※この作品はR-18です。

人生がおしまい!?   作:柊 蕾

11 / 11
お兄ちゃんが、みはりの気持ちを考えず、間違った正義感を振りかざしてしまった世界線のお話です。


【9.?話】じんせいのおしまい① ☆☆☆☆☆

「ねぇ、お兄ちゃん。今日、もみじって子に何かされなかった?」

 

ドアの前に立っていたみはりが冷たい声で俺に問いかけた。

 

「え、いや、何も……」

 

そう言いかけた所で、俺は思った。

かえでちゃんとみはりは、一応は昔から付き合いのある、仲の良い友達。

その友達の妹が困っていると知れば、みはりも、何か思うところがあるんじゃないだろうか。

もしかしたら、一緒に解決の糸口を考えてくれるかもしれない……。

 

「……?どうしたの?お兄ちゃん??」

 

みはりが何時に無く不機嫌な様子で俺に近づいて来る。

 

「あ……」

 

その雰囲気に圧倒され、一瞬、言葉に詰まってしまったが、これも、もみじのため。

そう思い勇気を振り絞った。

そして、

 

「実は……」

 

今日起きた出来事をありのまま、みはりに話した。

 

「そういう訳で、もみじとかえでちゃんを救うために、協力して欲しい」

「……」

「みはり?」

 

途中までうんうんと頷きながら、俺の話を聞いていたみはりだったが、もみじにキスをされたという話を始めた辺りから、みはりの反応が薄くなった。

何か気に障ることでも、言ってしまったんだろうか……。

そんなことを考えていると、今まで黙り込んでいたみはりがようやく口を開いた。

 

「ねぇ、お兄ちゃん」

「ん?なんだ??」

「お兄ちゃんが今まで私にしてきたこと、忘れたの?」

「え……、いや、それは……」

 

みはりの口から出た、思いがけない言葉に、俺は息を飲んだ。

同時に、体中から冷や汗が止まらなくなった。

 

「それとも、お兄ちゃんは、今まで自分がやってきたことを全部棚に上げて、私と一緒に、もみじとかえでを救えって言うの?」

「そ、それは……」

 

みはりが鬼のような形相で俺に近づいてくる。

 

「もしかして、お兄ちゃんは、私が今まで苦しんで無かったって思ってるの?」

「いやっ……」

「ねぇ、お兄ちゃん。お兄ちゃんは、私なんかよりも、あの2人の方が大事なの?」

「ちがっ……」

「何がちがうのっ!!」

 

みはりが、今までに無いくらい声を張り上げる。

 

「あ、いや……。俺は、そんなつもりじゃ……」

 

怒りを露わにするみはりに対して、俺は何も言葉を掛けることが出来ず、その場でへたり込んでしまう。

下半身からは暖かいものが漏れ出て、床がぐっしょりと濡れている。

 

するとみはりは、

 

「お兄ちゃん。服、全部脱いで」

 

冷たい声でそう言った。

 

「え、いや……」

「いいから、はやく!!」

「は、はい……」

 

みはりの気迫に圧倒され、俺は泣きながら、服を脱いだ。

すると、みはりは俺の体に手を当て、

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃんがあの子に舐められたのってここ?」

 

そう言ってアザをなぞった。

 

「え……、なんでそんな」

「いいから!答えて!!」

「う、うん」

「ふーん……、そっか、ここから……」

 

みはりが、俯きながら何かを呟く。

 

「み、みはり、お前、どうした……」

 

どうしたんだ?俺がみはりにそう声を掛けようとした瞬間、

 

グサッ

 

「へ?」

 

俺の腹部に何かが突き刺さった。

そして、数秒後、

 

「ぁぁ、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」

 

想像も絶するような痛みが全身を駆け巡り、俺はなす術も無くその場に倒れ込んだ。

 

あまりに突然の出来事に、理解が追いつかない。

……一体何が起きたんだ?

そう思い、視線を横に向けると……。

 

「少し待っててね、お兄ちゃん。お兄ちゃんの体に入った悪い菌は私が全部取り出してあげるから」

 

笑顔で俺の腹をまさぐる、みはりがいた。

 

「あ゙がっ、み、みはり……、っな、なんで……」

 

口から血を吐きながらも、俺はみはりに問いかけた。

 

するとみはりは、

 

「あの子の悪い菌が、お兄ちゃんをおかしくしちゃったから。私がお兄ちゃんを元に戻してあげようかなと思って」

 

そう言って、俺の腹から包丁を引き抜いた。

みはりが包丁を抜いた部分からは、血が噴き出し、床を真っ赤に染め上げている。

 

「今助けてあげるからね。お兄ちゃん」

 

みはりが包丁を振り上げる。

 

「や、やめっ」

 

ザクッ

 

無慈悲な音と共に、包丁が振り下ろされた。

 

「がっ゙、゙痛゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」

 

恐ろしい程の痛みが、再び全身を駆け巡った。

 

しかし、みはりはそんな俺の様子など気にも留めず、ザクザクと俺の体の中を切り裂いていった。

 

「い゙っ゙、゙ぎ゙ゃ゙っ゙、゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」

 

みはりが臓器を弄るたび、体中に痛みが走り、そんな声を上げた。

しかし、しばらくすると、何も感じなくなっていた。

その変わり、体中が凍えるほど、寒くなった。

 

「見て、お兄ちゃん。お兄ちゃんのここ、まだこんなに綺麗だよ。良かった」

 

みはりが、俺の下半身から赤い何かを取り出し、嬉しそうに抱きしめている。

しかし、もはや機能不全に陥っている俺の脳では、みはりが何を言っているのか理解出来なかった。

……、少しづつ視界が狭くなり、みはりの声も遠くなっていく。

 

そんな俺の様子を見て、みはりは、

 

「バイバイお兄ちゃん。でも、安心してね。私も、あの子も、直ぐにそっちに行くから。でも、もしかしたらあの子は、そっちに行く頃には誰か分からなくなっちゃってるかも」

 

何かを呟き、微笑んだ。

 

そして、これが俺の見た最後の光景だった。




リアルの都合で次回の更新が少し遅くなります。
楽しみにして下さっている方、大変申し訳ございません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。