「おじゃましまーす」
俺がいつものように、リビングでゲームをしていると、玄関の方から見知った声が聞こえた。
声の主は、そそくさと廊下を駆け抜け、リビングのドアを開けると、
「あ、まひろちゃん、こんにちは」
真っ先に俺の名前を口にした。
「え……、かえでちゃん?」
かえでちゃんの突然の訪問に俺は驚き、その場で固まってしまう。
みはりに助けを求めようと、視線をキッチンの方に向けるが、みはりは麦茶を入れるのに忙しく、俺の様子など、眼中に無かった。
どうすれば……
そんな事を考えていると、かえでちゃんの後ろから、ひょこっと、一人の女の子が顔を出した。
「こんにちは、まひろちゃん。お邪魔します」
笑顔でこちらに手を振る女の子。
その顔に薄らと見覚えは合ったが、イマイチ、名前が思い出せない。
「……誰?」
「えっ?」
俺はハッとなり、両手で口を塞ぐ。
思わず、考えが口に出てしまった……。
そんな俺の様子を見て、女の子は残念そうに下を向き、
「もみじだよ……、この前会ったじゃん……」
そう呟いた。
「もみじ……、あ、この前のスーパーで会った!ご、ごめん、なんか雰囲気違うから気づかなくて……」
俺は両手を振り、必死に弁明する。
しかし、もみじは、俺に忘れられたのがよっぽどショックだったのか、俯きながら、
「制服だもん……、学校帰りなの……」
そう言った
……、リビングに気まずい沈黙が流れる。
以前もそうだったが、この子と話していると変な違和感がある。
何でなんだろうか?
そんなことを思っていると、俺たちを見かねたかえでちゃんが、
「もう、仕方ないなぁ」
とため息を付き、
「ごめんね、まひろちゃん。アタシ、みはりとテスト勉強するからさ、もみじとお部屋で遊んでてくれない?」
そう言って、もみじの背中を押した。
それを聞いたもみじの顔がパアッと明るくなる。
さすが、ギャル。
雰囲気を盛り上げるのはお手の物なんだなぁ、と関心していたのも束の間、飛んでもない問題に気づく。
「お部屋って……」
今、俺の部屋にはエロゲのポスターやR指定の掛かっている漫画が沢山置いてある。
それをもみじに見られたら……。
かと言って断ったらかえでちゃんに何をされるか分からない。
「ちょ、ちょっと待ってて」
俺はスタスタと階段を駆け上がり、直ぐに部屋の中に入った。
そして、本棚をカーテンで隠し、成人向けのグッズを全て箱にしまったうえで、クローゼットの奥に投げ捨てた。
とりあえず、これで大丈夫なはず。
部屋の片付けを終えた俺は、内心ではビクビクと怯えながらも、もみじを部屋に招き入れた。
「以外と男の子っぽい部屋だね。ゲーム機とかいっぱい」
部屋に入ったもみじが、早速地雷を踏み抜いてくる。
「そ、そう?」
「うん、見たことないゲームばっかり」
男物のゲームがよっぽど珍しいのか、もみじはゴソゴソと部屋をあさり始める。
まずい……。
いくら片付けたとは言え、所詮は付け焼き刃。
ボロが出るのは時間の問題だ。
ここは何か適当な話題を振ってもみじの気をそらさなければ……。
だけど、今時の中学生って何の話をしているんだ?
「そ、そうだ、もみじはスカート嫌いなの?」
必死に考えた結果、俺は差し障りの無いファンションの話題を振ることにした。
年頃の女の子なら、この手の話に興味津々なはず……。
そんな俺の予想とは裏腹に、もみじは、
「う、うん。女の子らしい格好は……、お母さんが嫌いだから……。それに、私には似合わないし……。」
暗い顔をしながらそう答えた。
……しまった、このままじゃさっきの二の舞だ。
コミ障の俺が女の子と二人きりで気まずい雰囲気のまま一日を過ごせる訳がない。
そう考えた俺は、
「そ、そんなことないよ。もみじは普通に可愛し、きっと似合うよ!」
そんな言葉をもみじにかけた。
「か、かわ……」
普段、可愛いという言葉を聞き慣れていないのか、もみじは顔を赤く
しながらうろたえる。
そして、
「そんなことないよ……。まひろちゃんの方が可愛いよ……」
そう言って俺の手を握る。
「まひろちゃん……、本当に可愛い」
「え……、もみじ?」
もみじが俺の手をさする。
そして、
「……ちゅっ」
もみじがそっと俺の唇にキスをしてくる。
「……!!」
突然の出来事に頭が真っ白になった俺はとっさにもみじと距離を取ろうとする。
しかし、
「逃がさない」
もみじはそう呟き、俺の事を押し倒した。
「え……、ちょ……」
「ねぇ、まひろちゃん……、脱いで」
もみじが俺のスカートに手をかける。
「まっ!!」
やばい、今服を脱がされればアザが……。
そう思い、俺はもみじの手を制止しようとする。
するともみじは
「邪魔しないで、まひろちゃん!!」
とヒステリックな声をあげ、俺のみぞおちに一撃を加えた。
「う゛ぁっ……」
急所に一撃を受け、俺はスカートから手を離し、その場で悶える。
しかし、もみじはそんな俺を気に掛けること無く、無我夢中で俺のスカートを脱がせ続けた。
そして、
「まひろちゃん……、綺麗だよ」
俺はもみじにスカートを脱がされ、下着姿を晒すことになった。
もみじは、俺の体をまじまじと眺めると、
「まひろちゃん……、これ、お姉さんにやられたの?」
そう言って、体についたアザをなぞった。
「……」
みはりにやられたと口にすることが出来ず、俺は黙り込む。
すると、もみじは、
「そっか……、ねぇ、これ見て」
と呟き、制服を脱ぎ始めた。
「え、ちょ、もみじ?」
俺は思わず、もみじから目をそらす。
すると、もみじは俺の耳元に顔を近づけ、
「まひろちゃん、見て……」
と囁いた。
それを聞き、俺は恐る恐る目を開ける。
すると、そこにはー
「もみじ……、これ……」
アザだらけのもみじの体があった。