で、勝手は許さない。博麗の子供達に許されるのは勝利のみ。だから、勝て。勝ちなさい。それしか言わないわ」

 

「はいっ!」

 

「うん」

 

「僕も……お姉ちゃん達くらい活躍してみせる」

 

「魔法の見せドキってワケ♡」

 

「巫月ぃ〜……お願いだから勝ってね……!!」

 

「分かってるよ。私の事も鈴仙の事も、エスカルゴ以外には犯させやしないんだから」

 

 幻想チルドレンvs霊幻チルドレン──遂に開幕。

*1:
霊夢が里の人間と浮気していると誤ったニュースを流した、あの事件のこと。




今回は何と「殺しアリ」のバトルです。
勝利条件はただ1つ。
相手に負けを認めさせること(相手を屈服させること)。
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